キャノンボール・アダレイの死因は・・・脳梗塞ということです。 

残念ながら46歳で亡くなってしまいました。大食漢である彼は若いころから糖尿病を患っていたそうで、直接の死因は脳梗塞ということでしたが、いわゆる典型的なメタボ要因だったのでしょうね・・・

抜群のテクニックでなんでも器用にこなしてしまう彼の呼び名は、「チャーリー・パーカーの再来」から「ファンクの商人」になっていきます。いづれも彼の本質をとらえた呼び方ではありませんので、そういう言い方にとらわれず、じっくり主要作品を聴いていきましょう。後半もBest5以外のおすすめ名盤がたくさんあります。



Cannonball ADDERLEY 主要作品 ディスクガイド:リーダー作編 2   1959年~1960年

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タイトル下の日付は録音日です。  パーソネルも記載しています。


In Chicago/Cannonball Adderley  キャノンボール イン シカゴ

1959年2月2日、3日

Mercury

おすすめ度

hand★★★★

しげどん★★★★★

ショーン★★★★★

Cannonball Adderley(as)、John Coltrane(ts)、Wynton Kelly(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)

つややかなアルトに存分に酔いしれる傑作盤。コルトレーン、ウィントン・ケリーも好演。

いきなりの高速プレイが、聴く者の度肝を抜くLIMEHOUSE  BLUES。コルトレーンのテナーとキャノンボールのアルトの化学反応が凄まじい!。余韻冷めやらぬ中、次曲では一転してスローなナンバーで、こちらも先手先手を取られ、どんどん引き込まれる。間違いなく彼の最高傑作だろう。(ショーン)

私の好みはA2の「星降るアラバマ」だ。ウイントン・ケリーのイントロから、限りなく艶やかなキャノンボールのアルトが登場する瞬間がジョニー・ホッジスのように素晴らしい。キャノンボール名義ながらコルトレーンの参加を重視する向きが多いが、私はキャノンボールが最高に輝いている一枚だと思う。(しげどん)

オーソドックスなハードバップ期最後の盤。キャノンボール名義ではあるが、実質は親分マイルス抜きの肩の力の抜けたコルトレーン、ケリー達とのジャムセッション的な盤だと思う。音質はこの前後で一番いい。名盤というより楽しめる盤だと思う。(hand)



Takes Charge/Cannonball Adderley  キャノンボール テイクス チャージ/キャノンボール・アダレイ

1959年4月27日、5月12日     Riverside

おすすめ度

hand★★★★

しげどん★★★★★

ショーン★★★★★

Cannonball Adderley(as)、Wynton Kelly(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)

卓越したテクニックのアルトサックスが味わえる正統派の隠れた名作

選曲もバラエティに富んでおり、キャノンボールのアルトが存分に味わえる素晴らしい作品だ。  I Remember You. Poor Butterfly など、スタンダードもいい味出しているし、ウイントン・ケリーも彼らしいケリー節全開で、隠れた名盤と言える。(しげどん)

リズムに乗ったメロディアスで軽やかなキャノンボールが聴ける好アルバム。時に優しく、語りかけるようなプレイが随所に見られ、素晴らしい。ウィントンケリーのピアノのアシストも完璧で、1曲1曲の完成度は高い。心地良くアルバムの最後まで一気に聴ける。(ショーン)

キャノンボールやウィントン・ケリーが快調で、サンフランシスコ後なのに、ファンキーではない盤。モダン・アルトを1ホーンで楽しめる盤であり、万人にオススメできる作品だと思う。(hand)



The Cannonball Adderley Quintet In San Francisco/キャノンボール アダレイ クインテット イン サンフランシスコ

1959年10月18日、20日

Mercury

おすすめ度

hand★★★★☆

しげどん★★★★☆

ショーン★★★★★

Nat Adderley(cor)、Cannonball Adderley(as)、Bobby Timmons (p)、Sam Jones(b)、Louis Layes(ds)

代表的なヒット作。ファンキーのノリの良さを持つ上質なジャズライブ。

このレコードは学生時代から良く聴いた。ノリノリのかっこいいファンキージャズの典型。(しげどん)

サンフランシスコのジャズワークショップでの活気あるライヴの空気感が肌に伝わってくる素晴らしいアルバム。ボビーティモンズのピアノが、要所要所でいい添加剤となって、キャノンボールとナットの2人のノリノリの熱いアドリヴを引き出している。最後のドラムソロも圧巻!(ショーン)

キャノンボールのファンキー宣言盤。ファンクの卸商人とか、あまりいい意味でなく言われたキャノンボールだが、十分に上品なノリノリのジャズだと思う。おまけ曲のストレートノーチェイサーは、未発表音源集で発売されたときには、素晴らしいと思った。今、聞いても確かに良いのだが、ファンキーではない。唯一ティモンズがファンキーにしようと頑張っているが、モンク曲は簡単にはファンキーにはならない。(hand)



Them Dirty Blues/Cannonball Adderley Quintet  ゼム ダーティ ブルース キャノンボール・アダレイ

1960年2月1日

3月29日             Riverside

おすすめ度

hand        ★★★★☆

しげどん   ★★★★

ショーン   ★★★★

Nat Adderley(cor)、Cannonball Adderley(as)、Bobby Timmons(p)、Sam Jones(b)、Louis Hayes(ds)

有名曲揃いの人気盤。明るく迫力満点の仕上がり。

名曲ぞろい。久々に聞いて、名盤だと気がついた。ただ、スタジオ録音なので、ライブ的なノリノリ感は減っている。サムジョーンズのデルサッサーは、新しいビバップという感じの名曲。ティモンズがJMに帰ってしまい、バリーハリス参加の半分は、素晴らしいがファンキー度は下がる。(hand)

アルバムタイトルは DIRTY BLUESとなっているが、演奏は極めて優等生だ。でも軽く薄っぺらくはならず、しっかりとした芯の太さがあるところが、キャノンボールらしい。こういったブルースも、またボサノヴァ等もうまく自分に取り入れていくあたりに彼の器用さを感じる。(ショーン)

私の好きなティモンズのオリジナル"ダット・デア” 迫力満点だけど、キャノンボールのアルトが明るすぎて、本来の翳りがなくなってしまったようだ。ナットアダレイのミュートプレイも中々よい。(しげどん)



Cannonball Adderley and The Poll-Winnners/キャノンボール・アダレイ アンド ポール・ウィナーズ

1960年5月21日

Riverside

おすすめ度

hand        ★★★

しげどん   ★★★☆

ショーン   ★★★★☆

Cannonball Adderley(as),Victor Feldman(p),Wes Montgomery(g),Ray Brown(b),Louis Hayes(ds)

スター達はいつも通り好調のはずだが、不完全燃焼。

ポールウィナーを集めたからといって名盤ができるわけではない。キャノンボールは、いつものとおり好調だが、バンド演奏は、また別モノだ。特にウエスは、発掘してくれた恩人キャノンボールの前で控え目だ。愛聴盤にはならなそうな盤だ。(hand)

ポール・ウィナーズだから本当のオールスターメンバーなのに物足りない。レイ・ブラウン、ウエス・モンゴメリーが不調なわけではないと思うが、活躍している感じがない。この千両役者達を前面に出す選曲やアレンジに工夫がなく残念だ。(しげどん)

キャノンボールの肩の力の抜けたいい感じのアルバムである。役者も揃っていて演奏も素晴らしい優等生アルバム!いわゆるプロの仕事だが、もう一歩の驚きと感動を求めてしまうのは欲張りだろうか?(ショーン)



The Cannonball Adderley Quintet At The Lighthouse   アット ザ ライトハウス/キャノンボール・アダレイ

1960年10月16日

Riverside

おすすめ度

hand★★★★☆

しげどん★★★★☆

ショーン★★★★

Nat Adderley(cor) 、 Cannonball Adderley(as)、Victor Feldman(p)、Sam Jones(b)、Louis Hayes(ds)

オーバーファンクとは言えない端正さ。レギュラークインテットのライブの頂点。

ファンキー名盤と言われるが、それほどファンキーを感じない正統派の名盤。ヴィクター・フェルドマンのカラーがファンキー度を弱めている。この後の「イン・ニューヨーク」、「イン・ヨーロッパ」など、メンバーは多少入れ替わるが、アダレイ兄弟バンドのライブは、どれも素晴らしい内容だ。評論家たちからは、オーバーファンクなどと見下されていたが、見直して冷静に、興奮して(笑)聞ける一連の好盤が続く。(hand)

ノリノリのアルトが堪能できるライブの傑作。ビクター・フェルドマンが溶け込んでいるところが不思議。アップテンポの曲ばかりなので、ウタモノ「恋とは・・」くらいはしっとりとやって欲しかった。でも内容はイン・サンフランシスコに引けをとらないと思う。(しげどん)

勢いが感じられる演奏で、どの曲も素晴らしい。特にアルト、コルネット、ピアノが絡んでのハーモニーは完成度が高く、安心感も感じられる。ライブというより、優れたスタジオ録音のような出来だ。(ショーン)



現在販売中のアナログ再発盤のデザイン

 

ジャケット写真がなかなかいい感じです。。。

タワーレコード通販で購入可能



What is This Thing Called Soul/Cannonball Adderley  ホワット・イス・ディス・シング・コールド・ソウル/キャノンボール・アダレイ

1960年11月

Pablo Live

おすすめ度

hand   ★★★☆

Nat Adderley(cor) 、 Cannonball Adderley(as)、Victor Feldman(p)、Sam Jones(b)、Louis Hayes(ds)

1960年のヨーロッパでの演奏は、マイルスを経てさらにレベルアップしたキャノンボールが聞かれる。ヴィクター・フェルドマンが想像以上に元気に活躍している。サム・ジョーンズもベースだけでなく曲も提供して元気だ。(hand)



One For DaddyーO/Cannonball Adderley  ワン・フォー・ダディ・オー/キャノンボール・アダレイ

①~④1960年11月19日  ⑤~⑧1966年6月3日

hand     ★★★

しげどん ★★★☆

①~④Cannonball Adderley(as),Nat Adderley(cor),Victor Feldman(p),Sam Jones(b),Louis Hayes(ds)

⑤~⑧Cannonball Adderley(as),Pim Jacobs(p),Wim Overgaauw(g),Ruud Jacobs(b),Cees See(ds)

いつも通りノリノリで好調な発掘ライブ

①〜④が1960年11月19日のアムステルダム・コンセルトヘボウでの録音。いつもどおり好調だ。⑤〜⑧が1966年6月3日の同市内のシアターでの録音で、キャノンボール単独でギター入りの地元ピム・ヤコブ・カルテットとの録音で珍しい。お互い手探りなのか、オランダ人は大人しいのかファンキーさに欠ける。(hand)

前半の4曲は1960年というキャノンボールの人気絶頂期の絶好調ライブ。この4曲だけでも40分以上LPなら一枚分のボリュームだ。録音は最良とは言い難いが、こんな内容なら観客は大満足だったであろう。ビィクター・フェルドマン、サム・ジョーンズもプロらしく見せ場を作っている。66年のライブも実質的にはワンホーンと呼べるもので聴きごたえがある演奏。(しげどん)



Paris 1960/Cannonball Adderley  ライブ・イン・パリス 1960/キャノンボール・アダレイ

1960年11月25日

Fantsy

hand     ★★★★

Cannonball Adderley(as),Nat Adderley(cor),Victor Feldman(p),Sam Jones(b),Louis Hayes(ds)

今夜も好調のキャノンボール、アルトもMCも饒舌だ。繰り返し聞くにはMCはない方がいいと思うのだが、キャノンボールの趣味なのだろうか?他のミュージシャンでここまでMCが入っている人は少ないと思う。 JATPの欧州ツアーなので、曲はバンドのヒットメドレーで楽しめる。この日は、フェルドマンのピアノが絶好調で饒舌だ。⑥ワークソング は、かなり高速で熱く演奏される。(hand)




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 収録アーティスト:Cannonball Adderley 、 Miles Davis 、 John Coltrane 、 Stan Getz 、 、 Art Blakey & The Jazz Messengers 、 Oscar Peterson 、 Anita O'Day、 Bud Powell

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