新宿ジャズ談義の会:カーティス・フラー CDレビュー 目次
・カーティス・フラー サイド参加作 レビュー④・・・・このページ
Art Blakey(ds),Freddie Hubbard(tp),Curtis Fuller(tb),Benny Golson(ts),Cedar Walton(p),Buster Williams(b)
私も含めコアなジャズファンが嫌いな日本人プロデューサーK氏の作品だ。懐かしいメンバーで懐メロを懐かしいアレンジで!と依頼したと思われる。新曲が2曲あることと、ミュージシャンが与えられた素材に真摯に取り組んでいるのは救いだ。クリフォードはJM曲ではないが、人気があるから入れたのであろう。演奏自体は悪くない。(hand)
Art Farmer(flh),Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Cedar Walton(p),Buster Williams(b),Albert Heath(ds)
日本の関与により20年ぶりに復活したジャズテットの新盤。本人達の意向で復活した場合と違い、どうしてもナツメロ大会になりやすく、クリエイティブな面が少なくなる。その代表がKプロデューサーだが、この盤は別の日本人なのが多少の救いか。ナツメロをナツメロでなく演奏できるのがジャズの特性だと思うが、ナツメロに聞こえてしまう盤はいい盤とは言えないと思う。この盤は、ゴルソン曲の中で私の1番苦手なキラー・ジョーとファーマー曲で1番苦手なモックス・ニックスの2曲続いて出てくるという食指がより遠ざかる盤だ。フラーのソロ自体は悪くはないどころか、いい内容だ。(hand)
Art Blakey(ds),Freddie Hubbard(tp),Curtis Fuller(tb),Benny Golson(ts),Walter Davis Jr.(p),Buster Williams(b)
オールスターJMが売れたのか、二匹目のドジョウ盤だ。大懐メロ大会の前作よりも選曲に工夫があり好感度は上がる。フラーのトロンボーンはよく鳴っているが、ちょい垂れ流しを感じるところもある。単なる録音レベルの問題かもしれないが、ブレイキーが妙に張り切っている気がする。ベースがアコベなのにエレベ的な音色は不満だ。(hand)
Art Farmer(flh),Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Mickey Tucker(p),Ray Drummond(b),Albert "Tootie" Heath(ds)
ゴルソン作のタイトル曲①は新曲で、イントロの第一音がフラーから始まるので期待が高まる。ソロはファーマーからで、気合いの入ったソロだ。ピアノのミッキー・タッカー、ゴルソンに続いてフラーのソロ。このソロもなかなかいい。レーベルがソウルノートで商業主義の臭いがなく、ミュージシャンにやりたいようにやらせているのがいいのだと思う。②以降はゴルソンやファーマーの有名なオリジナルが続くが、演奏は甘くならずにハードな感じが継続して好感の持てる盤(hand)
1983年9月2日
Eastworld
おすすめ度
hand ★★★☆
Art Blakey(ds),Terence Blanchard, Wynton Marsalis②only(tp),Curtis Fuller(tb),Benny Golson(ts),John O'Neal(p),Lonnie Plaxico(b)
オーレックスとは東芝のオーディオブランド。その冠ジャズフェスが80年代初頭(80~83)に4回、日本武道館などで開催された。それ以前に70年代後半に開催されたライブ・アンダー・ザ・スカイがモダンジャズ以降を対象としていたのに対し、オーレックスはベニー・グッドマンらスイング派がメインでモダンジャズがおまけ的だった印象がある。つまりこのメンバーはモダンジャズの代表だったのだ。オールスターJMは、お祭りなので大懐メロ大会を大観衆の前で楽しんでいる気がする。ツヤのある音色でいきいきしたアドリブを展開していて、特にニュースターのウィントン・マルサリスとテレンス・ブランチャードが大活躍だ。ゴルソンのソロはやや垂れ流し気味だが、フラーは元気なソロを聞かせている。(hand)
Art Farmer(flh),Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Mickey Tucker(p),Rufus Reid(b),Billy Hart(ds)
私の苦手な日本人プロデューサーK氏に目をつけられてしまったジャズテット。ノスタルジアと言えば、コアなジャズファンにはファッツ・ナヴァロの曲がイメージされる。なのに同曲は入っていない。単なる過去のジャズテットへの郷愁なのだろうか?①枯葉と⑤赤トンボはK氏の選曲ではないかと勘ぐってしまう。K氏の懐かしの曲なのであろうか?そうは言っても演奏に入ると夢中になってアドリブ演奏するのがジャズメンの特性だ。それなりにいいソロを聞かせてくれるので楽しむことはできる。(hand)
Art Blakey(ds),Freddie Hubbard(tp),Curtis Fuller(tb),Benny Golson(ts),Walter Davis Jr.(p),Buster Williams(b)
オーレックスの翌年の中野サンプラザでのオールスターJM。懐メロばかり聞いていると飽きてくるが、やってるほうも同じかもしれない。ただ、お祭りのジャズフェスよりはソロに緊張感がある気はする。初オールスターのウォルター・デイビスは張り切っている。元々はレーザーディスクだったと思われる。(hand)
Art Farmer(flh),Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Mickey Tucker(p),Ray Drummond(b),Marvin "Smitty" Smith(ds)
「リアルタイム」と同日の復活ジャズテットのライブ、「カーティス・フラー・ジャズテット」という古い盤はあるが、やはりこのバンドは、ゴルソンのものだ。ファーマーが準リーダーで、フラーは3番手から昇格することはない。ソロイストとしては、いい仕事をしていると思う。ジャズテットの復活というと、日本人プロデューサーによるコマーシャリズムを想像してしまうが、この盤はそうではなく、真面目にハードバップに取り組んでいる。(hand)
Art Farmer(flh),Benny Golson(ts),Curtis Fuller(tb),Mickey Tucker(p),Ray Drummond(b),Marvin "Smitty" Smith(ds)
「バック・トゥー・ザ・シティ」と同日の復活ジャズテットのライブ。選曲がJM的なせいかブレイキーのいないJMのような雰囲気の盤。フラーは調子もよく、それなりに活躍する。(hand)
Benny Golson(ts),Eddie Henderson(flh),Curtis Fuller(tb),Mulgrew Miller(p),Ray Drummond(b),Tony Reedus(ds)
亡くなったマイルスの追悼盤。アイ・リメンバー・クリフォードの二番煎じを狙ったと思われる日本人プロデューサーK氏の影がちらつく盤。ゴルソン作のタイトル曲は悪くはないが特段良くもない。フラー入りの⑦ソー・ホワットがこの盤では異色だが、私は一番いいと思う。(hand)
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