キャノンボール・アダレイのサイド参加作としては、なんといってもマイルスのグループのものが有名ですが、あまりにも有名なので、ここではそれ以外の作品を中心に紹介しました。
マイルスのものでキャノンボール参加作品の代表的な作品は参考までに下記にアマゾンの画像リンクを載せておきます。
新宿JAZZ談義の会 キャノンボール・アダレイ CDレビュー 目次
・キャノンボール・アダレイ おすすめBEST5・・・このページ
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ①デビューから1958年まで
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ②1959年~1960年
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ③1961年~1965年
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ④1966年~1969年
・キャノンボール・アダレイ 主要サイド作・・・このページ
Donald Byrd(tp),Nat Adderley(cor),Cannonball Adderley(as),Jerome Richardson(ts),Horace Silver(p),Paul Chambers(b),Kenny Clark(ds)
アダレイ兄弟の事実上のデビュー盤。バップの大御所の一人である兄貴分のケニー・クラークのもとでの、立派なデビューと言える。ベースのペティフォードのタイトル曲は名曲で名演(hand)
名の通ったアーティストが登場、フィーチャリングされるアルバムで、聴きごたえがある。キャノンボールは3曲目のwillow weep for meを、ゆったりと情感込めて歌っていて、良い出来栄え。ヴィブラートで消え入りそうにアルトを聴かせるテクニックは流石だ。(ショーン)
Nat Adderley(cor),Cannonball Adderley(as),Horace Silver(p),Paul Chambers(b),Roy Haynes(ds)
ナットアダレイのスリリングな演奏のオープニングWatermelonに続いて、アダレイ兄弟の共演による、ちょっとユニークなハーモニーフレーズ、ポールチェンバースの落ち着いたソロの楽しめるLittle Joanie Walksで聴くものの耳をガッチリ掴んだところで、Two Brothersでしっとり聴かせるという構成がなかなかのアルバムで、うまくまとまっている。(ショーン)
Sarah Vaughan(vo),Ernie Royal,Bernie Glow(tp),Kai Winding,J. J. Johnson(tb),Cannonball Adderley,Sam Marowitz(as),Jerome Richardson(fl,ts),Jimmy Jones(p),Turk Van Lake(gr),Joe Benjamin(b),Roy Haynes(ds),Ernie Wilkins(arr,cond)
この「イン・ザ・ランド・オブ・ハイファイ」というタイトルの盤、サラ・ボーン以外にもキャノンボール自身やダイナ・ワシントンにもあり、エマーシーのスターがいい音でのハイファイ録音をアピールするため同タイトルの盤を発売したようだ。この盤は若き30歳のサラが、ビッグバンドの伴奏でうまくて迫力ある歌唱を聞かせてくれる。後年のうまいが太過ぎる声が好みではない私には、まだ声も太過ぎず、キャノンボールの軽やかなソロも聞かれる好盤だ。「サラ・ボーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン」は意外とブラウニーのソロが少ないが、この盤は③チェロキー、⑥ハウハイザムーンなどキャノンボールのソロがかなり入っている。(hand)
Dinah Washington (Vo),Cannonball Adderley(as),Junior Mance(p),others
ブルージーでジャジーなダイナにしては比較的スイートな盤。ハル・ムーニー・オーケストラにキャノンボールとジュニア・マンスが加わった盤。残念ながらキャノンボールのソロは③ゼアル・ビー・ア・ジュビリー1曲しか聞かれない。(hand)
Nat Adderley(cor),Cannonball Adderley(as),Junior Mance(p),Sam Jones(b) (tracks 3-11), cello (tracks 2 & 3),Al McKibbon(b) (tracks 1-3),Charles "Specs" Wright(ds)
いつもの兄弟録音だが、ナットをリーダーにセットされたと思われる録音。ナットのハイノートが冴える。録音もあると思うが、ジュニア・マンスのピアノがシルバーっぽい感じで目立っている。キャノンボールがメインのものをアウトテイクにして最初発売した模様。キャノンボールの音色が美しい。(hand)
パーソネル:A面 (1~3) Milt Jackson(vib),Ronnie Peters(as),Frank Foster(ts),Sahib Shihab(bs),Joe Newman(tp),Jimmy Cleveland(tb),Horace Silver(p),Percy Heath(b),Art Blakey(ds)
キャノンボールが目立たないなーと思いながら聞いていると③ハートストリングスでフィーチャーされる。キャノンボールの曲だ。ソウルがプレンティなのかもしれないが、メンバーもプレンティなので、ミルト以外のソロはプレンティに聞くことができない。(hand)
※Ronnie Peters はキャノンボール・アダレイの変名
ミルト・ジャクソンの名盤→Milt Jackson おすすめ盤 4位 参照
Nat Adderley(tp),Cannonball Adderley(as) ,Junior Mance (p),Sam Jones (b),Jimmy Cobb (ds) ①~⑤
1957年のニューポート・ジャズフェス。キャノンボールとシアリングの共演は1曲⑨ソウル・ステーションのみ。①〜⑤がキャノンボール・クインテット、⑥〜⑧がシアリング・クインテット、⑩11がシアリング+コンガという構成だ。キャノンボールのライブ音源としては、最初になる。この時期のファンキー以前のハードバップ期の記録として貴重。シアリングにはトゥーツ・シールマンスが入っているがハーモニカではなくギターだ。シアリング5は、9月の雨の頃の室内楽的なサウンドからラテン色を強め、多少アグレッシブな感じとなり私的には好感だ。エミル・リチャーズの加入が大きいと思う。共演曲⑨は、特段感動はなかった(笑)。(hand)
1. ウィー・ドット
2. ア・フォギー・デイ
3. サーモネット
4. サムズ・チューン
5. ハリケーン・コニー
6. ポーン・チケット
7. イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
8. ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー
9. ソウル・ステーション
10. オールド・デヴィル・ムーン
11. ナッシング・バット・デ・ベスト
Machito(leader,maracas,perc),Cannonball Adderley(as),Joe Newman(tp),Mario Bauza(musical directer,arr,tp),Rene Hernandez(arr,p),A.K. Salim(arr),Doc Cheatham,Paul Cohen(tp),Ray Santos(ts),Eddie Bert,Santo Russo(tb),Bobby Rodriguez(b),Candido,Carlos "Patato" Valdes(congas),Jose Mangual(bongos),Ubaldo Nieto(timbales)etc
キューバ出身のコンガ奏者で、アフロ・キューバン・ジャズの第一人者のビッグバンドにキャノンボールがゲスト参加した盤。1曲置きの半数の曲でキャノンボールのソロが聞かれる。キャノンボールは、まだデビューから3年目だが大物ソロイストとして扱われ、立派に役目を果たしている。知られざるラテン・ジャズ名盤だ。(hand)
Louis Smith(tp),Cannonball Adderley〔Buckshot La Funk〕(as),Duke Jordan(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
トランジション音源をブルーノートが買い取ったもので、ルイ・スミスのブルーノートデビュー作である。二作目のスミスビルよりこちらのほうが出来栄えは上か。キャノンボールは変名で参加。(しげどん)
ルイスミスのトランペットが高らかに煽動し、バックショット・ラ・ファンクことキャノンボールがメロディアスに追随する。音色も硬さも異なるにもかかわらず、何となく融合してしまうところがイイ!(ショーン)
Gil Evans Orchestra Including Johnny Coles, Evans Royal(tp),Cannonball Adderley(as),Paul Chambers(b),Art Blakey,Philly Joe Jones(ds)
1曲目がキャノンボールの独奏から始まり、ブルースなのでアカデミックな感じにもなりにくいので、ギルのアンサンブルを嫌う人にも入りやすい。多分、小難しくて、毛嫌いされがちなギルの盤の中で、一番、取っ付きやすいのではないか。(hand)
ギルエバンスの意欲作。キャノンボールをうまくフューチャーしていて、ノリも良いのだが、若干オーケストラ風のホーンセクションが、煩すぎる感がある。(ショーン)
選曲がトラディショナルな名曲ばかりで、ジャズ史をたどっているのだろうか?キングポーターストンプはモダンジャズで聴いたことがない。面白いけど企画の主旨に対してギルエバンスを起用した意味も不明。キャノンボールのソロはいつも通り快調だ。(しげどん)
Cannonball Adderley(as),Art Farme(tp),Barry Galbraith(g),Milt Hinton(b)
John Benson Brooks(sond)
ピアニスト・作編曲家、ジョン・ベンソン・ブルックス。この盤以外で名前を聞いたことがない(他に「フォーク・ジャズUSA」という作品もあるらしい。)。全体がブルックス作の組曲になっていて、キャノンボールは、求めに応じて役割(主役)を果たしている。ただ、一度聞いたら、もう聞かない盤だと思う。(hand)
Kenny Dorham(tp),Dave Amram(frh),Cannonball Adderley(as),Cecil Payne(bs),Cedar Walton(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
全般にキャノンボールのソロが「カインド・オブ・ブルー」に似ている気がする。時期的にも、他のメンバーがマイルスのリズム隊だからかもしれない。カインドで聞かれたような大人っぽいクールなキャノンボールが聞かれる数少ない盤の1枚だ。ドーハムがもう少しタイトルを意識した選曲をしてブルーに吹き、フレンチホルンなどのアレンジを作り込めば、かなりの名盤になったと思われる盤だ。(hand)
キャノンボールのアルトの存在感が突出している。ドーハムの情感のあるトランペットも味わえるなかなかの作品だと思うが、共演者の中ではキャノンボールのつややかなアルトが突出的に素晴らしく、まさに名人芸だ。一方でフレンチホルンとバリトンサックスが入ったセプテット編成なのだが、編曲的にはその編成を生かしていないので、最初から二人の双頭クインテット盤にした方がよかったのではないかと思う。(しげどん)
Freddie Hubbard(tp)、Cannonball Adderley(as)、Wynton Kelly(p)、Paul Chambers(b) Philly Joe Jones、Jimmy Cobb(ds)
素晴らしい作品だが、あえてキャノンボールの推薦盤とするかは微妙。フレディもケリーも素晴らしい。(hand)
先生不在の自習教室なので、みんな勝手に大暴れ。それぞれのソロは素晴らしいけど、キャノンボールが主役ではない。(しげどん)
Blue Mitchell, Lee Morgan(tp),Cannonball Adderley(as), Benny Golson(ts),Sahib Shihab(bs),Herbie Mann(fl),Curtis Fuller(tb)
Wynton Kelly(p),Jimmy Garrison, Sam Jones(b),Philly Joe Jones(ds)
サヒブ・シハブの影響か?イスラミックな感じのするモダン・ビッグバンド。ゴルソンも「リー・モーガンVol.3」ではイスラムな雰囲気のアレンジをしていたのでゴルソンの影響かもしれない。キャノンボールは雰囲気に適合したソロをとっているが、キャノンボールのソロになると、ビッグバンドがコンボ的なバッキングになるのは不思議だ。ラスト⑦フィリーJ.J.は、クリフォード・ブラウン「メモリアル」の再演。(hand)
新宿JAZZ談義の会 キャノンボール・アダレイ CDレビュー 目次
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ①デビューから1958年まで
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ②1959年~1960年
・キャノンボール・アダレイ リーダー作 ③1961年~1965年