Kenny Burrell リーダー作④1977~1991年

70年代後半になると主たる録音の場が、コンコード&ミューズとなります。アコギも活用するようになり、聞きやすい盤が増えていきます。80年代中半には古巣ブルーノートの復活に伴い新生ブルーノート&コンテンポラリーの時期となります。


TIN TIN DEO / Kenny Burrell

1977.3.23-25

Concord

おすすめ度

hand     ★★★★★

しげどん ★★★★

ショーン ★★★★☆

Kenny Burrell(gr), Reggie Johnson(b), Carl Burnett(ds)

コンコードからの初盤は、くつろぎの人気盤

コンコードからの初盤で人気のある盤。レジー・ジョンソンとカール・バーネットとのトリオで、くつろぎのある演奏を聞かせる。バレルの盤は、このような気負いがなく、過剰なプロデュースがなされていない盤が一番心地よく聞けると思う。ラスト⑧ラ・プチ・マンボは、バッパーらしく激し目に終わる。現在、「ムーン&サンド」と2枚組にした「ストールン・モーメンツ」という形でも出ている。(hand)

トリオによるくつろぎの一枚。スタンダードの名曲中心にゆったりしたテンポで演じられるが、単にリラックスした演奏ではなく、深い情感を感じる演奏だ。私の好みからすると初期のトリオ演奏のようなジャズ的な端正さが好きなのだが、この盤は年齢を重ねたニュアンス表現の素晴らしさを感じ、こちらも捨てがたい。(しげどん)

優しいアコースティックなギターの音色は、すーっと身体に馴染んで染み込む。ブルースコードの曲も決して重苦しくはならない。万人受けするポップな感性で短めに曲が成立しており、フュージョン的な仕上がりのアルバムとなっている。(ショーン)



HANDCRAFTED / Kenny Burrell

1978.2.28 & 3.1

Muse

おすすめ度

hand     ★★★★☆

しげどん ★★★☆

ショーン ★★★★

Kenny Burrell(gr), Reggie Johnson(b), Sherman Ferguson(ds)

ミューズからの初盤は、落ち着いた内容

ミューズからの初盤で人気盤。レジー・ジョンソンは前作から引き続き、ドラムはシャーマン・ファーガソンに変わる。5曲中2曲②⑤がアコギになる。ギタートリオで、私好みの曲①あな夜(あなたと夜と音楽と)から始まるいい感じのスタートだ。②ソー・リトル・タイムは、ベサメ・ムーチョを思い出すようないい曲。全体としてなかなかいいのだが、アコギは少なめで適した曲だけにしたほうがより私好みだ。(hand)

トリオによる一枚なので、全体的には前作に似た雰囲気を想像したが、こちらは情感があふれる感じというよりは、少しクールなイメージの落ち着いた作品。雰囲気はいい感じだが、やや聴き流してしまいそうな印象だ。(しげどん)

Sherman Ferguson のドラムに触発された軽快でノリの良いケニー・バレルのギターから始まるアルバムだが、2 曲目の So Little Time 以降は、うって変わってしっとりとして、一気に惹き込まれる。そのフレーズはとてもメロディアスでスイーティだ。聴きながらバーで洋酒を傾けたくなる。(ショーン)



WHEN LIGHTS ARE LOW / Kenny Burrell

1978.9

Concord

おすすめ度

hand     ★★★★

Kenny Burrell(gr), Larry Gales(b), Carl Burnett(ds)

コンコード第2作は、静かな演奏

コンコード第2作。静かな曲を静かに演奏という印象で、悪い感じはしないが、イージーリスニングの一歩手前で踏み止まっているくらいの感がある。静かな曲は静かな曲なりに、3人とももう少し熱を込めることはできたのではないかと思う。(hand)



LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD / Kenny Burrell

1978.12.15

Muse

おすすめ度

hand     ★★★★

Kenny Burrell(gr), Larry Gales(b), Carl Burnett(ds)

「イン・ニューヨーク」と同日のバンガードのライブ

「イン・ニューヨーク」と同日ライブで80年公表のミューズ盤。現在、録音日をタイトルにした2枚組CD「12-15-78」として発売されている。ラリー・ゲイルズ、シャーマン・ファーガソンとのトリオ。20年ぶりのバンガードでのライブ盤。熱量もあり、いい感じがする。(hand)



LIVE IN NEW YORK / Kenny Burrell

1978.12.15

Muse

おすすめ度

hand     ★★★★

Kenny Burrell(gr), Larry Gales(b), Carl Burnett(ds)

バンガードのライブは甲乙つけがたい!

「ライブ・アット・ザ・バンガード」と同日ライブで81年公表。2枚組CD「12-15-78」として発売されている。どちらの盤も内容が良く、甲乙つけがたい。収録曲の好みがあるくらいだろう。(hand)



LAGUNA BEACH FRIENDS OF JAZZ FESTIVAL 1979 / Kenny Burrell

1979

Hi Hat

おすすめ度

hand     ★★★★

Kenny Burrell(gr), Conte Candoli(tp), Thad Jones(flh), Jerome Richardson(sax,fl), Frank Foster(ts), Art Hillery(key), Leroy Vinnegar(b), Shelly Manne(ds)

西海岸ラグーナビーチでの翌年のヘリテッジ・オールスターズへとつながる発掘ライブ

2018年ハイハットからの西海岸ラグーナビーチでのジャズフェスの発掘ライブ。ヒスノイズはあるが、楽器の音自体は悪くない。内容としては翌年の「ヘリテッジ」に近く、オールスターでスタンダードを演奏するというものだ。「ヘリテッジ」よりも選曲がモダンでカッコいいかもしれない。作者サド・ジョーンズ入りの②チャイルド・イズ・ボーンは貴重だ。(hand)



MOON AND SAND / Kenny Burrell

1979.12

Concord

おすすめ度

hand     ★★★★★

しげどん ★★★

ショーン ★★★★☆

Kenny Burrell(gr), John Heard(b), Roy McCurdy(ds), Kenneth Nash(perc)

アコギ多用し、静謐なバレルが聞かれる名盤

静謐なバレルが聞かれる代表作だと思う。アコギを多用した盤で、タイトル曲①ムーン・アンド・サンドはアコギの似合う曲。エレキは④⑥⑦⑧は4曲で後半に増える。(hand)

雰囲気のある作品ではあるが、保守的な私の耳にはどうもイージーリスニング寄りに聴こえてしまう。(しげどん)

ボサノヴァ調の曲を快調に演奏するケニー、特に For Once In My Life、Blue Bossa、Love For Sale などは軽音楽的なノリで聞きやすく、肩肘張らずに聞けるのでとても良い。一方、静かに語りかけるような Stolen Moments も切ない雰囲気がハートに染み入る良い曲だ。(ショーン)



HERITAGE / Kenny Burrell

1980.5.27 & 28

Audio Source

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おすすめ度

hand     ★★★☆

Kenny Burrell(gr), Oscar Brashear, Snooky Young(tp), Marshall Royal, Matt Catingub, Don Menza, Jerome Richardson(sax,fl), Pete Jolly, Patrice Rushen(p), Andy Simpkins(b), Shelly Manne(ds), Moacir Santos(perc)

ヘリテッジ・オールスターズによるヒットパレード盤

オールスターによるジャズヒットパレードのような盤。サッチモの聖者が街にからコルトレーンのネイマまで、ごった煮状態だ。メンバーを集めた考え方もよくわからないが、聞いていて楽しい盤ではある。もしかしたら、前年のラグーナビーチの演奏が好評だったので、スタジオ録音したのかもしれない。ただ、オールドジャズ3曲はやや場面に合っていないと思う。(hand)



LISTEN TO THE DAWN / Kenny Burrell

1980.12.9 & 10

Muse

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★

Kenny Burrell(gr), Rufus Reid(b), Ben Riley(ds)

静かな曲と熱い曲がバランスよく入った盤

前年のコンコード盤「ムーン・アンド・サンド」ほどではないが、タイトル曲など静謐な曲が入っているミューズ盤。静謐曲と熱い曲のバランスがいい。(hand)

これも雰囲気は良いい感じなのだが、ジャズ的にのめり込む感じはしない。特に軽めの感じはしないが、BGMとしてはいいかも・・・という感じのジャズだ。(しげどん)



GROOVIN' HIGH (LP) / Kenny Burrell

1981.7.14 & 15

Muse

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おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん  ★★★

ショーン  ★★★★

Kenny Burrell(gr), Larry Ridley(b), Ben Riley(ds)

未CD化が理解できないカッコいい盤

未CD化。ギタートリオでビバップのタイトル曲①グルービン・ハイから始まるこの盤。カッコよくて、なぜCD化されないのか全く理解できない。この雰囲気は絶対に受けると思う。「ラウンド・ミッドナイト」などバレルの親密な雰囲気が流れる盤が持つ独特の雰囲気をこの盤も持っている。モンク・カルテット在団経験のあるベースとドラムが穏やかに盛り立てるのがいい。ジャズファン的にはジャケがダサいが内容は申し分ない。ラスト、ジョビンの名曲⑦サムワン・トゥ・ライト・アップ・マイ・ライフのアコギ選択は正解だ。(hand)

これもトリオでのくつろぎ盤。しかし選曲がややジャズよりだし、ジャズらしく味わえる一枚ではある。(しげどん)

ムーディーでメロウなケニー・バレルのギターは素晴らしい。ベース、ドラムとのトリオ演奏だが、厚みと奥行きが感じられて、聴き込むほどに心が落ち着いて来るのが分かる。ただ終始単調な演奏なので、欲を言えばもう少しメリハリが欲しいところだ。(ショーン)



A LA CARTE (LP) / Kenny Burrell

1983.8.19 & 20

Muse

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おすすめ度

hand      ★★★★

Kenny Burrell(gr), Rufus Reid(b)

未CD化のエリントンでない単なるアラカルト

未CD化。同時期のライブのうちこの「アラカルト」は録音の2年後1985にLP化され、似たタイトルの「エリントン・アラカルト」が1993年にCD化されている。ベースのルーファス・リードとのデュオだが、ソロ演奏や選曲のせいか比較的静かな盤に感じる。バレルは本当にエリントン好きだ。ミューズとファンタジーには未CD化盤が2枚ずつあり、是非CD化してほしいと思う。(hand)



ELLINGTON A LA CARTE / Kenny Burrell

1983.8.23

Muse

おすすめ度

hand      ★★★☆

Kenny Burrell(gr), Rufus Reid(b)

CD化されたエリントン曲入りのアラカルト

この「エリントン・アラカルト」と似たタイトルの「アラカルト」が同時期の録音で、エリントンのみCD化されている。エリントン曲を中心にピックアップして演奏されたのがこの盤で、エリントン・メドレーが目玉だろう。ライブ盤としてはVol.1がLPのみで、Vol.2がCDのみというような困った状況だ。タイトルにエリントンが付くか付かないかでタイトルも似ていてややこしいので、私自身、きちんと調べずにずっと同一の盤だと勘違いしていた。今回、アナログを入手して初めて聞いた。ルーファス・リードとのデュオで、一曲ずつが大事に演奏された感じで、くつろぎのある秀逸な盤だと思う。是非、CD化してほしい。(hand)



TOGETHERING / Kenny Burrell & Grover Washington Jr.

1984.4.4,5 & 23

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★

Kenny Burrell(gr), Grover Washington Jr.(ss,ts), Ron Carter(b), Jack DeJohnette(ds), Ralph MacDonald(perc)

新生ブルーノートでの初盤は、グローバーと組んだややフュージョン寄りの一枚

ブルーノートの復活時に発売された一連の盤の1枚。バレルがなぜグローバー・ワシントンと組んだのかはわからないが、バレルはいつもどおりでも、グローバーによってジャズ色がかなり薄められたように感じる。私の中では、グローバーはCTI系のフュージョンサックスに位置付けられていて、リーダー盤は1枚も持っていない人。特にこの盤で多用しているソプラノは、熱を込めて吹き込まないと、ライトミュージックになりやすい楽器で、まさにそんな音楽になっている。この時期に流行していたウィンダムヒルなどのニューエイジミュージックを意識したのかもしれない。旧曲⑨アスファルト・キャニオン・ブルースはジャジーで割といい。(hand)



GENERATION / Kenny Burrell

1986.10.24 & 25

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★

Kenny Burrell, Bobby Broom, Rodney Jones(gr), Dave Jackson(b), Kenny Washington(ds)

若手2人との3ギター・バンドのバンガードライブ

ボビー・ブルーム、ロドニー・ジョーンズを加えた3ギターのジャズ・ギター・バンドのヴィレッジ・バンガードでのライブ。87年発売。「ピーセズ・オブ・ブルース&ザ・ブルース」と同日録音。若手2人と師匠格のバレルの競演を期待して聞くと、激しさはほとんどない協調の世界で、半分くらいは裏切られた気持ちになるが、協調が美しいのでなんとか許せるというところだ。バレルは、まだ55歳だが、若い頃のホーン的なギターの強さが弱まっているように感じた。ラスト⑧フンジー・ママでは、バレルの口笛が聞かれる。(hand)



PIECES OF BLUE AND THE BLUES / Kenny Burrell

1986.10.24 & 25

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆

Kenny Burrell, Bobby Broom, Rodney Jones(gr), Dave Jackson(b), Kenny Washington(ds)

「ジェネレーション」の続編。バレルの珍しいバンジョーが聞かれる。

「ジェネレーション」と同日のジャズ・ギター・バンドのバンガード・ライブ。88年発売。こちらが続編だと思うが、勢いはこちらのほうがあるように感じる。本当のギター好きに聞いてみないとわからないが、ギターが3本の意味はあまり理解できなかった。④ソルティー・パパでは、珍しいバレルのバンジョー演奏が聞かれる。(hand)



GUIDING SPIRIT / Kenny Burrell

1989.8.4 & 5

Contemporary

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おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん  ★★★☆

Kenny Burrell(gr), Jay Hoggard(vib), Marcus McLaurine(b), Yoron Israel(ds)

コンテンポラリー初盤は、バイブのホガードとのバンガードライブ

コンテンポラリーに移り、バイブのジェイ・ホガードを迎えてのバンガードでのライブ。当時のヒット曲①コーリング・ユーと、久しぶりに⑦ミッドナイト・ブルーが聞かれる。全体にスインギーで好ましい盤だと思う。ベースとドラムが躍動感のあるプレイで盤の魅力向上に貢献している。(hand)

ヴァイブを加えたカルテットで、しかも一曲目がポピュラーチューン「コーリング・ユー」なので、ムード音楽的に流れないか危惧したが、二曲目以降はジャズ度が濃くなり好ましい雰囲気が続く。メンバーのオリジナル以外は全部ジャズの名曲なので、この一曲目は売れ線狙いなのか?無い方が良かった。勢いのある曲でも、熱い演奏というより都会的に洗練された大人のジャズという感じだ。(しげどん)



SUNUP TO SUNDOWN / Kenny Burrell 枯葉

1991.6.10-12

Contemporary

おすすめ度

hand      ★★★★

Kenny Burrell(gr), Cedar Walton(p), Rufus Reid(b), Lewis Nash(ds)

名人シダー・ウォルトンとの共演盤

久しぶりにピアノ入りのリーダー録音。名人シダー・ウォルトンと手堅いルーファス・リード、ルイス・ナッシュに、パーカッションのレイ・マンティーラ(一部)がサポート。バックが元気で威勢のいい盤になっている。⑤枯葉は、ラテンタッチの小洒落た感じのアレンジだ。元タイトル曲②サンアップ・トゥ・サンダウンは、特段スーパーな曲でないのは確かだが、日本語タイトルは「枯葉」となっている。こういう売らんかな的なタイトル変更は混乱の元なのでやめてほしい。(hand)