Horace Silver リーダー作2 1960年から1969年まで

クインテットの黄金時代を迎え、次々とヒット盤を出し続けるシルバー。その作曲能力にも支えられ、煮詰まりを見せ始めるとメンバーを変えることでその人気を維持し続けます。しかし、60年代末になると、ジャズ・ロックの台頭など、ジャズシーンそのものが変容し、シルバーも方向転換していきます。



Horace-Scope / Horace Silver  ホレス スコープ/ホレス シルバー

1960.7.8 & 9

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン ★★★★

Horace Silver(p), Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

名曲「ニカズ・ドリーム」収録の人気盤

ドラムのルイス・ヘイズがキャノンボールのバンドに移籍して後任はロイ・ブルックスだ。この盤ではなんと言っても①ストローリンと⑦ニカズ・ドリームがいい曲で、全体的にもカッコいい演奏ばかりだ。手ジャケは目立つが、カッコ良さがなく、損をしている。(hand)

手のひらのイラストの周りには12星座が散りばめられている。いつまりホレス・スコープはホロ・スコープのもじりということだ。でもアルバムとしては占星術的な要素はなく、普通にホレスのジャズが楽しめる一枚。一曲めがミディアムテンポの曲で、ホレスのアルバムとしては珍しいゆったり目の曲調だ。ニカの夢のテーマの途中のフレーズは、なんだかモンクの「Let's Cool One」に似ているなあ。などと考えつつ、メンバーのソロも悪くないが、やはりホレスの作曲のバリエーションを楽しむアルバムだ。ピアノトリオの演奏は今回はない。(しげどん)

落ち着いたjazzを聴くことのできるアルバム。ブルー・ミッチェルとジュニア・クックの管楽器コンビとシルバーのピアノが程良く溶け合って綺麗にまとまった演奏だが、少し単調なきらいがある。 (ショーン)



Doin’ The Thing / Horace Silver  ドゥーイング ザ シング/ホレス シルバー

1961.5.19 & 20

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★★☆

ショーン ★★★★☆

Horace Silver(p), Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

黄金期のメンバーによるヴィレッジ・ゲートでの力みなぎるライブ盤

「ホレス・スコープ」と同メンバーでのヴィレッジ・ゲートでのライブ。①フィルシー・マクナスティからめちゃめちゃカッコいい。シルバーの黄金時代が続いているのがはっきりとわかる。今回、シルバーを初めて編年的に聞いて見えて(聞こえて)きたのは、メンバーの変遷とも関係あるのかもしれないが、シルバーのピアノスタイルも微妙に変化しているだけでなく、作る曲も雰囲気が変わってきていると思う。(hand)

ホレスの元気のいい若々しいアナウンスから始まる力がみなぎる一枚。ブルーノートはスタジオ盤とライブ盤で同じ曲がダブることを嫌ったので、ライブだけれども新オリジナル中心の聴きごたえのある一枚だ。このあたりの編集方針はリバーサイド盤などとかなり違うのが興味深い。モンクには合っていないがシルバーにはぴったりの方針ではないかと思う。ノリノリのハードバップのエネルギーを感じる素晴らしいライブ盤だ。(しげどん)

シルバーのリラックスした楽しい雰囲気を味わうことのできる貴重なライブ盤。管楽器の二人をバックで支えるシルバーのピアノはリズムを刻みつつ、とてもメロディアスであり、まるで管楽器とハモっているような印象がある。勿論ソロの迫力も相当なものだ。リーダー自身がノリノリであることがしっかりと伝わってくるアルバムだ。(ショーン)



The Tokyo Blues / Horace Silver  トーキョー ブルース/ホレス シルバー

1962.7.13 & 14

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん  ★★★★☆

ショーン ★★★★☆

Horace Silver(p), Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Joe Harris(ds)

日本をテーマにした、シルバーのジャパニズムの表現が楽しめる盤

今回、発見したことの一つに、ジュニア・クックのテナーが意外といいということがある。ブルー・ミッチェルは「ブルース・ムーズ」という名盤があるので以前から聞いていたが、クックはきちんと聞いたことがなかった。やや古いスタイルの人かと思っていたが、グリフィンとモブレーの中間くらいのモダンなテナーだ。この盤は、来日公演を経たシルバーが日本の印象を元に作った曲でできている。前3作が名盤揃いなのでやや劣る気がするが、③トーキョー・ブルースを始めとしてなかなかいい盤ではある。初期のシルバーと比較するとソロが徐々にメロディアスになってきていると思う。ドラムはロイ・ブルックスが入院したらしくジョー・ハリスが叩いている。(hand)

着物姿の美女に挟まれてご機嫌なシルバー。来日して日本を好きになってくれたシルバーがニューヨークで撮影したいい感じのジャケ写真で、私もアナログ盤を部屋に飾っていた。曲のタイトルも「So Match Sake]、「Ah!So」なんて日本の思い出フレーズをコミカルに題名にしているが、曲調は特に日本的ではなくいつものシルバーテイストだ。Cherry Blossumのようなピアノトリオ演奏はメランコリックな感じでこれもいつものシルバーテイストなので、アルバム全体でも、シルバーらしさが充実しているすばらしい一枚。(しげどん)

日本をテーマにした、シルバーの意欲作。和風なテイストが題名だけでなくメロディにも散りばめられておりユニークかつ新鮮だ。ファンキージャズにラテンの香りやサンバのリズムを積極的に取り入れた彼らしいジャパニズムの表現を楽しめるアルバムだ。(ショーン)



Paris Blues / Horace Silver  パリ ブルース/ホレス シルバー

1962.10.6

Pablo

おすすめ度

hand      ★★★★

Horace Silver(p), Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

黄金期のメンバーによるパリ公演の記録

ロイ・ブルックスが復帰し、ベストメンバーによるパリのライブ。同メンバーのライブの「ドゥーイン・ザ・シング」と傾向としては近いが、バンドとして成熟している。「トーキョー・ブルース」からの新曲も入っている。(hand)



Silver’s Serenade / Horace Silver シルバーズ セレナーデ/ホレス シルバー

1963.5.7 & 8

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆

Horace Silver(p), Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

黄金期のメンバーにも遂に煮詰まり感が見える盤

バンドは成熟し、各メンバーのソロも濃厚なのだが、シルバーの書く曲が煮詰まった感じで重苦しさがある。これまでの軽快なカッコ良さをあまりないのだ。時代的にフリージャズが出てきたり暗い感じが受けるようになったからかもしれない。テナーソロにフリーキーなトーンが入るようになる。(hand)



Song for My Father / Horace Silver ソング フォー マイ ファザー/ホレス シルバー

1963.10.31:③,⑥-⑩

      ⑥⑧はトリオ

1964.1.28:①②④⑤

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん  ★★★★☆

ショーン ★★★★★

Horace Silver(p), 

③⑦⑨⑩:Blue Mitchell(tp), Junior Cook(ts), Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

⑥⑧:Gene Taylor(b), Roy Brooks(ds)

①②④⑤:Carmell Jones(tp), Joe Henderson(ts), Teddy Smith(b), Roger Humphries(ds)

ジョーヘン、カーメル・ジョーンズらが新風を吹き込んだ決定的な人気盤

ついにミッチェル=クックのフロントが終わりとなる。しかも、アナログだと全6曲のうち③⑥の2曲のみで、他4曲①②④⑤は新メンバーだ。カーメル・ジョーンズ、ジョーヘンという新しい風を吹き込むメンバーにフロントが変わり、リズム隊もテディ・スミスとロジャー・ハンフリーに変わっている。前作「シルバーズ・セレナーデ」が煮詰まった感があったので、メンバー総入れ替えは正解で、この盤のヒットにより第二期快進撃が始まる。タイトル曲①ソングフォーマイファーザーもそうだが、シルバーという人は8ビート曲にヒット曲が多いと思う。⑤キッカーはジョーヘンの曲。シルバーがメンバーの曲を採用するのは珍しく、期待の現れだと思う。ジョーヘンはケニー・ドーハムのもとで売り出し、シルバーに移籍し脂が乗っているところで、このバンドに新主流派とジャズロックの両方の風を吹き込んでいる。CD追加の4曲は旧メンバーでいずれもいい曲だ。(hand)

ホレス・シルバーの名曲は多いが、曲単位で選ぶならこのタイトル曲が一番のヒット名曲だと思う。ブルーノートの版権が東芝からキングに移った時に1800円の廉価盤がでた時初めて買ったシルバーがこれで、でもこのアルバムはタイトルナンバーの雰囲気とは違う曲が続くややこしいアルバムなのでじばらくA面ばかり聴いていた。今聴き直すとメンバーが代わった重要な時期だったので、変化はあると思う。でもソロイストが変わってもシルバー・クインテットのテイストは変わっていない。そこがメッセンジャーズとの違いで、ジョー・ヘンが来ようが、シルバーはシルバーなのだ。(しげどん)

印象深いメロディラインのアルバムタイトル曲song for my fatherから始まるシルバーの傑作アルバム。ジョー・ヘンダーソンの憂いを帯びたテナーが効いている。息もつかせぬほど疾走するThe Natives Are Restless Tonightの躍動感は、このテナーの効果だ。またCalcutta Cutieの情緒溢れるシルバーのマイナーなピアノは、どこかの遠い国の趣きを聴く者に与える。素敵だ。ロイ・ブルックスのドラムの演出が心憎い。絶対的名盤だ。(ショーン)



Live 1964 / Horace Silver (LP)  ライブ1964/ホレス シルバー

1964.6.6

Emerald

おすすめ度

hand      ★★★★

Horace Silver(p), Carmell Jones(tp), Joe Henderson(ts), Teddy Smith(b), Roger Humphries(ds)

「ソング・フォー・マイ・ファーザー」の新メンバーによる貴重なニューヨークのライブ録音

未CD化。アナログが入手困難なので、是非CD化してほしい盤。このメンバーによる録音は、スタジオは「ソング・フォー・マイ・ファーザー」のみ。ライブは、65年のエメラルド盤とハイハット盤の各半分で、64年はこの盤のみ。カーメル・ジョーンズは悪いトランペットではないがアンダーレイテッドな人。ジョーヘンが想像以上にイキイキしている時期の録音だ。シルバーはスタジオよりもライブのほうがジャジーな気がする。②スキニー・ミニーは多分この盤のみで貴重だ。(hand)



The Natives Are Restless Tonight / Horace Silver

1965.4.16

1966.2.11 & 18:③⑥

Emerald

おすすめ度

hand      ★★★★

Horace Silver(p), Carmell Jones(tp), Joe Henderson(ts), Teddy Smith(b), Roger Humphries(ds)

③⑥:Woody Shaw(tp), Larry Ridley(b)

メンバー交代が続く時期のハーフノートでのライブ録音

エメラルドというシルバーの自主レーベル(その後、シルヴェトになったのだと思う。)からライブが2枚出ているが、64年ライブが未CD化で、この65、66年の組合せ盤はCD化されている。「ソング・フォー・マイ・ファーザー」から3曲と「ケープ・ヴァーディーン・ブルース」から1曲2テイクが入っている。66年は、シルバー、ジョーヘン、ハンフリーズ以外のメンバーが交替し、ウディ・ショーとラリー・リドレーが入っている。(hand)



Live at The Half Note / Horace Silver

1966.2?:Disc 1

1965.4?:Disc 2

Hi Hat

おすすめ度

hand      ★★★★

Disc 1:Horace Silver(p), Woody Shaw(tp), Joe Henderson(ts), Larry Ridley(b), Roger Humphries(ds)

Disc 2:Horace Silver(p), Carmell Jones(tp), Joe Henderson(ts), Teddy Smith(b), Roger Humphries(ds)

エメラルド盤と同時期の新たな発掘盤2枚組

2015年発表の海賊音源のCD2枚組。CDのメンバー表記はDisc1と2が逆で、録音時期は、エメラルドの「ネイティブス…」とほぼ同じ65年と66年の組合せだと思う。 65年といえば、マイルスの体調が持ち直し、プラグドニッケルで激しいライブを記録した年。そう思って聞くとDisc1のジョーヘンはショーターのようだし、シルバーも後輩ハンコックの影響を受けているように感じる。特にジョーヘンは絶好調だ。トランペットはウディ・ショーに変わり新感覚で激しいブローを聞かせている。このDisc1はメンバーからして65年と書かれているが66年だと思う。65年10月のスタジオ録音「ケープ・ヴァーディーン・ブルース」からのタイトル曲③、④ナットヴィルのライブバージョンが素晴らしい。ベースがテディ・スミスからラリー・リドレーに変わっている。Disc2は65年でトランペットがまだカーメル・ジョーンズ。曲は「ソング・フォー・マイ・ファーザー」からのもので、音はDisc1より悪い。(hand)



The Cape Verdean Blues / Horace Silver  ケープ バーデン ブルース/ホレス シルバー

1965.10.1 & 22

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん  ★★★★☆

ショーン ★★★★☆

Horace Silver(p), Woody Shaw(tp), Joe Henderson(ts), Bob Cranshaw(b), Roger Humphries(ds), J. J. Johnson(tb:4–6) 

ウディ・ショー、ジョーヘンがフロントの唯一のスタジオ録音。曲も演奏も素晴らしい。ゲストのJ.J.ジョンソンもいい仕事をしている。

ウディ・ショー、ジョーヘンがフロントの唯一のスタジオ録音。曲も演奏も素晴らしく、このメンバーでの最高作だと思う。ジョーヘンは、この盤を最後に独立する。なぜか2曲にゲスト参加のJ.J.ジョンソンもいい仕事をしている。J.J.とシルバーとの共演は、マイルスの「ウォーキン」やロリンズの「Vol.2」以来ではないかと思う。ベースがこの盤のみのボブ・クランショウになっている。クランショウは、3年後に再度エレベで参加する。(hand)

ホレスの父親の出身地である旧ポルトガル領カーボ・ベルデを題材にした明るいタイトルナンバーからはじまる。そう聴くと郷愁も感じる西アフリカとラテンの味わいがある。ウディ・ショー,ジョー・ヘンダーソンのフロントラインも強力だが、B面のJJ ジョンソンがなかなか良くて、出来ればこの3管でアルバム一枚にしていれば、もっとこの盤の印象度が強まったのではと思う。(しげどん)

サンバ調のノリの良い曲からのスタート、自身の出身ポルトガルの感性も感じられるユニークな作品。私のようなJAZZ初心者は、このようなJAZZの領域を超えたワールドワイドな音楽に魅力を感じる。聴き込む程に、世界を旅しているかの様な新鮮味を覚える。ロジャー・ハンフリーズのメロディアスなドラミング感性が素晴らしい。(ショーン)



The Jody Grind / Horace Silver  ジョディ グラインド/ホレス シルバー

1966.11.2 & 23

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★☆

ショーン ★★★★

Horace Silver(p), Woody Shaw(tp), Tyrone Washington(ts), Larry Ridley(b), Roger Humphries(ds), James Spaulding(as:2,4,5, fl:2)

ジョーヘンの退団により黄金期にも陰りが見えるが、シルバーの頑張りで内容は悪くない。

ジョーヘン退団後、テナーはタイロン・ワシントン、珍しくアルト&フルートのジェームス・スポールディングが入っているが、2人ともこの盤だけなので録音のためだけかもしれない。テナーはこの盤以降は短期で交替するようになる。ベースはラリー・リドレーに変わる。ジャケがポップになったが、音楽性は前作までとあまり変わらない。管のソロが炸裂し、シルバーも引き続き元気なソロをとっている。②メリー・ルーのスポールディングのフルートがいい感じで、シルバー曲はオパス・デ・ファンクのようにフルートと合うと思う。(hand)

8ビートでも曲調はシルバーらしいと感じてしまう。でも、かっての硬質なピアノが少しづつナンパな感じに変化していると思う。フルートの参加は、ソロの部分では悪くないが、編曲には生かされていない。(しげどん)

ブルース主体のアルバムにメキシカンテイストを新たに融合させたシルバーは流石だ。フルートが効いている!ただどの曲も比較的単調なリズムにメロディが載せられているため、song for my fatherからThe cape verdean bluesと続いた前作までの2作品の新鮮なアルバムからすると、やや物足りなさを感じる。(ショーン)



Serenade to a Soul Sister / Horace Silver セレナーデ トゥ ア ソウルシスター/ホレス シルバー

1968.2.23:①②③

1968.3.29:④⑤⑥

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆

Horace Silver(p),Charles Tolliver(tp), 

①②③:Stanley Turrentine(ts), Bob Cranshaw(b,el-b), Mickey Roker(ds)

④⑤⑥:Bennie Maupin(ts), John Williams(b), Billy Cobham(ds)

ウディ・ショーの退団により黄金期のメンバーはいなくなる。ジャズロックの兆しの見え始める盤

ウディ・ショーが退団し、以降トランペットは短期で交替するようになる。68年2月のA面と3月のB面でメンバーが違う。チャールズ・トリヴァーは共通だが、A面は、スタンレー・タレンタイン、ボブ・クランショウはなんと1曲目はエレベ、ミッキー・ローカー。B面は、ベニー・モウピン、ジョン・ウィリアムス、ビリー・コブハムと、ジャズロックっぽいメンバーが散見されるようになる。元々8ビートが得意で4ビートらしい4ビートの少ないシルバーだが、ジャズロックっぽさはなかった。この盤からはジャズロックに取り組み始めたようだ。特にウィリアムスのベースとコブハムのドラムのリズムはジャズには聞こえない曲もあるが、ジャズの余韻もあるので、私としてはまだ一応ジャズとして聞ける盤だ。なぜか最後に入った可愛らしいピアノトリオ演奏⑦ネクスト・タイム・アイ・フォール・イン・ラブはジャズとのお別れのように聞こえてしまう。(hand)



You Gotta Take A Little Love / Horace Silver  ユー ゴッタ テイク ア リトルラブ/ホレス シルバー

1969.1.10 & 17

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん  ★★★☆

Horace Silver(p),Randy Brecker(tp,flh), Bennie Maupin(ts,fl), John Williams(b), Billy Cobham(ds)

ランディ・ブレッカー、ベニー・モウピン、ビリー・コブハムなど後にジャズロックの旗手となるメンバーが加入。4ビートのジャズ曲も残る。

ジャケがポップ化傾向にあったが遂にジャズのジャケには見えないところまで来てしまった。ただ、演奏メンバーとジャケ写に写っている人達は関係なさそうだ。内容は軽快なジャズロックのタイトル曲①とそれ以外はまだ4ビートなどジャズ盤だ。フロントがランディ・ブレッカーとベニー・モウピンに変わっている。モウピンは、この時期、リー・モーガンのバンドと掛け持ちかもしれない。この後、ハンコックのヘッドハンターズで名を上げることになるが、この時期はまだジャズらしい演奏をしている。(hand)

ジャズファンよりロックファンに受けそうな感じのかっこ良さがあるアルバム。フロントがランディ・ブレッカー、ベニー・モウピンという新世代に移行し、ドラムスのビリー・コブハムもロック的な印象が強い。曲調的には無機質になっていないので、そこはシルバーらしくあるが、ピアノのソロ部分などは、従来のシルバーのソロを聴いてきた耳にはシルバーとは思えないほど変化している。(しげどん)