Clifford Brown CDディスクガイド:サイド参加作編

クリフォード・ブラウンのサイドマンとしての参加作を紹介しています。

サイド参加作にも歴史的な重要作が多く、その多くは歴史的な名盤とされています。

クリフォード・ブラウン ディスクガイド 目次

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クリフォード・ブラウン 主要作 その1

クリフォード・ブラウン 主要作 その2

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The Eminent Jay Jay Johnson  ジ・エミネント・ジェイ・ジェイ・ジョンソン 完全盤

1953年6月22日

Blue Note

おすすめ度

hand ★★★★☆

しげどん ★★★★☆

J.J. Johnson(tb),Clifford Brown(tp:except "It Could Happen To You"),Jimmy Heath(ts,bs:except "It Could Happen To You"),John Lewis(p),Percy Heath(b),Kenny Clarke(ds)

ブラウニーの初期の演奏が聴けるJJジョンソンのブルーノート初吹込み

改めて聞いて素晴らしい盤と再認識。当然ブラウニーはいいのだが、JJの硬質な音色もカッコいい。JJとブラウニーが素晴らし過ぎて、もう1人のフロント、ジミー・ヒースは霞んでいる。私のCDは別テイク→本テイクの順に入っている鑑賞に不向きなタイプだが、最近オリジナルLP曲順のCDが増えているようで好ましいことだと思う。(hand)

3枚の10インチ盤で発売されていたJJ ジョンソンの3回のリーダーセッションがその後12インチ盤に集約された際に、それぞれ別テイクが加わり2枚に分散収録されていた。ブラウニー参加のセクステットは最初のセッションで、ジミー・ヒースと初期MJQのリズムセクションとの顔合わせ。リーダーJJの出番が多いが、ブラウニーのソロはハッとするほど輝いている。なお、2回目のウィントン・ケリーとチャールズ・ミンガスとのワンホーンセッション及び3回目のハンク・モブレーとのセッションなども、この時期のサイド参加メンバーの記録としても興味尽きない。名盤だ。(しげどん)



A Night at Birdland Vol.1/Art Blakey    バードランドの夜 第一集  アート・ブレイキー

1954年2月21日

Blue Note

おすすめ度

hand ★★★★★

しげどん ★★★★★

ショーン ★★★★★

Clifford Brown(tp),Lou Donarldson(as),Horace Silver(p),Curley Russel(b),Art Blakey(ds)

ハード・バップの夜明けを記録した歴史的なライブ

ハードバップの夜明けを記録した1枚。ライブなのに、しかも夜明けからこんなに完成度の高いモダンジャズだ。特にルー・ドナルドソンをその後のブルージー&ファンキーなアルトと思って聞くと、あまりのバッパー振りに驚く。ブラウン以上にこの盤では主役級の活躍だ。アート・ブレイキーの扇動のおかげだと思う。ただ、当然のごとく、ブラウンは素晴らしい。最近のCDは、頭のMCとの間に切れ目を入れ、スプリット・キックを2曲目にしてくれたので、繰り返して聞くためのハードルが下がってありがたい。メモリアルのストックホルム・スイートニンとこの曲が、私のブラウンの二大愛聴曲だからだ。(hand)

ジャズライブの楽しさ、熱気、が無条件で味わえる傑作レコード。ブラウニー、ルウドナ、ホレスシルバーの最高のソロを記録した54年とは思えない良好な録音がライブ録音として最高の臨場感を作り出している。ぜひアナログで、大音量で聴いて 、ジャズに酔いしれてほしい。ピーウィーマーキットの司会とブレイキーの曲名紹介は、この夜のドラマを演出する ために意図的に記録され、この夜はa nightではなくジャズ史に残るthe nightになったのはご存知の通り。世界中のジャズファンはアルフレッドライオン様に感謝するしかありません。(しげどん)

アートブレイキーの代表作、というかJAZZアルバムの最高峰名盤の中の1枚。クリフォードブラウン、ルードナルドソン、ホレスシルヴァー、カーリーラッセルという素晴らしいメンバーを引き連れての文字通り熱いバードランドの夜。ハードバップがどんな音楽かはこれを聴けば分かる。ここでのブラウニーはそのテクニックとみなぎるパワーで最高のパフォーマンスを展開しており、彼のソロ時に他のメンバーが演奏をブレイクしてブラウニー一人でブローする場面等は本当にゾクゾクするものがある。文句なしのNo. 1。(ショーン)



A Night at Birdland Vol.2/Art Blakey    バードランドの夜 第二集  アート・ブレイキー

1954年2月21日

Blue Note

おすすめ度

hand ★★★★★

Clifford Brown(tp),Lou Donarldson(as),Horace Silver(p),Curley Russel(b),Art Blakey(ds)

第一集と甲乙つけがたい第二集

Vol.1同様に素晴らしい。ブラウンのソロは、歌の感じが強いので、ビバップ曲でも歌っていて、ディジーやナヴァロに比べて新しい感じがする。(hand)



Dinah Jams/Dinah Washington   ダイナ・ワシントン・ウィズ・クリフォード・ブラウン

1954年8月14日                         Emercy

おすすめ度

hand ★★★★☆

しげどん ★★★★

パーソネル

Clifford Brown,Maynard Ferguson,Clark Terry(tp),Herb  Geller(as),Harold Land(ts),Junior Mance(p),Ketter Betts(b),Max Roach(ds),Dinah Washington(vo)

ジャムセッション盤なので、ブラウニーの出番は少ないが、全体の演奏は素晴らしい。

ブラウンがジャム曲の1ソロイストの盤。①恋人よ我に返れ、が圧巻。ダイナも皆も素晴らしい。②〜④バラードメドレーで、②ランド、③ファーガソン、④ダイナが主役。⑤ノーモアも、ダイナが主役⑥アイガッチュー・アンダー・マイ・スキンで、再びジャムらしくなる。スタジオの観客も興奮。⑦ノー・グレーター・ラブは、ダイナのバラード。⑧ユー・ゴー・トゥー・マイ・ヘッドで、ダイナのうまさを感じるジャムで終わる。(hand)

聴衆も入れた形でのスタジオ録音は独特の臨場感がある。史上初のスタジオライブと銘打ってチケットまで売り出したらしい。この時の演奏は、この盤と、Jam sessionと題されたアルバムとの2枚に収録された。

ダイナ・ワシントンの歌は迫力満点だが、トランペット三人が入ったジャム・セッションなので、ブラウニーの出番は少な目で邦題の「ウィズ・クリフォード・ブラウン」は売らんかなの看板。メイナード・ファーガソンはマイルスが読者投票の首位を奪うまで君臨していた人気トランペッターなので立派な演奏をしている。だがファーガソンをフィチュアーしたサマータイムなどを聴くと、ブラウニーがいかに素晴らしいトランペッターだったが逆にわかるというもの。この曲をクリフォード・ブラウンが吹いたら、このレコードの価値は相当上がったはずだ。アルバムとしては5ツ星でもいいと思うが、ブラウニーの出番がやや少ないので、ブラウニー作品としては4星評価にした。(しげどん)

※この時のセッションは、Jam Sessionにも分散収録された。こちらのブラウニーもスバラシイ



Sarah Vaughan With Clifford Brown    サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン

1954年12月18日

Emercy

おすすめ度

hand ★★★★☆

しげどん ★★★★★

Clifford Brown(tp),Herbie Mann(fl),Paul Quinichette(ts),Jimmy Jones(p),Joe Benjamin(b),Roy Haynes(ds),Sarah Vaughan(vo)

サラ・ボーンの最高作と言える素晴らしいボーカル

他の2枚のボーカル盤と比べると、ブラウンのソロは少な目で、若き日のサラ自身の頑張りで名盤になっていると思う。①ララバイは、サラの印象的なイントロから始まる。ブラウンのソロは、サラとの4バースが1回あるのみ。②エイプリル・イン・パリ、ベイシーで有名なこの曲をバラードでしっとりと歌う。ブラウンのミュートのソロあり。③ヒーズ・マイ・ガイ、ブラウンのソロあり。④ジム、ブラウンのバラード・ソロが素晴らしい⑤ユーアー・ノト・ザ・カインド、ブラウンのソロあり。⑥エンブレイサブル・ユー、ピアノ・トリオのみの伴奏。⑦アイム・グラッド、ソロなし。⑧セッテンバー・ソング、ブラウンのミュートソロがかっこいい。⑨最後イッツ・クレイジーは、スインギーに締めくくる。ソロあり。(hand)

サラ・ボーンにとっても、ジャズボーカルにとっても代表的な名盤。ブラウニーの寄与度からはヘレン・メリルを選ぶが、ヴォーカル作品としてはこちらのほうが上かもしれない。(しげどん)



Helen Merrill ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

1954年12月22日            Emercy

おすすめ度

hand ★★★★★

しげどん ★★★★☆

ショーン ★★★★☆

Clifford Brown(tp),Danny Banks(fl,bs),Jimmy Jones(p),                 Barry Galbraith(g),Milt Hinton(b),Quincy Jones(arr,cond)

ユードビーソーナイス・・・はテレビCMでも使われた人気の名唱。ジャズ定番の人気作品

ユビソのブラウンのソロはメロディをそらんじられるほどの親しみやすさ。この盤の2人のコラボに脱帽だ。私の持つアナログとCDの曲順の違いが、ちょっと悩ましい。ス・ワンダフルとドント・イクスプレインがなぜか入れ替わっていて、アナログでスワンダフルスタートに耳がなじんでしまっているのだ。発売者のオリジナルの順番変更は迷惑だ。(hand)

ブラウニーの名演は素晴らしいが、それだけを目的に聴いていたら残念だ。Don't explain. Whats new.などでのニューヨークのため息=ヘレンメリルの味わいにうっとりできる一枚だから、ブラウニーのソロだけでなく、彼女の声を聴くためだけに一度ターンテーブルに乗せてほしいレコ―ドである。(しげどん)

ヘレンメリルの出世作。ヘレンとブラウニーは同い年で、アルバム制作時はまだ2人とも24歳であった。スローなナンバーが多く、トランペットのソロは、相当の腕前でないとボロが出てしまいそうだが、ブラウニーのソロは完璧!ヘレンの魅力的なハスキーボイスと、夜空高く響き渡るブラウニーのペットの相性は抜群。特に2曲目のYou'd be soのブラウニーのソロは鋭くてゾクゾクする。情感に溢れて全く無駄が無い。あと特筆すべき点として、アルバム全体にクインシーのアレンジの素晴らしさが光る。若干21歳の時の仕事である。ブラウニーとクインシー、2人の天才がヘレンをスターダムに押し上げた瞬間を味わえる歴史的価値の高いアルバム。(ショーン)



Sonny Rollins Plus Four    ソニー・ロリンズ・プラス・フォー

1956年3月22日

Prestige

おすすめ度

hand ★★★☆

しげどん ★★★★☆

メンバーは後期ローチ=ブラウン クインテット。評価が分かれている問題作

盤全体を改めて聞いたが、やはり、特段いいとは思えなかった。ロリンズのリーダー作とはなっているが、プレスティッジがロリンズ名義でローチ=ブラウンを録音した盤と考える。④カウント・ユア・ステップ以外はロリンズがリーダー的に活躍する曲はない。①ヴァルス・ホットは、ロリンズ作のワルツで、このバンドには合っている気はするが、私好みではない。ラストのロリンズ曲⑤ペントアップ・ハウスは割といい。(hand)

ヴァルス・ホットはロリンズらしい耳になじみやすいメロディなのでジャズファン以外にも受けそうだ。クリフォード・ブラウンとの共演時のロリンズは不調と言われるが、この作品ではそんな感じはしないし、ロリンズの曲とスタンダードが適度にレイアウトされた楽しめる盤。(しげどん)



クリフォード・ブラウン その他の作品紹介は下記リンクから


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