ミルト・ジャクソンの主要作をレビューしています。この下におすすめ名盤BEST5を掲載しています。
おすすめ名盤以外の主要作も下記に紹介していますので、この下のリンクより参照ください。
ミルト・ジャクソン(1923-1999)は、バイブラフォン史上最大の巨人。マイナーな楽器なので、歴史的にも演奏者は少ないが、ライオネル・ハンプトンやゲイリー・バートンなどスイング時代から現代まで、有名な演奏家が誰かはいる隠れ人気楽器。以前、真夏にとあるジャズバーでボビー・ハッチャーソンがかかり、マスターに「涼しいでしょ?!」と言われ、「確かに!」と思った記憶がある(笑)。
ミルトは、ビバップ期にデビューし、ディジー・ガレスピー楽団の仲間とモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)を結成し、数々の傑作を残した。新ジ談では、あえてこのMJQを避けて、ミルトのリーダー作の中からオススメ盤を選ぶこととした。
サイドで参加したマイルスの「バグス・グルーブ」と「モダン・ジャズ・ジャイアンツ」が最高作である気もするが(笑)、見ぬふりをして、リーダー作に集中して聴いた。
フュージョン的な作品やジャム・セッション中心の後期を除外し、前期(~1969年)のミルト入魂の作品から選んだ。定番とされていて良かった盤もあるが、「ステイトメンツ」のように発掘できた盤もある。僅差で落選した「In A New Setting」もイイ盤だ。(hand)
パーソネル
Milt Jackson(Vib),Frank Wess(fl,ts),Hank Jones(p),Eddie Jones(b),Kenny Clarke(ds)
フルートの目立ち度はバイブと同じくらいなので、相性がいい!フランク・ウエスは持ち替えなのでテナーも吹くが、この盤では、フルートがいい。タイトル曲①が傑出している。13分半の長尺で、この年代にこれだけ長い演奏はあまりない。ミルトもウエスも張り切っているので、飽きることはない。②のみウエスはテナー。③落ち着いた演奏。④ミディアムテンポの明るい曲で終わる。(hand)
フランク・ウェスのフルート、テナーが冴え渡り、ミルトジャクソンのとめどなく流れ落ちるヴィヴラフォンと音色と絡まり、独自の世界観を醸す。ハンクジョーンズのピアノが、もう少し前面に出て色合いを見せれば、歴史的名盤になっていたかもしれない。ショーンもお気に入りの優良盤だ。(ショーン)
ミルトを代表する人気盤。オパスデファンクはシルバーのトリオ演奏がブルーノートにあるが、有名曲になったのはこの盤からだろう。フランク・ウエスが主役級の存在感で、フルートのせいか曲名ほどファンキーな感じはしない。(しげどん)
録音日、レーベル
1955年5月20日 Prestige
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん★★★★☆
ショーン★★★★☆
パーソネル
Milt Jackson(vib),Horace Silver(p),Percy Hearth(b),Connie Kay(ds)
理想的なバイブカルテット。くつろいでいてもブルージーな盤。ミルト・ジャクソン・カルテットとモダン・ジャズ・カルテット、同じ楽器編成で、どちらもMJQで、しかも、ピアノがジョン・ルイスからホレス・シルバーに変わっただけで3人が共通。評論家たちは、ミルトはMJQを離れると、ソウルフルでブルージーな演奏を展開するとよく書いているが、そうとも思えない。シルバーも、ファンキーと言われるが、ここでは端正なピアノを弾いている。後は、MJQではないというメンバーの心持ちがリラックスした好盤を生んだと考えるしかない。(hand)
ミルト・ジャクソンのソロの名人芸がリラックスして堪能できる好盤。MJQからピアノがホレスシルバーに変わっただけで一遍にオーソドックスなジャズになる。(しげどん)
ゆったりとしたアダルトな演奏で、落ち着いて聴ける。ホレスシルヴァーのピアノも出過ぎず、ミルトジャクソンを支えており、まとまりのある演奏ばかりだ。(ショーン)
パーソネル
Milt Jackson(Vib),Frank Wess,Bobby Jasper(fl),Tommy Flanagan,Hank Jones(p),Kenny Burrell(g),Percy Heath(b),Art Taylor(ds)
カッコいいベースラインに引き寄せられるようにピアノが加わり、そしてフルートとヴァイブラフォンのアンサンブルに酔いしれたところでギターも参入、1曲目から素晴らしい出来のBag's New Groove。フルートとギターを効果的に使った、ジャズの領域を超えた完成度の高いアルバム。新鮮感のある心地良い音の波に没入できる名盤だ。(ショーン)
くつろぎがあり、また聞こうと思える盤。全体に、ジャジー&ブルージーな好盤。全7曲中、最初と最後のフルートがケリー・ブルーで活躍したボビー・ジャスパー、真ん中5曲がオパス・デ・ジャズで活躍したフランク・ウエス。冒頭のバグス・ニュー・グルーヴと名付けられた気合の入った新曲はカッコいい。ミルトだけでなく、各ソロイストが活躍する。全体にケニー・バレルのギターソロのノリがいい。⑤アーニー・ウィルキンスのジャジーないい曲。クインシー・ジョーンズも取り上げている。⑦ラストのジャスパーもいい。(hand)
メンバーは一流揃いでソロの出来栄えも素晴らしいがフルートが前面に出ると上品にまとまりすぎた感じがある。(しげどん)
※ピアノとフルートは最初と最後がボビー・ジャスパーとトミー・フラナガン、真ん中5曲がフランク・ウエスとハンク・ジョーンズ
パーソネル:A面 (1~3) Milt Jackson(vib),Ronnie Peters(as),Frank Foster(ts),Sahib Shihab(bs),Joe Newman(tp),Jimmy Cleveland(tb),Horace Silver(p),Percy Heath(b),Art Blakey(ds)
B面(4~7)Milt Jackson(vib),Lucky Thompson(ts),Joe Newman(tp),Horace Silver(p),Oscar Pettiford(b),Art Blakey(ds)
ジャズ聴き始めた頃から聞いている名盤。とにかく力強くミルトジャクソンのノリのよい至高のアドリブが聴ける。アナログだとA面B面で編成が変わるが、アルバムとしては統一感がある。改めて聴いても魅力を感じる名盤であった・・・(しげどん)
前半は、心地良いスイング感と勢いが快適なアルバムだ。アートブレイキーらしいパワーのあるドラミングのもと、ミルトジャクソンも軽やかにヴィブラしている。私ショーンは3曲目のheartstrings の慕情感が、たまらなく魅力的で大好きだ。4曲目以降は、メンバーも変わって、ブルージーで落ち着いた雰囲気となり、正に「SOULてんこ盛り」だ。クインシージョーンズの全体構成のアレンジメントが光る。(ショーン)
ソウルたっぷりというより、ファンキージャズ。演奏は素晴らしいが、キラーチューンがないのが残念なところ。ミルトという人は、アドリブ名人ではあるが、バンドリーダーや作品のプロデュースはあまり得意ではないと思う。(hand)
録音日、レーベル
1961年12月14日
Impulse
おすすめ度
hand ★★★★☆
しげどん★★★☆
ショーン★★★★★
パーソネル:Milt Jackson(vib),Hank Jones(p),Paul Chambers(b),Connie Kay(ds)
ミルトジャクソンのヴァイブラフォンをしっかりと堪能できる素晴らしい盤だ。特にベースのポールチェンバースが良い!ピアノのハンクジョーンズも控えめながらにポイントを押さえており、こういったシンプルな楽器構成こそが、ヴァイブの魅力を最大限に発揮できると思う。2曲目のバラードSlowlyなど、ショーンは大好きだ!ミルトビギナーでも違和感なく共感できると思われる優良盤、太鼓判!(ショーン)
隠れたる名作かもしれない。改めてちゃんと聞いてミルト(笑)、充実した内容だ。ピアノ、ベース、ドラムから始まる快調なイントロが何かを予感させ、続くミルトのソロが充実してるのが伝わってくる。バラードもアップテンポの曲も、全体にいい出来だ。コニー・ケイもMJQ時よりも元気がある。ハンク・ジョーンズ、チェンバースが手堅くサイドを務める。(hand)
リズムセクションが元気一杯過ぎて全体のバランスを崩している感じがする。同じカルテットの55年のプレスティジ盤に比べ、コニー・ケイは元気一杯だし、ポール・チェンバースは特に存在感を発揮し、ミルトが押され気味だ。(しげどん)
ミルト・ジャクソンの主要作をレビューしています。この下におすすめ名盤BEST5を掲載しています。
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