Curtis Fuller カーティス・フラー  リーダー作CDレビュー②

このページでは1959年の途中から、活動の中断期をはさんで70年代初頭までの作品をレビューしていきます。59年~61年まではリーダー作も多いのですが、60年代後半から70年代前半までは断続的な活動になっていきます。明確な理由は不明ですが、当時をとりまく音楽状況も要因だったのではと思います。



Sliding Easy/Curtis Fuller スライディング イージー/カーティス・フラー

1959年3月12日

United Artists

おすすめ度

hand     ★★★☆

しげどん ★★★★

Curtis Fuller (tb),Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts),Tommy Flanagan(p),

Paul Chambers(b),Elvin Jones(ds),Benny Golson (tracks 1, 3, 4 & 5), Gigi Gryce (tracks 2 & 6) - arranger

フラー、モーガン&モブレーの三管による典型的なハードバップ

唯一のユナイテッド・アーチスト盤。6曲中4曲にベニー・ゴルソンがアレンジで参加。2曲はジジ・グライス。テナーはハンク・モブレーだ。ゴルソンアレンジ曲は、ゴルソンがいなくてもゴルソンハーモニーが強烈だ。リー・モーガン、フラー、モブレーのフロントは一時期のJMと同じだが、雰囲気は全く違う。(hand)

ジャケットデザインからしてとても地味なイメージなのだが、メンバーはすごい。フラー&モブレー&リー・モーガンで、ピアノはトミー・フラナガンである。アルバム単位ではアレンジを云々する向きもあろうが、ジャズはやはりソロイストの世界なので、メンバーの個性が味わえるこのような作品は好きだ。私はモブレーが好きなので彼を味わえるオーソドックスなジャズとしてとても好きなテイストだが、各メンバーのソロがもっと白熱していれば名盤化したかもしれない。(しげどん)



Imagination/Curtis Fuller  イマジネイション/カーティス・フラー

1959年12月17日

Savoy

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん  ★★★

Curtis Fuller(tb, arr),Benny Golson(ts),Thad Jones (tp),McCoy Tyner(p),Jimmy Garrison(b),Dave Bailey(ds)

カーティス・フラーの作編曲が前面に出た三管編成

サボイに戻り、サド・ジョーンズ、ゴルソンとの3管。ゴルソン・ハーモニーはなく、サボイ的なフリー・ブローイングな感じがかえっていい感じだ。フラーはアレンジが強力な曲だと吹き方が控え目になる気がするので、思い切り吹いたほうが、聞いていて気持ちいい。ゴルソンのソロも悪くない。若きマッコイ・タイナーが参加し、ハードバップなピアノを弾いていて、ソロになるとバカテクをアピールする(笑)。サボイらしい超ダサいジャケだ。(hand)

カーティス・フラーの作曲を中心としているので彼のリーダーらしさが出た一枚。ベニー・ゴルソンが参加しているが、ジャズテット的な要素は少なく、「カーティス・フラー・ジャズテット」の続編のようでもあるが、フラーのオリジナル中心の選曲と、参加ミュージシャンも渋めの人選なので、全体の印象はやや地味に感じる。唯一取り上げたスタンダードナンバーがアルバムタイトルになっているが、内容とはそぐわないと思う。また、このジャケイラストのレベルはひどすぎ。(しげどん)



Images/Curtis Fuller  イメージス/カーティス・フラー

 1960年6月6日&7日

SAVOY

おすすめ度

hand      ★★★

しげどん  ★★★☆

Curtis Fuller(tb),McCoy Tyner(p),Wilbur Harden(tp),Yusef Lateef(ts, fl),Lee Morgan(tp),Jimmy Garrison, Milt Hinton (b),Bobby Donaldson, Clifford Jarvis (ds)

ユーゼフ・ラティーフ参加の三管。全曲フラーオリジナルによる意欲作。マッコイ・タイナーが力演。

「イマジネーション」の次作が「イメージス」。本気かよ?という安易なタイトル付けで、どちらがどちらか分からなくなる。ただ、この盤ではゴルソンと分かれ、テナー&フルートでユゼフ・ラティーフを迎えている。キャノンボールのバンドはこの2年後にユゼフの加入で急にオリエンタルな雰囲気に変わったが、ここでのユゼフはソロは個性的ではあるが、バンドカラーを塗り変えるまでは強烈に個性を発揮していない。コルトレーンとの共演で知られるウィルバー・ハーデンがモーガンとともに参加している。タイナーのピアノはいい。(hand)

全曲がフラーのオリジナルで、音楽監督としてバンドを仕切ろうというやる気満々の一枚。ユーゼフ・ラティーフが入った三管で、彼は後年のようなどろどろした個性はまだないが、フルートの味でかなり違ったイメージの一枚になっている。マッコイ・タイナーのソロ部分はかなり時代を先取りした新しさも感じる。フラー氏が仕切っているという明確な方向性はあまり感じないが、全体的には悪くない。ジャケットデザインはサボイらしい古臭いダサいデザインで、ここまでくると郷愁さえ感じる。(しげどん)



Boss of The Soul-Stream Trombone/Curtis Fuller  ボス・オブ・ザ・ソウルストリーム・トロンボーン/カーティス・フラー

1960年12月

おすすめ度

hand    ★★★★☆

しげどん  ★★★☆

ショーン  ★★★★

Curtis Fuller(tb),Freddie Hubbard(tp),Yusef Lateef(ts),Walter Bishop, Jr. (p)

Buddy Catlett(b),Stu Martin(ds)

ラティーフ、フレディとの三管は、メンバーがそれぞれの個性を発揮

ワーウィックという超マイナーレーベルからの盤。昔、聞いて、超暗いなーと思い、そのままうん十年も聞くことがなかった。改めて聞くと、意外にも掘り出し物だ。モーガンに代わりフレディ・ハバード、ユゼフは前作に引き続き、ピアノはウォルター・ビショップJr.が初共演。①チャンタイズドがアフロないい感じだ。②フルーティ、ユゼフもフレディも、そして主役フラーもいい感じだ。ベースのバディ・カトレットがいいソロをとる。調べてみると、ベイシーやクインシーなどビッグバンドで活躍した人だ。ドラムのスチュ・マーチンはクインシーのほか後年はフリー系になっていた。ラスト曲⑥ミスターLは、JM的なカッコ良さのある曲だ。ただ、少々ゴルソンっぽい(笑)。(hand)

この時期はおそらく3管のフォーマットにこだわっていたのだろう。完全なレギュラーコンボと言えるのかはわからないが、この形が当時の活動メンバーだったのかもしれない。メンバーが一新されてラーティフ、フレディ・ハバードも個性を発揮し従来作にな面白い味わいを付加している作品として充実している。引き続きメンバー構成を生かした演奏を目指しているようで、これが時代の要請だったのかもしれない。しかし、私としては編曲などにこだわらず元気いっぱいの普通のソロを聴かせてくれればと願ってしまう。昔スィング・ジャーナル・ゴールドディスクになっていたが、アナログで復刻された時はマイナーレーベル故の幻の作品だったのだ。(しげどん)

エスニカルな雰囲気を醸したカーティスフラーのオリジナル曲Chantizedから始まるこのアルバム、ユセフラティーフのフルートが、良いアクセントとなり、魅力的なものに仕上がっている。フラーはIf I Were A Bell では、マイルスデイビスを意識したようなミュートの演奏を聴かせて、多彩な曲構成となっていて楽しめる。(ショーン)



The Magnificient Trombone/Curtis Fuller  マグニフィセント・トロンボーン/カーティス・フラー

1961年2月6日,20日

Epic

おすすめ度

hand       ★★★☆

しげどん  ★★★★

Curtis Fuller(tb),Les Spann(g),Walter Bishop, Jr. (p),Buddy Catlett, Jimmy Garrison (b),Stu Martin (ds)

フラーのソロの魅力を味わえるワンホーンでのリラックスしたアルバム

珍しくギターの入ったワンホーン盤。暗いワーウィック盤に続く明るいエピック盤だ(笑)。レス・スパンのギターはブルージーではなく、軽く明るい。そのせいかリズム隊はほぼ変わらないが、元気で明るいフラーが聞かれる。好みの問題だと思うが、私はマイナー曲の多い暗い盤が好みだ。(hand)

ギター入りカルテットでのワンホーン盤。レス・スパンはフルート奏者でもあるが、ここではギターに専念。編曲にこだわらずのびのびと演じるフラーの魅力が味わえる。タイトルは力が入っているが、内容はリラックスした保守的なテイスト。でもフラーの温かみのあるトロンボーンによくマッチしている佳作だ。(しげどん)



South American Cookin’/Curtis Fuller  サウス・アメリカン・クッキン/カーティス・フラー

1961年8月23日

Epic

おすすめ度

hand       ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン  ★★★★

Curtis Fuller(tb),Zoot Sims(ts),Tommy Flanagan(p),Jymie Merritt(b),Dave Bailey(ds)

ズート・シムスとの共演はなじみのあるスタンダードをうまく料理した親しみやすい人気盤

ズートの参加と賑やかジャケで人気のエピックでの2作目。馴染みのスタンダードと滑らかなズートのテナー、そして名人フラナガンのサポートで親しみやすい盤になっていると思う。録音のせいもあると思うが、デイブ・ベイリーのドラムが張り切って聞こえる。(hand)

タイトルから想像するようなコテコテのラテン調ではなく、いい感じのオーソドックスな味わいのジャズ。冒頭の一曲はなんとズートを外してワンホーンなのだが、待ってましたと言いたい自然な形でフラーのトロンボーンが味わえる。編曲などに頼らない自然なアドリブこそ彼の魅力なのだ。いつもと変わらないズート・シムスもいい感じのリラックスした作品。ジミー・メリットのベースもメッセンジャーズのソロを思い起こさせるフィーリングがあってなかなか楽しい。(しげどん)

トミーフラナガンが良い。特に2曲目のベサメムーチョのフラーの演奏を支えるメロディアスなピアノの呼応は素晴らしい。ズートシムズのテナーソロの合いの手とは異なる表現で、曲全体の質を飛躍的に高めている。このセッションは、各曲にはボサノバ やサンバの影響があるが、アルバム全体としては、やや散漫としてトータルの表現力に欠ける。(ショーン)



Soul Trombone/Curtis Fuller  ソウル・トロンボーン/カーティス・フラー

1961年11月 15, 16 & 17日

Impulse

おすすめ度

hand  ★★★☆

Curtis Fuller(tb),Freddie Hubbard(tp),Jimmy Heath(ts),Cedar Walton (p),Jymie Merritt(b),Jimmy Cobb, G. T. Hogan(ds)

インパルス時代の硬質なハード・バップ盤

インパルスからの盤。再びフレディのトランペット、テナーはジミー・ヒースを迎える。ピアノはシダー・ウォルトン、ジミー・メリットとJMに少し近い編成。新主流派とまではいかないがややモーダルで硬質なハードバップ盤。上品なプレイの多いヒースだが、この日は比較的ワイルドなソロを聞かせる。(hand)



Cabin in The Sky/Curtis Fuller  キャビン・イン・ザ・スカイ/カーティス・フラー

1962年4月24日,25日

Impulse

おすすめ度

hand  ★

 Curtis Fuller(tb)

Strings & Orchestra

 Manny Albam - arranger, conductor

ミュージカルに題材をとったストリングス入りオーケストラ盤

インパルス第2作は、マニー・アルバムのアレンジと指揮するストリングス入りオーケストラとの共演盤。フラーのプレイはバックに合わせてソフトな吹き方で、ジャズ的な興奮度は低い。良質なムード・ミュージックだとは思うが、私は最後まで聞き通すのがつらい。フラーは、この翌年までJMでの作品はあるが、8年間の空白期間となる。理由は不明だ。(hand)



現在はSoul TromboneとCabin In The Skyの2枚は1枚にまとめたCDの形で発売しており、そちらのほうが入手は容易です。



Crankin’/Curtis Fuller  クランキン/カーティス・フラー

1971 年7月27&28日

Mainstream Records 

おすすめ度

hand  ★☆

Curtis Fuller(tb),Ramon Morris(ts),Bill Hardman(tp),Bill Washer(g),George Cables(el p),Stanley Clarke (b, el b),Lenny White (ds,perc)

70年代らしくエレピ、エレベを採用

9年ぶりのリーダー盤。レーベルはメインストリーム。内容は、バックが、エレピ、ギター、エレベにロックドラムだ。繰り返すベースパターンでグルーヴが生まれ、ブラコンに繋がるようなジャズ・ロックで、踊るのには適している。ノリノリのジャズは好きだが、踊り派ではなく鑑賞派の私としてはあまり楽しめる内容ではない。粗削りなフラーは帰ってきたものの聞く気にはならない。(hand)



Smokin’/Curtis Fuller  スモーキン/カーティス・フラー

1972年

Mainstream Records 

おすすめ度

hand  ★★

Curtis Fuller(tb),Jimmy Heath(ss, ts),Bill Hardman(tp),Ted Dunbar(g)

Cedar Walton (p, el p),Mickey Bass(b, el b),Billy Higgins(ds)

ジミー・ヒースが参加し、オーソドックス寄りになった続編

メインストリームから「クランキン」の続編だ。続編を作るということは、前作が売れたのだろう。前作よりもメンバーがジャズ寄りになり、多少は聞きやすい気がする。特にラストの⑤ステラは、?というくらいオーソドックスな演奏で逆に驚く(笑)。(hand)