Thelonious Monk セロニアス・モンク おすすめCDレビュー  リーダー作 4

ここからは、セロニアス・モンクの後期として、コロンビアに移籍以降の作品を紹介していきます。この時期はコロンビアの正規盤だけでなく、落穂拾い的なコロンビア盤と、完全海賊盤が多数出ています。この時期、モンクは好調で、多くのライブをこなしていたようです。曲だけ見ると同じような曲ばかりで金太郎飴的な気持ちになりますが、その日の体調や精神状態が演奏全体やソロ、お互いのコンビネーションに現れることがわかります。正規盤ではもしかしたらカットされていると思われるベースやドラムのソロも聞かれ、それはそれで楽しめると思います。


モンク後期、ブルーノート、プレスティッジ、リバーサイドと続く前期が黄金期とされ、日本ではあまり人気のないのが主にコロンビア時代だ。とはいえマイルスと同じメジャーのコロンビアに7年の長期にわたり所属していたとは大変なことである。進化し続けたマイルスに対し、金太郎飴的とまで言われたモンクである。チャーリー・ラウズが日本では人気がないのでそれに引っ張られている気もするが、後期になっても海賊盤も含め大量の盤が欧米を中心に発売されている。何か人気の秘密があるのかを改めて研究してみた。(hand)



現在、モンクのコンプリート盤としては、ブルーノート、プレスティッジとリバーサイドは発売されていますが、コロンビアの本当に完全なコンプリート盤は出ていないと思われます。「The Complete Columbia Studio Album Collection」と「The Complete Columbia Live Album Collection」は、既発盤をスタジオとライブに分けてアルバムをコンプリートに集めましたという意味のようです。お手軽な「 Original Album Classics」も便利です。「The Columbia Years '62-'68」はベスト盤的ですが、別テイクも入っています。

「The Complete Columbia Studio Album Collection」

「The Complete Columbia Live Album Collection」

 「Original Album Classics」

    

「The Columbia Years '62-'68」

                       




Monk’s Dream/Thelonious Monk  モンクス・ドリーム/セロニアス・モンク

1962年10月31日,11月1日,2日,6日

Columbia

おすすめ度

hand  ★★★★

しげどん ★★★★

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore(b),Frankie Dunlop(ds)

大手コロンビア移籍第1作。ラウズ入りカルテットでの初スタジオ盤

62年、大手コロンビア移籍第1作。チャーリー・ラウズ入りのカルテットでのスタジオ盤は初。ベースはジョン・オー、ドラムはフランキー・ダンロップ。前年のリバーサイド録音した欧州ツアーと同メンバー。マイルスと同じテオ・マセロがプロデュース。リバーサイドを聞き通した後にこの盤を聞くと、リバーサイドの後半が熱いライブが多かったので、スタジオ盤ということもあると思うが、あれ何だかクールになったなーという印象を持つ。全体としてスッキリしてキレイな感じによくまとまった盤になっているが、モンクの暗い側面や熱い側面は弱まっていると思う。モンク自身は元気に弾いているのだが、リズム隊、特にダンロップが、ライブ時の激しさがないことが原因だとわかる。同日録音の曲には、やや激しめの演奏もあるので、プロデューサー、テオ・マセロの趣味で端正な感じにまとめられたのだと思う。既に発表した曲が多くモンクのヒット曲集的な要素もあり、初心者には聞きやすい内容かもしれない。ブライト・ミシシッピーがスタジオ盤では新曲だと思う(ただし、ライブでは、1年前からやっていた)。(hand)

異端児だったモンクが、メジャーのコロンビアに移籍し、有名人気タレントの仲間入り。だからなのかこの盤はモンクらしいのだが、端正にまとまった印象で、初期の録音で感じるような凄みのある異様さのようなものはない。でも曲はモンクらしいし、ソロも、チャーリー・ラウズも充分独特のモンク・ワールドを表現している聴きやすい楽しめる作品。表題曲含めプレスティジ盤「Monk Trio」で聴ける曲が多い。表題曲Monk's Dreamはプレスティジ盤ではギラギラした異様な感じがするが、このコロンビア盤では全く感じないのは、比較して聴いていただければ納得してもらえると思う。(しげどん)

Monk’s Dream ほか、スタンダードでも同じ収録曲が多いプレスティジ盤 Monk Trio



Criss-Cross/Thelonious Monk  クリス・クロス/セロニアス・モンク

1962年11月6日

1963年2月26ー28日

3月29日

Columbia

おすすめ度

hand    ★★★★☆

しげどん  ★★★★

Charlie Rouse(ts),Thelonious Monk(p),John Ore(b), Frankie Dunlop(ds)

コロンビア2作目の正規盤は、メンバーの熱気が伝わる好内容

コロンビア2作目の正規盤。前作「モンクス・ドリーム」の直後の同メンバーのスタジオ録音なのに印象はかなり違う。私がジャズに求める熱を感じる演奏だ。演奏からメンバーの熱気が伝わってくる。モンクのピアノの音も硬質で立っている感じだ。ただ、調べてみると2曲が前作と同日録音だ。やはり、選曲やテンポ設定が大事ということなのだろう。(hand)

基本的には前作に続く同趣向の第二弾作品。モンク名曲集なので、どうしても過去の作品と比べたくなる。この盤だとPrestige7053でのHackensack,Think of One。Prestige盤では粗削りなスリルがあるが、この盤ではやはりこなれた端正さがあり、それぞれに魅力的だ。私は逆にPrestige盤の良さを、この盤を聴いた後に聴き直して再認識した。この盤も選曲では新鮮味はないのだが、やはりモンクらしさが充分発揮されているので、聞き込んでしまう魅力がある一枚だ。(しげどん)

 

Hackensack、Think of One を収録した初期の名盤 Prestige7053



Monk Alone: The Complete Columbia Solo Studio Recordings 1962-1968/Thelonious Monk  モンク・アローン/コンプリート コロンビア ソロ スタジオ レコーディングス/セロニアス モンク

1962-1968

Columbia

hand  ★★★☆

Thelonious Monk(p)

「ソロ・モンク」を中心にコロンビア時代のソロ録音を集大成した2枚組

コロンビア時代のソロ録音の集大成2枚組CD。「ソロ・モンク」を収録順にしたほか、その別テイクや既発盤に1曲だけ入っていたソロなども収録。特にDisc2は、未発曲が中心で、2①ラウンドミッドナイトは、過去にはベスト盤で出たのみ、かつ、この曲のコロンビア時代の唯一の公式録音で貴重だ。(hand)



Always Know/Thelonious Monk  オールウエイズ・ノウ/セロニアス・モンク

1962年11月-68年2月

Columbia

hand  ★★★☆

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore,Butch Warren,Larry Gales(b),Frankie Dunlop,Ben Riley(ds), 

Thad Jones(cor),Nick Travis(tp),Eddie Bert(tb),Steve Lacy(ss),Phil Woods(as,cl),Gene Allen(bs,cl,b-cl)

62〜68年のコロンビア時代の未発表演奏13曲を集めた落穂拾い的な79年発売盤

62〜68年のコロンビア時代の未発表演奏13曲を集めた落穂拾い的な79年発売盤。アナログ2枚組で90年代のフランスで2枚組でCD化されたことがある。アナログ時代に未発だった曲も元盤のCD化で追加曲として入ったものもあり、ここだけで聞かれる曲はきちんと確認していないが半分以下と思う。演奏のレベルは当然高く、ベスト盤的に聞ける。(hand)



MøNK/Thelonious Monk   モンク/セロニアス・モンク

1963年3月5日

Gearbox

hand  ★★★☆

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore(b),Frankie Dunlop(ds)

2018年の発掘盤。音も内容もまずまずで、楽しめる。ジャケはなかなかいい。

モンクとラウズが不動のコロンビア期において、ベース&ドラムのリズム隊はわずかながら人の変化がある。ベースはジョン・オー→ブッチ・ウォーレン→ラリー・ゲイルズ、ドラムはフランキー・ダンロップ→ベン・ライリーと変わる。オー&ダンロップが私としてはいいと思う。ゲイルズ&ライリーはどちらかというと職人的に自らの役割をきちんとこなすタイプで、オー&ダンロップは大御所モンクであろうと協調だけでなく、煽るときは煽るような演奏がいいと思う。マイルスのドラムでいうと、ダンロップはフィリー・ジョー的な乱暴ドラムで、ライリーはジミー・コブ的なサトルなドラムだと思う。この盤は、そんなオー&ダンロップ時代のライブで2018年に発掘された新しいもの。音もまずまずで、楽しめる。②ナッティのモンクのソロも冷静さを欠いている感じが面白い。(hand)



Monk in Tokyo/Thelonious Monk  モンク・イン・トーキョー/セロニアス・モンク

1963年5月21日

CBS Sony

おすすめ度

hand   ★★★☆

しげどん★★★☆

Charlie Rouse(ts),Thelonious Monk(p),Butch Warren(b), Frankie Dunlop(ds)

1963.5.21 大手町サンケイホールでの初来日公演の記録。得意曲をヒットパレードのように演奏

初来日公演の記録2枚組。1963.5.21 大手町サンケイホールでの録音で、ベースのジョン・オーからブッチ・ウォーレンに変わっている。顔見せ興業的な感じでモンクの得意曲をヒットパレードのように演奏している。当時の日本人聴衆の礼儀正しさに合わせたのか演奏もかっきりしている。録音もスッキリして聞きやすい。(hand)

1963年といえば、ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズが来日して、そば屋の出前に口笛吹かせてまもない頃なので、当然モンクの初来日公演も熱狂だったと推測する。一曲目の「ストレート・ノー・チェイサー」が始まると、絶妙のタイミングで"イェ~イ!"と声がかかるが、レコードが高価で情報も少なかったこの時代でモンクの有名なスタンダードを聴き込んでいるこのオジサンの掛け声に関心してしまった。

オジリナル曲に対する聴衆の反応は、50年以上前のサンケイホールに来た当時の日本ファンがどれだけ素晴らしい音楽への理解をしていたのかの証明だ。ラウズ中心のレギュラーメンバーでの有名曲集なので、正直言って新鮮味はないが、安心して聴きやすいと感じるライブだ。(しげどん)



Misterioso (Recorded On Tour) /Thelonious Monk ミステリオーソ・レコーデッド・オン・ツアー/セロニアス・モンク

①1965年2月27日

②1963年12月30日

③1963年7月4日

④⑤⑦1964年11月

⑥1965年3月2日

⑧1963年5月21日

Columbia

おすすめ度

hand   ★★★★☆

Charlie Rouse(ts),Thelonious Monk(p),Butch Warren(b: 2, 3, 8),Larry Gales(b), Ben Riley(ds), Frankie Dunlop(ds: 2, 3, 8)

リバーサイドの同タイトル盤とは別内容。63〜65年のライブツアーを記録した正規盤

リバーサイドにグリフィン参加でキリコのジャケの同タイトル盤があり紛らわしいが、副題レコーデッド・オン・ツアーが付いている。63〜65年のライブの名演を集めた正規盤だ。この盤は、ジャケも真っ黒だが、演奏もダークな味わいがあり、私好みだ。ラウズの音色にもえぐみのようなものが感じられる。メンバーは、ベースがブッチ・ウォーレン又はラリー・ゲイルズ、ドラムはフランキー・ダンロップ又はベン・ライリー。現在、①②以外は他盤におまけとして入ってしまっているが、①②が素晴らしいので、この盤の価値は続いている。(hand)



Spastic & Personal/Thelonious Monk

1963年2月16日,19日,23日

Alto

リンクはありません

hand  ★★★☆

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore(b),Frankie Dunlop(ds)

未CD化海賊盤。メンバー4人とも勢いがあり、バンドとしてもよくまとまっている。

未CD化。エア・チェック海賊盤専門のボリス・ローズ氏のアルト・レーベルからのアナログ盤。近年、同氏の3レーベル(アルト、セッション、オゾン)の盤もCD化されることもあるが、この盤はまだだと思う。63年は私にはこのメンバーの絶頂期に思える。4人とも勢いがあり、各人がいいソロをとるだけでなく、バンドとしてもよくまとまっている。ただ、録音はイントロがちょい欠けするなどCD化には適さないのかもしれない。(hand)



Evidence/Thelonious Monk

①-③,⑦⑧:1964年2月22-23 

④:1966年3月18日

⑤⑥:1963年3月9日

hand  ★★★★

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore,Butch Warren,Larry Gales(b),Frankie Dunlop,Ben Riley(ds)

仏エソルダンからの発掘盤。63,64,66年のパリでのライブ

仏エソルダンからの発掘盤。63,64,66年のパリでのライブを寄せ集めたもの。ベースは、ジョン・オー→ブッチ・ウォーレン→ラリー・ゲイルズ、ドラムは、フランキー・ダンロップ→ベン・ライリーという後期のモンク4の全メンバーが入っている。①リズムアニング、メンバーは好調。特にモンクとベースのウォーレンがノッている。②ルビー、③ミシシッピもいい。④ラウンドミッドナイトは、真夜中のムードは全くないが、元気なカルテットの快演の一つになると思う。ホークのビバップ曲⑦スタッフィーは珍しい。この盤は、音も良く、熱演が多いので、海賊盤ながら評価できる盤だ。(hand)



April in Paris/Thelonious Monk

①③:1963年3月9日 

②:1964年2月22日

④:1966年3月20日

⑤⑥:1965年8月21日

Bandstand

リンクはありません

hand  ★★★☆

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore,Butch Warren,Larry Gales(b),Frankie Dunlop,Ben Riley(ds)

海賊CDレーベル、バンドスタンドの寄せ集め盤

海賊CDレーベルのバンドスタンドは、アナログ海賊盤の寄せ集め盤が多い。日本盤が以前、徳間から出ていて日本人が書いた水彩画のようなジャケが多かった。この盤も寄せ集めは同じで録音月日はバラバラだが、ジャケは顔写真だ。一部がエソルダンの「エヴィデンス」とダブっている。モンクの海賊盤一般に言えることは、割と音がいいということがある。理由は不明だ。この盤も、内容も音もいい。①ジャッキーイングは、ドラムのダンロップが張り切っていて、演奏を盛り上げている。ラスト⑥ストレートノーチェイサーは内容はいいが、アナログ起こしなのか、パチノイズが入る。(hand)



At Newport 1963&1965/Thelonious Monk アット・ニューポート1963&1965/セロニアス・モンク

Disc 1:1963年7月3日

Disc 2:1965年7月4日

Columbia

おすすめ度

hand   ★★★☆

Charlie Rouse(ts),Thelonious Monk(p),Butch Warren(b: Disc 1),Larry Gales(b:Disc 2), Ben Riley(ds:Disc 2), Frankie Dunlop(ds:Disc 1),Pee Wee Russell (cl:Disc 1③④)

63年と65年(発掘)のニューポート・ジャズ・フェス出演の記録2枚組

当初「マイルス&モンク・アット・ニューポート」として発売された盤。アナログA面が58年のマイルス、B面が63年のモンクで、共演盤ではない。現在もこの形の盤もあるが、モンクは65年のニューポート(発掘)と組み合わせて「モンク・アット・ニューポート1963&1965」という2枚組となった。63年分は2曲から5曲に増やされコンプリート化されている。ナッティとブルーモンクの2曲にはクラリネットのピー・ウィー・ラッセルが加わっているのが珍しく、この盤の特徴になっている。ディキシー系のオールドスタイルを得意とする人だが、モンクのピアノはある意味、時代を超越しているので違和感はない。ピーウィーの音がやや細いのが残念なところか。65年は、この2枚組が初出かもしれない。録音技師が主役モンクを意識し過ぎたのか、テナーに比べてピアノの音が大きめに録られている。テナーソロのときにバックのピアノが大きいのはどうかと思う。演奏自体は特に悪くない。最初4曲のみニューポートで、以降は各地での演奏の寄せ集めで割といい。⑧エピストロフィと⑨エビデンスは、67年のストックホルムでのビッグバンドとの共演で、ラウズがノっていていいソロを吹く。(hand)



Live at Monterey Jazz Festival 1963/Thelonious Monk

1963年9月21&22日

Jazz Unlimited

hand  ★★★★☆

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore(b),Frankie Dunlop(ds)

63年9月のモンタレー・ジャズフェスの2枚組海賊盤。充実したライブ

63年9月のモンタレー・ジャズフェスの記録の2枚組海賊盤。やはり音が割といい。モントルーはスイスで、モンタレーはカリフォルニアだ。63〜64年はもしかしたらリバーサイド以来の第二の絶頂期だったのかもしれない。公表前提ではなかったのか長尺で、他のモンク盤ではあまり聞かれないベースやドラムのソロもあり、メンバー4人それぞれがいいソロをとっている。ベースとドラムは、ジョン・オーとフランキー・ダンロップの組合せがソロも含めて面白い気がする。充実したライブだ。(hand)



Live!at The Village Gate/Thelonious Monk  ライブ アット ザ ビレッジ ゲイト/セロニアス・モンク

1963年11月12日

Xanadu

hand  ★★★★

Thelonious Monk(p),Charlie Rouse(ts),John Ore(b),Frankie Dunlop(ds)

ザナドゥの海賊盤を正規発売した盤。メンバーが好調で、勢いがある。

ザナドゥは正規盤もあるが、海賊盤的な盤が多い。なので、音があまり良くないものが多いが、この盤はまずまずだ。メンバーが好調で、勢いのある演奏だと思う。(hand)



Big Band And Quartet In Concert/Thelonious Monk  ビッグバンド・アンド・カルテット・イン・コンサート/セロニアス・モンク

1963年12月30日

Columbia

おすすめ度

hand   ★★★★★

Charlie Rouse(ts),Thelonious Monk(p),Butch Warren(b), Frankie Dunlop(ds),

Thad Jones(cor),Nick Travis(tp),Eddie Bert(tb),Steve Lacy(ss),Phil Woods(as,cl),Gene Allen(bs,b-cl,cl),Hall Overton(arr,conductor)

63年12月30日のニューヨークのフィルハーモニックホールでのライブ2枚組。ビッグバンドとカルテットの演奏が聞かれ飽きさせない内容

63年12月30日のニューヨークのフィルハーモニックホールでのライブ2枚組CD。ビッグバンドとカルテットの演奏が聞かれる。アナログに4曲追加の全12曲で、ビッグバンド8曲が、カルテット4曲(うちソロ1曲)を挟んで前後に4曲ずつという構成だ。ビッグバンドと言っても10人編成で通常のビッグバンドの半分くらいの人数で演奏もビッグコンボという感じだ。サド・ジョーンズ、フィル・ウッズが活躍する。サドはカウント・ベイシー楽団にいたこともあり、ビッグバンドも得意とするが、ここではモダンなスタイルでトランペットを吹く。ウッズは4年前のリバーサイドのときのビッグバンド盤「オーケストラ・アット・タウンホール」にも参加していた、相変わらずいい音色でいいソロを吹く。本当に器用な人だ。編曲は前回と同じホール・オヴァートン。ドラムのフランキー・ダンロップが大編成をうまく盛り上げて、前作よりも好感度は高い(前作はアート・テイラー)。持っていたが今回まで聞いた記憶のない盤が、この研究のおかげで愛聴盤になりそうだ。ビッグ・バンドで演奏されるオスカTが新曲。(hand)




セロニアス・モンクのいた風景   村上春樹 私的レコード案内

村上春樹さんの編集したアンソロジー「セロニアス・モンクのいた風景」の巻末に、村上春樹さんの私的レコード案内というものがついています。

 

かなりマニアックな内容で、ジャケット写真も現在入手できるものとは違いますが、村上さん流の解説は一読の値打ちがあります。

えらばれている作品は、→こちらにまとめています。



セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー [DVD]

映画ではあるが、1967年から68年にかけて撮影された完全なドキュメンタリーとしての記録である。

モンク本人はもちろん、チャーリー・ラウズ,フィル・ウッズ,ジョニー・グリフィンなども出演している。

これはこの映画のサウンド・トラックCDで、モンクの演奏が収められている。


←これはこの映画のサウンド・トラックCDで、モンクの演奏が収められている。