Donald Byrd ドナルド・バード サイド作② 1956~1957年

George Wallington Quintet Discography ジョージ・ウォーリントン・クインテットのディスコグラフィーを整理してみました。


4, 5 & 6/JACKIE McLEAN

1956年7月13日,20日

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★★

Jackie Mclean(as), Donald Byrd(tp), Mal Waldron(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds), Hank Mobley(ts)

名盤とされるマクリーンの初期盤

マクリーンの傑作と言えば取り上げられる本作だが、私自身はそこまで評価はしていない。やはり評判のいい①センチメンタル・ジャーニー、に問題があると思う。平板なテーマメロを平板に吹いてしまったことが最大の原因で、元メロがわからないくらいのアドリブで吹いていれば大名盤になったかもしれないと思う。バードはクインテット曲③④⑥の3曲に参加している(モブレーはセクステット曲④のみ。)。ドリュー曲④コントゥアー、はいい感じのハードバップに仕上がっている。(hand)



SILVER'S BLUE/HORACE SILVER

1956.6.2,17 & 18

Epic

おすすめ度

hand      ★★★☆

Horace Silver(p), Donald Byrd(tp:1,4,6,7), Joe Gordon(tp:2,3,5), Hank Mobley(ts), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds:1,4,6,7), Kenny Clarke(ds:2,3,5)

JM退団後のシルバーの初録音。バードがケニー・ドーハムに代わって参加

JM退団後のシルバーの初録音。トランペットはJMからのバードと一部ジョー・ゴードンが加わっている。ドラムはアート・テイラーで一部ケニー・クラーク。レーベルは大手コロンビアの傍系エピック。良質なハードバップに仕上がっているとは思うが、シルバーらしくなく感じるのは、得意の8ビートが少なく、4ビートが多いからかもしれない。ゴードンがバードに見劣りしないプレイをしている。(hand)



MOBLEY'S MESSAGE/HANK MOBLEY

1956年7月20日

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★★

Hank Mobley(ts), Donald Byrd(tp), Jackie Mclean(as), Barry Harris(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds)

マクリーンの名作「4,5&6」の姉妹盤。ビバップ曲中心に快調なモブレー

JMで共にフロントをつとめるモブレーの初期盤に参加したバード。50年代のモブレーは勢い不足をストレスに感じる盤が多いのだが、なぜかこの日は元気のいいアート・テイラーのおかげかモブレーも何だか元気がいい。(hand)



THE JAZZ MESSAGE OF HANK MOBLEY VOL.2

1956.7.23,11.7

Savoy

おすすめ度

hand      ★★★☆

Hank Mobley(ts), Donald Byrd, Lee Morgan(tp), Barry Harris, Hank Jones(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds)

モブレー名義の盤の後半に参加しモーガンと共演

全体としてモブレーのリーダー盤にはなっているが前半は「イントロデューシング・リー・モーガン」にほとんど持って行かれた残り(内容はいい。)。後半がバード入りのセッション。モーガンのほうがバードより売れるので、モーガンが前半なのだと思うが、後半のバード入りもなかなかいい演奏だ。(hand)



WHIMS OF CHAMBERS/PAUL CHAMBERS

1956.9.21

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

Paul Chambers(b), Donald Byrd(tp), John Coltrane(ts), Kenny Burrell(gr), Horace Silver(p), Philly Joe Jones(ds)

コルトレーンも参加したチェンバースの強力ハードバップ盤

バード、コルトレーン、バレルが参加したチェンバースの強力ハードバップ盤。バードとコルトレーンが2曲ずつ、チェンバースが3曲で、気合い十分。フィリーの煽るドラムも私好みだ。バードの勢いのあるハードバップ盤は意外と少なく貴重だと思う。バレルのサイドとしても好盤だ。コルトレーンは2回のマラソンセッションの真ん中だが、既に素晴らしい。シルバーがサイドで珍しく普通のハードバップのピアノを弾いている。バード曲①オミクロン、はコロナ禍で覚えられるようになった。(hand)



SIX PIECES OF SILVER/HORACE SILVER

1956.11.10 (1-8)

1958.9.15 (9,10)

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

Horace Silver(p), Donald Byrd(tp), Hank Mobley(ts:1-8), Junior Cook(ts:9,10), Doug Watkins(b:1-8), Gene Taylor(b:9,10), Louis Hayes(ds), Bill Henderson(vo:10)

シルバーの快進撃のスタート地点ともいえる盤

エピック盤「シルバーズ・ブルー」に続くバード&モブレーをフロントにしたクインテット盤で、BNでのシルバーの快進撃のスタート盤だ。シルバーの最大のヒット曲セニョール・ブルースはこの盤に入っているが、トランペットはかなりの高音を要求される。ファーマーもそうだが、バードもシルバーのバンドではハイノート・ヒッターになっている。BNでの60年代以降のバードの活躍は、この時期にシルバーに在籍したことで、コンセプト・アルバム的な発想や8ビートなどを身につけたのが大きかったかもしれないと感じた。(hand)



HANK MOBLEY WITH DONALD BYRD AND LEE MORGAN

1956年11月25日

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★

Hank Mobley(ts), Donald Byrd, Lee Morgan(tp), Horace Silver(p), Paul Chambers(b), Charlie Pership(ds)

モブレー名義のブローイン・セッション

想像どおりのブローイン・セッション。聞いただけで、誰がリーダーかを当てるのは、不可能だと思うが、曲は4曲ともモブレー作だ。全て長尺なので、各人のソロは十分堪能できる。バードとモーガンの唯一?の共演盤らしい。人によっては、後輩モーガンの天才に触れてバードが共演を避けるようになったという説もあるが、元々バードはトランペット1 本で勝負するタイプではないように思うし、モーガンも後期には総合音楽家的になっていくという意味では、同じような道のりを歩んでいくとも言える。とんがったモーガンの音色もいいが、逆に広がりのあるバードの音色も好ましいと思う。(hand)



WATKINS AT LARGE/DOUG WATKINS

1956.12.8

Transition

おすすめ度

hand      ★★★★

Doug Watkins(b), Donald Byrd(tp), Hank Mobley(ts), Duke Jordan(p), Kenny Burrell(gr), Art Taylor(ds)

ダグ・ワトキンスの数少ないリーダー盤

トランジションのバード盤「バーズ・アイ・ビュー」とほぼ同じメンバーでワトキンスをリーダーに録音した盤。違いはケニー・バレルのギターだ。ワトキンスはポール・チェンバースの従兄弟で高校の同級生だ。62年に27歳で交通事故で亡くなってしまう。トランジションの音は独特だがキレが良く、私好みの音だ。バードもこのレーベルだと伸び伸びといい音で吹いているように感じる。(hand)



SONNY ROLLINS (VOL.1)

1956.12.16

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

Sonny Rollins(ts), Donald Byrd(tp), Wynton Kelly(p), Gene Ramey(b), Max Roach(ds)

ロリンズのブルーノート第1集

いきなりロリンズ曲ながらロリンズらしからぬBNのJM風なイントロの①デジジョン、から始まるが、ソロになるといつものロリンズになる。ただ、レーベルのカラーなのか、ソロに陰影がある気がする。ロリンズは、悪くはないが前後の名盤に比べると、気合いがやや不足している。バードも悪くはないが、合奏によりハーモニーを聞かせる場面も少なく、この盤ではJM的な①以外でのトランペットのいる必然性はあまり感じない。ローチ=ブラウンであれば、2管の共演・競演的な楽しみがあるが、ここでは単に2管いるという感じに近いと思う。(hand)



GIL'S GUESTS/GIL MELLE

1956.8.10 & 24

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★☆

Gil Mellé(bs), Art Farmer, Donald Byrd, Kenny Dorham(tp), Phil Woods(as), Hal McKusick(as,fl),  Julius Watkins(French horn), Don Butterfield(tuba), Joe Cinderella(gr), Vinnie Burke(b), Ed Thigpen(ds)

ギル・メレ盤の別テイクにのみバード収録

誰が名付けたのか〝幾何学ジャズ‘’のギル・メレの作品。うまいネーミングとは思うが、おかげで盤は売れなくなったと思う。米ウィキには書いてないので、日本だけの命名かもしれない。ブルーノートのジャケなど絵画やデザインにも通じていた多才なギル・メレのジャズは言われる程の難解さはなく、ジャケデザインが幾何学的だったのだと思う。この盤はビッグコンボによるモダンジャズとして、ギル・メレのバリトンも含めて楽しめる要素はかなりある。バードの参加は⑦⑧⑨の別テイク3曲のみで、①②③のトランペットはファーマー、④⑤⑥はドーハムが務めている。



WAILING WITH LOU/LOU DONALDSON

1957.1.27

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

Lou Donaldson(as), Donald Byrd(tp), Herman Foster(p), Peck Morrison(b), Art Taylor(ds)

ルウドナの人気ハードバップ盤

ルウドナの第2作の典型的なハードバップ盤。特に①キャラバン、は圧巻で、ルウドナとバードの2管に加え、アート・テイラーがブレイキー的な熱いドラムを聞かせ、初期JM的な興奮が味わえる。バードは、他のトランペッターに比べてテナーよりもアルトと組むことが多く、また、好盤が多いと思う。この盤でのブリリアントなソロも素晴らしい。(hand)



A DATE WITH JIMMY SMITH

1957.2.11-13

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

Jimmy Smith(org), Donald Byrd(tp), Lou Donaldson(as), Hank Mobley(ts), Eddie McFadden(gr), Art Blakey, Donald Bailey(ds)

バード初期のオルガン共演盤

後年、ブラックファンクの旗手となるバードなので、若い頃に黒っぽいオルガンとの共演をもっとしているかと思ったが、意外にもオルガンと正式に共演したのはこのジミー・スミス盤だけだと思われる。ライオンに呼ばれてセッションに参加した、くらいのノリだと思う。とはいえ、ルウドナ、モブレーなど錚々たるソロイストの中で、バードも負けじといいソロをとっている。6曲中2曲はオルガントリオで管はいない。(hand)



TAYLOR'S WAILERS/ART TAYLOR

1957.2.25

②:1957.3.22

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★☆

Art Taylor(ds),

Donald Byrd (tp), Jackie McLean(as), Charlie Rouse(ts), Ray Bryant(p), Wendell Marshall(b)

②:John Coltrane(ts), Red Garland(p), Paul Chambers(b)

アート・テイラーの初リーダー盤

不思議なことに、ラウズの音が鳴ると、全く違うタイプのブライアントのバッキングがモンクに聞こえる瞬間がある。それだけラウズ=モンクの共演が私の耳に馴染んでしまっているのだと思う(笑)。②CTA、はガーランドの「ディグ・イット」にもダブって入っているコルトレーン入りのワンホーン・セッション。その日、プレステッジは「レッド・ガーランズ・ピアノ」と「インタープレイ・フォー・2トランペッツ&2テナーズ」を録り、最後にこの曲を録音した。なので、行き場がなく、逆に2枚の盤で発売されることになったようだ。(hand)



THE NEW YORK SCENE/GEORGE WALLINGTON

1957.3.1

NewJazz

おすすめ度

hand      ★★★★☆

George Wallington(p), Donald Byrd(tp), Phil Woods(as), Teddy Kotick(b), Nick Stabulas(ds)

ウォーリントン5の名盤・第3作

ウォーリントン5といえば「ボヘミア」が有名だが、ハードバップ作品としては、この盤のほうが完成度が高く、もっと聞かれていいと思う。ウッズと組んで、好調なバードのソロが聞かれる。(hand)


" George Wallington Quintet Discography ”

" ジョージ・ウォーリントン5・ディスコグラフィー ”

①LIVE! AT THE CAFE BOHEMIA 1955.9.9 Prestige

Donald Byrd(tp), Jackie McLean(as), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)

②JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE 1956.1.20 Prestige

Donald Byrd(tp), Phil Woods(as), Teddy Kotick(b), Art Taylor(ds)

③THE NEW YORK SCENE 1957.3.1 NewJazz

Donald Byrd(tp), Phil Woods(as), Teddy Kotick(b), Nick Stabulas(ds)

④JAZZ AT HOTCHKISS 1957.11.14 Savoy

Donald Byrd(tp), Phil Woods(as), Nabil Totah(b), Nick Stabulas (ds)



TWO GUITARS/JIMMY RANEY & KENNY BURRELL

1957.3.5

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★★

Kenny Burrell, Jimmy Raney(gr), Donald Byrd(tp), Jackie McLean(as), Mal Waldron(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds)

ケニー・バレル、ジミー・レイニーによる2ギターによる良質なハードバップ盤

熱くて良質なハードバップを演奏。バードの活躍はバレル、マクリーンよりも少なめだ。クール派・レイニーは少し浮いてしまっていると思う。(hand)