このページでは絶頂期のファーマーの前期後半にあたる1960年~62年の作品をご紹介します。
ベニー・ゴルソンとの双頭レギュラーコンボ「ジャズテット」もここで紹介します。
→アート・ファーマーのリーダー作レビュー4(準備中)
Art Farmer(tp),Curtis Fuller(tb),Benny Golson(ts),McCoy Tyner(p),Addison Farmer(b),Lex Humphries(ds)
ファーマー〜ゴルソンとは言っても、やはりゴルソンカラーに染まっていると思う。ファーマーの良さは、マリガンと組んだ時のほうが感じられる。ジャズテットは、JMやキャノンボールに匹敵するようなバンドのはずだが、何かが足りない気がして、どの盤も愛聴していない。ゴルソンカラーが濃すぎるのと、JM的な魂のこもった熱演もないかもしれない。JMはゴルソンが短期間在籍し、ゴルソン曲などの恩恵は受けたが、ゴルソンカラーには染まらなかったと思う。ファーマー版の④クリフォードは割といい。⑩キラー・ジョーという曲は、どうも好きになれない。(hand)
ファーマーのソロは素晴らしいが、全体的には普通のセッションの域を出ていない気がする。ジャズテットは賛否両論があるグループだが、良くも悪くもアレンジャー兼音楽監督であるベニーゴルソンらしさがでているので、このデビュー盤がグループの代表作として紹介されることが多いんだと思う。(しげどん)
1960.6.30
Head On Fire
おすすめ度
hand ★★★★
Art Farmer(tp), Bernard McKinney(tb), Benny Golson(ts), Duke Pearson(p), Addison Farmer(b), Lex Humphries(ds)
Art Farmer(tp),Tom McIntosh(tb),Benny Golson(ts),Cedar Walton(p),
Addison Farmer(b),Lex Humphries(ds)
ジャズテットの2作目として発表された盤。ただ、録音順では発掘盤の「ニューポート」の次の3作目となる。ファーマー〜ゴルソン以外の4人が交替している。トム・マッキントッシュ、シダー・ウォルトン、トミー・ウィリアムス、アル・ヒースとなかなかいいメンツが揃ったと思う。元々あまり目立っていないジャズテットだが、その盤の中でもこの盤は目立たない部類に入ると思うが、良く聞けば、親しみやすい内容だ。特にファーマーの④マイ・ファーニー・バレンタインは割といい。シダーのピアノがいいのだと思う。⑧ビーン・バグは、勢いがある。(hand)
洗練された感触のジャズテット作品。ゴルソン作曲のテーマもファーマーのソロもクールで知的な印象がする演奏だ。(しげどん)
安定感のあるプレイで、聴く人を選ばないアートファーマーの3管セクステットバンド。トミーウィリアムスのベースがいい味でアクセントとなっている。アルバートヒースのドラムがやや弱く全体に力不足を感じてしまう。(ショーン)
パーソネル:Art Farmer(tp),Tommy Flanagan(p),Tommy Williams(b),Albert Heath(ds)
まさに大人の味わいの円熟のトランペット。聴き込むほど味わいが深まるアート・ファーマーの最高傑作で、トランペットによ るワンホーン作品の中でも最高の作品の一つ。学生の頃友人におすすめのジャズを聞かれるとこの盤を推薦していた時期があった。(しげどん)
アート・ファーマーのマイルドなトランペットの魅力を余すところなく感じることのできる名盤。トミー・フラナガンの叙情性のあ るピアノの調べと正確なトミー・ウィリアムスのベースワークが、全体の雰囲気を創り出しており、何度でも聞きたくなる。馴 染みやすいスタンダード曲が多く、Jazz初心者にもオススメできる。(ショーン)
ファーマーの最高盤を「モダン・アート」と争う銘品。久しぶりに改めて聞いてみると、ファーマーもいいが、あまり知られぬベースのトミー・ウィリアムスがいい。盤全体を端正なものとしている。この盤のベース&ドラム(アル・ヒース)は、この時点のジャズテットのリズム隊なので、息もぴったりだ。(hand)
1960.12.20
おすすめ度
hand ★★★
Art Farmer(tp), Tom McIntosh(tb), Benny Golson(ts), Cedar Walton(p),
Tommy Williams(b), Lex Humphries(ds)
ジャズテットがなぜかジョン・ルイスの曲を演奏した盤。あの「モーニン」でブルース・マーチとかやってたゴルソンがルイス曲?という感じもあるが、後年、「ブランデンブルク協奏曲」を録音するほどのゴルソンなので、クラシカルなものも好きなのだろう。ルイス自身もアレンジャーとして参加している。①ベルは、ルイス曲?と思うほどタイトな仕上がりで、優雅なルイス曲をハードボイルドに演奏してみたかったのかもしれない。前作「ビッグ・シティ・サウンズ」から3カ月が経ったが今回は誰もメンバーが変わることがなかったのも、音がタイトになった理由ではないかと思う。ファーマーの音色もタイトでとてもいい感じだ。ただ、内容は、やや盛り上がりに欠ける気がするが、それほど悪くはない。(hand)
Art Farmer(tp),Tom McIntosh(tb),Benny Golson(ts),Cedar Walton(p),
Tommy Williams(b),Lex Humphries(ds)
ジャズテットの名盤とされるライブ。前作から5カ月後、引き続き同メンバーだ。ジャズテットが軌道に乗っていた時期なのだろう。シダー・ウォルトンがいい感じだ。ファーマーは、この盤で、トランペットだけでなく、フリューゲルホルンも吹くようになっている。マリガンともやっていた③ダーン・ザット・ドリームや⑤ラウンド・ミッドナイトなど、楽しめる選曲ではある。(hand)
演奏としての出来栄えは悪くはないのだが、ソロの出来栄えとか、全体のライブの雰囲気とかに突出した魅力がなく、平均的な作品に聴こえる。(しげどん)
1961.10.25
Argo
おすすめ度
hand ★★★☆
Art Farmer(fh), Harold Mabern(p), Tommy Williams(b), Roy McCurdy(d)
ファーマーがこの盤以降、フリューゲルホルンをメインに吹くようになる。この盤は、初の全曲フリューゲル盤だ。③木の葉の子守唄が素晴らしい。ここでも「アート」同様、トミー・ウィリアムスのベースが光っている。ハロルド・メイバーンも近年とは異なり軽やかさがある。(hand)
1962.2.28
Mercury
おすすめ度
hand ★★★☆
Art Farmer(tp,fh), Grachan Moncur III(tb), Benny Golson(ts), Harold Mabern(p), Herbie Lewis(b), Roy McCurdy(ds)
前作「バードハウス」から9カ月、またまたメンバーが大幅入れ替えとなる。グラチャン・モンカー、ハロルド・メイバーン、ハービー・ルイスにロイ・マッカーディだ。新バンドは、若手ながらまとまりもよく、聞きやすい。メンバーがハードボイルドな若手に入れ替わってたのに対して、フロントのファーマー〜ゴルソンがやや大人しめに感じてしまい、作品がややこじんまりした感じに収まってしまった印象になっている。今さら④ウィスパー・ノット?という感じもあり、それを感じないゴルソンは作編曲の才能はあっても、時代を感じるセンスは今ひとつなのかもしれない。ただ、ゴルソンのワンホーン⑥ルビー・マイ・ディアは割といい。(hand)
Art Farmer(tp,flh), Grachan Moncur Ⅲ(tb), Benny Golson(ts), Harold Mabern(p), Herbie Lewis(b), Roy McCuby(ds)
サイドメンが若返り、新しいリズムセクションで雰囲気一新の作品。ゴルソンの曲も二曲だけで、もはやゴルソンアレンジを売りにするジャズテットではなくなってきているのでここれが最終作なのも納得。(しげどん)
勢いがある。それだけでもかなりの加点。特にJAZZはノリが命的なところがあり、スタジオレコーディングではあるが、ライヴ感を上手く引き出したベニーゴルソンとアートファーマーコンビのアレンジの功かもしれない。(ショーン)
1962.8 & 9
Mercury
おすすめ度
hand ★★★
Art Farmer(fh), Ray Copeland, Rolf Ericson, Bernie Glow, Ernie Royal, Paul Serrano, Clark Terry, Snooky Young(tp), Jimmy Cleveland, Urbie Green, Tom Mitchell(tb), Paul Faulise, Tony Studd(btb), Ray Alonge, Jim Buffington, Bob Northern(frh), Danny Bank, Ray Beckenstein, Phil Bodner, Walt Levinsky, Romeo Penque, Stan Webb, Phil Woods(reeds), Barry Galbraith, Jim Hall(g), Tommy Flanagan(p), George Duvivier(b), Charli Persip(ds), Oliver Nelson(cond)
いきなりクラシックかと思ってしまうイントロから始まる。まさにこの盤はオーケストラにファーマーをフィーチャーした内容なので、そのまんまなのだが、好き嫌いは分かれる。ジャズメンはウィズ・ストリングスが好きという話はよく言われるが、これはストリングスどころかオーケストラで、オリバー・ネルソンがアレンジと指揮までしている。フィル・ウッズらの錚々たる面々が入っているが、ジャズのビッグバンドではない。私はクラシックは苦手なので、なかなか受け入れにくい内容だ。2曲目でジャズのリズム隊とビッグバンド風になって聞きやすくなるなど、クラシック臭の強弱は曲よる。ファーマー自身はフリューゲルでいいプレイをしている。(hand)
→アート・ファーマーのリーダー作レビュー4(準備中)
ジャズCD 15000枚所蔵しているモダンジャズマニアhand氏、高校生の頃からジャズにはまり40年以上聴き続けているアナログ&トラディショナル派のしげどん、元々はビートルズマニアだったのが二人に巻き込まれてジャズファンに染まったショーン氏。三人それぞれの視点でジャズを楽しく論じているページです。
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