・新宿ジャズ談義の会 :ドナルド バード CDレビュー 目次
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Stanley Turrentine(ts), Duke Pearson(arr)
①-⑦:Donald Byrd(tp), Julian Priester(tb), Jerry Dodgion(as,fl,a-fl), Joe Farrell(ts,fl), Pepper Adams(bs,cl), Kenny Barron(p), Bucky Pizzarelli(gr), Ron Carter(b), Mickey Roker(ds)
デューク・ピアソンがアレンジしたA面10名、B面9名のタレンタインの大編成盤のA面7曲にバードが参加した発掘盤。タレンタインの唯一のオリジナル①ブルース・フォー・デル、ではバードのブルージーなソロが久しぶりに聞かれる。この①以外は、ややイージーリスニング的になり、バード達もホーンアンサンブルになってしまう。後半⑧からはバードはブルー・ミッチェルに交替するが、そんなことは無関係に、よりスイートでポップなアンサンブルになっていく。ただただ、タレンタイン1人が頑張って吹き続けている。(hand)
Sam Rivers(ts,ss,fl), Donald Byrd(tp), Julian Priester(tb), James Spaulding(as,fl), Cecil McBee(b), Steve Ellington(ds)
マイルスでの「イン・トーキョー」で知られるリヴァースだが、基本的にはフリー寄りの人。この盤は、67年録音で、76年にアンドリュー・ヒルとカプリングで2枚組LPに、単独CD化は86年という発掘盤。未発になった理由は前作の不評らしいが、この盤はいいと思う。バードは、ドルフィー盤に参加したり、少しフリーなソニー・レッドとも双頭バンドを組むなど、完全フリーの一歩手前のような演奏を意外にも得意としているように感じる。この盤でも、アヴァンギャルドなソロを吹くわけではないが若手達に溶け込み、盤のクオリティを高めている。バードはタイトルにフリーがついた盤はあるがフリーな内容の盤を自らは出していない。1枚くらいあってもよかったと思う。もう少しドルフィーが長生きしていれば実現したかもしれない。(hand)
Hank Mobley(ts), Donald Byrd(tp), Ceder Walton(p), Ron Carter(b), Billy Higgins(ds)
バード盤「スロー・ドラッグ」の2週間後の録音の85年発掘盤。ソニー・レッドがモブレーに、ウォルター・ブッカーがロン・カーターに変わっているがメンバーは似ている。この手の未発音源を聞くと、なぜ未発になったか考えてしまう。ミュージシャン本人がお蔵入り前提で吹き込むはずもないので、制作販売側に理由があるはずだ。この盤も同時代盤と同様に、ジャズ・ロック的な内容で、クオリティも低くない。やや4ビート寄りなところが、当時は敬遠されたのかもしれない。 ボサ曲⑤ボサ・フォー・ベイビー、は親しみやすい。バードのトランペットはまずまずの出来。テーマはいいがソロの切れ味がもう一つに思える。(hand)
1973.10-1974.3
Fantasy
1974.8-10
Fantasy
1975
Fantasy
1976
Fantasy
1977
Fantasy
1980
Fantasy
2012
K-Wes Indi
バードの教え子たちが結成したブラックバーズの盤は、サントラを除き、1974〜80年にファンタジーから6枚がリリースされ、2012年に再結成盤7作目が出ている。バード自身は、1~3作目と5作目にトランペッターとして、4作目はプロデューサーとして参加している。6作目と再結成盤7作目は参加がない。偏狭なジャズファンの私には、バードのリーダー盤でもこの時期の音楽は聞くのが苦痛なので、リーダー盤とブラックバーズ盤からのオムニバス盤、ドナルド・バード&ザ・ブラックバーズ「ジャズ・ファンク・コレクション」からブラックバーズの演奏14曲だけを聞いた。リーダー盤に比べると、ボーカルがメインで、よりポップな印象を持ったが、やはり私にはキチンと聞くのは困難な音楽だった。(hand)
おすすめ度
hand 評価不能(全盤)
⑧⑨:Donald byrd & The Blackbyrds
Donald Byrd(tp), Stephen Johnson(ts,vo), Kevin Toney(org,syn,vo), Orville Saunders(gr,vo), Joe Hall(el-b,vo), Keith Killgo(ds,vo)
“ニューノート・フロム・ブルーノート”というMCから始まる多数のミュージシャンが出演したライブ。会場はロスのロキシーだが、バード&ブラックバーズだけはニューヨークからの録音。バードの2曲⑧⑨は、ジャズ・ワークショップ時よりもかなりファンク度が強まっている。バード以外も、この時期らしい、エレクトリックなソウル・ファンク・フュージョン的な演奏なので、私にはジャズ盤とは思えない。Vol.2にはバードの演奏なし。(hand)
Gene Harris(p,el-p,syn), Jerry Peters(el-p,syn vo,arr), Donald Byrd(tp), Al McKay, John Rowin(gr), Anthony Jackson, Robert Popwell, Chuck Rainey, Verdine White(el-b), Leon "Ndugu" Chancler, Harvey Mason, Alvin Taylor(ds), Jerry Steinholz(perc), Dorothy Ashby(harp), Ralph Beecham(vo), strings,horns,backing vocals
後期のバードは、教育活動に時間を割かれたのか、リーダー盤は年1程度出ていたが、サイド参加はほとんどなくなる。この盤もホーンセクションとして多数のトランペットの1人として入っているだけと思って聞くと、意外と活躍する。③では全くジャジーではないが長いソロを吹いている。⑥⑦のバラードの組曲でも大きくフィーチャーされる。それにしても、この手の音楽の浮かれ方は何だろう?“ブラック・パワー”というやつだろうか?同じエレクトリックでもマイルスは全く浮かれていなかったことを改めて感じた。(hand)
Sonny Rollins(ts,ss), Mark Soskin(p,el-p), Aurell Ray(gr), Jerome Harris(el-b), Tony Williams(ds), Donald Byrd(tp,flh:5-10)
後期バードの数少ないサイド参加盤の1枚。ロリンズとの共演は「ロリンズVol.1」(1956年、BN)以来、22年ぶり。 2枚組ライブで、後半のみバードは参加している。バードのせいか?ロリンズまでが、ついにファンクになってしまっている。2①④がファンク系で、2②③がバラードとジャズ系の演奏だ。バードは久々にストレートにトランペット(フリューゲル?)を吹いているが、ロリンズの音色がザラザラし過ぎているように感じる。(hand)
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