SONNY ROLLINS ソニー・ロリンズおすすめCD 名盤&主要作品


よどみない豊かなフレイジング、豪快な音色、そしてユーモラスな表現も見せるモダンテナー最高のインプロヴァイザー。

ソニー・ロリンズ:1929年9月7日NY生まれ:多分、現存するジャズの最後の巨人。ニューヨーク生まれで、コールマン・ホーキンスらスイング時代の巨匠を聞いて育ったが、デビューしたバップ期のバド・パウエルらと共演した頃には、デクスター・ゴードンをアイドルとしていた。マイルスと共演した後、ローチ=ブラウン・クインテットに参加、ローチ=ブラウン在団中に、ジャズ史上最高名盤とも言われる「サキソフォン・コロッサス」(=通称サキコロ)を吹き込んでいる。A面一曲目のセント・トーマス,B面のモリタートはジャズファンなら誰でも口ずさめる名演だ。

名盤中の名盤サキソフォンコロッサス

今回も、3人ともにやはりサキソフォン・コロッサスが必然として第一位となった。それ以外は、この会の徹底的な聴き直しにより、従来型の名盤と多少異なる趣の選盤となったと思う。(hand)



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タイトル下の日付は録音日です。パーソネルも記載しているので参考にしてください。


新宿Jazz談義のおすすめ                          Sonny Rollins  名盤Best 5

おすすめ盤CD1:Saxophone Colossus/Sonny Rollins                                                                      サキソフォン・コロッサス/ソニー・ロリンズ

1956年6月22日

Prestige

 

サキソフォン・コロッサス [UHQCD x MQA-CD]<生産限定盤>

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん ★★★★★

ショーン ★★★★★

Sonny Rollins(ts),Tommy Flanagan(p),Dug Watkins(b),Max Roach(ds)

モダンジャズ最高の文句なしの名盤中の名盤。全曲が完璧な素晴らしさ。

高校生の時に生まれて初めて買ったLPがコレ。収録曲が全曲名演で完璧な作品。2曲目のYou don’t know what love is に高校の時はまり、何度も何度も聴いたものだった。本格的にジャズにのめり込んでいった思い出のレコード。

盟友クリフォード・ブラウンの交通事故死はこの録音の三日後の出来事だった。

(しげどん)

ジャズの最高名盤の文句ない一枚。緊張感もくつろぎも併せ持った素晴らしい内容。全曲ともに必聴盤(hand)

ロリンズのベストアルバム、というか、モダンジャズのNo.1アルバム。A①独創的で印象深いフレーズで始まるSt.Thomas。ローチのドラミングが兎に角素晴らしい。曲の展開とロリンズのアトリヴが完璧に織りなす名曲名演。②うって変わって官能的なYou don't know what love is。エンディングが特に素晴らしく、感動する。③Strode Rodeもアップテンポの中に独創性満載。ここでもローチの活躍が目立つ。B①Moritatインプロビゼーションのお手本とも言えるロリンズのプレイ。意外性がありながらも必然性のあるフレーズがピタリとハマっていて、堪らない。②最後は、新鮮味と独創性に満ちた作品。静謐な中にしっかりとした骨を感じる。ベースのワトキンスがいい仕事をし、フラナガンのピアノとローチのドラムは、優しく語りかける。余韻を残し、最後に相応しい。(ショーン)

セント・トーマスは三菱UFJのCMにも使われ、一般的にも良く知られた名曲。モリタートもジャズの定番中の定番!



おすすめ盤CD2:Sonny Rollins With MJQ                                                                                ソニーロリンズ ウィズ モダンジャズカルテット

1951年1月17日

※1951年12月17日

※※1953年10月7日

Prestige

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん ★★★★☆

ショーン ★★★★★

Sonny Rollins(ts)、Miles Davis(p),Percy Heath(b),Roy Haynes(ds)

※Sonny Rollins(ts)、Kenny Drew(p)、Percy Heath(b)、Art Blakey(ds)

※※Sonny Rollins(ts)、Milt Jackson(vib)、John Lewis(p)、Percy Heath(b)、Kenny Clark(ds)

驚異的な完成度の高さに驚く堂々たる初リーダー作

冒頭からロリンズが快調に吹きまくり、気合いの入ったデビュー盤であることを感じる。MJQのドラムスがケニー・クラーク時代で正解、この荒々しい感じがいい。センチメンタル・ムードのくつろいだ演奏もデビュー盤とは思えない余裕ぶり。後半は、リズム隊がドリュー・トリオに交替し、演奏もビバップ風になるが、いい出来であることに変わりはない。(hand)

小気味良くキレの良いリズムに乗って、ロリンズが軽快に飛ばしている。短めの曲が多いが、逆に無駄が無く感じられて、完成度が高いアルバムだ。これが初リーダー作とは恐れ入る。どうしてこうもメロディアスなフレーズがポンポンと出てくるのだろう!やはり巨人とは初めからこういうものなのか? In the sentimental mood の落ち着いたスローなバラードはバイブレーションの効いた息遣いの秀曲で、アップテンポの曲に挟まれて、より惹き立つ。またOn a Slow Boat to Chinaの淀みなく流れる美しいメロディーも大好きだ。(ショーン)



おすすめCD3:A NIGHT AT VILLAGE VANGUARD/SONNY ROLLINS                        ビレッジ・バンガードの夜/ソニー・ロリンズ

1957年11月3日

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん ★★★★★

ショーン ★★★★☆

Sonny Rollins(ts)、Wilbur Ware(b)、Elvin Jones(ds)、Donald Bailey(b)、Pete LaRoca(ds)

熱く盛り上がるアドリブフレーズの極致が味わえるライブの傑作アルバム

素晴らしいライブの名盤。エルビン・ジョーンズとウィルバー・ウエアのワイルドなサポートに鼓舞されて、緻密なロリンズも熱気爆発。朝日のごとく・・は名演が多いが、これも多くのジャズファンに記憶されている名演の一つ。ソニームーンはアドリブの面白さも最高。ロリンズはドラマーとしてはブレイキーとエルビン・ジョーンズが合っているのでは?(しげどん)

ベースとドラムスから始まる名盤は多いが、この盤Old Devil Moonもそう。ベース、ドラムがこの盤を熱く盛り上げている。若い頃、初めて聞いて、あまりのカッコよさにすぐにお気に入りになった。Softly・・・この曲の最高名演の一つ。Sonny Moon…ロリンズ作のスタンダード化しているカッコいい曲。Tunisia・・・イントロから吹き始めるロリンズ。この荒々しさがイイ。ピート・ラロッカはこの曲だけだが、ソロも含めいいキレ味。I Can't Get・・・甘さを排した渋いバラードだ。(hand)

※一日の昼と夜のライブ録音から編集されていて、B面2のNight in Tunisiaだけが昼の部の演奏で、ベースがDonald Bailey,ドラムスがPete La Roca です。

その後未発表の音源が発掘され、第二集として発売されたり、CDではコンプリート盤もでています。

→ディスク・レビュー参照



おすすめ盤CD4:SONNY ROLLINS VOLUME 2                                                                                 ソニー・ロリンズ 第二集

1957年4月14日

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん ★★★★★

ショーン ★★★★★

J.J. Johnson(tb)、Sonny Rollins(ts)、Horace Silver(p)、Paul Chambers(b)、Art Blakey(ds)、Thelonious Monk(p)

豪華メンバーの豪華な技の共演。ロリンズも絶好調で迫力満点。

生々しく迫力ある名盤。大御所が揃って技を競い合っており、聴いていて息を抜けない。特に3曲目のMisteriosoでは、何とセロニアスモンクとホレスシルバー、2人の天才ピアニストが共演!途中で交代して演奏しているらしい?!そんな事があり得るのか?よくセロニアスが「文句」を言わなかったものだ。このアルバムでのロリンズは、テナーを幅広い音域で縦横無尽に吹きまくり、迷いがなく好調な様子に見てとれる。アートブレイキーの勢いのあるドラミングに支えられて、J.J.ジョンソンのトロンボーン、ポールチェンバースのベースも好プレイを連発!凄い化学反応を起こしたアルバム。(ショーン)

アート・ブレイキーはなんて素晴らしいドラマーなのだ!と思える作品。1曲目から爆発的にジャズらしい乗りのある動きがある。モンクも素晴らしいので、聴きごたえある一枚。(しげどん)

J.J.は、2管の意味を理解して演奏している。そこにいることが必然と思わせる演奏だ。シルバーもノリがいい。ロリンズにはプレイキーが合っている。モンク参加の2曲も、違和感なく溶け込んでいる。(hand)



おすすめCD5:SONNY ROLLINS AT MUSIC INN                                                                            ソニー・ロリンズ アット ミュージック・イン

1958年8月3日

metro jazz

Atlantic

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん ★★★☆

ショーン ★★★★☆

Sonny Rollins(ts)、John Lewis(p)、Milt Jackson(vib)、Percy Heath(b)、Connie Kay(ds)

落ち着いた雰囲気のMJQらしさが出たライブアルバム

ジョンルイスの静かな感じから始まるが、ロリンズ 登場で活力がみなぎる。激しい演奏ではないが、今日のロリンズ は好調とわかる音色だ。ライムハウスブルースでは、指も舌も滑らかなロリンズ が聞かれる。ゆっくりのバラードも全くダレない。傑作だ。アナログ時代には、MJQのオマケ2曲と、テディ・エドワーズとのカプリングの4曲に分散され、1作品として聞くことができなかった。CD化して名盤だと改めて感じる盤。(hand)

ロリンズのテナーは、1ホーンとは思えないくらいの存在感と、中低域における厚みがある。ただライブらしい荒々しさに乏しく、もう少し破茶滅茶して欲しかった。惜しい!音質が極めて良く、ボリュームを上げて聴くと良いだろう。アルバムとしての完成度は高く、ロリンズが参加していない曲でのミルトジャクソン、テディエドワーズの演奏が特に素晴らしい。(ショーン)

ライブの熱気や荒々しさはなく、きっちりとまとまった落ち着いた雰囲気のライブ演奏。MJQの特徴がよく出たライブだ。(しげどん)

※hand氏のコメントにあるこの作品の経緯に関して補足注釈

この日のライブ演奏は全10曲で、そのうちロリンズ参加は6曲。

アナログ時代の「SONNY ROLLINS AT MUSIC INN」は、そのうちの4曲と、ロリンズとは関係ない別の日のテディ・エドワーズ(ts)のセッション2曲と合わせていちまいのLPにしたものでした。

残りの2曲はミルト・ジャクソンの契約上の理由から、アトランティック盤「MJQ AT MUSIC INN Guest Artist: SONNY ROLLINS」の一部として、ロリンズが参加していない4曲とともに発売されていました。これが下のデザインです。

画像(上)に貼ったリンクは、CDとしてその二枚を合体させたものなので、これではじめてこの日の演奏が通して聴けるようになったのは、hand氏のコメントの通りです。