Miles Davis マイルス・デイビス  CDレビュー リーダー作 ⑤

モブレーやケリーも退団し、新メンバーの模索が始まります。ハンコック、ロン、トニーを加え、最終的にショーターが加わることで、第二次黄金のクインテットの時代となります。過渡期の「セブン・ステップス」、人気ライブの「マイ・ファニー・バレンタイン」と「フォア・アンド・モア」、初来日、ベルリンを経て新クインテット四部作最初の「E.S.P.」 に至る時期です。


Quiet Nights/Miles Davis クワイエット ナイト/マイルス・デイビス

1962年7月27日,8月13日,11月6日

1963年4月17日

Columbia

おすすめ度

hand       ★☆

しげどん  ★☆

Miles Davis(tp),Gil Evans(arr,cond)

Summer Night:Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Victor Feldman(p),Ron Carter(b),Frank Butler(ds)

ギル・エバンスとのスタジオでのオーケストラ作。サマーナイトはオススメ曲

ギル・エバンスとのスタジオでのオーケストラ作。名作とされている「スケッチ・オブ・スペイン」よりも選曲がカジュアルなので、多少は聞きやすいが私好みではない。唯一⑦サマーナイトだけはオススメできる。マイルスの許可なくプロデューサーのテオ・マセロが発売した盤で、マイルスが激怒し、この後2年間、マセロとのスタジオ録音がなくなる。(hand)

またもやギル・エバンスとのオーケストラ作品で、予想通りのつまらなさ。クラシック的ではなく映画音楽のようなイージーリスニングのような音楽で、ボサノバもやっているが、ジャズとしては退屈。なぜか翌年録音のサマーナイトという作品が一曲だけ入っている。たぶんセブン・ステップス・トゥ・ヘブンの時の録音かと思うが、表記ではクインテットとなっているが、テナーは聴こえないのでマイルスのワンホーンカルテットで、マイルスらしいデリカシーあるソロが聴ける。(しげどん)



Seven Steps to Heaven/Miles Davis セブン ステップス トゥ ヘブン/マイルス・デイビス

1963年4月16日

5月14日

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん ★★★☆

4月16日:Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Victor Feldman(p),Ron Carter(b),Frank Butler(ds)

5月14日:Herbie Hancock(p),Tony Williams(ds) replace for Feldman, Butler

ジョージ・コールマン、ロン・カーターが加入し、西でヴィクター・フェルドマン、フランク・バトラーが参加後、東で遂にハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムスが加入

ジャケはダサいが中味はなかなかいい東・西海岸録音盤。ケリー、チェンバース、コブが脱退し、マイルス、ジョージ・コールマン、ロン・カーターは西海岸に行き、現地のヴィクター・フェルドマン、フランク・バトラーとスタジオに入り1枚分の吹き込みをした。フェルドマン作のセブンステップスとジョシュアがモーダルでカッコいい。ところが、この2曲はニューヨークに戻ってハンコック、トニーと録音したほうがもっといい演奏になったので、そちらが入った。「マイルストーンズ」をモダンにした感じのいい盤だ。(hand)

リズムセクションメンバー選定中の過渡期の一枚で、それを意識して聴くと面白かった。フェルドマン+バトラー、ハンコック+トニー・ウィリアムスのセットが交互に収録されている。Basin Street , Baby Wont you ・・・のようなトラディショナルジャズでは名演がたくさんある古い名曲は、フェルドマン+バトラーのセットを収録。でも内容は原曲に気づかないほど崩されて完全にマイルスの音楽になっている。ピアノのビクター・フェルドマンも器用な人だと思う。キャンノンボールのバンドではファンキーなピアノを演じていたが、ここではマイルスの音楽に同化している。一方表題曲やジョシアのようなオリジナル素材は作曲がフェルドマンだが、演奏はハンコック+トニー。今後の長らく固定されるリズムセクションによる一連の作品を予兆させる新鮮で魅力的な演奏だ。(しげどん) 



Seven Steps :The Complete Columbia Recordings 1963ー1964/Miles Davis(7枚組)

April 16, 1963 – September 19, 1964

↓これはベスト盤

おすすめ度

hand      ★★★★

Miles Davis(tp),George Coleman,Sam Rivers,Wayne Shorter(ts),Victor Feldman ,Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Frank Butler,Tony Williams(ds)

63〜64年のここでしか聞かれない音源を含む貴重な音源集。「マイ・ファニー」と「フォア&モア」時の未発曲、枯葉が素晴らしい。マニアでなければベスト盤がオススメ

タイトルから「セブン・ステップス」のコンプリート盤かと誤解していたが、63〜64年のここでしか聞かれない貴重な音源集だった。タイトルどおりの「セブン」の西海岸でのヴィクター・フェルドマン入り未発音源のほか、「ヨーロッパ」のバイバイブラックバードなどの未発2曲がなかなかいい、「マイ・ファニー」と「フォア&モア」時の未発の4②枯葉は、多分、時間の関係で未発となったのだと思うが、多分この盤でしか聞かれないもので、本当に素晴らしい。(hand)



Miles Davis in Europe  マイルス・デイビス  イン ヨーロッパ

1963年7月27日

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん  ★★★☆

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ジョージ・コールマンが加わったクインテットの欧州公演の記録

ジョージ・コールマンが加わったクインテットの欧州公演の記録。以前のこの盤は音がこもっていて内容はいいのにあまり聞く気にならなかった。リマスターCDでは音が格段に良くなって、ミュートやシンバルのエッジが立って聞こえるようになった。コールマンのテナーはあまり人気がないが私は気に入っている。コルトレーンとショーターに挟まれたテナーは皆、評判が良くない。ソニー・スティットはバッパーなので仕方ないにしても、モブレー、コールマン、リヴァースの3人、特にモブレーとコールマンは決して悪くないと思う。コールマンは、ハンコック、ロン、トニーという最強ともいうべきトリオに引け目なく立派に演奏している。セブン ステップス コンプリートにはこの時の未発が2曲入っている。(hand)

フランスでのジャズフェスティバルに於けるライブ。有名なフィルハーモニックセンターでのライブ「My Funny Valentine」「Four & More」の前哨戦となるようなライブ作品。ジョージ・コールマン入りのクインテットとメンバーも同じで、選曲も同様にプレスティジ時代のレパートリー中心に、それを新しい形にスピードや激しさを進化させた演奏だ。でも私のような保守的な耳にも味わえるジャズらしさがあるライブと感じるのはジョージ・コールマンのテナーに味があるからか。(しげどん) 



Live at The 1963 Monterey Jazz Festival/Miles Davis

1963.9.20

Monterey Jazz Festival

おすすめ度

hand      ★★★★

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

「イン・ヨーロッパ」と「マイ・ファニー」&「フォア&モア」の間をつなぐモンタレー・ジャズ・フェスティバルの記録

モンタレーフェスの公式記録をCD化するシリーズで、日本ではワーナーから発売され、コロンビア正規盤に準ずるものだと思う。統一デザインのジャケでモンクやブルーベックも出ている。この盤は、63年9月20日の録音で、「イン・ヨーロッパ」の2か月後、「マイ・ファニー」、「フォア&モア」の5か月前。ジョージ・コールマンのソロは5カ月後と比べるとバッパーな感じがする。ハンコックも弾きまくる感じだ。②枯葉、⑤ウォーキンのロンのアルコのソロが珍しいと思った。(hand)



Miles in St.Louis/Miles Davis

1963.6

VGM

おすすめ度

hand      ★★★

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ジョージ・コールマンが参加後の故郷でのライブ

前半3曲はハンコックらが加入後のテナーがジョージ・コールマンのクインテットのマイルスの故郷セントルイスのジャズヴィラでのライブ。ハンコックの元気な演奏が印象に残る。後半④インタビューは17分超と長い復帰後80年のもの。⑤ボーナストラックとされているのは81年のジャン・ピエールだ。音は全体にあまりいいとは言えない。(hand)



Cote Blues/Miles Davis

1963.7.26

JMY

おすすめ度

hand      ★★★★

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

「イン・ヨーロッパ」の前日と翌日の同じアンティーブ・フェスの記録

正規盤「イン・ヨーロッパ」が63年7月27日の録音で、前日と翌日の録音がこの盤。アンティーブ・フェスの記録だ。ジョージ・コールマン入りのクインテットを私は割と気に入っている。世間的にはショーター時代が最高ともてはやされてはいるが、もしかしたら聞く側ではコールマンの人気が密かではあるが高いのではないかと思っている。全体にコールマンも含めて激しいソロが聞かれる。この盤も取り込んだコンプリート・イン・ヨーロッパをコロンビアは出してほしい。(hand)



My Funny Valentine/Miles Davis マイ ファニー バレンタイン/マイルス・デイビス

1964年2月12日

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★★★

しげどん  ★★★☆

ショーン  ★★★★☆

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

64年2月ニューヨーク、リンカーンセンターのフィルハーモニックホール。マイルスだけでなく、特にコールマン、ハンコックが最高の内容

64年2月12日ニューヨーク、リンカーンセンターのフィルハーモニックホール。マイファニーの最高名演はこの盤だと思っている。あまり人気のないジョージ・コールマンが素晴らしい。ハンコックのピアノもハンコック自身の最高の内容で、イントロもソロもバッキングも申し分ない。当然、バラードで燃えるマイルスも最高だ。ロンもトニーも言うまでもない素晴らしさ。そして、最新リマスターの音はもの凄く、買い替えて正解だと思う。(hand)

マラソンセッション以来のレパートリーだが、演奏内容は全然違う。All of youなどはほとんど原曲がわからないほど崩されている。マイルスのリリカルなソロの味わいは充分発揮されていると思うし、一般的には名盤として評価されているのは納得できるが、あえて好き嫌いだけで評点をつけた。(しげどん)

1964年ニューヨーク・リンカーンセンターでのライブ演奏だが、やや散漫としており、間延びして聞こえてしまう、マイルスの時折り見せる高音域への盛り上がりは流石だ、またハービー・ハンコックの独自性のあるフレーズは面白く煌びやかでセンスを感じる。さらにall  bluesのマイルスとコールマンの2管ハーモニーテーマから抜け出した後のマイルスのソロ演奏は生き生きとして素晴らしい。(ショーン)



Four & More/Miles Davis  フォア アンド モア/マイルス・デイビス

1964年2月12日

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★★☆

しげどん ★★★★

ショーン ★★★★★

Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

「マイ・ファニー・バレンタイン」と同日のハードボイルドな演奏を集約。こちらも最高の出来。トニーのドラムがすごい。

初めて聞いたときは、それまで聞いていた50年代のマイルスと違う激しさに驚いた。特に激しい演奏だけを集めた盤なのでより一層そう感じたのだと思う。64年2月12日ニューヨーク、リンカーンセンターのフィルハーモニックホールで、「マイ・ファニー・バレンタイン」と同日録音。マイ・ファニーがバラード系を中心に編集され、こちらはハードボイルドな曲を中心に編集されている。ハンコック、ロン&トニーの緊張感のあるトリオで、マイルスとジョージ・コールマンが激しいソロを聞かせる。マイルスのライブは同じ曲が年を追うごとにオリジナルよりもどんどん速くなっていくことで知られるが、最速の「プラグド・ニッケル」の1年前で私には程よい高速感の作品だと思う。マイ・ファニーともども愛聴盤だ。最新リマスターの音はもの凄い。(hand)

前作と同一時のライブで、激しめの曲中心に編集されている。良く知ったレパートリーだが、スピードが早く躍動感のある演奏で、オリジナル演奏とはかなり進化した形になっている。So WhatからコルトレーンはImpressionsを作ったが、このテンポでの演奏を聴くとそれも自然な事だと納得できる。(しげどん)

勢いとパワーを感じるso whatでのマイルスは最高のパフォーマンスを演じており、素晴らしいライブ演奏だ。続くwalkin'も超特急インプロヴィゼージョンで、エンディングでは鳥肌が立つ。joshua=go=goでのハービー・ハンコックの雨霰のように降り注ぐ鍵盤とトニー・ウィリアムスのドラミングが、追いかけるようにメンバーと観客にエネルギーを注入しており、焚き付け役を見事に果たしている。こんな熱い夜が、約60年前のニューヨークで繰り広げられていたのかと思うと感動する。絶対に聴くべきアルバムだ。(ショーン)



Miles in Tokyo/Miles Davis  マイルス イン トーキョー/マイルス・デイビス

1964年7月14日

おすすめ度

hand      ★★★

しげどん ★★★☆

Miles Davis(tp),Sam Rivers(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

マイルスの初来日公演はこの時だけテナーがサム・リヴァース

イソノテルヲのMCから始まる東京公演。ガーランドと同じキンコンカンコンをハンコックが弾く①イフアイワーベルからスタートする。演奏内容は「リラクシン」とは全く違う。トニーの前ノリ4ビートとハンコックのモーダルなピアノが特に違いを際立てている。マイルス自身は、あまり変わっていないように感じるが、ソロが丁寧でメロディアスなものから、より自由に吹きまくる感じに変わったと思う。テナーのサム・リヴァースがジョージ・コールマンに変わって参加しているが、なんとか打ち解けている感じで、帰国後はショーターに交替している。(hand)

1964年のマイルス初来日の記録。レコード化は5年後だが、60年代前半はブレイキー,モンクなど大物が次々に初来日していた時期なのでおそらく大きな話題になったはずで、当時のスィングジャーナル誌もこの盤を5星で激賞していたそうだ。マイルス自身は本意な作品ではないようで、日本だけの限定発売になっている。問題のサム・リヴァースはややフリーキーな感じだが、全体的には違和感なく溶け込んでいるというか影響力を与えていない感じで、逆に存在感が薄い感じがした。マイルスもリズムセクションも安定していつも通りのライブのままに感じる。(しげどん)



Miles in Berlin/Miles Davis  マイルス イン ベルリン/マイルス・デイビス

1964年9月25日

Columbia

おすすめ度

hand      ★★★★

しげどん   ★★★☆

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ショーター参加後の黄金のクインテットによるベルリン公演

日本公演後にリヴァースが脱退し、マイルスが待ち望んでいたウェイン・ショーターがJMを脱退して加入し、いわゆる黄金のクインテットの誕生だ。この後4年間このメンバーで活動することになる最初の盤がこのドイツ公演の記録だ。世間ではショーターはコルトレーン以降のテナーの最高のビッグネームとして扱われている。ビッグとは思うが、私自身はショーターの演奏に感動したことはない。ソロが斬新であることはわかるが、ソロにあまりメロディがないことや音色に温かみがないのがその理由だ。破綻のないジョージ・コールマンがメンバーから嫌がられていたらしく、ソロが突き抜けているショーターが歓迎されたらしい。CDおまけの④ステラは、破綻が少なく、私には好ましい。(hand)

ショーター参加で黄金クインテット完成ということだ。でも全体の音楽はまだあまり変わっていないので、ショーターによっての変化は感じない。この時期一連のライブと大きく変わった感じがしない印象だ。(しげどん)



E.S.P./Miles Davis

1965年1月21・22日

Columbia

おすすめ度

hand        ★★★★

しげどん   ★★★☆

ショーン    ★★★☆

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

黄金のクインテットのスタジオ録音4部作の1作目

クインテットのスタジオ録音4部作の1作目。演奏のタイトな感じが特徴的だ。曲も硬質な感じとなり、甘口やロマンチックな曲はなくなる。コンセプトはカッコよさだと思う。マイルスの統率の下、メンバーは作曲から演奏まで好きなようにやらせてもらっているのだろう。JMと同じようなショーターの曲も、トニーのドラムで全く違う雰囲気になっている。トニーのドラムは4ビートでも従来型のチーチキ的な叩き方をせずに前ノリのチンチキ的な叩き方なので雰囲気が変わる。ショーターは、ブラックナイルなど私の好きな曲も書いているが、テナープレイヤーとしては音色、吹き方ともに特にいいと思ったことがなく、世間の評価が高いのは理解できなくはないが、好みではないということだ。この盤は、よくまとまりカッコいいとは思うが、ちょい深刻な感じで、明るさはなくてもいいのだが、楽しさが少なく、愛聴することはない。(hand)

ウエイン・ショーター参加後のクインテットでのスタジオ録音第一作。ライブの時は旧知のレパートリー中心だったが、オリジナル曲中心になり、ソロイストとしての各メンバーもかなり意識した企画性のあるアルバムなので、新黄金のカルテットの本格デビュー作と言ったところか。でも私の好みではない全体的に無機質なイメージの演奏が続き、好きにはなれないジャズだと思った。(しげどん)

独創的なアルバムでなかなか面白い。特に冒頭曲のE.S.P.でのマイルスの自由な旋律は聞き応えがある。続くeighty-oneでは、ロン・カーターのメロディアスなベースランニングとハービー・ハンコックのピアノの絡みにジャズの領域を超えた新鮮味を感じる。ウェイン・ショーターの参加も大きく影響しているのだろう。ただ全体を通すと、曲によっては単調に聞こえてしまう部分等も多く、アルバム全体としては未完成感を感じる。(ショーン)



Paris, France/Miles Davis

1964.10.1

Moon

おすすめ度

hand        ★★★☆

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ショーター加入直後の64年秋の欧州公演の記録(フランス)

ショーター加入直後の64年秋の欧州公演の記録は4ヶ所分が残されている。9月25日の正規盤「イン・ベルリン」。その他は全て海賊盤で、10月1日が本盤「パリ,フランス」、10月4日「コペンハーゲン・コンサート」、10月8日「デイビシアナ」の3枚で、「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」という正規盤と同タイトルの海賊盤に8日の未収録2曲が入っている。コロンビアからブートレッグ・シリーズで正規化してほしい内容だ。この盤は、音は悪いが、②ウォーキンなどで熱い演奏が聞かれる。



The Complete Copenhagen Concert 1964/Miles Davis

1964.10.4

Magnestic

おすすめ度

hand        ★★★☆

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ショーター加入直後の65年秋の欧州公演の記録(デンマーク)

64年秋の欧州公演の1枚。後半はメドレー形式の演奏となりこの頃からマイルスの得意スタイルとなっていったのかもしれない。シャーというテープ音?が入って音は悪いが、②ステラのバラードプレイなどハンコックの好調が印象に残る。(hand)



Davisiana/Miles Davis

1964.10.8

Moon

おすすめ度

hand        ★★★☆

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ショーター加入直後の64年秋の欧州公演の記録(ドイツ)

64年の演奏だが、67年の演奏のようにメドレー形式で進行していく。そしてなぜかハンコックがバドやキースのように唸り声をあげながらソロを弾く。ドイツのジンデルフィンゲンという町なのでキースの飛び入りではなさそうで、ハンコック自身が珍しく声を出しているのだと思う。ノリノリなのかもしれない。(hand)



Seven Steps to Heaven/Miles Davis (Bootleg)

1964.10.8

Jazz Door

hand        ★★★

Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

ショーター加入直後の64年秋の欧州公演の記録(ドイツの残り)

全4曲中の前半2曲は「イン・セントルイス」とカブっている。後半はこの盤のみの「デイビシアナ」と同日の録音。クインテットらしい演奏だが、音がイマイチだ。(hand)