1960年のティモンズは、キャノンボールでの活躍を経て、再びJMに加入した年です。ブレイキーとしては、バンドにファンキーの火を燃え上がらせるために、やはりティモンズが必要だったのだと思われます。
・新宿ジャズ談義の会 :ボビー・ティモンズ CDレビュー 目次
①②③:Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jimmy Rowser(b), Art Taylor(ds)
ライブではなくバードランドにトリビュートしたスタジオ録音。3人のオムニ盤だが、ティモンズは、当然、モーガン名義に入っている。モーガン&ショーターはJM在籍時、ティモンズはキャノンボール在籍時だ。ドラムはアート・テイラーに、ベースはジミー・ロウサーで、ブレイキーがいるかいないかで雰囲気が変わる。ショーター①、ティモンズ②、モーガン③が1曲ずつ持ち寄っているので、3人の共同リーダーセッションだった可能性が高い。ティモンズはケリー風の弾き方だが、かなりハードボイルドな感じもあり、特にティモンズ曲②マイナー・ストレインはとてもいい。②③がフェイドアウトで3曲で16分半しかないのはもったいない。3曲を完全収録しても30分には満たないとは思うが、「ジェンキンス=ジョーダン=ティモンズ」みたいな盤「モーガン=ショーター=ティモンズ」として売り出せば、いい内容がオムニ化で埋没してしまっといるのを回復できると思う。ティモンズをメインに再度聞きして、モーガン時より評価を︎1つ上げることにした。(hand)
Nat Adderley(cor),
Wes Montgomery(g), Bobby Timmons(p:①②③⑤⑥⑧⑨), Keter Betts, Percy Heath, Sam Jones(b,cello), Louis Hayes(ds)
ナットがキャノンボール抜きで放った最大のヒット盤。タイトル曲はコール&レスポンスをジャズに取り入れた名ファンキー曲だ。ゲストのウエスのギターが目立たず、サム・ジョーンズとキーター・ベッツのチェロが意外と目立っている。ティモンズは、全9曲中5曲に参加(他はピアノレス)して、ファンキーな曲②プリティー・メモリーを提供するなど、盤のファンキー化に貢献している。この曲は自盤「イージー・ダズ・イット」で再演される。(hand)
Cannonball Adderley(as),
Nat Adderley(cor), Bobby Timmons(p), Sam Jones(b), Louis Hayes(ds)
名曲ぞろいの名盤だ。ただ、前作「サンフランシスコ」と違いスタジオ録音なので、ライブ的なノリノリ感は減っている。ティモンズ作の第二のファンキー曲⑤ダット・デアが聞かれるが、この盤の作成中に、ティモンズが約半年間のみ在籍でJMに引き戻されてしまう。バリー・ハリス参加の前半①〜④は、曲も良く素晴らしいのだが、ファンキー度は下がる。(hand)
Arnett Cobb(ts),
Bobby Timmons(p:4), Sam Jones(b), Art Taylor(ds), Danny Barrajanos(conga)
アーネット・コブは、そう呼ばれてはいない気がするが、“ボス・テナー”的な雰囲気の盤。ピアノトリオ+コンガのリズム隊に乗っかって、くつろいだテナーの曲①③⑤と、テキサステナー的な激しめの曲②④⑥を聞かせる盤だ。ティモンズは④ダウン・バイ・ザ・リバーサイドのみの参加で(他はトミフラ)、自らの個性を出すというよりも、コブに合わせてピアノを弾いている気がする。(hand)
Arnett Cobb(ts),
Bobby Timmons(p:1-6,8), Sam Jones(b), Art Taylor(ds)
前作と同日のもう1枚。コブの盤は、演奏は悪くはないのだが、私にはあまり面白く感じない。コブがいくら熱く演奏しても、メンバーが一緒になって本気で燃えているように思えない。コブとの一体感がなく、スタジオ仕事的な、完全に本気でない盛り上げに感じてしまうのだ。私の勘ぐりかもしれないので、コブ好きの人には申し訳ないが、正直な感想だ。ティモンズも色んなことはやっているが、熱量は少なめに感じる。(hand)
Art Blakey(ds),
Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)
ショーター加入で最初の2曲は新主流派風のショーター曲、次の2曲はビル・ハードマン、ティモンズ(キャノンボールでも演奏したダット・デア)の従来型のファンキーな名曲。5曲目レスター・レフト・タウンは、ショーター作のこの盤のキラーチューンで、従来型の雰囲気も持ち合わせた名曲。最後ペイパー・ムーンは、スタンダードながらショーターに解体され、甘さが排され元曲の良さが消え、単なる新主流派曲になっている。全体としての評価の分かれる盤。(hand)
Sam Jones(b,cello),
Nat Adderley(cor:1,4,6,7), Blue Mitchell(tp:2,3,5,8), Jimmy Heath(ts), Charles Davis(bs:2), Bobby Timmons(p), Keter Betts(b:1,4,6,7), Louis Hayes(ds)
サム・ジョーンズの初リーダー盤に参加。キャノンボール関係のメンバーが多数参加している。サムを盛り立てるために、一致協力している感があり、ティモンズもなかなかいいプレイをしている。ティモンズ曲⑧ソー・タイアドもラストに収録されている。(hand)
Dizzy Reece(tp,conga),
Stanley Turrentine(ts), Bobby Timmons(p:1-5), Jymie Merritt(b:1-5), Art Blakey(ds:1-5)
録音から39年後の1999年に発表されたディジー・リースのブルーノート第4作。ブレイキー、ティモンズ、メリットのJMのリズム隊が前半①〜⑤に参加している。テナーにスタンレー・タレンタイン。ティモンズがJM的なアレンジを気にせず、自分らしさを出せた演奏だと思う。ソロが素晴らしい。(hand)
Art Blakey(ds),
Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)
60年4〜6月のジャズ・メッセンジャーズのバードランドの演奏の海賊盤ながら音がいい。JMのライブ演奏からモーガンの活躍したものを集めたと思われる内容でモーガン好きには隠れ名盤だと思う。キャノンボール・バンドからの持ち帰りティモンズ曲②ジス・ヒア、⑥ダット・デアがいい感じで、ライブで久々にティモンズの激しいブロックコードのソロも聞かれる。この2曲はキャノンボール色が強く、JMがやってもキャノンボール的に聞こえる。(hand)
Lee Morgan(tp),
Jackie McLean(as), Bobby Timmons(p), Paul Chambers(b), Art Blakey(ds)
冒頭のカル・マッセイのオリジナル① ジーズ・アー・ソウルフル・デイズから名盤の空気感が漂う。マクリーンが活躍するとすぐにホロりとしてしまう私だが、モーガンもティモンズも素晴らしい。ドラムがブレイキーにもかかわらずJM的にはならず、モーガンらしいアルバムになっているのは、ブレイキーがサイドに徹しているのと、チェンバースの存在が大きいのかもしれない。(hand)
Johnny Griffin(ts),
④⑤:Bob Bryant, Clark Terry(tp), Julian Priester, Matthew Gee(tb), Edwin Williams(ts), Charles Davis(bs), Bobby Timmons(celesta:4,p:5), Vic Sproles(b), Charlie Persip(ds)
グリフィンのビッグバンド盤。ノーマン・シモンズのアレンジで、グリフィンとその他ホーン群的な盤なので、ピアノはほとんど聞こえない。ピアノは、ほぼハロルド・メイバーンで、④ノーバディ・ノウズのセレステと、⑤メディテーションのピアノのみがティモンズ。JMの先輩格ではあるが、ティモンズとグリフィンの相性は微妙な気がするので、この盤以外の共演もないのだろう。(hand)
Joe Alexander(ts),
John Hunt(flh), Bobby Timmons(p), Sam Jones(b), Albert Heath(ds)
リーダー盤が多分この1枚のテナー奏者、ジョー・アレキサンダー。フリューゲルホンのジョン・ハントとの2管のハードバップ盤。ティモンズにサム・ジョーンズ、アルバート・ヒースと、申し分ないリズム隊。アレキサンダーは、オハイオのローカルミュージシャンだったらしい。リズム隊にはあるが、フロントには東海岸ハードバップの熱気のようなものは感じない。(hand)
・新宿ジャズ談義の会 :ボビー・ティモンズ CDレビュー 目次
ジャズCD 15000枚所蔵しているモダンジャズマニアhand氏、高校生の頃からジャズにはまり40年以上聴き続けているアナログ&トラディショナル派のしげどん、元々はビートルズマニアだったのが二人に巻き込まれてジャズファンに染まったショーン氏。三人それぞれの視点でジャズを楽しく論じているページです。
おすすめCDを聴いてお感じになった感想、ご意見などは、こちらから
