Sonny Rollins ソニー・ロリンズ 主要作品CDディスクガイド:サイド作編

ここでは、ロリンズのサイド参加作品の主要なものを紹介していきます。

サイド作は多いので、随時追加アップしていきます。

  

画像をクリックするとアマゾンへリンクします。

タイトル下の日付は録音日です。  パーソネルも記載しています。


BeBop Professors     ビ・バップ・プロフェッサーズ

↑リンクはありません
↑リンクはありません

hand      ★★★

しげどん  ★★★★

ロリンズの初録音を含むキャピトルの名演集

ロリンズの初録音は1949年のキャピトル盤このバブス・ゴンザレス楽団と言われる。Jordan Fordinというアルトが加わった二曲はアート・ペッパーの変名参加だといわれており、若き日のペッパーとも共演していることになる。

しかし、この2曲はどうもアルトが聴こえない。ペッパーの名前がクレジットされている曲はハッキリとアルトのソロがあるのだが・・・

このレコードはスィング・ジャーナル誌ゴールドディスクだった好編集版だがこの形ではCD化されていない。少々資料的に聴こえる向きもあるが・・・中古レコード屋では比較的安価に購入可能。(しげどん)

19歳のロリンズの最初から4回の録音はいずれもトロンボーンのJ.J.ジョンソンとのセッション。その1回目がこの49年1月の2曲と3回目の4月の2曲。4曲とも私の苦手なバブズ・ゴンザレスのバップ・ボーカルが入っている。ロリンズは4曲ともJ.J.に次ぐソロをとっている。いずれも短めではあるがいいソロだ。他の曲にはロリンズは入っていない。⑱リアル・クレイジーは、17歳のウィントン・ケリーのソロもある。(hand)

※この音源はこのままの形ではCD化されていませんが、Capitol Jazz Classicsという8枚組CDで発売された事があり、中古店やヤフオクなどで購入できる事があります。



J J Johnsons Jazz Quintets     J J ジョンソン ジャズ・クインテッツ

1949年2月

Savoy

hand       ★★★☆

しげどん  ★★★☆

J.J.Johnson(tb),Sonny Rollins(ts),John Lewis(p),Gene Ramey(b),Shadow Wilson(ds)

J.J.ジョンソンの初リーダー作を含む作品集。ロリンズは4曲参加。

49年2月のロリンズのデビュー2回目の トロンボーンのJ.J.のリーダー・セッション4曲。「ビバップ・プロフェッサーズ」からバブズ・ゴンザレスが抜けて、私的には聞きやすくなった。ロリンズは、自作⑦オードボンと⑨グッド・スクエア、 J.J.作⑩ビー・ジェイでやや長めのいいソロをとる。4曲以外にはロリンズは入っていない。(hand)

46年,47年,49年と、3つのセッションの寄せ集めなので、メンバーがばらばらの3種のクインテット各4曲。もともとはEPで別々に発売されていたらしい。1946年のセットはバド・パウエルが参加したJ.J.の初リーダー作。ロリンズは最後の49年のセッション4曲に参加し、しっかりしたソロを披露している。サボイのアルバムデザインは理解不能なセンスだが、ここまでくると逆に斬新かも?(しげどん)



Trombone By Three  トロンボーン・バイ・スリー

1949年5月26日

Prestige

hand       ★★★

しげどん  ★★★☆

J.J.Johnson(tb),Kenny Dorham(tp),Sonny Rollins(ts),John Lewis(p),Leonard Gaskin(b),Max Roach(ds)

これもJJジョンソンのグループで、ケニー・ドーハム、ジョン・ルイスと共演

ロリンズ 4回目の49年5月、トロンボーンのJ.J.のリーダーセッション4曲。J.J.、ドーハム、ルイスに比べると、ロリンズのソロは少な目だ。自作②ハイローだけはやや長めだ。他の曲にはロリンズは入っていない。(hand)

3人のトロンボーン奏者のセッションを集めた盤で、3人が共演しているわけではない。ロリンズはJJ ジョンソンのセット4曲だけに参加。このセットにはドーハムとジョン・ルイスが参加しておりその二人の活躍が目立つモダンジャズ初期の演奏といったところ。ロリンズとは関係ないが、マリガン参加のウエストコースト的な味わいのカイ・ウィンディング、中間派的なベニー・グリーンのセットと、それぞれのサイドメンの影響下での三者三様ぶりが面白い。(しげどん)

※オマケ情報:このアルバムデザインのヘンテコなイラストは、ジャズファンからは不評ですが、Don Martinです。 後にアメリカで超有名な「マッド・マガジン」という雑誌でハチャメチャな漫画で有名になり、赤塚不二夫などにも影響を与えたそうです。



Amazing Bud Powell Vol.1/アメイジング・バド・パウエル

1949年8月8日

Blue Note

hand      ★★★★★

しげどん ★★★★★

Bud Powell(p),Fats Navarro(tp),Sonny Rollins(ts),Tommy Potter(b),Roy Haynes(ds)

バド・パウエル&ファッツ・ナヴァロの歴史的な共演に参加

ロリンズ5回目のセッションは、文句なしの超名盤、バド・パウエルのアメイジングVol.1。ファッツ・ナヴァロとともにフロントを任されるということは有望な新人として知られ始めていたのだと思う。又は、セッションで活用したJ.J.ジョンソンから聞いたのかもしれない。(hand)

初録音の数か月後に、パウエルとナバロの歴史的な49年のカッティングセッションに参加。粗削りで短いながら存在感があるソロが聴ける。(しげどん)



The Fabulous Fats Navarro Vol.1  Vol.2 ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ  第一集,第二集

hand      ★★★★★

しげどん ★★★★★

Bud Powell(p),Fats Navarro(tp),Sonny Rollins(ts),Tommy Potter(b),Roy Haynes(ds)

パウエル&ナヴァロの歴史的なケンカセッションの別テイクを収録。これもファン必携の名盤。

「アメイジング・バド・パウエル」の別テイクが収録されている。早世したナヴァロの傑作だ。(hand)

ロリンズ参加のBud Powellの49年のセッションは、ファッツナヴァロとパウエルの喧嘩セッションとしてジャズ史に残る有名セッションだ。この4曲にロリンズは参加している。

しかしこの4曲(Dance of infidels,52nd street,Wail,Bouncing with Bud)は、バド・パウエルの第1集と、別テイクが ファビュラス・ファッツ・ナヴァロのブルーノート盤の1集、2集にもばらばらに分散収録されていてる。というわけで編集はかなりデタラメだが、すべてファン必携の名盤。喧嘩による破たんはWailの別テイクなどで怒りのナヴァロがテーマに戻るタイミングを逸するなどでオリジナルテイクなどより顕著に現れている。ロリンズのソロは若々しく力強い。(しげどん)



そのほかの主なサイド作 ①

ロリンズはサイドメンとしてリーダーにとっての重要作に多く参加しています。

今後リーダーとしての項目で詳細レビューする予定の作品もあります。

下記のマイルスの諸作は、いつかマイルスをやる時に詳しくレビューしていきたい作品です。

Miles Davis And Horns

マイルス・デイビス・アンド・ホーンズ

A面はアル・コーン作曲集でアル&ズートとマイルスの共演。B面はセクステットによるものでロリンズはこの4曲に参加し3曲でソロをとる。短いながら彼らしい特徴がよくでている。(しげどん)

Dig/Miles Davis            ディグ/マイルス・デイビス

このマイルス初期の名盤にも参加。ジャッキー・マクリーンと共演。ロリンズの楽器は不調でリードミス頻発。ブレイキーのエンディングミスなど破たんが多いところが逆に面白いハードバップ初期の貴重なドキュメント。(しげどん)

Collector's Items/Miles Davis

コレクターズ・アイテム

チャーリー・パーカーが前半53年のセット4曲にテナーサックスで変名参加。ロリンズとパーカー唯一の共演だがパーカーはやや不調でロリンズが押し切っている?聴いてみて確かめてください。(しげどん)



Thelonious Monk with Sonny Rollins                                                                        セロニアス・モンク ウィズ ソニー・ロリンズ

1953年11月13日  Julius Watkins(frh)、Sonny Rollins(ts)、Thelonious Monk(p)、Percy Heath(b)、Willie Jones(ds)

1954年10月25日 Sonny Rollins(ts)、Thelonious Monk(p)、Tommy Potter(b)、Art Blakey(ds)

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん  ★★★★

ショーン  ★★★★

モンクの強烈な個性に負けていないロリンズの自己主張がすばらしい

ロリンズは、5曲中の3曲に参加。うち2曲はリーダー作といっていいくらいの良い出来。フレンチホルン入りの1曲は普通の出来。モンクトリオの2曲は良い。(hand)

ロリンズ参加は三曲だが冒頭の二曲のスタンダードがよくて、この二曲もピアノはモンクだが、主導権はロリンズが握っている。この二曲に関しては四つ星以上だと思う。モンクのオリジナル二曲はロリンズ不参加だが、強烈なモンク臭がただようこれも傑作。(しげどん)

モンクという人は、自身のパートは、個性たっぷりでありながら、ロリンズがソロを演じている際でもピアノのバックの突き上げが強い。その影響か、素晴らしくメロディアスなフレーズで対抗するロリンズがいる。少人数編成の割に、しっかりと厚みのある演奏が続いていく。(ショーン)



そのほかの主なサイド参加作②

セロニアス・モンクとも深い付き合いがあります。

モンクと共演した代表作は下記・・・それぞれモンクの項目でもレビューしています。

MONK/Thelonious Monk Quintet   モンク/セロニアス・モンク

Monk With Rollinsへの未収録曲を収録した姉妹盤。ロリンズの参加はB面のみだが、モンクの強烈なディレクション下でもロリンズの個性を発揮したソロが聴ける。

Bags Groove/Miles Davis             バグス・グルーブ/マイルス・デイビス

クリスマス・セッションがあまりにも有名でA面ばかりしか聴いていない人が多いかも・・・

でもB面の4曲は、ロリンズのオリジナルが3曲を占め、彼にとってもこの時期の存在感を示す一作。

Brilliant Corners/Thelonious Monk                                           ブリリアント・コーナーズ/セロニアス・モンク

50年代というモダンジャズの全盛期の中で、最高傑作の一つと言われる絶対的な名盤。モンクの強力な磁場に操られるロリンズ。



Max Roach Plus Four/Max Roach マックス・ローチ・プラス・フォァ

1956年10月12日

EmArcy

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん ★★★☆

Kenny Dorham(tp),Sonny Rollins(ts),Ray Bryant(p),George Morrow(b),Max Roach(ds)

ブラウニーの交通事故死でローチ5に請われて参加したドーハム。よく聞けばなかなかの活躍ぶり。

ブラウニーが事故死したので、ドーハムが自らのバンド、ジャズ・プロフェッツを解散して参加したと言われている。日本では、天才ブラウニーの後任に凡庸ドーハムのように言われてきたが、ドーハムにはドーハムなりの良さがある。ローチが比較的うるさ過ぎず、ロリンズもドーハムもいい感じのソロをとり、まとまりのあるハードバップになっていると思う。CDで追加の3曲⑦スイングしなけりゃ、⑧ラブレター、⑨マイナートラブルもいい。(hand)

ロリンズ、ドーハムのソロは味わい深いが、ジョージ・ラッセルのエズセティックのような抽象的な味の曲はこの二人にはマッチしていない。マイルスとコニツツのクールサウンドのプレスティジ盤は名盤でローチも参加しているが、この時点でのドーハム、ロリンズを加えたハードバップとしてはどうかと思う。全体的には二人ともいいソロをしていて、ほかの選曲ももっと二人の味にあったものであればもっと名盤化したのではないかと思う。(しげどん)



Jazz in Three―Quarter Time/Max Roach                                                   ジャズ・イン・3/4 タイム  /マックス・ローチ

1956年9月17日、19日、20日

1957年3月18日、20日、21日

hand      ★★★

ショーン  ★★★★

Kenny Dorham(tp)、Sonny Rollins(ts)、Bill Wallace(p)、Geroge Morrow(b)、Max Roach(ds)

※Ray Bryant(p)  The Most Beautifull in the world 

三拍子曲だけを集めたが、実験性はなく聴きやすい内容の一枚

よくまあここまで知られざる三拍子曲を集めたと思う。だからといって、全てがいい曲かどうかは微妙(hand)

全曲ワルツで構成という当時としては全くもって斬新なマックスローチのアルバム。ケニードーハムのトランペットとソニーロリンズのテナーサックスの快活なハーモニーがvery goodだ。(ショーン)



ほかのリーダー作で取り上げたロリンズのサイド参加盤

Early Art/Art Farmer  アーリー・アート/アート・ファーマー

ウィントン・ケリーの参加も興味深い初期の佳作。恋したことはないは名曲名演

→Art Farmerの項目参照



Clifford Brown and Max Roach at Basin Street

ブラウン・ローチへ参加したロリンズは不調との通説が・・・実際はご自分の耳でお確かめください。

Clifford Brownの項目参照



Jazz Contrasts/Kenny Dorham

豪華メンバーに加えてハープも参加した異色作



Blues For Tomorrow/V.A.  ブルース・フォー・トゥモロウ

hand ★★★☆

ロリンズのファンキー・ホテル・ブルースが収録されていたリバーサイドのオムニバス盤。同曲は現在は、同日の「ザ・サウンド・オブ・ソニー」にプラス1として収録されている。ロリンズ作のブルースでポール・チェンバースのベースソロがある。最後のロリンズとソニー・クラークの4バースは割といい。評価はこの曲のみ。(hand)



Duets/Dizzy Gillespie   デュエッツ/ディジー・ガレスピー

1957年12月11日

Verve

おすすめ度

hand  ★★★

Dizzy Gillespie(tp),Sonny Stitt (ts,as),Sonny Rollins(ts),

Ray Bryant(p),Tommy Bryant(b),Charlie Persip (ds)

ソニー・スティットと交代で大先輩のガレスピーとデュエット

CD6曲中、ロリンズは冒頭の2曲に参加。4曲(1曲は別テイク)はスティット。①②ともディジーのオリジナル。①ウィートレイホールはあまり落ち着きのない感じがする。②サンフィンはブルースでこちらのほうが好感が持てるが、③コン・アルマが超名曲なので、ロリンズは割を食っている。(hand)



Sonny Side Up/Dizzy Gillespie   Sonny Stitt   Sonny Rollins                           ソニー・サイド・アップ/ガレスピー、スティット、ロリンズ

1957年12月19日

Verve

おすすめ度

hand      ★★★

しげどん  ★★★★

ショーン  ★★★☆

Dizzy Gillespie(tp、vo)、Sonny Stitt、Sonny Rollins(ts)、Ray Bryant(p)、Tommy Bryant(b)、Charlie Pership(ds)

大先輩二人との共演で少し控えめなロリンズ

最高にリラックスして聴けるJAZZの名盤。耳慣れた名曲にそれぞれの個性を自由に出しているが、どちらかというとロリンズが押され気味で、サニーサイドで維持していた計算されたソロが、スティットのペースでかき回されていく感じがいいですね。明らかに違う2人のテナーも小節交換の時には混乱するくらい、ロリンズがスティットをたてている感じがして、それが楽しい。このような記録をしてくれたノーマン・グランツ氏に感謝です。(しげどん)

1曲目のon the sunny side of the streetは初めからポピュラリティー全開の軽いスイングで、耳に優しく心地良い仕上がり。ディジーガレスピーの歌が渋く決まっている。そのまま更にスピードは上がり、2曲目は疾走モードに突入、ソニースティットとロリンズのテナーのアドリヴが、代わる代わる繰り返され、徐々に盛り上がり、ガレスピーの高音高密度のトランペット参入で興奮度が一気に高まりエターナル(永遠)モードで昇天!そして3曲目のafter hoursの名の如く、気だるいブルースとなる面白い展開。最後は各プレイヤーの魅力満載で締めくくられる、聞き応え抜群でJAZZビギナーでも楽しめる盤となっている。(ショーン)

事実上のリーダーは先輩格のディジーと思われるが、3人のジャムセッション的な感じがする。3人のソロの順番も、長さも、ほぼ均等である。悪くはない、むしろソロはいい。特にロリンズは。でも、作品としての満足感は、あまりない。(hand)