デクスター・ゴードンの主要作をレビューしています。
ここでは、渡欧後のライブ盤を多産した時期の前半をレビューします。
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
下記文字をクリックして、該当ページをご覧ください。
→1:リーダー作第1期、第2期編(デビューから50年代まで)
→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)
→3:リーダー作第4期編-1.(64年の渡欧後の活動 前半)
→4:リーダー作第4期編-2. (渡欧後の後半)
このJAZZ談義の会では、デックスさんのリーダー作を30作取り上げていますが、そのうちの半数以上に相当する12作が渡欧後の第4期のものになります。ここで紹介したステープルチェイスのデンマークラジオのライブシリーズだけで6枚ありますが、この時期のライブは後年の発掘作も含めるとまだまだ他にあり、アナログ盤などは入手困難なものがあります。作品数が多いので、ここでは、渡欧後の62年~64年までを、第4期前半として、取り上げました。
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Dexter Gordon(ts) Atli Bjorn (p) Marcel Rigot(b) William Schiopffe(ds)
現地ミュージシャンのピアノの腕前は悪くはないと思うが、B面の彼のオリジナルを聞くと、知的でおとなしいテイストが特徴なようだ。ライブならもっとガンガン肉食的に煽ってほしいところ。(しげどん)
なんとも単調で起伏がなく感じる盤。「THE THRILL IS GONE」も雰囲気を出そうと頑張っているのは分かるが、その表現方法ではないでしょうという感じで、名曲が泣いている。(ショーン)
※デンマーク放送のラジオシリーズの第一作で、現地ミュージシャンとの共演。「一部の人を除いて、私がこんなに幅広く尊敬を集めた事はかってなかった。それがここに住む最大の理由だ」(本作品の原文ライナーより)という訳で、彼はコペンハーゲンに移住してしまう。
Dexter Gordon(ts) Bud Powell(p) Pierre Michelot (b) Kenny Clarke(ds)
本盤は、スタンダード曲ばかりのため、デクスターゴードンの多彩な一面を見られる貴重かつ重要な盤であろう。ピアノのパド・パウエルが、デックスの秘密の引き出しから、多くの魅力を引き出してくれたことに感謝!(ショーン)
評論家の勧めに従って最初に聞いた盤。よい盤なのだが、茫洋としたフレーズと音色のせいで、GOの魅力には一歩譲ると思う。(hand)
曲はスタンダードやパーカーの名曲など、ジャズファンにはなじみのものだが、パウエルの意向に合わせたものらしい。彼はもはや新曲をやる前向きな姿勢はなくなっていたのだろう。デックスさんはいつも通りの余裕だ。後年人気を博したデクスター・ゴードン主演の映画「ラウンドミドナイト」は、バド・パウエルがモデルなので、この時の2人の会合の歴史的な意味を考えると感慨もひとしお。(しげどん)
1964年6月2日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★
しげどん ★★★
ショーン ★★★
Donald Byrd (tp) Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Niels-Hemming Orsted Pedersen(b) Art Taylor(ds)
モード演奏に挑戦?!失敗はしていないが、らしさが発揮しきれていないと思う。(hand)
デクスターゴードンのメロディラインは全編を通して単調で退屈。またアートテイラーの無駄なオカズが多いドラミングは、曲を一層メリハリのないものにしてしまっている。(ショーン)
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Alex Riel(ds)
スティープルチェイスのラジオランドシリーズでは、It's You, Or No Oneと1、2を争う好盤。チーズケーキはGO!よりカッコいい。(hand)
リラックスした愛奏曲集で、伸び伸びとしたデックスさんを味わえる。タイトル曲「Cheese Cake」と「Second Balcony Jump」は名盤GOで演じていた曲。「黒いオルフェ」はブルーノート盤より1年前の演奏だが出来映えはスタジオ盤より上か?この盤は有名曲揃いという理由で、一番のオススメ盤。(しげどん)
ヨーロッパに行った後にラジオの放送用でレコーディングされたライブ。 迫力満点でのフルスピードで、そのノリと臨場感はハンパ無い!(ショーン)
※このSteeplechaseシリーズはすべて入手困難で、特にアナログ盤は「見つけたら即買い!」です。
1964年7月25日
Steeple Chase
おすすめ度
hand ★★★☆
しげどん ★★★★
ショーン ★★★☆
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Alex Riel(ds)
ラジオランド・シリーズ。タイトル曲のメロディは普通ですが演奏はいい。デックスには珍しいサテンドールも意外に適合。ボディ&ソウルは甘くなり過ぎないいい感じ。テテモントリューはこういう曲はハズレなし。最後の曲アイウォントブローナウ、タイトルどおりにブローしてしかも、コルトレーン的なフリーキートーンまで。唯一、テーマのバップ的ボーカルはゴメン。やはりまたベースソロでフェイドアウト残念。(hand)
VOL3これも同水準の作品だがデックスのオリジナルはタイトル曲のみでスタンダードのウエイトが高い。普通はアンニュイな雰囲気で演奏されることが多い「Satin Doll」も帝王の手にかかればユーモラスに変身。(しげどん)
力強い演奏で活気に満ち溢れた好盤。臨場感があり、ステージに引き込まれる感覚がある。最後の曲では、デックスさん、歌まで飛び出しノリノリなのだ。(ショーン)
1964年6月9日
Steeple Chase
おすすめ度
hand ★★★☆
しげどん ★★★★
ショーン ★★★☆
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Rune Carlsson(ds)
これも愛奏曲集と言えそうだ。「I want more」はDexter callingから、「Where are you」「Second balcony jump」はGOからの選曲。しかし最後の曲のフェイドアウトが強引なので、収録曲を減らしたほうがマシなのではと思ってしまう。(しげどん)
アップテンポの曲からスタート。まずまずの曲が揃っており、いずれも10分以上の長いものだが、それほど飽きずに楽しめるが、少しベースソロは長過ぎはしないか?最後は何故かフェードアウト!(ショーン)
1964年7月23日
Steeple Chase
おすすめ度
hand★★★★
しげどん★★★★
ショーン★★★★☆
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Alex Riel(ds)
デックスさんとドラムのアレックスリールが大暴れする好盤。デックスのボーカル1曲は好きになれないのと、最後がドラムソロ中にフェイドアウトも残念。それ以外は推薦要素たっぷり。(hand)
「Love For Sale」 と「I Guess・・・」はやはりGOで演じられていた曲。ロックコンサートなら「I Guess・・・」がかかった途端に総立ちになる!?ハズ。ボーカルはファンサービスの素人かくし芸的な余興?と思って許してあげましょう。(しげどん)
このsteeple chaseシリーズはデックスの生声が録音されており、この盤もデックスのユーモア溢れるイントロダクションからスタート!タイトル曲「LOVE FOR SALE」のコロコロ転がるピアノとキレの良いドラムはなかなかの演奏で、次のゆったりした曲に繋がりその落差で心に響く展開。個人的には最後の「cherokee」も好きな曲だが、フェードアウトして、残念(ショーン)
1964年8月6日
Steeple chase
おすすめ度
hand★★★★★
しげどん★★★★
ショーン★★★★
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Alex Riel(ds)
ラジオランド・シリーズ。これは隠れ名盤。ジャストインタイムをこんなにかっこよく演奏した盤を知らない。デックスも、テテも、ペデルセンも、そしてリールも絶好調!!!!2曲目はイントロはイフアイワーベル風、曲はバイバイブラックバード風のマイルスに捧げた曲かと思ってしまうような曲。3曲目のバラードは甘さに流されずホットビターチョコのような濃厚でハードな演奏。ラストは私の好きなイッツユーオアノーワン、この曲の演奏の中でも有数だと思う。このシリーズの中でフェイドアウトしない貴重な盤。ロックでいうとハードロックを感じます(hand)
これも愛奏曲集でやはり伸び伸びリラックスした帝王。タイトル曲「Its you or・・・」もDoing allright でフレディハバードとのニ管で演じていた曲。ブルーノート盤で演じられていたこれらの曲との聞き比べも面白い。このシリーズ全般に言えることだが、録音が悪いのが難点。(しげどん)
ノリ良くスピード感もあり、特にTETEのピアノの良さが光る。アルバムタイトル曲のアレンジが面白く、異国感を醸しており、まとまりの良いアルバムだ。(ショーン)
Dexter Gordon(ts) Tete Montoliu(p) Niels-Henning Orsted Pedersen(b) Alex Riel(ds)
CDとして正規発売されているビリーズバウンスの中で一番長いのではないか?しかも、飽きさせない!素晴らしいです。4人は燃えてます!デックスのサテンドールは初聴き。ただ、ミディアムテンポの長い演奏は、少しだけ退屈かもしれない。ソウルシスターズは曲名どおりのゴスペル風の曲で馴染めない。ラスト、チュニジアは期待感とともにスタートするがテーマもそこそこに4分程度でフェイドアウト、1曲目が素晴らしいだけに、残念な盤(hand)
ライブのリラックス感が強すぎて、やや脱線気味?Soul sisterは彼のアドリブの素材としてはどうかと思うが、このシリーズで再登場。またやっているところを見ると好きな曲なんだろうな。フェイドアウトが多いシリーズだが、この盤の最後のフェイドアウトは特に強引過ぎ。(しげどん)
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
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→1:リーダー作第1期、第2期編(デビューから50年代まで)
→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)
→3:リーダー作第4期編-1.(64年の渡欧後の活動 前半)
→4:リーダー作第4期編-2. (渡欧後の後半)