デクスター・ゴードンの主要作をレビューしています。
ここでは渡欧後の60年代後半の作品をレビューしています。
他の時期の作品は、下記からお入りください。
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
下記文字をクリックして、該当ページをご覧ください。
→1:リーダー作第1期、第2期編(デビューから50年代まで)
→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)
→3:リーダー作第4期編-1.(64年の渡欧後の活動 前半)
→4:リーダー作第4期編-2. (渡欧後の後半)・・・このページ
このデクスター・ゴードンのディスクガイドは、60年代までを取り上げています。69年の二作品はNY録音ですが、まだデンマークに住んだままでした。彼が合衆国に再び住むのは1976年で、それ以降も注目作はありますが、今回は取り上げていません。最後まで印象深い活動を続けたデクスター・ゴードンさんは、1990年4月に67歳でこの世を去りました。
※左側の画像には、アマゾンまたはタワーレコードへのリンクがあります。購入時の参考にどうぞ・・・
Dexter Gordon(ts),Freddie Hubbard(tp),Barry Harris(p),Bob Cranshaw(b)
Billy Higgins(ds)
2日かけて録音が行われた人気盤「ゲッティン・アラウンド」のさらに1日前の録音。ライブのようなタイトルだがスタジオ録音された発掘盤。ジャズ・メッセンジャーズを思わせる①ハンキー・パンキーから始まる。③デヴィレットもJMっぽく、デックスにしてはファンキーな盤だ。フレディとヒギンズは、ともすると新主流派的な無機質なプレイになりやすいメンバーだが、デックスの影響なのか温かみのあるプレイをしている。(hand)
なぜこの盤がお蔵入りされたのか理解できないが、ジャズ的には「ゲッティング・アラウンド」より上位に評価されるべき作品だ。フレディ・ハバードのソロも新主流派的な無機質な感じではなく情感がこもっているし、バリー・ハリスも好演している。曲順などもバランスがよく、一枚のアルバムとしてまとまっている。(しげどん)
1965年5月29日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★
しげどん ★★★★
ショーン ★★★★☆
Dexter Gordon(ts) Bobby Hutcherson(vib) Barry Harris(p) Bob Cranshaw(b) Billy Higgins(ds)
冒頭の黒いオルフェから最後のフリック・オブ・ア・トリックまで、どれも余韻を残す素晴らしい演奏となっている。ボビーハッチャーソンのヴィヴラフォンがアルバム全体の世界観を構築する重要を役目を担っている。(ショーン)
黒いオルフェが有名だがジャスファン的にはジャズっぽさが足りなく感じる。でもジャズスタンダード曲ではいつものデックス。帝王は「らしからぬ」環境でもそつなくこなしている異色作ととらえたい。その中でもバリーハリスはジャズ感全開で奮闘。(しげどん)
いわゆるメーカーの言う代表作なのだが、いい曲が多いわりに演奏はダレ気味だと思う。テンポは遅くとも緊張感をどれくらい持っているかはリスナーに伝わると思う。これまでのところ、あまり感心した記憶のない盤。ジャケットは自転車好きな私には秀逸(hand)
1967年7月20日、21日 Black Lion
おすすめ度
hand ★★★★
しげどん ★★★★☆
ショーン ★★★★☆
Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Al Heath(ds)
スタートのSonnymoon For Twoから、沸騰したデックスのテナーが炸裂する。続いてしっとりと唄い上げるバラード曲と緩急織り交ぜた聴きごたえのあるCD2枚組ライブ。スタンダードな名曲もたくさん取り上げており、ジャズ初心者にも親しみが湧く。(ショーン)
レコードでは第3集まで時期を変えて発売された。やはり出来栄えがピカイチなのは第1集。ロリンズのソニームーンは、彼のブルーノート盤ライブより迫力があるのではなかろうか?A評価はあくまでもアナログの第1集に対してのみ。第2集、第3集も水準的な良い演奏でB評価。(しげどん)
昔はピンとこなかったが今は名盤と思う。CD2枚を通して聴いても長さの苦痛がほとんどない!自分が影響を与えたロリンズの良さを逆に吸収して、素晴らしいアドリブを聞かせている。(hand)
1969年2月5日 Catfish/Affinity
※上はアナログ、下がCDのデザイン
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★
ショーン ★★★★☆
Dexter Gordon(ts) Cees Slinger(p) Jacques Schols(b) Han Bennink(ds)
汗の飛び散る激しい感じがあり、私の好みの盤(笑)。1曲目のゴードンのオリジナル、フライドバナナから惹きつけられる。この日のゴードンは神がかっていて、ライブの神様が憑りついているのかのよう!さすがパラダイーソ(笑)。この地元オランダの若いエネルギー溢れるトリオ、ゴードンを煽り、御大もこれに応えている。シーズスリンガートリオは、オランダによく居る歌伴もするクラシカルな香りのするトリオと違い、コンボ演奏の大好きなメンツで、御大との共演に大興奮してるのがわかる。(hand)
何れの曲も10分以上の長い構成で、常に吹き続けているデックスは、凄い肺活量!(笑)ピアノとの掛け合いが素晴らしく、特にWHAT’S NEWでの、静かに語りかけるテナーに呼応するピアノの調べには心奪われる。(ショーン)
※アムステルダム パラディソ は現在も営業している名門クラブです。
1969年4月2日、4日 Prestige
おすすめ度
hand ★★★★
しげどん ★★★☆
ショーン ★★★☆
Dexter Gordon,James Moody(ts) Barry Harris(p) Buster Williams(b) Albert Heath(ds)
久々のNY録音。1曲目のみジェームズムーディは参加するがバトルはない。メリーホプキンの歌ったTHOSE ARE THE DAYSは貴重だし素晴らしいジャズバージョン。日本では森山良子の「悲しき天使」(hand)
印象的なフレーズで始まる1曲目は、J ames Moody とのテナーのダブル競演 というユニークな顔合わせ⁉︎ アルバム全体を通して落ち着いて聴ける安定感がある反面、ややメロディの単調さが気になる。(ショーン)
1969年4月2日、4日 Prestige
おすすめ度
hand ★★★★☆
しげどん ★★★★
ショーン ★★★
Dexter Gordon,James Moody(ts) Barry Harris(p) Buster Williams(b) Albert Heath(ds)
ジェームズムーディーが最初最後の2曲に参加のツインテナー盤。ワーデルグレイとの昔のバトル的な共演と違い、協調的な共演で、2人の違いを楽しむ盤。レディバードはバップ曲ながらあまりバップを感じない2人のスマートな演奏。メディテーションはボサノバ、テンポも良く楽しめます。3曲めは、チーズケーキに次ぐデックスの名曲フライドバナナ、本人もバリーハリスのピアノもノリノリでGOOD。(hand)
タッドダメロンの曲はジャズらしさがあふれ何度も聴きたくなるフレーズが多い。レディバードもそのうちの一つ。こういう演奏に優劣をつけるのは難しいが、よりジャズを感じるのは、タワーオブパワーよりモアパワーかもしれない。(しげどん)
Dexter Gordon(ts),Atli Bjørn(p),Benny Nielsen(b),Finn Frederiksen(ds)
1964年を中心とした7枚のラジオランド・シリーズはアナログ時代に発表されたが、ジャケデザインも変わり、65年を中心としたヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたスティープル・チェイスの新シリーズは、CDのみの発表。モンマルトルは、この頃、カフェ・モンマルトルからジャズハウス・モンマルトルに店名変更したらしい。新シリーズは、収録時間も長く1曲も長い。デックスのMCもかなり収録している。前シリーズは、テテ・モントリューのピアノが多かったが、新シリーズでは、ケニー・ドリューが増える。ただし、本盤はアトリ・ビョーンという「クライ・ミー・ア・リバー」と同じ地元ピアニスト。デックスは、前シリーズに引き続き好調を維持している。ただ、10分以上の長尺バラードは眠くなる(笑)。元タイトルは⑤ウィー・ドットだが、日本盤は①マイ・メランコリー・ベイビーを採用。①のほうが出来がいいような気もするが、こういうことをすると混乱の元になるのでやめてほしい。ウィー・ドットはJ.J.ジョンソンのブルースだが、有名なのはJMの演奏。JMはテーマ合奏はかっきり譜面に沿って吹くのがお約束。ところがゴードンはいつもながらの遅れて吹く感じなので、ウィー・ドットがらしくなく思えてしまうのだ。(hand)
デックスらしいライブを楽しめる盤なので、細かいことはいうことなし。エリントンのA列車で行こう!という選曲も面白いが、何をやってもいつものデックスさんだ。一杯やりながらスピーカーに対峙すると至福の時間が味わえる録音のよさもおすすめ。(しげどん)
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
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→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)
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