Bud Powell CDレビュー  サイド参加作

バド・パウエルのサイド参加作をレビューしています。

特にプレスティジ盤Stitt Powell JJ は、パウエルの全作品の中でもベストにランクされる名盤です。


・新宿ジャズ談義の会 :バド・パウエル  CDレビュー 目次

リーダー作、サイド参加作、発掘盤も含めてレビューしています。下記よりクリックして参照してください。

・Bud Powell バド・パウエル おすすめBest5

・Bud Powell CDリーダー作 ①

Bud Powell CDリーダー作 ②

Bud Powell CDリーダー作 ③

・Bud Powell サイド参加作・・・このページ

Bud Powell 発掘盤(Earl Bud Powell)


The Fabulous Fats Navarro/Fats Navarro  ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ

※アナログではアメイジング・パウエルVol.1のナヴァロ入りの別テイクがこの盤に入っていたが、CDではセッション別に整理され、バド入りのセッションはない。ただし、名盤であることに変わりない。(hand)



Sonny Stitt/Bud Powell/J. J. Johnson  ソニー・スティット/バド・パウエル/J.J.ジョンソン

⑩-⑰1949年10月17日,

①-④1949年12月11日,

⑤-⑨1950年12月6日

Prestige

おすすめ度

hand ★★★★★

しげどん ★★★★★

Sonny Stitt(ts),J. J. Johnson(tb 10–17),John Lewis(p 10–17), Bud Powell (p 1–9) ,Nelson Boyd(b 10–17),Curly Russell(b 1–9),Max Roach(ds)

ソニー・スティットを迎えたカルテット演奏はビバップの傑作

①〜⑨はパウエルの初期のコンボの名盤。ソニー・スティットがパーカーに似過ぎているのでテナーを吹いていた時期の名盤。バドの管入りの初期スタジオ録音としても貴重。日本のモダンジャズの夜明け盤「幻のモカンボ・セッション」はこの演奏に影響を受けていると思う。⑩以降はJ.J.ジョンソンのセッションでピアノはジョン・ルイスなのでバドは入っていない。こちらも名演だ。(hand)

スティット最初期のリーダー作ながら、モダン・ジャズ史上の名盤で、バド・パウエルにとっても代表作の一枚とされるもの。バド・パウエルのソロも凄みがあるが、熱気あふれるスティットのソロも、勢いだけでなく完成度の高さにいつ聴いても聴き惚れてしまう。この時のスティット,パウエル,そしてプレスティジ社長ボブ・ワインストックの有名なエピソードは、油井正一さんの「ジャズの歴史物語」に詳しい。Fain & Dandy の1stテイクは凄まじく吹くスティットが次のコーラスを吹き続けようとすると、パウエルが強引にソロをかぶせてうばってしまう様子が捉えられていて、まとまりのある2nd テイクより面白く、ジャズを感じるのは実はこういう演奏なのだ。(しげどん)



Jazz at Massey Hall/Charlie Parker  ジャズ・アット・マッセイホール

1953年5月15日

Debut

おすすめ度

hand★★★★★

Dizzy Gillespie(tp),Charlie Parker(as),Bud Powell(p),Charles Mingus(b),Max Roach(ds)

世紀の大名盤!巨匠の集結ライブ

このメンバーの同時の顔合わせ盤はこれ1枚というのが意外だが事実らしい。この日のVol.2のバドのトリオ演奏は、あまりパッとしない気がするが、パーカー、ガレスピーとの共演はさすがに気合いが入っていると思う。長いソロをバドは流暢に弾きこなす。(hand)



Paris Jam Sesion/Art Blakey  パリのジャム・セッション/アート・ブレイキー

1959年12月18日

Fontana

おすすめ度

hand ★★★☆

しげどん ★★★☆

Art Blakey(ds),Lee Morgan(tp),Barney Wilen(as 1-2 only),Wayne Shorter(ts),Bud Powell(p 1-2 only),Walter Davis Jr.(p 3-4 only),Jymie Merritt(b)

JMのパリ・ライブに2曲ゲスト参加

JMのパリライブにバドとバルネが4曲中2曲にゲスト出演。バルネはアルトを吹いている。ゴルソンとティモンズが抜けて、ショーターとウォルター・デイビスが加わり1か月後の欧州ツアーだ。①異教徒、②バウンシングとバド曲が演奏されている。バドは両曲で流麗で軽快なソロをとる。この2曲はJMらしさはなく、「アメイジングVol.1」の雰囲気だ。残り2曲はJMらしい。(hand)

やはり聴きどころはバド・パウエルとバルネ・ウィランが入ったA面で、それだけでこのアルバムの価値がある。演奏的には水準作かと思う。(しげどん)



Essen Jazz Festival/Coleman Hawkins & Bud Powell  エッセン・ジャズ・フェスティバル

1960年4月2日

Black Lion

おすすめ度

hand★★★★☆

Bud Powell (p),Oscar Pettiford (b),Kenny Clarke (ds),

Coleman Hawkins(ts ⑥-⑨)

独エッセン・ジャズ祭でのライブ。後半はホーク入り。

前半5曲がベースのオスカー・ペティフォードをリーダーにしたバドのトリオ。後半4曲に大御所ホーキンスのテナーが加わる。前半のトリオ、バドは絶好調だと思う。指の動きも高速でスッキリしてドライブ感もある。ホークは悪くないがやはり少し時代が合っていない感じはする。(hand)



Mingus at Antibes/Charles Mingus  ミンガス・アット・アンティーブ

1960年7月13日

Atlantic

おすすめ度

hand★★★

Charles Mingus(b,p),Ted Curson(tp),Eric Dolphy(as,b-cl),Booker Ervin(ts),Dannie Richmond(ds),Bud Powell(p–only④)

仏アンティーブ・ジャズ祭でのミンガス5に1曲ゲスト参加

ピアノレスのミンガス5の仏アンティーブでのライブに1曲だけバドがゲスト参加。ミンガスオリジナルの中で1曲だけ、スタンダード④アイ・リメンバー・エイプリルだ。この演奏は、YouTubeで見たことがある。バドのソロがやたら長く、バドもミンガスもあまり楽しそうに見えなかった。ドルフィらは後ろで傍観していて、後半は共演している感じになるが、バドはバッキングだけになる。作品はAランクだがこの曲だけ微妙だ。(hand)



A Tribute to Cannonball/Don Byas & Bud Powell  トリビュート・トゥ・キャノンボール/ドン・バイアス

1961年12月15日

Columbia

おすすめ度

hand★★★★

Idrees Sulieman(tp ⑤-⑧),Don Byas(ts),Bud Powell(p),Pierre Michelot(b),Kenny Clarke(ds)

キャノンボールのプロデュースだが、本人が亡くなり捧げられた盤

バイアスといえばホーキンス派のテナー奏者で過去に素晴らしい録音を多々残しているが、日本ではあまり人気がない。この盤では時々、ロリンズ?と思うような元気な演奏を聞かせる。バドも好調で好盤で今後も聞いていきたい盤だ。録音は61年だがリリースされたのは79年。バドもバイアスも、プロデュースしたキャノンボールも既に亡くなり、盤を見ていない。(hand)



Americans in Europe/V.A.   アメリカンズ・イン・ヨーロッパ

1963年1月3日

Impulse

おすすめ度

hand★★★

Bud Powell(p 1-4),Jimmy Woode(b 1-4),Joe Harris(ds 1-4),Idrees Sulieman(tp 1-3),Don Byas(ts 1, 2)

Kenny Clarke(ds 5, 6),Jimmy Gourley(gr 5, 6),Lou Bennett(org 5, 6)

Herb Geller(as 7, 8),Bill Smith(cl 7, 8),Bob Carter(b 7, 8), 

独コブレンツでのオールスター・ライブ

インパルスから2枚のアナログ盤で出ていた63年1月3日ドイツのコブレンツでのオールスターライブをCD化したもの。全曲入りきらず、Vol.2からバドの入った2曲をVol.1に移し、バド参加の4曲がまとまった。ドン・バイアス、アイドリス・シュリーマンという「キャノンボールの肖像」と同メンバーなのだが、なぜかこちらのバイアスはホーキンス的なやや古臭い感じだ。キャノンボール盤のロリンズ的な感じがあまりない。シュリーマンも作品により吹き方の変わる人で、この盤では古臭い。曲はバドの得意曲ばかりだが、あまりノッている感じはしない。(hand)



Our Man in Paris/Dexter Gordon  アワ・マン・イン・パリ/デクスター・ゴードン

1963年5月23日

Blue Note

おすすめ度

hand ★★★★☆

しげどん  ★★★★

ショーン  ★★★★

Dexter Gordon(ts except⑦),Bud Powell(p),Pierre Michelot(b),Kenny Clarke(ds)

18年ぶりにデックスとパリで共演。録音はブルーノート

デックスとのデビュー当時以来の18年ぶりのパリでの共演だが、実際にはドリューの都合で代役だったらしい。ドリューの代役がバド?と今は思うが、それだけバドが凋落していたのだろう。演奏は、絶好調のデックスと、復調はしているがそこそこのバドというところだと思う。リーダーとサイドメンということもあり、デックスに寄り添って演奏しているように聞こえる。オリジナルを用意していたデックスに対し、新曲が覚えられないバドに合わせた選曲となったとされているが、盤の成功には貢献していると思う。ミシェロ、クラークの3ボスのコンビネーションはいいと思う。CDおまけのトリオ演奏⑦ライクサムワンも悪くはないくらいの感じだ。(hand)

曲はスタンダードやパーカーの名曲など、ジャズファンにはなじみのものだが、パウエルの意向に合わせたものらしい。彼はもはや新曲をやる前向きな姿勢はなくなっていたのだろう。デックスさんはいつも通りの余裕だ。後年人気を博したデクスター・ゴードン主演の映画「ラウンドミドナイトは、バド・パウエルがモデルなので、この時の2人の会合の歴史的な意味を考えると感慨もひとしお。(しげどん)

本盤は、スタンダード曲ばかりのため、デクスターゴードンの多彩な一面を見られる貴重かつ重要な盤であろう。ピアノのパド・パウエルが、デックスの秘密の引き出しから、多くの魅力を引き出してくれたことに感謝!(ショーン)

 

バド・パウエルの生涯をモデルに、デクスター・ゴードンが俳優として主演した「Round Midnight」

ハービー・ハンコックなど関係ミュージシャンも出演



Double Six of Paris/Dizzy Gillespie  ダブル・シックス・オブ・パリ/ディジー・ガレスピー

1963年7月8日

Philips

おすすめ度

hand★★★☆

Dizzy Gillespie(tp),Christiane Legrand,Claudine Barge,Eddy Louiss,Jean-Claude Briodin,Mimi Perrin,Robert Smart,Ward Swingle(vo),Lalo Schifrin(arr)

Bud Powell(p 1-8, 10, 12),Pierre Michelot(b 1-8, 10, 12),Kenny Clarke (ds 1-8, 10, 12)

Kenny Barron(p 9, 11),Chris White(b 9, 11),Rudy Collins(ds 9, 11),James Moody(ts 9, 11)

フランスの男女混声コーラスのダブル6とディジーの共演盤に参加

フランスの男女混声コーラスのダブル6。12声コーラスとするために当初はメンバー6人が多重録音したようだが、この盤ではメンバーが7人だ。ディジー・ガレスピーとの共同リーダー盤だ。バド、ミシェロ、クラークの3ボスの豪華リズム隊が支えている。バドのイントロから始まるディジーのオリジナル①エマノン。主役のコーラスのテーマに続くのはバドのソロ、次いでディジーだ。正確無比な混声コーラスでバップの有名曲を次々と料理していく。ディジーほどではないが、バドのソロも割と入っている。熱いソロではなく、場に合わせた上品なソロだ。メンバーにはミシェル・ルグランのお姉さんクリスティーヌも入っている。(hand)



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