大御所となり徐々にサイドとしての活動が減ってきますが、旧友達との再会セッションのようなサイド活動は継続します。
・新宿ジャズ談義の会 :ケニー・バレル CDレビュー 目次
Hank Jones(p), Richard Davis(b), Roy Haynes(ds),
①③⑤:Bob Ojeda(tp), Teddy Edwards(ts), Kenny Burrell(gr)
①③⑤が管入り、②④⑥がトリオの盤。メンバーだけ見るとモダンなのだが、やはり中間派的な内容。唯一、名前を聞いたことのないトランペットのボブ・オジェダはベイシーなどで活躍した人らしい。選曲もファッツ・ウォーラー曲がほとんどで、バレルはフレディ・グリーン的になっている。アレンジはビル・ホルマン。(hand)
Jimmy Smith(p,org), Johnny Griffin(ts), Kenny Burrell(gr), Mike Baker(ds)
聴衆と一体となったジミー・スミスの濃厚なオルガン・ワールドに、後から乗り込んだバレルとジョニー・グリフィンという感じがする。ライブ会場がオルガン音に興奮しているのがわかり、2人が頑張っても、ソロがスルーされているように思える。スミスのソロになると手拍子が始まるくらい人気があるようだ。後半、スミスによるピアノソロのメドレーが意外だった。ピアノも名人級だが、やはりこの人は何を弾いても濃厚だと改めて思った。(hand)
②③:Stanley Turrentine(ts), Kenny Burrell(gr), Jimmy Smith(org), Grady Tate(ds)
④⑤:Grover Washington Jr.(ss), Kenny Burrell(gr), Reggie Workman(b), Grady Tate(ds)
⑥⑦:Lou Donaldson(as), Kenny Burrell(gr), Jimmy Smith(org), Grady Tate(ds)
ブルーノート復活ライブ4枚のうちの1枚。バレルはこの盤7曲中、スタンレー・タレンタインの2曲、グローバー・ワシントンとの2曲、ジミー・スミス&ルー・ドナルドソンとの2曲(メドレー)の計6曲に参加している。お祭りなので、多少散漫な感じは仕方ないのだろう。メドレー前半のブルース・ウォークはルウドナ作となっているが間違いで、この曲はブラウニー作のザ・ブルース・ウォークだ。(hand)
Tommy Flanagan(p), Kenny Burrell(gr), George Mraz(b), Lewis Nash
デトロイト出身の盟友トミフラ盤に共演。ピアノがリーダーでギターをフィーチャーしたカルテットというのは、ピーターソンくらい圧倒的な存在感がないとリーダー感が出にくい。そういう意味で、若い頃のトミフラのリーダー盤はサイド的な感じがしてしまうものが多かった。70年代からはリーダーとしての活躍をかなり経ているので、この盤でもリーダー感が出て、いい感じの仕上がりになっている。(hand)
Stanley Turrentine(ts), Kenny Burrell(gr), Jimmy Smith(org), Grady Tate(ds)
スミス、タレンタイン、バレルの息がピッタリ合ってなかなかいい盤だ。7年前の「キープ・オン・カミン」では、テナーはグリフィンだったが、スミスが主役過ぎて、盤としてのバランスがよろしいとは言えなかった。タレンタインとグリフィンがどちらが好みかと言えばグリフィンだが、この組合せではタレンタインが正解のようで、3人の関係は円滑で、聞いていて心地よい。録音バランスもいいのだと思う。⑥マイ・ファニーのグラディ・テイトのボーカルも予想以上に良かった。発売は1991年。(hand)
Stanley Turrentine(ts), Kenny Burrell(gr), Jimmy Smith(org), Grady Tate(ds)
リターンとなってはいるが「フォアモスト」と同日録音の続編だ。発売は10年後の2001年。続編も正編に劣らぬいい盤だ。ジャズのグルーヴを感じる。今度は③エイント・シー・スイートでスミスが歌っている。歌はテイトのほうがうまい。(hand)
Frank Morgan(ts), Kenny Burrell(gr), Ron Carter(b), Grady Tate(ds)
バッパーとしての活躍が期待されながら、僅かな録音を残して、麻薬により引退を余儀なくされたフランク・モーガン。20年以上の時を経て79年に復活し、数多くの録音を残した。その中の1枚が本作。バレルの同タイトル盤と似た静謐な雰囲気を持つバラードを中心とした盤だ。ピアノレスなので、バレルがサイドのメインとなっている。(hand)
Jimmy Smith(org), Kenny Burrell(gr), Jimmie Smith(ds)
サムシン・エルスは、日本の東芝EMI系ながら、米ブルーノートの弟分との認証を受けて1988年に発足したレーベル。日本レーベルにありがちなコマーシャリズム見え見えのいやらしさがなく、良質な作品を多く出している。特にデビュー期の大西順子の作品群は価値があると思う。個人的にはラルフ・ピーターソン盤に愛着がある。この盤は、BNの看板アーチストとも言えるジミー・スミスの来日公演のライブで、バレルと、日本語で書くと同姓同名のジミー・スミスをドラムに迎えている。日本で人気のバレルに十分にソロスペースが与えられている。スミスのボーカル1曲は、あまり好みではない。(hand)
Jimmy Smith(org), Kenny Burrell(gr), Jimmie Smith(ds)
「ザ・マスター」と同日の来日公演の記録。残りテープという感じはしない。このメンバーは、演奏のクオリティは保証されているので、選曲が重要になる。こちらの方が私好みの選曲だ。バレルのソロは、②ローラ、⑤チャイルド・イズ・ボーン、ラスト、⑥ストーミー・マンデーなど「マスター」より素晴らしいと思う。(hand)
Ray Bryant(p), Kenny Burrell(gr), Peter Washington(b), Kenny Washington(ds)
ブライアントとバレルの相性ってどうなんだろう。ダウントゥアースな感じと都会的な感じを2人とも併せ持つスタイルなので、合うような気がしながら聞いてみた。 悪くはないが、特段良くもないのではないか。多分、ブライアントの手数が多いので、バレルが一生懸命に弾いても霞んでしまうのだ。(hand)
Cedar Walton(p), Ron Carter(b), Lenny White(ds), Tim Hagans(tp:2,4,5), Craig Handy(ts,ss:1-3,5-7), Kenny Burrell(gr:1-5,7)
日本のレコード店・新星堂が作ったレーベル・オーマガトキが、バレル、ロン・カーター、シダー・ウォルトンらを集めたエッセンス・オールスターズによるブルース集。プロデューサーはドラムのレニー・ホワイトなので、レニーがリーダー的位置付けと思われる。エッセンス・オールスターズ名義の盤は他にもあり、レニーが入っている。ブルース原理主義のようなタイトルだが、コテコテのブルース感はない。バレル作のタイトル曲のブルース③プライマル・ブルーもあり、バレルもリーダー格で参加しており、ソロも多い。(hand)
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