Bobby Timmons おすすめCDレビュー  サイド作⑥ 1961 ~ 1969 年

ティモンズの晩年は録音がかなり寂しい状況になります。68年11月の最終リーダー録音後は、翌69年にデクスター・ゴードンのライブ2枚に参加(プレスティジですが、若干海賊的な盤と思われます)したほかは、74年に亡くなるまで録音がありません(2026.1.3現在、未発見)。


PISCES / ART BLAKEY

1961.2.12, 5.27

(⑥除く)

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★   

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

長期お蔵入り盤とは思えないクオリティの高い盤

79年公表の長期お蔵入り盤とは思えないクオリティの高さ。ショーター色の濃いモーダルな曲が多く、雰囲気もまとまっている。カッコいい曲が多いが、ティモンズ向きのメロディアスな曲は少ない。CD化でおまけ6曲が加わり全12曲となったことで、「ルーツ&ハーブス」からの別テイクが入り、元々曲が被っているので両盤の印象は似てしまっている。(hand)



ROOTS AND HERBS / ART BLAKEY

1961.2.18, 5.27

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

初来日ファンキージャズ公演の翌月とは思えないモーダルな雰囲気の盤

70年に公表されているが内容は素晴らしく、61年1月の初来日公演の翌月とは思えないモーダルな雰囲気の盤。来日公演はやはりファンサービス的な内容で、ショーターの加入もありバンド自体の体質は既にかなり変わっていたのだと思う。①ピンポンなど印象に残るカッコいい曲が多いのだが、愛聴盤にするほどでもないレベルだと思う。ティモンズは、洗練されたプレイをしていて、③バック・スライダーズなど、個性をいかしてソロを弾いている。しかし、ある意味、我慢しているような気もするので、退団が近づいているということだろう。(hand)



THE WITCH DOCTOR / ART BLAKEY

1961.5.14

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

録音の6年後に発表された勢いのある好盤

録音の6年後の67年に公表された盤。勢いのある盤で、当初の未発理由が不明な良盤だ。モーガンのオリジナル2曲、ショーター2曲のほか、ティモンズは、自盤「イージー・ダズ・イット」収録の④ア・リトル・ビジーを提供しており、もう1曲はメンバー以外のクリフォード・ジョーダンの曲。ティモンズは、自作後の解放感からか、ティモンズらしいソロを楽しげに弾いている。最新CDには、モーガン作のタイトル曲の別テイクが入っている。(hand)



THE FREEDOM RIDER / ART BLAKEY

1961.5.27

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

同時期の4枚分の録音のうち唯一の正規発売盤

同時期になされた4枚分の録音のうちアルフレッド・ライオンにより唯一録音直後(と言っても3年後の64年)に正規発売された盤。4枚とも素晴らしくなぜこれが最初に?と話題になるようだが、私の想像はこの盤が一番モーダル度が低く、過去のJMを感じるからではないかと思う。演奏はいいのだが、キラーチューンがないのが残念なところ。ドラムソロのタイトル曲は、意外と耐えられる。(hand)



OLYMPIA MAY 13 1961 FEATURING WAYNE SHORTER / ART BLAKEY

1961年5月13日

Europe 1

おすすめ度

hand        ★★★★☆  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

ライブでは相変わらずファンキーなパリ公演

1月の日本公演後、5月18日のパリのライブ。「フリーダム・ライダー」など4枚分のスタジオ録音(2月12日&18日、3月14日、5月27日)中だが、この盤にそこからの新曲はない。次作からカーティス・フラーが加わって3管になるので、この2管のメンバーの聞き納めになる。日本録音と曲、内容はあまり変わらないが、4ヶ月でショーターのソロがより堂々とした感じになったと思う。甘口のバラードがあまり得意と思えないショーターの2④時さえ忘れて、が意外といい。そして、ティモンズは、一般的に言われるファンキーピアニストの側面はかなり低下している。モーニンやダットデアなどのファンキーな曲は、ファンキーにプレイしているが、以前のようなアーシーさは感じない。むしろ、ティモンズ自身の弾きたいように弾いて、素晴らしいソロの録音を残していると言ったほうがよいと思える。バリー・ハリスのようなバド直系ではなく、日本で人気のクラーク、ケリー、ガーランドらも吸収したスタイルになっていると感じる。ある意味、この日は、絶好調なティモンズが聞ける録音とも言える。久々に管抜きでティモンズの1⑦マイ・ファニーも聞かれる。音質が近年の磨かれたリマスターに比べてイマイチなのは残念なところだ。(hand)



JAZZ MESSENGERS (A LA MODE)  / ART BLAKEY

1961.6.13 & 14

Impulse!

おすすめ度

hand     ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Curtis Fuller(tb), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Merritt(b)

3管JMのモーダルなインパルス盤「ア・ラ・モード」

「ア・ラ・モード」は日本タイトルで、「ジャズ・メッセンジャーズ」というまんまな元タイトル。インパルスがBNからブレイキーを借りて録音した2枚の1枚(もう1枚は63年のソニー・スティット入りのカルテット「ア・ジャズ・メッセージ」)。カーティス・フラーが加わって、厚みのある3管のスタート盤(フラーはまだ正式にはメンバーではなかったよう)だが、JMファンにはあまり人気がない。ブレイキーのワイルドで咆哮するようなソロもなく、全体にこじんまりとまとまった感じがするのだろう。私としては、整然としたJMもいいなーという印象だ。各楽器もよく鳴っていて、アンサンブルもよく、モーダルな感じもあり、悪くない盤だと思う。そして、ティモンズにとっては、JMラスト盤となる。最後まで自分らしさを貫いてはいるが、フロントが3本で厚いので、やや控えめに感じる。後任は、モードもできるシダー・ウォルトンとなり、ティモンズとはかなり違うタイプだ。(hand)



NICE AND EASY / JOHNNY LYTLE

1962.1.29
Jazzland

おすすめ度

 

hand        ★★★☆ 

Johnny Lytle(vib),

Johnny Griffin(ts), Bobby Timmons(p), Sam Jones(b), Louis Hayes(ds)

グリフィン&ティモンズ入りだが意外にも大人しい盤

ジョニー・ライトルは、今まで聞いて特に良かったと思った記憶がない人。悪くはないが良くもない、というところか。グリフィンとティモンズ入りなので、改めてちょい真剣に聞いてみる。ライトル自身への感想はあまり変わらない。グリフィンはそこそこ目立つが、ティモンズは意外にもあまり目立たない盤だ。 (hand)



MATADOR / KENNY DORHAM

1962.4.15

United Artists

おすすめ度

hand        ★★★★  

Kenny Doham(tp),

Jackie McLean(as), Bobby Timmons(p), Teddy Smith(b), J.C.Moses(ds)

モーダルになったドーハム盤に対応するティモンズ

②メラニーは、マクリーンの代表作「レット・フリーダム・リング」(1962年3月19日)のメロディ・フォー・メロネーと同曲で、その1カ月後(1962年4月15日)再演で、ドーハム盤ながらマクリーン度が濃い内容となっている。マクリーンによりモーダルな感じとなったこの盤で、ティモンズはバッキングではJMで(仕方なく?)鍛えたモーダルな感じに、ソロでは左手はモーダルに、右手は従来型のソロで問題なく対応していると思う。(hand)



L.T.D. / DEXTER GORDON

XXL / DEXTER GORDON

1969.5.4

Prestige

おすすめ度

hand        ★★★★  

Dexter Gordon(ts),

Bobby Timmons(p), Victor Gaskin(b), Percy Brice(ds)

ティモンズのラスト録音はデックスの米ライブ2枚

現時点(2026.1.3現在)でのティモンズの最後の録音。1969年5月4日のデクスター・ゴードンの久々のアメリカ録音で、ボルチモアのレフト・バンク・ソサエティでのライブ2枚。どちらも意味不明のアルファベット3文字タイトル。ティモンズとデックスの共演は、録音上はこの日が最初で最後だと思う。デックスの例によって長尺ライブだ。デックスのソロが長い分、ティモンズのソロもかなり長くなっていて、ティモンズの生涯の中でも最も長いソロが数多く聞かれる盤だと思う。少しだけファンキーな要素もあるが、基本はバド系の理知的なバッパーという感じだ。なかには、これまで聞いたことのないような面白い弾き方をした曲もある(L.T.D.②ボストン・バーニー)。 (hand)