Lou Donaldson サイド作11948~1958年

ルウドナの初期のサイドマンとしての活動です。初期の前半はアート・ブレイキー、後半はジミー・スミスが重要な共演者と言えるようです。


MILT JACKSON/Milt Jackson

1948.7.2

1951.7.23

1952.4.7=Lou参加

Blue Note

おすすめ度

hand         ★★★★

しげどん    ★★★★

ショーン    ★★★★

 

Milt Jackson(vib), Lou Donaldson(as), John Lewis(p), Percy Heath(b), Kenny Clarke(ds)

ルウドナのデビュー録音は、ミルトのブルーノート盤

ミルト・ジャクソンのブルーノート盤でデビューを飾ったルウドナ。事実上、ルウドナ+MJQとして盤冒頭の4曲を占有。期待のパーカー派の新人だったのだろう。期待に応えたフレッシュなプレイだ。(hand)

12インチはブルーノート1509。1952年録音の6曲は初期ミルトの代表作で、オリジナルは10インチ盤。ミルトのソロはすでに完成したスタイル。ルウ・ドナのバッパーぶりも面白い。48年、51年のセットは完全にモンクの作品そのまま。(しげどん)

1曲1曲は短いが、メロディアスな曲が多く、全般にポピュラリティーとオリジナリティーが混在し、なかなか楽しんで聴けるアルバム。メンバー的には、サックスのルードナルドソンの好演も光るが、なんといってもmisteriosoやepistrophyのセロニアスモンクとミルトジャクソンの絡みが聴き応えがある。(ショーン)



GENIUS OF MODERN MUSIC VOL.2/Thelonious Monk


MEMORIAL ALBUM/Clifford Brown

1953.6.9=Lou参加

1953.8.28

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★★

Clifford Brown(tp), Lou Donaldson(as), Elmo Hope(p), Percy Heath(b), Philly Joe Jones(ds)

ブラウニーのリーダー盤となってはいるが半分は10インチのルウドナ盤

ブラウニーのリーダー盤となっているが、元々は10インチ盤2枚で、うち1枚はルウドナの53年6月のリーダー録音でこの盤の後半に収録。オリジナルLPは全10曲だが、別テイク入りの18曲のコンプリート盤CDもある。ブラウニーは当然のごとく素晴らしいのだが、ルウドナも十分頑張っている。(hand)

LPは10インチの記念すべき初リーダー作をA面に、ブルーノート初録音のルウ・ドナルドソンのセットをB面に彼の死後12インチにカップリングして発売したものである。まだビバップの香りが強く、粗削りな感じはするが若々しく溌剌としていて、まさにジャズがジャズらしかった時代の美しい作品だ。A面の初リーダーセッションは落涙もののトランペット。セクステット編成ながら、ブラウニーのリーダーセッションなので、彼のトランペットに焦点をあてている。チェロキーはコーニーな曲だが、スタディ・イン・ブラウンの同曲より素晴らしいと思う。B面のルウ・ドナのセットはエルモ・ホープのピアノも美しい。LP時代は10インチ盤の一部が未収録だったが、CDには別テイク含め全部収録され曲順も大きく変わっている。(しげどん)



LIVE IN NEW YORK/Horace Silver

1953.9.14

Solar

おすすめ度

hand      ★★★☆

Horace Silver(p), Lou Donaldson(as), Jimmy Schenck(b), Lloyd Turner(ds)

ルウドナをフィーチャーしたシルバーの発掘海賊盤

ルー・ドナルドソンをフィーチャーしたホレス・シルバー・カルテットのフレッシュサウンドからの発掘海賊盤。翌54年「バードランドの夜」と同じシルバーとルウドナのバードランドでの共演で、皆いいプレイはしているが、ブレイキーとブラウニーがいない影響はある。ベースも違う。ただ、バッパー時代のルウドナ好きには必聴盤だ。音は悪い。(hand)



LIVE 1953-1956-1964/Kenny Dorham

1953.10.31=Lou参加

1956.10.10

1964.1

RLR

おすすめ度

hand ★★★☆

Kenny Dorham(tp), Lou Donaldson(as), Horace Silver(p), Gene Ramey(b), Art Blakey(ds)

「バードランドの夜」直前のルウドナが聞ける海賊盤

53年、56年、64年の録音からなるドーハム名義の海賊盤。ルウドナはブレイキーをリーダーとする冒頭4曲に入っている。超名盤「バードランドの夜」の直前にあたり、バッパーとしてのルウドナが活躍する。音はかなり悪い。ドーハム盤としながら、ジャケ写がブレイキーというテキトーさだ。(hand)



A NIGHT AT BIRDLAND VOL.1& 2/Art Blakey バードランドの夜/アート・ブレイキー

1954.2.21

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★★

しげどん ★★★★★

Clifford Brown(tp), Lou Donarldson(as), Horace Silver(p), Curley Russel(b), Art Blakey(ds)

超名盤、ブラウニーをしのぐ活躍ぶりのルウドナ

モダンジャズの夜明けを記録した超名盤ライブ。夜明けから完成度が高い。特にルウドナをその後のブルージー&ファンキーなアルトと思って聞くと、あまりのバッパー振りに驚く。クリフォード・ブラウン以上にこの盤では主役級の活躍だ。アート・ブレイキーの扇動のおかげだと思う。Vol.2も1同様に素晴らしい。(hand)

ジャズライブの楽しさ、熱気、が無条件で味わえる傑作レコード。ブラウニー、ルウドナ、ホレスシルバーの最高のソロを記録した54年とは思えない良好な録音がライブ録音として最高の臨場感を作り出している。ぜひアナログで、大音量で聴いて 、ジャズに酔いしれてほしい。ピーウィーマーキットの司会とブレイキーの曲名紹介は、この夜のドラマを演出する ために意図的に記録され、この夜はa nightではなくジャズ史に残るthe nightになったのはご存知の通り。世界中のジャズファンはアルフレッドライオン様に感謝するしかありません。(しげどん)



Woofin’ And Tweetin’/Gene Ammons

1950.3.5 & 10.28

1951.1.31

1955.6.15=Lou参加

Prestige

おすすめ度

hand ★★★

Gene Ammons(ts,bs), Art Farmer(tp), Lou Donaldson(as), Freddie Redd(p), Addison Farmer(b), Kenny Clarke(ds)

ボステナーのジャム・セッション盤に参加

プレステッジお得意のメンバー寄せ集めの長尺ジャム・セッション。ボステナーと言われるジーン・アモンズの名の下に何枚も吹き込まれている。アモンズは音楽的リーダーというよりもこの指とまれ的なリーダーだったと思う。ルウドナはブルーノート所属のせいか唯一の参加盤だ。自分のソロが回ってきたらきっかりと吹くという役割をきちんと果たしている。(hand)



A DATE WITH JIMMY SMITH Vol.1&2/Jimmy Smith

1957.2.11-13

11 & 12=Lou参加

Blue Note

おすすめ度

hand ★★★★

Jimmy Smith(org), Donald Byrd(tp), Lou Donaldson(as), Hank Mobley(ts), Eddie McFadden(gr), Art Blakey, Donald Bailey(ds)

ルウドナの記念すべきオルガン初共演はジミー・スミス

ルウドナをオルガンに目覚めさせたのはジミー・スミスではないか、と言われている。Vol.1と2を1枚とカウントし、3枚に分散も1枚とカウントしても、初期の1957〜63年に6枚ものスミス盤に客演している。客演がなくなる時期からリーダー盤にオルガンを入れることが増え、ルウドナ=オルガン入りと言っていいほどとなっている。この盤が57年2月11日(1曲のみ12日)の記念すべきオルガン初共演盤となる。ドナルド・バード、ハンク・モブレー、ギターのエディ・マクファーデン、アート・ブレイキー(12日のみドナルド・ベイリー)が加わっている。モブレーはJMの「カフェ・ボヘミア」の勢いは感じないが、ルウドナとバードは元気いっぱいだ。アナログはVol.1と2に分かれていたが、CDは1枚になっている。(hand)



AT THE ORGAN Vol.1&2/Jimmy Smith

1957.2.12 & 13

Blue Note

 

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん ★★★★

Jimmy Smith(org), Lou Donaldson(as), Eddie McFadden, Kenny Burrell(gr), Art Blakey, Donald Bailey(ds)

ジミー・スミス盤にワンホーンでフューチャーされた名盤

「ア・デート・ウィズ」の翌日(57年2月12日、Vol.2①③④のみ13日)の録音。前日とメンバーが変わり、管はルウドナだけになり、ギターはケニー・バレルに変わる。13日はギターがマクファーデンに戻り、ドラムはドナルド・ベイリーに変わる。オルガン=ギターのトリオをバックにしたワンホーンのルウドナはとても気持ち良さそうにソロを吹いている。スミス、バレル、ブレイキーも絶好調で、アルフレッド・ライオンが発売したくなる気持ちのわかる名盤。(hand)

初っ端の「サンマタイム」で、とろけるようなルウドナのアルト。でも私は硬派なルウドナが好き。二曲目はケニー・バレルをフイチュアーし、それ以降はスミス、ルウドナ、バレルが対等のバトルを演じる。アート・ブレイキーのこういう場面での存在感も抜群。(しげどん)



JIMMY SMITH TRIO + LD/Jimmy Smith

1957.6.4

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆

Jimmy Smith(org), Lou Donaldson(as), Eddie McFadden(gr), Donald Bailey(ds)

「アット・ジ・オルガン」と同メンバーでの発掘盤

1985年の発掘盤。57年2月のセッションが素晴らしかったので、7月に3日目のメンバーで再度録音したのではないか。しかしながら、バレルとブレイキーの役割はやはり大きかったようだ。ルウドナの燃焼度も低く、未発になったのも頷けてしまう。悪い演奏ではないのだが、2月が超素晴らし過ぎたのだ。(hand)



THE SERMON!/Jimmy Smith

1957.8.25

1958.2.25=Lou参加

Blue Note

全7曲入りSERMON

The Complete Sermon Sessions

おすすめ度

hand      ★★★★☆

Jimmy Smith(org), Lee Morgan(tp), Lou Donaldson(as), Tina Brooks(ts), Kenny Burrell(gr), Art Blakey(ds)

全7曲入りのルウドナ入りセッションが集約された盤

当初は「サーモン」、「ハウス・パーティ」、79年の発掘盤「コンファーメーション」の3枚に分散収録されていた58年2月25日のルウドナ入りセッション5曲。現在も、分散盤「サーモン」もあるが、同タイトルながら+5曲入ったこの盤にルウドナ入りセッションが集約されている。③~⑦の5曲最初の③ラバーマンはルウドナのワンホーン、ラスト⑦フラミンゴはリー・モーガンのワンホーン。前年2月に続き今回も素晴らしい出来だ。モーガン、ティナ・ブルックス、バレル、ブレイキーという素晴らしいメンバーが熱い演奏を繰り広げる。特に、ブルックスを再認識してしまった。冒頭には、元の「サーモン」には入っていなかった、ルウドナが入らずモーガン、カーティス・フラーらの入った57年8月25日のセッションからの未発2曲①スワンダフルと②ブルールームが入っている。これがまさに言葉どおりの掘出物で、それぞれモーガンとフラーのワンホーンだ。84年に「スペシャル・ゲスツ」という東芝盤で発掘されたようだ。「サーモン」のCDは色々な収録曲の盤が出ているが、スワンダフルから始まる全7曲入りのこの盤がオススメ盤だ。または、2枚組の「ザ・コンプリート・サーモン・セッションズ」(groove hut records)なら完璧だ。(hand)



以下が3部作のオリジナル仕様

※補足説明:オリジナル仕様では、58年2月のセッションがばらばらに分散収録されている。Sermon!は、上記コメントの7曲入り盤とデザインが同じなので注意が必要です。またコメントの通り、ス・ワンダフルとブルールームはこの3枚にはどれにも収録されていません。

The Sermon!

ルウドナ参加セッション

A1.Sermon!

B2.Flamingo

House Party

ルウドナ参加セッション

A1.Au Privave

A2.Lover Man

Confirmation

ルウドナ参加セッション

A1.Confirmation



COOL BLUES/Jimmy Smith

1958.4.7

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

58年4月のスモール・パラダイスでのライブ発掘盤

Jimmy Smith(org), Lou Donaldson(as), Tina Brooks(ts), Eddie McFadden(gr), Art Blakey, Donald Bailey(ds)

80年の発掘盤で、スモール・パラダイスでの58年4月のライブ。ルウドナとティナ・ブルックスの2管で、ドラムは前半④までがブレイキーで、後半がドナルド・ベイリー。④チュニジアはメンバーが燃え上がり、灼熱の素晴らしさだ。BNにしては少し音が悪いのが未発理由かもしれない。(hand)