Pepper Adams おすすめCDレビュー  サイド作⑧ 1978 ~ 1986 年

最後期のアダムスは、サイド盤でもオーソドックスなジャズ盤に戻っています。特に最期の録音記録は、デニー・クリスチャンソンとの2枚になります。クリスチャンソンは、ミンガスやアダムスをリスペクトしており、事実上、アダムスのリーダー盤に近い内容となったことは喜ばしいことだったと思います。


ME MYSELF AN EYE / CHARLES MINGUS

1978.1.19 & 23

Atlantic

おすすめ度

hand        ★★★   

Charles Mingus(composition,arr),

Mike Davis, Randy Brecker(tp), Jack Walrath(tp,arr), Slide Hampton, Jimmy Knepper, Keith O'Quinn(tb), Lee Konitz, Charles McPherson, 丸田良昭, 大森明(as), George Coleman, Ken Hitchcock(as,ts), Daniel Block, Michael Brecker, Ricky Ford, John Tank(ts), Pepper Adams, Ronnie Cuber, Craig Purpura(bs), Larry Coryell, Ted Dunbar, Danny Toan, Jack Wilkins(gr), Bob Neloms(p), Kenny Werner(el-p), Eddie Gomez, George Mraz(b), Joe Chambers, Dannie Richmond(ds), Ray Mantilla(perc), Paul Jeffrey(cond) 

ミンガス最晩年の盤

ミンガスが難病となり、車椅子でスタジオに参加していたという最晩年の盤。「サムシング・ライク・ア・バード」と同日の1978年1月19日と23日の録音だが、アダムスは、こちらのみ参加している?アダムスはホーンセクションとしてのみ音が聞かれる。(hand)



MISTER MYSTERIOUS / MICKEY TUCKER (LP)

1978.6.23

Muse

おすすめ度

hand        ★★★★  

Mickey Tucker(p),

Cecil Bridgewater(tp), Frank Foster(ss,ts,fl), Pepper Adams(bs), Cecil McBee(b), Eddie Gladden(ds), Ray Mantilla(perc)

ミッキー・タッカーのメインストリーム・ジャズ

日本ではあまりメジャーではないピアニスト(米本国でも?)ミッキー・タッカーの78年のリーダー第4作。メインストリームジャズの復活を目指していたと思われるレーベル、ミューズからだ。スティット、バリー・ハリスなどはモロにその路線の盤だが、ウディ・ショーやこの盤など若手が中心となった盤は、その後のいわゆる新主流派的な雰囲気を持つものなっている。セシル・マクビーの太っといベースとエディ・グラッデンのドラムにレイ・マンティーラらのパーカッションのリズム隊にのったタッカーの新鮮なピアノはなかなかいい。控え目な性格なのか俯いたジャケは残念だが、演奏は元気だ。JMやジャズテットなどにもいたことがある隠れ名手だと思う。セシル・ブリッジウォーターのトランペットに、ベテラン勢としてフランク・フォスターとアダムスがフロントに参加している。アダムスのバリは、そんな中でいつもの破壊力のあるバリが比較的滑らかなソロを雰囲気に合わせて吹いているように思う。(hand)



HOT KNEPPER AND PEPPER / DON FRIEDMAN

1978.6.26

Progressive

おすすめ度

hand        ★★★★   

Don Friedman(p),

Jimmy Knepper(tb), Pepper Adams(bs), George Mraz(b), Billy Hart(ds)

20年振りのペッパー=ネッパー盤として聞けるフリードマン盤

ピアノのドン・フリードマンのリーダー盤ながら、ジミー・ネッパーとアダムスのリーダー盤のようなタイトルとジャケ絵の盤。プログレッシブというあまりなんだかなーというレーベルなので、エバンス派とされ一番売れそうなフリードマンのリーダー盤にして売り出しただけかもしれないが、フリードマンらしからぬハードバップのセッションだ。20年振りのペッパー=ネッパーの共同リーダー盤として聞いても全く違和感はない。(hand)



FOUR ON THE OUTSIDE / CURTIS FULLER

1978.9.18

Timeless

おすすめ度

hand        ★★★★   

Curtis Fuller(tb),

Pepper Adams(bs), James Williams(p), Dennis Irwin(b), John Yarling(ds)

2低音楽器による良質なハードバップ盤

カーティス・フラーは50年代にもブルーノートにバリのテイト・ヒューストンと2低音管の共演盤を作っている。その盤を聞きペッパー・アダムスだったら良かったと思った私の考えが20年後の70年代にオランダのタイムレスが実現してくれた。低音楽器を2人とも軽々と扱うので想像するほど重厚感は感じないが、元々、ハードバップを得意とした2人の組合せは全く違和感なく、70年代の良質なハードバップを生み出している。(hand)



CONFLUENCE = THE FRONT LINE / BILL PERKINS

1978.11.20

Interplay/Storyville

おすすめ度

hand        ★★★   

Bill Perkins(ts,bs,fl),

Gordon Goodwin(ss,ts), Pepper Adams(bs), Lou Levy(p), Bob Magnusson(b), Carl Burnett(ds) 

明るく元気なビル・パーキンス盤

西海岸のレスター系、ビル・パーキンスのリーダー盤に共同リーダー的に参加したアダムス。パーキンスと言えば、ジョン・ルイスの「グランド・エンカウンター」が私には思い出される。パーキンス自身の「オン・ステージ」も時には聞いていた。なので、ゴリゴリしたバリのアダムスとの相性を心配したが、パーキンスのスタイルがハードになっていて違和感はなかった。スタジオミュージシャンもこなす器用な人なのでどんなスタイルも可能なのだろう。くつろぎのあるパーキンスのプレイは好みだが、明るく元気なパーキンスは特に聞きたいとは思えない。「コンフルエンス」①のタイトル曲が、「フロント・ライン」では①ドント・ビー・ア・スティッフとなっているが、同一曲だと思う。(hand)



CHASIN' THE BIRD - GERSHWIN- / HELEN MERRILL

1979.3.6

TRIO

おすすめ度

hand        ★★★★   

Helen Merrill(vo),

Pepper Adams(bs), Dick Katz(p,arr), Joe Puma(gr), Ron McClure (b:5), Rufus Reid(b), Mel Lewis(ds)

落ち着きのあるメリル・ウィズ・アダムス盤

「ウィズ・クリフォード・ブラウン」が「ウィズ・ペッパー・アダムス」に変化した盤を期待して聞いた。とりあえず①にはメリル以外にベースとドラムしか出てこない。②になりいい感じでアダムス入りのクインテットのサポートになる。ピアノ、ギターにベースとドラムなので、アダムスのワンホーンが生きている。「ブラウン」の頃と比べるとメリルはダークな面も持つようになっているので、アダムスのバリがうまく適合していると思う。(hand)



EXHILARATION / PETER LEITCH

1984.11.17

Uptoun → Reservoir

おすすめ度

hand        ★★★★   

Peter Leitch(gr),

Pepper Adams(bs), John Hicks(p), Ray Drummond(b), Billy Hart(ds)

ギターのピーター・リーチ盤にワンホーン参加

ギターのピーター・リーチ盤にアダムスが参加。このほかに1枚リーチ盤を所有しているが、聞いた記憶がない。一度聞いてピンと来なかったのだろう。この盤は、ジョン・ヒックスを含むリーチのカルテットにアダムスが加わった形。改めて聞いてみると、リーチのギタースタイルは、オーソドックスで、アタッチメント多用の嫌いなタイプとは違う、好感のもてるタイプではある。ただ、もう少し粘り気はあってもいいかもだ。私好みのモンク曲が多いのはプラスだ。(hand)



OPALESSENCE / HOD O'BRIEN

1985.1.2

Criss Cross

おすすめ度

hand        ★★★★  

Hod O'Brien(p),

Tom Harrell(tp.flh), Pepper Adams(bs), Ray Drummond(b), Kenny Washington(ds), Stephanie Nakasian(vo:5)

トランペットとバリの2管によるハードバップ盤

トム・ハレルのトランペットとアダムスのバリの2管によるハードバップ盤。ホッド・オブライエンといえば、遅れて来たバッパー感があり、バリー・ハリス以降では最もビバップを感じさせるピアニストだと思う。残念なことに、先輩ハリスよりも先に亡くなってしまった。バドの2管盤といえば「アメイジングVol.1」が思い浮かぶが、その要素もなくはないが、同じアダムス入りの盤の「レッド・ガーランドの「レッズ・グッド・グルーブ」を思い起こす好内容盤だ。(hand)



SUITE MINGUS / DENNY CHRISTIANSON

1986.2.24 & 25

Justin' Time

おすすめ度

hand        ★★★★☆   

Denny Christianson(tp,flh,ldr),

Jocelyn Lapointe, Laflèche Doré, Ron Di Lauro(tp), André Verreault, Mohammed Abdul Al Khabyyr(tb), Robert Ellis(b-tb), Pepper Adams(bs), Patrick Vétier(cl,fl,as), Richard Beaudet(cl,ts), Joe Christie Jr(cl,piccolo-fl,fl,as,ss), Jean Lebrun(piccolo-fl,fl,ss,ts),  Jean Fréchette(b-cl,bs), Richard Ring(gr), Kenny Alexander(p), Vic Angelillo(b), Pierre Pilon(ds), Paul Picard(perc)

アダムスの最後の最晩年の録音

アダムスの現時点での最後の最晩年の録音。デニー・クリスチャンソンというカナダ、モントリオールのトランペット&バンドリーダーのビッグバンド作品。ミンガスに捧げたような「組曲ミンガス」がタイトルだが、内容はラスト曲⑤ミンガス-スリー・ハット以外はアルフ・クラウセンという人のミンガスを感じない曲。ただ、全曲アダムスをメインにフィーチャーしているので、アダムス好きには非常に満足度が高いと思う。メインソロイストはアダムスで、他の楽器のソロも一部ある。クラウセンのオリジナルは明るい曲調が多いが、⑤ミンガスと②マイ・ファニー・バレンタインはマイナー調で私好みだ。ミンガスバンドでもソロイストとしてはこれほどはフィーチャーされなかったアダムスなので、本人の満足度も高かったのではと想像する。そして、同時期録音の続編的な「モア・ペッパー」も出ているのも嬉しい。(hand)



MORE PEPPER / DENNY CHRISTIANSON

①③④⑥:1986.2.24 & 25

Justin' Time

おすすめ度

hand        ★★★★   

Denny Christianson(flh,ldr),

①③④⑥:Roger Walls, Jocelyn Lapointe, Laflèche Doré, Ron Di Lauro(tp), Patrice DuFour, André Verreault, Mohammed Abdul Al Khabyyr(tb), Robert Ellis(b-tb), Pepper Adams(bs), Patrick Vétier(cl,fl,as), Richard Beaudet(cl,ts), Joe Christie Jr(cl,piccolo-fl,fl,as,ss), Jean Lebrun(piccolo-fl,fl,ss,ts),  Jean Fréchette(b-cl,bs), Vic Angelillo, Richard Ring(gr), Kenny Alexander(p), Vic Angelillo(b), Pierre Pilon(ds), Paul Picard(perc), Jean Frechette(baritone vo)

「組曲ミンガス」の同日録音の続編的作品

「組曲ミンガス」の同日録音の続編的作品だが、こちらはさらに1年3カ月後の亡くなる4カ月前の録音②ソフィスティケイテッド・レディと⑤モア・ペッパーが追加されている。調べてみると、この2曲にはアダムスは入っていない。バリトンはアダムスかと間違えてしまいそうな別の人が吹いている。バラード②、元気な⑤ともにエネルギーのあるバリが聞かれ(⑤は複数人)、アダムスへのリスペクトを込めた演奏が聞かれる。アダムス入りの③枯葉も素晴らしい。身体はかなり悪かったらしいが、演奏からはその影響は全く感じられない。(hand)