Hampton Hawes ハンプトン・ホーズ サイド作① 1947~1953

18歳でパーカーのサイドメンとして録音したホーズ。こんな人はあまりいないと思います。その後も、ソニー・クリス、アート・ペッパー、デクスター・ゴードン、ワーデル・グレイなどのサイドメンとしての録音を残しています。デビューと同時にファーストコール・ピアニストになったのだと思います。



LULLABY IN RHYTHM / CHARLIE PARKER (LP)

B7,8:

1947.3.8 & 9

Spotlite

おすすめ度

hand        ★★★☆

B7,8:Howard McGhee Quintet

Howard McGhee(tp), Charlie Parker(as), Hampton Hawes(p), Addison Farmer(b), Roy Porter(ds)

18歳のホーズのパーカーとのデビュー録音

18歳のホーズの多分デビュー録音。18歳で西海岸にいたパーカーと共演というのはものすごいことだ。パーカーのソロだけを追っかけで録音したディーン・ベネデッティの録音なので、パーカー以外のソロが入っていることは珍しいが、ディー・ディーズ・ダンス1には短いながらもホーズのソロが入っていて感涙モノだ。モザイク等でCD音源化はしているが、この盤のCD化はされていないようだ。(hand)



CALIFORNIA BOPPIN' / SONNY CRISS

④-⑥:1947.6

Fresh Sound

おすすめ度

hand        ★★★☆

④-⑥:Sonny Criss(as), Howard McGhee(tp), Teddy Edwards(ts), Hampton Hawes(p), Addison Farmer(b), Roy Porter(ds)

18歳のホーズがソニー・クリスと録音

18歳のホーズの多分デビューから2番目に古い録音。この同じ時期にバッパーになり切っていたソニー・クリスの実力もパーカーに負けず劣らずすごい。そのようなビバップ初期の激動状況で日本でいうと高三の3月にこのセッション3曲に参加しているホウズも本当にすごい。④ザ・マン・アイ・ラブには1コーラス約50秒のソロがあり、途中では珍しくブロックコードが出たりして、立派に役割を果たしている。⑤オーニソロジー、はバッキングメインだが目立って入る。⑥身も心も、はクリスなしで、テディ・エドワーズとハワード・マギーがメイン。(hand)



BOPLAND - THE LEGENDARY ELKS CLUB CONCERT, LA 1947 / DEXTER GORDON

1947.7.6

Savoy

おすすめ度

hand        ★★★☆

Howard McGhee(tp), Trummy Young(tb), Sonny Criss(as), Dexter Gordon, Wardell Gray(ts), Hampton Hawes(p), Barney Kessel(gr), Harry Babasin, Red Callender(b), Connie Kay, Ken Kennedy, Roy Porter(ds)

長尺のデックス、グレイらのジャムに参加

3枚組の長尺ジャムセッションCD。ホーズが参加しているだけでも、約2時間分ある。1曲が20分もあるので、デックス、グレイ、マギーは、これでもかというくらい長いソロを吹くが、若くてイキもよく、ダレることはない。ホーズはフロントに比べると短いが、それなりのソロスペースを与えられ、新人とは思えない堂々としたソロをとる。(hand)



TEDDY EDWARDS QUINTET(Be Bop Revisited Vol.1/Charlie Parker)

1948.10

Rex

おすすめ度

hand        ★★★☆

Teddy Edwards(ts), Herbie Harper(tb), Hampton Hawes(p), Iggy Shevack(b), Roy Porter(ds)

テディ・エドワーズと初スタジオ録音

Rexのオリジナルアナログは入手困難だが、CD「ビバップ・リビジテッドVol.1/チャーリー・パーカー」(Xanadu)に収録されている。元はEP両面2曲の2枚全4曲と思われる。レッド・ガーランドがエディ・ロックジョー・デイビスのEPでデビューしたのと似た感じで、ホーズはテディ・エドワーズが公式では初録音のようだ。日本ではこの時期のテナーと言うとデクスター・ゴードンやワーデル・グレイが知られるが、ロックジョーやエドワーズも同様の人気を誇っていたと思われる。ホーズは、バックに回った時はリーダーに合わせているのか、慌たゞしくプレイすることはなく、落ち着いて聞ける。(hand)



1949-1957 / SONNY CRISS

1949.9.22

1957.11.25

Fresh Sound

おすすめ度

hand        ★★★☆

:Sonny Criss(as), Hampton Hawes(p), Iggy Shevack(b:1949), Buddy Woodson(b;:1957), Chuck Thompson(ds)

49年と57年のソニー・クリスのセッション

CDタイトルからは49年から57年の間の録音のように思うが、内容は49年の4曲と57年の3曲が前後半に収録されている。47年録音はトミー・タークとのヴァーブ盤「ザ・シックス / アン・イヴニング・オブ・ジャズ」でも出ている。この頃はモロにパーカーそっくりのソニー・クリスと組んだホーズ、当然のようにバド風のプレイとなっているが、バドよりは多少軽い感じがする。クリス曲④トルネードは、デンジル・ベストの“ウィー”と全く同じ曲だ。後半はテレビ出演時の録音らしく、前半も短いのだが、前半以上に短い。クリス節が出ており、じっくりと聞きたいのに残念だ。復活前のクリスの録音は、どの盤も短いのが難点で、この盤も全7曲で20分くらいしかない。(hand)



MODERN SOUNDS / SHORTY ROGERS

1951.10.8

Capitol

おすすめ度

hand        ★★★☆

Shorty Rogers(tp), John Graas(French horn), Gene Englund(tuba), Art Pepper(as), Jimmy Giuffre(ts), Hampton Hawes(p), Don Bagley(b), Shelly Manne(ds)

ウェスト・コースト・ジャズの名盤

マリガン、ロジャースのカプリング盤のロジャースの録音にホーズが参加。名盤とされているが、ウエスト色が強く、あまり私好みの盤ではない。管のハーモニーやソロが中心で、7曲で約18分と曲も短いので、ホーズのファンは短いソロやコンピングを楽しむ以外にない。(hand)



MEMORIAL VOL.2 / WARDELL GRAY

1952.1.21

Prestige

おすすめ度

hand     ★★★★

Wardell Gray(ts),

1952.1.21:Art Farmer(tp), Hampton Hawes(p), Harper Cosby(b),  Lawrence Marable(ds), Robert Collier(conga)

ワーデル・グレイの数少ないスタジオ録音

名盤とされるワーデル・グレイ盤の第二集にホーズ入りのセッション6曲がある(全8曲)。グレイの最高作とされる2枚だが、時代的に収録時間が短いものばかりで、短命だったので致し方ないとしか言いようがない。ライバルとされるデクスター・ゴードンがゴツゴツした音色なのに対し、グレイは比較的滑らかなテナーだ。デビュー間もないアート・ファーマーがハイノートを吹くなど張り切っているのが印象的だ。ホーズは特段目立つことはない。アフロでないのにコンガ入りはあまり感心しない。6曲で18分足らずの短いセッションだ。(hand)



EARLY SHOW & LATE SHOW / ART PEPPER

1952.2.12

Xanadu

おすすめ度

hand        ★★★☆

Art Pepper(as,cl), Hampton Hawes(p), Joe Mondragon(b), Larry Bunker(ds,vib)

初期絶頂期のアート・ペッパーを捉えた盤

ザナドゥは音があまり良くないというのはCD時代になっても変わらない。元が多分、海賊的な音源だからであろう。ペッパーのソロは音が悪くとも輝いているが、ピアノの音色は残念ながら痩せ気味だ。カルテット演奏で、比較的長めのソロスペースを与えられたホーズは、曲にもよるが、この時期のホーズらしく西海岸的な手数の多いやや慌たゞしいソロを展開している。ザナドゥの音に慣れてきたので、ペッパーの回より☆加点。(hand)



SURF RIDE / ART PEPPER

1952.3.4

Savoy

おすすめ度

hand        ★★★☆

Art Pepper(as),

1952.3.4:Hampton Hawes(p), Joe Mondragon(b), Larry Bunker(ds,vib)

ペッパー初期のレパートリーを網羅した重要盤

初期の3セッションを収録した盤で、ホーズ入りは、52年3月4日のセッション。「アーリー・ショー」などのライブでかなり吹いた曲をスタジオ録音したと思われる。録音のせいか、ペッパーの野太い感じが弱い気がする。サボイは野太い音が売りなのだが、この作品は元はディスカバリー原盤だからであろう。ウエストなのにイーストな感じもペッパーの魅力だが、ウエスト感が強いのも私好みの盤にならない原因だと思う。(hand)



MEMORIAL (LIVE IN HOLLYWOOD)  / WARDELL GRAY

1952.9.9

Xanadu

おすすめ度

hand        ★★★★

Wardell Gray(ts), Art Farmer(tp), Hampton Hawes(p), Joe Mondragon(b), Shelly Manne(ds)

ワーデル・グレイの活気あるリーダーライブ

ザナドゥ盤はペッパー同様に音が悪い。しかし、バップテナー、ワーデル・グレイの活気あるリーダーライブで、グレイのテナーを堪能できる。ただ、テープのピッチのせいなのかグレイのテナーがアルト的に高く聞こえる場面がある。ファーマーがガレスピーのような激しさで吹いている。ホーズは、意外にも落ち着いたプレイで好感だ。グレイの「メモリアルVol.2」から半年以上経っているが、ほぼ同一メンバーでのライブだ。(hand)



OUT OF NOWHERE / WARDELL GRAY

1952.9.9

Straight Ahead Jazz

おすすめ度

hand        ★★★☆

Wardell Gray(ts), Art Farmer(tp), Hampton Hawes(p), Howard Roberts(gr), Joe Mondragon(b), Shelly Manne(ds)

「ハリウッド」にギターが加わった同日ライブ

「ライブ・イン・ハリウッド」と同日のヘイグでのライブだが、ギターのハワード・ロバーツが加わった演奏で、ザナドゥ盤には収録されなかった4曲。雰囲気も音も変わらないが、ロバーツが意外に活躍しているので、その分、ホーズの活躍は目立たなくなっている。(hand)



SCRAPPLE FROM THE APPLE / STAN GETZ LIVE AT LIGHTHOUSE 1952

1952.9.14

S.S.J.

おすすめ度

hand        ★★★☆

Shorty Rogers(tp), Milt Bernhart(tb), Stan Getz(ts), Arno Marsh(ts,cl), Hampton Hawes(p), Howard Rumsey(b), Shelly Manne(ds)

珍しくゲッツと共演したホーズの発掘盤

日本のSSJの2013年の発掘盤。音はあまり良くないが、内容がいいので耐えられる。ゲッツがライトハウスに出演し、ハウスリズムセクション的なホーズらと共演したのだろう。若きゲッツが好調で延々とソロを吹くので、長尺曲3曲のみで計50分近くとなっている。ホーズのソロも十分に聞ける。(hand)



LIVE IN HOLLYWOOD / WARNE MARSH

1952.12.23

Xanadu

おすすめ度

hand        ★★★★

Warne Marsh(ts), Hampton Hawes(p), Joe Mondragon(b), Shelly Manne(ds)

マーシュにしては珍しく楽器の良く鳴っているライブ

音の良くない盤の多いザナドゥ盤だが比較的音が良く、内容までいい!マーシュは音量的にストレスを感じることもあるクール派だが、この盤では音量も十分で満足のいく内容になっている。(hand)



SHORTY ROGERS AND HIS GIANTS

1953.1.12 & 15

RCA Victor

おすすめ度

hand        ★★★

Shorty Rogers(tp), Art Pepper(as), Milt Bernhart(tb), John Graas(frh), Gene Englund(tu), Jimmy Giuffre(ts), Hampton Hawes(p), Joe Mondragon(b), Shelly Manne(ds)

ウエスト・コーストジャズの原点と言われる歴史盤

しげどんが、ペッパーのサイド盤としてのコメントで“ウエスト・コースト・ジャズの原点”と表現しているが、ウエスト特有の気ぜわしい感じが私は苦手だ。イーストのジャズがなく、ウエストだけだったら、多分、私はジャズを聞いていなかったのではないかと思う。「モダン・ジャイアンツ」同様、ホーズはあまり目立たない。(hand )



SUNDAY JAZZ A LA LIGHTHOUSE / HOWARD RUMSEY

1953.2.21

Contemporary

おすすめ度

hand        ★★★

Maynard Ferguson, Shorty Rogers(tp), Milt Bernhart(tb), Bob Cooper, Jimmy Giuffre(ts), Hampton Hawes(p), Howard Rumsey(b), Shelly Manne(ds)

西海岸名物ハワード・ラムゼイのライトハウスでの録音

かなり前に買い、多分、聞かずにしまった盤。初めて聞いて、悪くはないと思ったが、特に再度聞きたいとも思わなかった。ショーティ・ロジャースほどではないが、典型的な西海岸ジャズ。ただ、ジャム的なライブなので、熱さがあるのは救いだ。ホーズの参加は全8曲中3曲②⑦⑧。得意の早弾きだが、あまりいい感じはしない。ラストのジミー・ジュフリー曲⑧ラ・ソンカイリはトロンボーン(ミルト・バーンハートという人)とドラムのシェリー・マンが活躍するエキゾチックな面白い演奏だ。(hand)