Art Farmer CD 主要作 ディスクガイド:サイド作4


THE TOTAL / J.J. Johnson

1956.11.30,12.2 & 5

RCA

おすすめ度

hand     ★★★★☆

JJの大編成盤だが、演奏がモーダルで私好みの内容になっている。ファーマーは全曲に参加していて、⑦⑨の2曲で素晴らしいソロを聞かせている。 (hand)



NORTH SEA JAZZ FESTIVAL VOL.1 / Louis Van Dijk

1972.1.12

Jazz World

おすすめ度

hand     ★★★★

オランダのノースシーフェスにルイス・ヴァン・ダイク3をホストに米ミュージシャンをフィーチャーしたプログラムだと思われる。ゲストはディジー、サド、コンテ・カンドリとファーマーの4人が各2曲ずつ。ファーマーの1曲スリーピング・ビーは、曲も演奏もファーマーらしい「ほのぼの」感の出た、いい演奏だ。もう1曲サム・アザー・タイムも悪くない。ヴァン・ダイクのサポートは素晴らしくて、フロントをその気にさせるのが上手い。 (hand)



COMMITMENT / Jim Hall

1976.6.21

A&M

おすすめ度

hand     ★★★☆

盟友のジム・ホール盤に3曲参加(①③⑧)。「哀愁のマタドール」という、「アランフェス」のヒットで2匹目のドジョウ盤と思われる。ただ、ホール盤自身のタイトルは、どちらも関係ないので、日本タイトルがそうなっているだけとも言える。「アランフェス」のチェットに変わりファーマーが招かれている。ライナーには来日時に仲良くなかったと書かれているファーマーとホールだが、ここでは重要なゲストとしてファーマーが参加しており、この後もファーマーの「ヤマ」でも共演しているので、仲良いかどうかは別として、音楽的な相性の良さはお互いに理解しているのだろう。プロデューサーはジョン・スナイダーでクリード・テイラーではないが、CTIでテイラーのアシスタントをしていたらしく、テイラーの商魂逞しさを引き継いでいるのかもしれない。日本タイトルの元となった曲③マタドールへの哀歌は、ファーマーの演奏自体は悪くないが、ボイスがなんだか昭和のメロドラマ曲のようでつらい。調べてみると、伊作曲家トマゾ・アルビノーニという人のバロックの名曲で、映画「審判」に使われた曲らしい。この辺りは、bakojiさんという方の「ジャズギターを聴く」というブログに詳しく書かれている。 (hand)



AUTOPHYSIOPSYCHIC / Yusef Lateef

1977.10

CTI

おすすめ度

hand     ★★★

ユゼフとCTI、これほど合わなそうな組合せはない気がする。しかし、さすがはユゼフ、CTIっぽいフュージョン的な環境を完全に超越し、自分らしい音楽にしてしまっている。ファーマーも自己2作「クロール」、「サムシング」では何だか無理をしている感じだったのが、自然なソロを吹いているように感じる。 (hand)



DUKE'S ARTISTRY / Duke Jordan

1978.6.30

SteepleChase

おすすめ度

hand     ★★☆

最新のCDはわからないが、一時期のCD(私の所有するこのCDも)は、同じ曲の本テイクと別テイクが続けて入っていて、観賞用としてはイラッとする曲順になっている。オマケテイクは最後にまとめて、というのは観賞する側の立場から考えれば、当然のことだと思う。この盤は「ポートレート」以来約20年ぶりのファーマーとジョーダンのワンホーン盤なのだが、正直あまりピリッとしない気がする。 (hand)



SOMETHING TASTY / SUPER JAZZ TRIO

1979.5.25

Baystate

おすすめ度

hand     ★★★★

グレイト・ジャズ・トリオの成功を見て、2匹目のドジョウ的に結成されたと思われるスーパー・ジャズ・トリオ。GJTほどは売れなかったと思うが、トミフラなどはSJTなどの名前には全くこだわらず、ただただ素晴らしいトリオ演奏がしたいというメンバーによりクオリティは確保されていた。そのSJTとファーマーの組合せの東京でのスタジオ録音。甘口スタンダードばかりだと嫌になるが、全くそうなってはいない。多分、商魂逞しいプロデューサーの手にかからなかったのだろう。表示にはオザワヨシオと書かれている。好感の日本人プロデューサーである。

※その後、調べていくと、私の苦手なKプロデューサー以前にRVCでプロデューサーをしていた小沢善雄という人物であるとorubhatraという方の“音盤テルトン”というホームページで判明。マックス・ローチのマネージャーまでやったすごい人のようだ。小沢プロデューサーとKプロデューサーに対する考えが私と同じ人がいてとても嬉しく思った。私の好きだったドリューの後半生をジャズ的に全くつまらないものにしてしまったKプロデューサー、その罪は大きいと思う。 (hand)



ISIS / Enrico Piranunzi

1980.2.9 & 11

Soul Note

おすすめ度

hand     ★★★

エンリコとファーマーのロマンチックな共演かと思うと、ビバップ曲多数で驚く。エンリコとビバップほど似合わないものはないと思うし、ファーマーにしてもビバップ期に活動をスタートはしているがディジーのようなバリバリのバッパーであったことはないと思う。そんな2人がビバップを多く取り上げたアルバムを作るとはどういうことだろう?ただ、この時期のファーマー盤には必ずと言っていいほどバップ曲が収録されているので、ファーマーが自らのバップ魂に目覚めていた可能性はある。この盤に限れば、エンリコにやりたいことをやらせて、ファーマーがそこにどう乗っかるかを楽しむ盤にしたほうが良かったのかもしれない。その意味で、ジャケは素晴らしいが、音とは合っていない。 (hand)



ETUDES / Ron Carter

1982.9

Elektra Musician

おすすめ度

hand     ★★★

タイトルからアルコでクラシカルな演奏を想像して聞いたところ、スインギーな①ラスト・リゾートからスタートして安心する。ただ、この時期のロンはアコースティックながらややエレキ的な音色なのが少し残念なところだ。基本的には、ロンのベースを聞く盤で、ファーマーとビル・エバンスのテナーの活躍度はそれほど高くない。 (hand)



ART FARMER, LEE KONITZ WITH THE JOE CARTER QUARTET & TRIO

1984.10.25 & 26

Stash

おすすめ度

hand     ★★★★

Joe Carter(g),

Art Farmer(tp), Hervie Swartz(b), Akira Tana(ds) 

名前を聞いたことのなかったギターのジョー・カーターとファーマーとコニッツという大御所2人との盤。と言っても、2人の共演はなくカーター3とファーマーの6曲①-⑥とドラムが抜けたカーター2とコニッツの2曲⑦⑧をオマケ的にラストに収録した盤だ。ファーマーにあまり似ていないトランペッターのアニメ的なジャケは海賊盤っぽいが、きちんとしたスタジオ録音だ。カーターのギターは、ジム・ホールを感じるスタイルで、ハービーSとアキラ・タナの手堅いサポートを得て、大御所たちにもひるむことなく、リーダーをきっちりと務めている。⑦はコニッツ曲マイナー・ブルース・インFとされているがどう聞いてもスター・アイズで、コニッツは入っていない。なので、コニッツは実際は⑧のみの参加で、悪くない内容だがもっと聞きたくなる。 (hand)