リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
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→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり
LEE MORGAN:1938年7月10日フィラデルフィア生まれ。1972年2月18日クラブ・スラッグス出演中に内縁の妻にピストルで撃たれ死去。
クリフォード・ブラウン(tp)の交通事故死とほぼ同時期に18歳でシーンに登場した天才肌のトランぺッター。ブラウンの再来、神童とも言われた。。ディジー・ガレスピー(tp)のビッグバンドでデビューし、アート・ブレイキー(ds)のジャズ・メッセンジャースの超有名盤「モーニン」で世界的に有名になった。
そば屋の出前までが口笛で吹いていたという
超有名盤ジャズ・メッセンジャーズのモーニン
新宿ジャズ談は、今回、リーの後期のジャズ・ロック期(「サイドワインダー」が有名)を外し、前期のハードバップ期から選考した。また、前期のサイドメンとしての超有名盤過ぎる先述の「モーニン」、同じブレイキーの「サンジェルマン」、ジョン・コルトレーン(ts)の「ブルー・トレイン」は外した。推奨盤①②は全員一致で即決定したが、③④⑤は2票づつに分かれたためそのまま選考した。
リー・モーガンの主要作をレビューしています。この下におすすめCD BEST5を掲載しています。
BEST5以外の主要作もレビューしていますので、読んでください。
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タイトル下の日付は録音日です。
Lee Morgan(tp) Sonny Clark(p) Doug Watkins(b) Art Taylor(ds)
二管三管が多いモーガンなので、ワンホーンで彼のトランペットをゆったりと味わえる作品はこれだけ。それだけに期待して聴いたが最初の印象は地味だった。今回聴きなおして、これは彼のソロの最高の部分が充分に堪能できる作品であり、最高作と思えるようになった。聴くほどにモーガンのソロが味わい深く感じる滋味深い作品。ソニー・クラークのサポートも素晴らしい。(しげどん)
久しぶりに聞いて、名盤だと思った。若い頃に、モーガンの唯一のワンホーン名盤という触れ込みで聞いたときは、暗いはずのモーガンとソニー・クラークの明るい演奏に違和感を感じた。明るい曲も暗く(ジャジーに)してしまうマイルスと違い、モーガンが明るい曲を明るく演奏するのが不満だったのかもしれない。今、改めて聞くと、明るい中にも、仄暗さは感じる(笑)(hand)
A1の可愛いテーマ曲に続く2曲目「since I fell for you」とB1の「all the way」のスローなナンバーが、静かに語りかけるようで素晴らしい。ソニークラークのピアノが良い塩梅で効いていて、全くハズレ曲の無いアルバムに仕上がっている。ラスト曲「personality」の高音域での張りのある破裂音はファンタスティック!(ショーン)
1957年3月24日 Blue Note
おすすめ度
hand★★★★★
しげどん★★★★★
ショーン★★★★★
Lee Morgan(tp) Gigi Gryce(as,fl) Benny Golson(ts) Wynton Kelly(p) Paul Chambers(b) Charie Persip(ds)
モーガンのフレーズは天衣無縫で自由な印象を与えるが、しっかりとリズムに乗っていて本当に心地良い。Hasaan's Dreamはフルートとアルトサックスのグライスとモーガンがとにかく素晴らしく、独特の雰囲気を醸し出し素晴らしい曲に仕上げている。I remember Cliffordが泣かせる。天才の夭折を偲び、これまた同じく若くしてこの世を去るモーガンが吹いているという因果と切なさ。絶対的名盤だ。(ショーン)
一見ゴルソンのアレンジに多くを負っているように見えるが、何といっても素晴らしいのはモーガンの陰影あるトランペット。哀愁が全開で漂っていて味わい深い。一般的にはI remember Cliffordの歴史的な初演としてその哀感が買われているが、私は冒頭のHasaan'sの物語性のあるモーガンのソロが大好きで、「ブリリアント」なだけではなく、実は「陰影のある」モーガンだったことを最初に気づかせてくれた永遠の名演。(しげどん)
初めてHasaan's Dream を聞いたとき、アラビア風ゴルソンハーモニーのに違和感を感じたが、今はモーガンの安定感のあるソロを楽しめるようになった。グライスの艶のないアルトも悪くなく、ゴルソンの垂れ流し的なソロも嫌いではない。ケリーはまだケリー臭が弱い。I remember Cliffordがこの盤を名盤に押し上げている。(hand)
Lee Morgan(tp) Jackie McLean(as) Bobby Timmons(p) Paul Chambers(b) Art Blakey(ds)
VeeJay盤に挟まれたBN盤。なぜかイイ。カル・マッセイのオリジナルから名盤の予感。名盤は、冒頭の空気感が違う。マッセイはコルトレーンのデビュー盤の冒頭のアフリカっぽい不気味曲の作曲者。自身のリーダー盤は、キャンディドに1枚だけのトランペッター&コンポーザー。ミュージシャンズ・ミュージシャンなのだろう。名盤「クール・ストラッティン」の空気を感じる。(hand)
モーガンとマクリーンという二つの個性のぶつかり合いが楽しめるジャズらしさ全開の一枚。ベニー・ゴルソンのアレンジの束縛から離れて自由にアドリブするモーガン。それに応じて熱演するマクリーン。2人のソロが充分に堪能できる傑作。他流試合でも主役級の活躍をしてしまうのがマクリーン。丁々発止で互角に勝負を挑めるマクリーンの個性はやはりすごい。(しげどん)
ゆったりとしたジャズで始まる当アルバムだが、変則リズム、独特の雰囲気のアレンジが効いた面白い曲が多く、モーガンは曲の意図を理解して、見事に世界観を拡げる役割を果たしている。ブレイキーの乾いたドラムに煽られるように、モーガンは斬新なフレーズで、お喋りしているように応えている。ピアノとアルトがもう少し前に出たほうがもっと素晴らしかった。(ショーン)
Lee Morgan(tp) Pepper Adams(bs) Bobby Timmons(p) Paul Chambers(b) Philly Joe Jones(ds)
「チュニジアの夜」を筆頭にどの曲も澱みなく炸裂し続けるリー・モーガンのアトリブの素晴らしさばかりが光輝くアルバム。モーガンについて行こうと頑張るピアノとバリトンサックスだが、トランペットが、目立ちすぎてなんとも。。文句なしのA評価としたい。(ショーン)
チュニジア。ゴルソンから離れて、アレンジから解放されてスッキリした気がする。2管の違いが際立っている。ティモンズも、ただファンキーなだけでなく学究的な雰囲気のソロをとる。フィリーも、ただ暴れるのではなく、サトルなドラムを心がけている。ラバーマンはバラードでなくミドルテンポで演奏。バリトンサックスも、タイトに演奏している。悪くない。(hand)
この作品からベニー・ゴルソンが離脱。アレンジの呪縛が解かれ、スタンダードと彼自身のオリジナルを素材によりジャズらしい奔放なモーガンが聴かれる。ペッパーアダムスとの顔合わせもおもしろい。(しげどん)
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タイトル下の日付は録音日です。
Vee Jay Lee Morgan(tp) Clifford Jordan(ts) Wynton Kelly(p) Art Blakey(ds)
モーガン作曲のA①②ともテーマフレーズも明快な良い曲だが、やはり高音域アドリブプレイでのファルセット感のあるモーガンの音色は艶と色気を感じる素晴らしい。B①のクリフジョーダンの後にモーガンがソロに入る瞬間は何度聴いても新鮮!最後のA③の別テイクも好演だ。(ショーン)
シンプルなハード・バップであり、オールスターキャストの個性を楽しめる作品。ブルーノートの諸作はアレンジャーの個性とか、やや作り込み過ぎで、ソロイストのモーガンが前面に出ていないきらいがあったが、この作品はケリー、チェンバース、ブレイキーといった千両役者が「らしさ」全開の自然なノリ。陰影があるモーガンにしてはミュートがやや大味な感じがする。(しげどん)
BNのプロデュースの呪縛から解放され、急に確立したミュージシャンになった感のある作品。ただ、クリフ・ジョーダンの演奏が荒い気がする。(hand)B-
1959年4月15日 Blue Note
※続編というべき「meet you at the jazz corner of the world」もあり、こちらも2枚組。間違えませんように・・・
おすすめ度
hand★★★★☆
しげどん★★★★★
ショーン★★★★★
Lee Morgan(tp) Hank Mobley(ts) Bobby Timmons(p) Jimmy Merritt(b) Art Blakey(ds)
このライブは演奏の質ではサンジェルマンを超えるJM最高作だと思う。JMのライブはやたらとあるので、この2枚組まで手が伸びず、しかもモーニンのような当時のヒット曲が入っていないので見過ごされてきたんだと思う。JMこのメンバーでの唯一の作品だし、ゴルソンやショーターよりモブレーが好きな私好みの作品だ。もちろんリーモーガンも出色の出来栄え。(しげどん)
モブレーとモーガンが相性よく共演した隠れ名盤。バードランド、ボヘミア、サン=ジェルマンなどブレイキーのライブ名盤の陰に隠れ、あまり聞かれていないと思う。2枚組だし!お腹一杯でここまで到達する人は少ないはず。あえて今、おススメしたい!(hand)
Hip Sippy Blues、モブレーのノリの良いソロ、モーガンのつんざくメロディラインで完成度が高い。JUSTICE、ドラムに続き、鉄人28号登場シーンの様に、ジャズの巨人が近づいて来る不気味な感じが期待感を抱かせる。2枚組なのに、あっという間に聞き終わってしまう魅力盤(ショーン)
クラブ・スラッグスでの射殺事件に関しては、日本語のライナーなどでも多く触れられており、様々に語られています。射殺した犯人はヘレンというリー・モーガンより14歳年上の内縁の妻ですが、前後の経緯を知る絶好の資料が、映画「私が殺したリー・モーガン」として、2017年年末から2018年にかけて公開されました。
映画公開は終わってしまいましたが、早々とDVD化もされています。
射殺した犯人であるヘレン本人(現在は故人)へのインタビューや、共演者であったウエイン・ショーターはじめとするミュージシャンが出演し、当時を振り返っています。
リー・モーガンの死の真実を知るために、ファン必見の映画と言えるでしょう。
この手のDVDは時期を外すと入手困難になると思います。
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