Lou Donaldsonリーダー作4 1980~1999年

バッパー、ルウドナが戻ってきた時期です。ジャズ界の潮流もウィントン・マルサリスらの新伝承派と呼ばれた若手の活躍や、バリー・ハリスなどのベテランによるハード・バップ・リバイバルと言われる動きもザナドゥやミューズなどのレーベルを中心に活発化した時期です。


ここで、私しげどんのルウドナさんの思い出。

大阪のライブハウスでルウドナさんを聴いてサインを貰いました。日付を見ると91年の年末で、今から30年ほど前の事です。

盲目のハーマン・フォスターさんのサインは、日本人ドラマーの方が手を添えて書いてもらいました。今から考えると田井中福司さんだったんでしょうか?

どんな曲をやってくれたのか。残念ながら記憶がありません。オーソドックスなハードバップだった事は覚えています。あの頃はまだルウドナさんのレコードもブルーノート盤を数枚だけしかなく、後期の作品はほとんど聴いていなかったので、現在くらい聴き込んでいれば曲の印象も強く残ったかもしれません。

このサイン入りアナログ盤は私の宝物です。




FINE AND DANDY / Lou Donaldson With Red Garland

1980.2.6

ロブスター企画

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン  ★★★★★

Lou Donaldson(as), Red Garland(p), Jamil Nasser(b), Jimmy Cobb(ds)

バッパーのルウドナが20年ぶりに戻ってきた盤

ジャズだ!80年代に入りバッパーのルウドナが突如戻ってきた。ウィントン・マルサリスらの活躍のおかげか?理由はともかく、 多分、初共演のガーランドのトリオ(ジャミール・ナッサー、ジミー・コブという素晴らしいメンバー。ナッサーは「ルー・テイクス・オフ」以来)をバックに吹きまくるルウドナ。20年ぶりだろうか?感涙ものだ。80年2月の来日公演の記録、しかも日本レーベル(ロブスター)なので、ルウドナのジャズへの再度のギアチェンジに日本人が貢献したこととなる。ルウドナは、この盤以降、ジャズに復帰することとなる。同じ来日時に録音したガーランド盤「スモール・アワーズ」にも2曲ゲスト参加している。(hand)

80年代からのハード・バップ・リバイバルは日本の功績だ。この盤も日本で録音された優れた純粋なジャズ作品で、ルウドナさんのリアルジャズへの復帰を方向づけた作品として意義深い。当時としては最新の録音技術が駆使され、アナログ盤のみずみずしい音が楽しめる。いソノてルヲさんの記載のライナーの裏面には細かく使用機材の技術的な情報(私にはチンプンカンプンだが)も記されている。ルウドナさんは相当にノリノリな感じで楽しそうに吹いているが、レッド・ガーランドがやや元気がなく感じる。(しげどん)

快調スイスイなルードナルドソンのライブ。正確でスピード感溢れるレッド・ガーランドのピアノが、ルーのノリを助長させ、素晴らしい演奏となっている。中でもmistyの感情溢れるアルトに、美しいメロディを絡めてくるガーランドは完璧だ。繊細さと力強さの同居したとても完成度の高いライブ演奏といえる。(ショーン)



SWEET POPPA LOU / Lou Donaldson

1981.1.7

Muse

おすすめ度

hand      ★★★☆

ショーン  ★★★☆

しげどん ★★★★☆

Lou Donaldson(as), Herman Foster(p), Calvin Hill(b), Idris Muhammad(ds), Ralph Dorsey(perc)

ワンホーンにピアノトリオ+コンガという懐かしいスタイルが復活

来日公演でバッパーに戻ったルウドナは、帰国してもジャズ盤を作るようになった。ガーランドとの前作以降10枚のリーダー盤全てがジャズ盤という嬉しい状況だ。このミューズ盤では、ハーマン・フォスターのピアノも戻ってきている。ドラムも10年ぶりにアイドリス・ムハマッドで、ワンホーンにピアノトリオ+コンガという懐かしいスタイルだ。2021月4月現在、ルウドナは94歳になっていて、この時点ではまだ54歳という若さだったことにも驚く。CD化はややこしいのだが、同じミューズのソニー・スティット盤と4in2の2枚組でカムデンというレーベルから「キーパーズ・オブ・ザ・フレーム」として出ていて、ルウドナ分はこの「スイート・ポッパ・ルー」と「バック・ストリート」の2in1となっている。(hand)

※この4in2CDは、「Back Street」項で紹介しています。

ポップでフュージョンなアルバムだ。明るくて伸びやかなルーのアルトはどことなくトロピカルな南国の島の夕暮れを思わせる。Calvin Hillのメロディアスなベースラインが曲を支配しており、悪くないのだが、少しピアノの細やかでイキイキしたフレーズの影が薄くなってしまったのが残念だ。(ショーン)

ルウドナのスタンダードの歌物の肩の力が抜けた解釈が、私は大好きで、これはアート・ペッパーやソニー・スティットとは違った味があると思う。このアルバムは冒頭曲がマンボ調でコンガ入りなので、その印象が強いが、好きなのはIf I Should Lose YouやDont Take Your Love のようなスタンダード。もちろんGravy Trainの再演などもあり全般的に味わい深い。ハーマン・フォスターもやはり誰が聴いてもフォスターだ!と思えるこのワンパターンぶりの相変わらずさも、ファンとしては逆にうれしい感じなのだ。(しげどん)



FORGOTTEN MAN / Lou Donaldson

1981.7.2

Timeless

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★

ショーン  ★★★★

Lou Donaldson(as), Herman Foster(p), Geoff Fuller(b), Victor Jones(ds)

ファンキー路線を引き継ぎながら、オーソドックスなジャズが楽しめる盤

ジャズ復活後の路線は、ビバップとハードバップの中間くらいで、私好みの感じだ。ハードバップ的に多少アレンジされながらも、ソロはビバップ的な感じというのがいいと思う。オランダのタイムレスからの盤で次はミューズでその次はまたタイムレスと各2枚が交互に出る。ピアノはフォスターのままだが、ドラムはビクター・ジョーンズに変わる。ルウドナのボーカル入りの②ウイスキー・ドリンキン・ウーマン以外は好みの演奏だ。(hand)

めちゃくちゃノリのいい楽しいライブ。ルウドナのファンキー路線そのままなのだが、スタイルはオーソドックスなジャズが楽しめる。Whiskyでのボーカルもライブならではの粋を感じる楽しさ。これくらいのおふざけは大人の余裕なのだ。ホントに今ライブでこの歌を聴けたら感涙ものだ。(しげどん)

軽やかな風なようなルー・ドナルドソンのアルトはピアノのハーマン・フォスターの元気で明るいメロディとの相性がいいが、若干どの曲も散漫な感じに聞こえる。wiskey drinkin’ womanのボーカルもお世辞にも上手とは言えない。味があると言えばあるのだが、、。そんな中、geoff fullerのベースラインがしっかりとアルバム全体を力強く引き締めている。(ショーン)



BACK STREET / Lou Donaldson

1981.7.2

Muse

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン  ★★★★☆

Lou Donaldson(as), Herman Foster(p), Geoff Fuller(b), Victor Jones(ds) 

完全なCD化がされていない、後期イチオシの名盤

パリでのピアノトリオとのワンホーンでのご機嫌なライブ。ルウドナとフォスターがノリノリで、こんなライブなら行ってみたいと思うほどの内容だ。現状のCD化はややこしいのだが、同じミューズのソニー・スティット盤と4in2の2枚組でカムデンというレーベルから「キーパーズ・オブ・ザ・フレーム」という盤が出ていて、ルウドナ分は「スイート・ポッパ・ルー」とこの「バック・ストリート」の2in1なのだが、残念ながら時間の関係でこの盤の②チアー・チアーが1曲カットされている。なので完全にはCD化されていない。スティットのほうは「コンステレーション」と「チューン・アップ」で何度もCD化されており、こちらから削ってほしかった。というよりも、単独CD化してほしい作品だ。(hand)

正直なところ、ルウドナさんの傑作は前期ブルーノート時代に集中していて、後半は聴くべきものがほとんどないと思っていたが、ハードバップ路線に回帰してくれてからのルウドナさんは素晴らしい演奏が多いことをあらためて発見できた。このアルバムはその中でも出色の出来栄えのライブだと思う。オリジナル中心の選曲も良く、ハーマン・フォスターもルウドナさんも、自由に自分の音楽を表現している。後期イチオシの名盤だ!(しげどん)

淡々とリズムを刻むJeff fullerのベースの中、ピアノのHerman fosterが暴れまくっているBe my love。ルー・ドナルドソンのアルトがホッとさせてくれる。続くCheer, Cheerも緩急の差が激しいユニークな演奏。客をグイグイ引っ張り、活気に溢れるルーワールドが広がってゆく。(ショーン)


※hand氏紹介のMuseの4枚の LPを収録したKeeper Of The Flame アマゾンリンクあり

1.SWEET POPPA LOU  2.BACK STEET 3.CONSTELLATION 4.TUNE UP 3.4はSonny Stittの有名盤



LIVE IN BOLOGNA / Lou Donaldson

1984.1

Timeless

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン  ★★★★☆

Lou Donaldson(as), Herman Foster(p), Geoff Fuller(b), Victor Jones(ds)

イタリア、ボローニャでのノリノリのジャズライブ

タイムレスからの2作目。イタリア、ボローニャでのライブ。ピアノはハーマン・フォスター。盲目のピアニスト、フォスターは以前よりも感情の見えるプレイスタイルになった気がする。ただ、この盤以降、すべてオルガン盤となる。ちなみにフォスターは99年に70歳で亡くなっている。⑤セント・トーマスが珍しい。(hand)

これもすばらしいライブ。とにかくストレートにルウドナさんが自己発散している。全曲説明不要な有名曲ばかり揃えて、ピアノのハーマン・フォスターともどもノリノリだ。4曲めのクレジットは「Lou’s Blues」になっているが、これは、あのヒット曲「Blues Walk」の間違いだ。さすがにこれくらいは注意してほしい。(しげどん)

静かで熱い好演。ほとばしるHerman F osterのピアノの打込みが効いている。メロディアスなGeoff Fullerのベースも素晴らしく、キリッとした音階とスピード感溢れるリズムを呈して、LIVEを大いに盛り上げている。クリスマスのメロディが聞こえたりと、ノリノリの楽しい演奏だ。summertimeにおけるルーの哀愁を帯びたアルトは聞き応えがある。(ショーン)



PLAY THE RIGHT THING / Lou Donaldson

1990.12.19 & 20

Milestone

おすすめ度

hand      ★★★☆

Lou Donaldson(as), Lonnie Smith(org), Peter Bernstein(gr), Bernard Purdie(ds), Ralph Dorsey(conga)

6年ぶりの新作はマイルストーンから。

90年代に入り、マイルストーンに移った第1作。「ボローニャ」から6年経っている。オルガンのロニー・スミスが復帰。ギターがピーター・バーンスタイン、ドラムはバーナード・パーディ、コンガも入っている。スタジオ録音だが、過去にやった曲の再演が目立つ。(hand)



BIRDSEED / Lou Donaldson

1992.4.28 & 29

Milestone

おすすめ度

hand      ★★★☆

Lou Donaldson(as), David Braham(org), Peter Bernstein(gr), Fukushi Tainaka(ds), Ralph Dorsey(conga)

マイルストーン第2作は、ドラムの田井中福司が参加

マイルストーン第2作。日本人ドラムの田井中福司が参加。80年に渡米し、ロニー・スミス、ルウドナのドラマーとなり、ルウドナの来日公演にも参加している。この盤のオルガンはロニー・スミスではなくデビッド・ブラハム。(hand)



CARACAS / Lou Donaldson

1993.7

Milestone

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★☆

ショーン  ★★★★☆

Lou Donaldson(as), Lonnie Smith(org), Peter Bernstein(gr), Kenny Washington(ds), Ralph Dorsey(conga)

マイルストーン第3作。ロニー・スミスのオルガンが復帰

マイルストーン第3作。ロニー・スミス、ピーター・バーンスタイン、ケニー・ワシントンに、コンガでラルフ・ドーシーが加わる。ケニー・ワシントンは一度見たことがあるが、素晴らしいドラマーで、この盤にシャープな印象を持たせている。(hand)

再びオルガンとコンガ入りの作品になり、ファンキーな印象になったが、純粋なジャズであることには変わりない。タイトル曲はブルーノート盤セクステットで演じていたオリジナルで、まったく印象が違うので聴き比べが面白い。(しげどん)

ルーのアルトはとてもメロディアスで細やかな表現に溢れている。ピロリポロリといった装飾音がそういった印象を与えているのか?バラードにおけるブルージーなしっとりさ加減はハンパない。またボサノバ 調のアルバムタイトル曲caracasにおけるDr. Lonnie Smithのエクセントリックなオルガンも魅力的だ。ボーカルも良い雰囲気で、オルガン、ギターと共に落ち着いた大人感を演出する効果を上げている。(ショーン)



SENTIMENTAL JOURNEY / Lou Donaldson

1994.8.14 & 15

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★☆

Lou Donaldson(as), Lonnie Smith(org), Peter Bernstein(gr), Fukushi Tainaka(ds), Ray Mantilla(conga,bongo)

ラスマイ盤は、メジャーのコロンビアからリラックスできるジャズ

メジャー、コロンビアからの盤。2021年4月現在、最新スタジオ録音。ロニー・スミス、ピーター・バーンスタイン、田井中福司に、コンガ&ボンゴでレイ・マンティラが3曲で加わる。この編成の音楽は、軽い感じになりやすい。多分、ルウドナは深刻な音楽は好みではなく、リラックスできるジャズが好きなのだろう。(hand)



LIVE ON THE QE2:RELAXING AT SEA / Lou Donaldson

1999.11.5,6,8 &10

Chiaroscuro

おすすめ度

hand      ★★★☆

Lou Donaldson(as), Nicholas Payton(tp:8,9), Lonnie Smith(org), Peter Bernstein(gr), Danny Burger(ds)

現時点のラスト盤は、豪華客船クイーンエリザベスⅡ世号の大西洋の船上ライブ

1999年11月5〜10日録音盤。現時点(2021.4)での最新盤。2000年代に入ってもルウドナは活動はしているが、録音盤は発売されていない。1926年11月1日生まれなのでこの時点で73歳、現在は94歳。新録は難しいかもしれないが、2000年代の活動記録が発売される可能性はある。この盤は、豪華客船クイーンエリザベスⅡ世号の大西洋の船上ライブの記録で、レーベルはキアロスキューロ。ロニー・スミスのオルガン、ランディ・ジョンストンのギターに、ダニー・バーガーという知らないドラム。2曲にトランペットのニコラス・ペイトンが参加。①ハーレムノクターンというジャズ曲としては微妙な位置にある曲からスタートする。豪華客船の一般客受けする曲という意味で選んだのだと思う。自身はテーマを吹くだけでソロはギターとオルガンだけで終わる。客を引きつけたところでパーカー曲②ママデュークに移り自分の世界に取り込んでいく。ルウドナは、とても楽しそうに演奏している。歳のせいか、多少、音の圧が下がったように感じるが、音の艶は衰えていない。明らかに前年のジュニア・マンス「マンス」よりもサックスの音はいい。ただ、どちらもコンファーメーションは指やタンギングが多少もつれている。2曲でのボーカルは絶好調だ。(hand)