アート・ファーマーのサイド参加作には、名盤化しているものが多くあり、その最たる作品は1958年の「クール・ストラッティン」で、ブルーノートで一番の人気盤です。この58年を境にファーマーのサイド盤は減り、リーダー盤が中心になっていきます。
→アート・ファーマーのリーダー作レビュー4(準備中)
Sonny Clark(p),
Art Farmer(tp), Jackie McLean(as), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)
言うことのないジャズの最高名盤の1枚だと思う。メンバー全員が絶好調で、曲もいい。ファーマーに関して言えば、ブリリアントさとその後の特徴となる枯れた味わいも加わり始め、ハードバップのトランペッターとしての完成期ではないかと思う。CD追加2曲は、演奏は悪くないが色合いが微妙に違うので、別盤が適していた。(hand)
Horace Silver(p),
Art Farmer(tp), Clifford Jordan(ts), Teddy Kotick(b), Louis Hayes(ds)
ファーマーは、シルバーと組んだ時が一番ブリリアント度が高まる気がする。テナーがモブレーからクリフォード・ジョーダンに変わる。ジョーダンは後年大化けするがこの頃は個性が弱いと思う。ただ、モブレーよりもエッジが立っているのはシルバー向きかもしれない。前作「スタイリング」同様にキラーチューンはないが、この盤も粒揃いの曲の好盤だ。シルバーのピアノは硬質で、好感が持てる。(hand)
Mal Waldron(p),
Art Farmer(tp), Eric Dixon(fl), Calo Scott(cello), Julian Euell(b), Elvin Jones(ds), Elaine Waldron(vo)
マルの1から4シリーズの3枚目。このシリーズの番号に特に意味はなく、単なる発売順あるいは録音順くらいの意味しかないと思う。この「3」だけは、3の前に「/」が入り、副題「サウンズ」まで付いているが意味はわからない。①テンションは、マルらしさもなくはないが、サードストリーム的な堅苦しい感もあり、まさにテンションを感じる。この前年にガンサー・シュラーがマイルスと「ミュージック・フォー・ブラス」を録音しており、影響を受けていてもおかしくない。ファーマーも目立たない訳ではないが、サードストリームをより感じるのは、エリック・ディクソンのテナーや、カロ・スコットという人のチェロがカラーを作っていることによるように感じた。④⑤の女性ボーカル(④はボイス)のエラニー・ウォルドロンは、マルの奥さんらしい。(hand)
Gerry Mulligan(bs),
Art Farmer(tp), Frank Rosolino(tb), Bud Shank(as,fl), Pete Jolly(p), Red Mitchell(b), Shelly Manne(ds)
サントラは、大編成のジョニー・マンデル・オーケストラで悪くはないが、マリガン、ファーマーは映画には出演はしたものの、録音には入っていないようだ。オマケ6曲がマリガン=ファーマーがメインとなるセプテットで、この盤のキモ。勢いもあり、演奏もいい。ただ、キラーチューンがないのが悲しい点だ。(hand)
Gerry Mulligan(bs),
Art Farmer(tp), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)
1958年のニューポートのマリガン=ファーマーの録音は、92年には「マリガン・イン・ザ・メイン」という盤でCD化されていて、私のお気に入り盤だった。マリガン=ベイカーも嫌いではないが、ファーマーがマリガンには合っているように感じていた。今回の盤は8曲は「イン・ザ・メイン」と変わらないがオマケが3曲追加になっている。ライブなのになぜか2曲は別テイクで理由は不明だ。この3曲は残念なことに少し音が悪い。それでも内容がいいので許せてしまう。(hand)
Annie Ross(vo),
Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs) Bill Crow(b), Dave Baily(ds)
アニー・
Gerry Mulligan(bs),
Art Farmer(tp), Bill Crow(b), Dave Baily(ds)
Milt Jackson(vib),Art Farmer(tp),Benny Golson(ts),Tommy Flanagan(p),Paul Chambers(b),Connie Kay(ds)
ジョン・ルイスではなくトミフラのピアノだが、MJQ+2ホーンズのような雰囲気を感じる。ミルトはリーダー盤になると、ファンキー&ソウルフルな演奏をするとよく言われているが、ここでは最後まで品のいい演奏に終始している。ミルトの盤なので、ファーマーの活躍する場面は限られるが、この時期のファーマーは好調で、⑤シンキング・オブ・ユーではテーマも吹いている。くつろぎのあるイイ盤だ。(hand)
陰影のあるゆったりした雰囲気の愛聴に足る作品で、私的にはミルト・ジャクソンのリーダー盤では、オパス・デ・ジャズよりこちらの方が好き。ミルトの出番が多く彼のソロはもちろん素晴らしい。しかし、比較的ゆったりした曲調が多いため、ファーマー本来のしっとりした個性にマッチしていると思う。(しげどん)
ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンのメロディアスな演奏に、ファーマーの伸びやかなトランペットがしっかりとマッチして、最高のパフォーマンスを発揮している。しかもメンバーは超一流どころの面々である。ショーン的にも愛聴盤となる傑作アルバムだ。(ショーン)
Teddy Charles(vib,p),
Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(vtb, p), Zoot Sims(ts), Addison Farmer(b), Ed Thigpen(ds)
①エア・メール・スペシャルのメロディが少し古臭く感じはするが、それ以外はモダンジャズのバリバリ感があるなかなかいい盤だと思う。バイブ奏者としてのチャールズを楽しむのに適している。ファーマーの聞かれる4曲は「モダン・アート+9」というCDにも収録されている。元気のいい演奏だ。(hand)
Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)
ストックホルムでの5月のライブに、ハリウッドでの2月の海軍放送用のスタジオ録音がオマケ収録されている盤。「ストックホルム」は1か月後の「ローマ」でフェイドアウトしている"言い出しかねて"が最後まで収録されている点が私には最大の魅力だ。ただ、長年愛聴してきた「ローマ」に耳が慣れてしまっていて、こちらが別テイク盤のように感じてしまっている。どちらもいい盤であることに変わりはない。後半の海軍用は、音圧がすごい。音も内容も悪くない。(hand)
1959.5.21
SteepleChase
おすすめ度
hand ★★★★☆
Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)
マリガン=ファーマー4の欧州ツアーから「ローマ」、「ストックホルム」に続き、ついに正規レーベル、スティープルチェイスから「コペンハーゲン」が出たことに驚いた。内容は、いずれにも劣らぬ素晴らしさ。音もいい。(hand)
Art Farmer(tp), Gerry Mulligan(bs,p), Bill Crow(b), Dave Balley(ds)
今は買いなおしてこのコンプリート盤だが、Vol.1と2に分かれた盤の1をかなり早くに入手し愛聴していた。中でも、言い出しかねて、がお気に入りで、マリガンがピアノを弾き、ファーマーのワンホーンのバラードが素晴らしいと思っていた。ただ、難点はマリガンのピアノソロが終わりファーマーのソロが始まるとフェイドアウトしてしまうことであった。その後、「ストックホルム」が出て、同曲がFOせずにきちんと収録されていた。ただ、一旦、気に入った演奏の「ローマ」の魅力は捨てがたい。『さよならバードランド』付編の村上春樹の私的・レコードガイドでも、「ローマ」は推薦されている。(hand)
①④⑤⑧:1963.9.3, 10.3 & 11
Limelight
おすすめ度
hand ★★★☆
Gerry Mulligan(bs,p),
Art Farmer(tp:①④⑤⑧), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(gr:①④⑤⑧), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)
Gerry Mulligan(bs,p),
Art Farmer(tp), Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(gr), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds)
アスペクト・イン・ジャズのテーマの印象が強い。ジャズとしては聴きやすいリラックス盤すぎてやや物足りない。ファーマーはこの手の作品にフィットしているのだが、それが、ガチなジャズファンには不満な点かも・・(しげどん)
ジェリー・マリガンの甘く切ないバリトンサックスが洒落た夜のムードを演出し、アート・ファーマーが煌めきのトランペットで呼応する。Jazzファンでなくともこのアルバムは間違いなく受容できる筈だ。黙って聴けば間違いなくリラックスできる素晴らしいアルバムだ。(ショーン)
Sergio Mendes(p),
②⑥⑦:Art Farmer(flh), Antonio Carlos Jobim(gr), Sebastião Neto(b), Chico De Souza(ds)
→アート・ファーマーのリーダー作レビュー4(準備中)
ジャズCD 15000枚所蔵しているモダンジャズマニアhand氏、高校生の頃からジャズにはまり40年以上聴き続けているアナログ&トラディショナル派のしげどん、元々はビートルズマニアだったのが二人に巻き込まれてジャズファンに染まったショーン氏。三人それぞれの視点でジャズを楽しく論じているページです。
おすすめCDを聴いてお感じになった感想、ご意見などは、こちらから
