Art Farmer サイド参加作3(1958~1964)

アート・ファーマーのサイド参加作には、名盤化しているものが多くあり、その最たる作品は1958年の「クール・ストラッティン」で、ブルーノートで一番の人気盤です。この58年を境にファーマーのサイド盤は減り、リーダー盤が中心になっていきます。



Cool Struttin' / Sonny Clark

1958.1.5

Blue Note

おすすめ度

hand       ★★★★★

Sonny Clark(p),

Art Farmer(tp), Jackie McLean(as), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)

ブルーノートを代表する人気盤

言うことのないジャズの最高名盤の1枚だと思う。メンバー全員が絶好調で、曲もいい。ファーマーに関して言えば、ブリリアントさとその後の特徴となる枯れた味わいも加わり始め、ハードバップのトランペッターとしての完成期ではないかと思う。CD追加2曲は、演奏は悪くないが色合いが微妙に違うので、別盤が適していた。(hand)



Further Explorations

1958.1.13

Blue Note

おすすめ度

hand       ★★★★

Horace Silver(p), 

Art Farmer(tp), Clifford Jordan(ts), Teddy Kotick(b), Louis Hayes(ds)

シルバーの粒揃いの曲の好盤

ファーマーは、シルバーと組んだ時が一番ブリリアント度が高まる気がする。テナーがモブレーからクリフォード・ジョーダンに変わる。ジョーダンは後年大化けするがこの頃は個性が弱いと思う。ただ、モブレーよりもエッジが立っているのはシルバー向きかもしれない。前作「スタイリング」同様にキラーチューンはないが、この盤も粒揃いの曲の好盤だ。シルバーのピアノは硬質で、好感が持てる。(hand)



MAL 3 / Mal Waldron

1958.1.31

Prestige

おすすめ度

hand       ★★★

Mal Waldron(p),

Art Farmer(tp), Eric Dixon(fl), Calo Scott(cello), Julian Euell(b), Elvin Jones(ds), Elaine Waldron(vo)

マルの異色作に協力

マルの1から4シリーズの3枚目。このシリーズの番号に特に意味はなく、単なる発売順あるいは録音順くらいの意味しかないと思う。この「3」だけは、3の前に「/」が入り、副題「サウンズ」まで付いているが意味はわからない。①テンションは、マルらしさもなくはないが、サードストリーム的な堅苦しい感もあり、まさにテンションを感じる。この前年にガンサー・シュラーがマイルスと「ミュージック・フォー・ブラス」を録音しており、影響を受けていてもおかしくない。ファーマーも目立たない訳ではないが、サードストリームをより感じるのは、エリック・ディクソンのテナーや、カロ・スコットという人のチェロがカラーを作っていることによるように感じた。④⑤の女性ボーカル(④はボイス)のエラニー・ウォルドロンは、マルの奥さんらしい。(hand)



I Want To Live / Gerry Mulligan

1958.5.24

United Artists

おすすめ度

hand       ★★★★

Gerry Mulligan(bs),

Art Farmer(tp), Frank Rosolino(tb), Bud Shank(as,fl), Pete Jolly(p), Red Mitchell(b), Shelly Manne(ds)

オマケ6曲のコンボ演奏が肝

サントラは、大編成のジョニー・マンデル・オーケストラで悪くはないが、マリガン、ファーマーは映画には出演はしたものの、録音には入っていないようだ。オマケ6曲がマリガン=ファーマーがメインとなるセプテットで、この盤のキモ。勢いもあり、演奏もいい。ただ、キラーチューンがないのが悲しい点だ。(hand)



Complete at Newport 1958 / Gerry Mulligan

1958.7.6

RLR

おすすめ度

hand       ★★★★

Gerry Mulligan(bs),

Art Farmer(tp), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)

マリガン〜ファーマーのニューポートの記録

1958年のニューポートのマリガン=ファーマーの録音は、92年には「マリガン・イン・ザ・メイン」という盤でCD化されていて、私のお気に入り盤だった。マリガン=ベイカーも嫌いではないが、ファーマーがマリガンには合っているように感じていた。今回の盤は8曲は「イン・ザ・メイン」と変わらないがオマケが3曲追加になっている。ライブなのになぜか2曲は別テイクで理由は不明だ。この3曲は残念なことに少し音が悪い。それでも内容がいいので許せてしまう。(hand)



ANNIE ROSS SING A SONG WITH MULLIGAN !

1958.9.25

Pacific Jazz

おすすめ度

hand       ★★★★

Annie Ross(vo),

Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs) Bill Crow(b), Dave Baily(ds)

マリガン~ファーマーでアニー・ロスの歌伴録音

アニー・ロスの歌伴のため、マリガン=ファーマーで、ニューヨークでの西海岸レーベル、パシフィック・ジャズのための録音。マリガンは、チェット・ベイカーと「リユニオン」を録音後、アニー・ロスともこの録音もして、このCDの後半に収録されている。マリガン=ファーマーのコンビの相性の良さはこの録音からも感じられる。主役のロスはどうか?①のようなLH&R的な曲は抜群の上手さを見せる。バラード曲はやや情感不足の気もするが、なかなかいい盤ではある。(hand)



What Is There To Say / Gerry Mulligan

1958.12.17, 18 & 23

Columbia

おすすめ度

hand       ★★★★

しげどん  ★★★★

Gerry Mulligan(bs),

Art Farmer(tp), Bill Crow(b), Dave Baily(ds)

マリガン〜ファーマーの絶妙コンビの隠れ名盤

隠れ名盤だと思う。マリガン=ファーマーのコンビの音色は絶妙に合っていて、私好みだ。スタンダードとマリガン・オリジナル(ファーマーとビル・クロウも各1曲ある)がいい感じにバランス良く入っている。ビル・クロウ著「さよならバードランド」(村上春樹・訳)にはこの時代のことも書かれていて面白く読める。(hand)
マリガンカルテットのファーマーといえば、映画「真夏の夜のジャズ」を思い出す。そこで演奏されていたAs Catch Canを含むこの作品は、ファーマーが参加したマリガンカルテットの代表作。(一般人気はNight Lightsが上ですが...)  ここでのファーマーは、マリガンに合わせてクールでカッコいい!(しげどん)


Bags’ Opus / Milt Jackson

1958年12月28日,29日

United Artists

おすすめ度

hand        ★★★★

しげどん   ★★★★☆

ショーン   ★★★★★

Milt Jackson(vib),Art Farmer(tp),Benny Golson(ts),Tommy Flanagan(p),Paul Chambers(b),Connie Kay(ds)

MJQ+2ホーンズのような雰囲気の名盤

ジョン・ルイスではなくトミフラのピアノだが、MJQ+2ホーンズのような雰囲気を感じる。ミルトはリーダー盤になると、ファンキー&ソウルフルな演奏をするとよく言われているが、ここでは最後まで品のいい演奏に終始している。ミルトの盤なので、ファーマーの活躍する場面は限られるが、この時期のファーマーは好調で、⑤シンキング・オブ・ユーではテーマも吹いている。くつろぎのあるイイ盤だ。(hand)

陰影のあるゆったりした雰囲気の愛聴に足る作品で、私的にはミルト・ジャクソンのリーダー盤では、オパス・デ・ジャズよりこちらの方が好き。ミルトの出番が多く彼のソロはもちろん素晴らしい。しかし、比較的ゆったりした曲調が多いため、ファーマー本来のしっとりした個性にマッチしていると思う。(しげどん)

ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンのメロディアスな演奏に、ファーマーの伸びやかなトランペットがしっかりとマッチして、最高のパフォーマンスを発揮している。しかもメンバーは超一流どころの面々である。ショーン的にも愛聴盤となる傑作アルバムだ。(ショーン)



Salute To Hamp / Teddy Charles

1959.2.10

Bethlehem

おすすめ度

hand        ★★★☆

Teddy Charles(vib,p),

Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(vtb, p), Zoot Sims(ts), Addison Farmer(b), Ed Thigpen(ds)

バイブ奏者としてのチャールズを楽しむ盤

①エア・メール・スペシャルのメロディが少し古臭く感じはするが、それ以外はモダンジャズのバリバリ感があるなかなかいい盤だと思う。バイブ奏者としてのチャールズを楽しむのに適している。ファーマーの聞かれる4曲は「モダン・アート+9」というCDにも収録されている。元気のいい演奏だ。(hand)



In Stockholm & Hollywood / Gerry Mulligan

①-⑧:1959.5.19

⑨-⑮:1959.2

SOLAR

おすすめ度

hand        ★★★★☆

Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)

マリガン~ファーマーの欧州ツアーの記録①

ストックホルムでの5月のライブに、ハリウッドでの2月の海軍放送用のスタジオ録音がオマケ収録されている盤。「ストックホルム」は1か月後の「ローマ」でフェイドアウトしている"言い出しかねて"が最後まで収録されている点が私には最大の魅力だ。ただ、長年愛聴してきた「ローマ」に耳が慣れてしまっていて、こちらが別テイク盤のように感じてしまっている。どちらもいい盤であることに変わりはない。後半の海軍用は、音圧がすごい。音も内容も悪くない。(hand)



In Concert / Gerry Mulligan

1959.5.21

SteepleChase

おすすめ度

hand        ★★★★☆

Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)

マリガン~ファーマーの欧州ツアーの記録②

マリガン=ファーマー4の欧州ツアーから「ローマ」、「ストックホルム」に続き、ついに正規レーベル、スティープルチェイスから「コペンハーゲン」が出たことに驚いた。内容は、いずれにも劣らぬ素晴らしさ。音もいい。(hand)



Complete Live In Rome Concert / Gerry Mulligan

1959.7.14

LONEHILL

おすすめ度

hand        ★★★★☆

Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)

マリガン~ファーマーの欧州ツアーの記録③

今は買いなおしてこのコンプリート盤だが、Vol.1と2に分かれた盤の1をかなり早くに入手し愛聴していた。中でも、言い出しかねて、がお気に入りで、マリガンがピアノを弾き、ファーマーのワンホーンのバラードが素晴らしいと思っていた。ただ、難点はマリガンのピアノソロが終わりファーマーのソロが始まるとフェイドアウトしてしまうことであった。その後、「ストックホルム」が出て、同曲がFOせずにきちんと収録されていた。ただ、一旦、気に入った演奏の「ローマ」の魅力は捨てがたい。『さよならバードランド』付編の村上春樹の私的・レコードガイドでも、「ローマ」は推薦されている。(hand)



Butterfly with Hiccups / Gerry Mulligan

①④⑤⑧:1963.9.3, 10.3 & 11

Limelight

おすすめ度

hand        ★★★☆

Gerry Mulligan(bs,p),

Art Farmer(tp:①④⑤⑧), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(gr:①④⑤⑧), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)

マリガン~ファーマー、マリガン~ブルックマイヤーのリユニオン録音

この盤と次作「ナイト・ライツ」が、マリガンとファーマーのリユニオン、そしてマリガンとブルックマイヤーのリユニオン録音ともなる。ファーマーと共演中のホールも参加している。最初の録音日がこちらは9月3日のライムライト録音、「ナイト・ライツ」は9月12日のフィリップス録音。そして、交互に録音が行われ、10月3日のフィリップス録音からなぜか④オールド・デビル・ムーンがこちらの盤に収録されている。そのあたりの理由は不明だ。こちらの8曲中4曲②③⑥⑦はファーマーとホールが抜けた翌64年の録音だ。この2つの盤は、「ナイト」が私の超お気に入りの1枚で、こちら「バタフライ」は正直特段いいとは思えない盤だ。特に冒頭のタイトル曲①がいいと思えないのが大きい。(hand)


Night Lights / Gerry Mulligan

1963.9.12, 10.2 & 3

Philips

おすすめ度

hand       ★★★★★

しげどん  ★★★★

ショーン  ★★★★★

Gerry Mulligan(bs,p),

Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(gr), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)

”アスペクト・イン・ジャズ”で知られる名盤

マリガン盤ながらマリガンは1曲目からピアノを弾いていて、ファーマー盤のようなスタートをする(ブルックマイヤーとホールもいるが)。マリガン〜ベイカーもいいが、くつろぎ度はマリガン〜ファーマーが上だと思う。この盤は、くつろぎ超名盤だと思う。もしかしたら、ファーマーはサイドマンの方が生きる⁈ジョニー・グリフィンと同じタイプなのかもしれない。(hand)

アスペクト・イン・ジャズのテーマの印象が強い。ジャズとしては聴きやすいリラックス盤すぎてやや物足りない。ファーマーはこの手の作品にフィットしているのだが、それが、ガチなジャズファンには不満な点かも・・(しげどん)

ジェリー・マリガンの甘く切ないバリトンサックスが洒落た夜のムードを演出し、アート・ファーマーが煌めきのトランペットで呼応する。Jazzファンでなくともこのアルバムは間違いなく受容できる筈だ。黙って聴けば間違いなくリラックスできる素晴らしいアルバムだ。(ショーン)



Swinger From Rio / Sergio Mendes

②⑥⑦:1964.12.7

Atlantic

おすすめ度

hand       ★★★★★

Sergio Mendes(p),

②⑥⑦:Art Farmer(flh), Antonio Carlos Jobim(gr), Sebastião Neto(b), Chico De Souza(ds)

セルジオ・メンデスのボサノバ盤に参加

ボサノバの私のお気に入り盤の1枚。ファーマーのほか、フィル・ウッズ、ヒューバート・ロウズなどがフィーチャーされる。ファーマーは②⑥⑦の3曲にフィーチャーされ、ファーマーらしい味のある演奏を聞かせている。(hand)