Curtis Fuller カーティス・フラー  共同リーダー作CDレビュー

このページでは、カーティス・フラーの共同リーダー作を紹介しています。

かなりマニアックな作品が多く、入手困難盤もありますので、そのような盤は通販サイトでのリンクはつけておりません。

hand氏の執念深い研究でのコメントを掲載しております。


Jazz Conference Abroad/Curtis Fuller And The Jazz Ambassador ジャズ・カンファレンス・アブロード/カーティス・フラー&ザ・ジャズ・アンバサダー

1961年3月10日

Smash

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おすすめ度

hand       ★★★☆

Freddie Hubbard (tp),Benny Bailey (tp),Curtis Fuller (tb),Ake Persson (tb),Phil Woods (as),Eric Dixon (ts),Sahib Shihab (bars, fl),Patti Brown (p),Buddy Collette (b),Stu Martin (ds)

未CD化。フラーの名はあるが、クインシー・ジョーンズの欧州ツアー中の録音盤

なぜかフラー名義にはなっているが、クインシーのリーダー盤だと思う。昼間、「グレート・ワールド」のライブ録音したメンバーで、その夜にスタジオで録音した盤らしい。契約の関係でクインシー名義にできなかったのかもしれない。私自身、盤が入手できず、YouTubeで聞いたが、スタジオ盤なのに粗削りな内容だと思った。多分、正規録音ではないのだろう。CD化もされていない。①ビリーズ・バウンスは、トロンボーン、テナー、トランペット、アルト、トランペット、バリ、トロンボーン、ベース、ドラムのソロ回し。②ブルーン・ブギーは、 トランペット、バリ、トロンボーン、アルト、トランペット、フルート、トロンボーン、ピアノ、ベース③ストールン・モーメンツは、テーマがなくフレディのトランペットソロから始まる。このソロは超長いが素晴らしい。続くテナーソロの途中でフェイド・アウトだ。④スクラップルは、トロンボーン、バリ、トランペット、アルト、トランペット、テナー、トロンボーン、ピアノのソロ回し。全体には、想像どおり、特にフラーが目立つことはない。クインシー的な予定調和感も弱く、それが楽しめる理由かもしれない。(hand)



Giant Bones '80 /Curtis Fuller & Kai Winding ジャイアント・ボーンズ’80/カーティス・フラー&カイ・ウィンディング

1979年

Sonet

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おすすめ度

hand       ★★★☆

Kai Winding(tb), Curtis Fuller(tb),Horace Parlan(p),Mads Vinding(b),Ed Thigpen(ds)

フラーとカイ・ウィンディングの双頭バンド、ジャイアント・ボーンズのデンマーク録音盤

トロンボーンの不動の第一人者はJ.J. ジョンソン、ということで不動なのでなかなか動かし難く(笑)、第二位を争うのがフラーとこのカイ・ウィンディングではないかと思う(独断です。)。そんな2人が共演し、2枚続けて盤を作った。1作目がコペンハーゲン録音のこの盤で、バトルではなく、仲良く共演している感じの内容。正直、2人の音色を聞き分けるのは難しいが、右がフラー、左がカイだと思う。バックも、ホレス・パーラン、マッズ・ヴィンディング、エド・シグペンと、デンマーク在住の最高のトリオだと思う。(hand)



Giant Bones At Nice/Curtis Fuller & Kai Winding ジャイアント・ボーンズ・アット・ニース/カーティス・フラー&カイ・ウィンディング

1980年7月18日

Ahead

おすすめ度

hand       ★★★☆

Kai Winding(tb), Curtis Fuller(tb),Hank Jones(p),John Clayton(b),Jimmy Cobb(ds)

ジャイアント・ボーンズの2作目はリズム隊を変えて仏ニースでの録音

カイとのジャイアント・ボーンズの2作目。ライブのようなタイトルだが、フランスの保養地で有名なニースのオープンエアのスタジオ録音。まさにニース!という感じで、2人とも寛いでいる。バックも、ハンク・ジョーンズ、ジョン・クレイトン、ジミー・コブとアメリカからの豪華なメンツだ。CD化でタイトルが「ボーン・ナペティ」に変わっている。(hand)



At Onkel Po's Carnegie Hall Hamburg 1982 /Timeless All Stars タイムレス・オール・スターズ・アット・オンケル・ポーズ・カーネギーホール ハンブルグ 1982

1982年4月5日

NDR

おすすめ度

hand       ★★★☆

Curtis Fuller (tb), Harold Land (ts), Cedar Walton (p), Bobby Hutcherson (vib), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds)

タイムレス・オールスターズの初録音の発掘盤

タイムレス・オールスターズの正式録音(82年4月28日)の3週間前(4月5日)の録音の発掘盤(2018年発表)。ハンブルグでのライブ。ミルト・ジャクソンのバイブは熱くてソウルフルと言われる。ボビー・ハッチャーソンのバイブは真逆で、メタリックでクールだ。阿佐ヶ谷のジャズバー、マンハッタンのマスターがハッチャーソンのランドマーク盤を夏にかけていて「涼しいでしょ?!」と言っていたのを思い出す(笑)。特にブルーノートの新主流派の作品にはそうしたものが多く、私はあまり得意ではない。特にドルフィの「アウト・トゥ・ランチ」が最苦手盤で、ハッチャーソンが活躍している。ところが、タイムレス・オールスターズではそこまで冷たくなく、むしろ温かみがある。新主流派的でないフラーのおかげである可能性がある。(hand)



It's Timeless/Timeless All Stars イッツ・タイムレス/タイムレス・オールスターズ

1982年4月28日

Baystate

おすすめ度

hand       ★★★☆

Curtis Fuller (tb), Harold Land (ts), Cedar Walton (p), Bobby Hutcherson (vib), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds)

タイムレス・オールスターズの正規初リーダー盤。フラーはリーダー格で活躍

オランダのタイムレス・レーベル所属のオールスターバンドのデビュー盤。サンフランシスコ、キーストーン・コーナーでのライブ。最初のMCの紹介のラストがフラーなので、一番のスターなのだと思う。フラー以外の当時のメンバーの感じは、私の苦手な新主流派的なサウンドになりがちなメンバーということだ。ただ、この盤はフラーの活躍と、メンバーを寄せ集めたばかりのためか、スタンダードが多いためか、冷たい感じにはなっていない。このバンドは、タイムレスのオールスターズなのにタイムレス以外のレーベルも含め、5枚の盤を出している。うち1枚はフラーが脱退し、スティーブ・ターレが加入している。(追記)スタンダードが多い理由がわかった。私の苦手な日本人プロデューサーK氏がプロデュースした作品だった。(hand)



Timeless Heart/Timeless All Stars タイムレス・ハート/タイムレス・オールスターズ

1983年4月8日

Baystate

おすすめ度

hand       ★★★

Curtis Fuller (tb), Harold Land (ts), Cedar Walton (p), Bobby Hutcherson (vib), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds)

タイムレス・オールスターズの主導権がピアノのシダー・ウォルトンに移ったと思われる盤

全6曲だが、正式メンバーのはずのフラーはなぜか冒頭2曲不参加で3曲目から参加。シダー・ウォルトンのカラーが強まった気がする。新主流派的な雰囲気だ。好き嫌いが分かれるところだと思う。フラーのソロ自体は悪くない。(hand)



Essence /Timeless All Stars  エッセンス/タイムレス・オールスターズ

1986年6月25&26日

Delos

おすすめ度

hand       ★★★★

Curtis Fuller (tb), Harold Land (ts), Cedar Walton (p), Bobby Hutcherson (vib), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds)

タイムレス・オールスターズでのフラーのラスト作。フラーのボーンは好調

フラーは好調で、いい音で鳴っている。温かみのある盤だ。この盤を最後にフラーはこのバンドを離れ、5年後の次作「タイム・フォー・タイムレス」にはフラーに代わり、スティーブ・ターレが参加しているが、このバンドはそれがラストになる。(hand)



Together In Monaco/Curtis Fuller With Paul Jeffrey トゥゲザー・イン・モナコ/カーティス・フラー・ウィズ・ポール・ジェフリー

1996年5月

AMOSAYA MUSIC

おすすめ度

hand       ★★★

Curtis Fuller(tb), Paul Jeffrey(ts), Charles Vaudano(tp), Jeb Patton(p), Marc Abrams(b), Washington Duke(ds), Marcello Tonolo(p), Calvin Jones(b), Michael Scott(ds)

モンクの最後のテナー奏者、ポール・ジェフリーとの共演盤

テナーのポール・ジェフリーとの共演盤。ジェフリーは知らなかったので調べてみると60年代後半から何枚もリーダー盤を出している人だった。70年からはチャーリー・ラウズに代わりモンク・カルテットに入り、来日もしていた。正統派のテナーらしいテナーを吹く人だ。この盤の一番残念なのは、フラーの音色だ。どうも調子があまりよくない。(hand)