ここではケニー・ドーハムの発掘盤、非正規盤を取り上げています。
Max Roach(ds),Kenny Dorham(tp),Sonny Rollins(ts),Ray Bryant(p),George Morrow(b)
日本のマシュマロからの発掘盤。マックス・ローチ(ジャケ上はロリンズとドーハムも記載)、ジョージ・ウォーリントン、キャノンボール・アダレイの3種のラジオ放送音源の寄せ集めで、Vol.1となっているが、2021年3月現在Vol.2は出ていない。冒頭のセッション4曲が、クリフォード・ブラウン亡き後のローチ・クインテットだ。トランペットがドーハム。黙って聞いたら、選曲のせいもありローチ=ブラウンかと間違えてしまう。ドーハムも威勢がよく、ブラウンに肉薄している。相変わらずローチのソロはちょい(かなり)うるさい。ブラウンの抜けた穴をドラムで埋めようとしているかのようだが、逆効果だと思う。ロリンズはかなり好調だと思うが、④ダフードはロリンズのソロでフェイドアウトという信じられない扱いだ。(hand)
Kenny Dorham(tp),Curtis Fuller(tb),Herbie Mann(fl),Al Cohn,Zoot Sims(ts),Ronnie Ball(p),Ahmed Abdul-Malik(oud),Ben Tucker(b),Dave Bailey(ds),Ray Mantilla(per)
南米へのアメリカ国務省による文化使節団のオールスターライブ。FMというレーベルから正規発売はされているが海賊的な内容だと思う。海賊盤「ホット・スタッフ・フロム・ブラジル」と同じツアー中のライブ。各曲ごとに違ったソロイストをフィーチャーしていくスタイル。①レッドドアはアル&ズート、②ラバーマンはハービー・マン、③イスマーは、アーマッド・アブダル・マリク作曲のオリエンタルな変わった曲で彼のウードとうマンドリンのような楽器をフューチャー。ハービー・マンの趣味には合っている曲と思う。④イッツオールライトはカーティス・フラー、⑤枯葉はドーハム、⑥ウィードットは全員、となっている。ドーハムの枯葉は、ありそうで意外とレアだと思う。スタジオ録音は歌入りの1枚のみで、あとはこの遠征2枚と海賊1枚だ。盤全体に演奏内容は、悪くはないが、残念ながら愛聴するには至らないと思う。(hand)
Kenny Dorham(tp),Curtis Fuller(tb),Herbie Mann(fl),Al Cohn,Zoot Sims(ts),Ronnie Ball(p),Ahmed Abdul-Malik(oud),Ben Tucker(b),Dave Bailey(ds),Ray Mantilla(per)
一応、ドーハム名義にはなっているが、ドーハムが一番売れそうだということで、リーダーではない。南米へのアメリカ文化使節団のオールスターライブ「ジャズ・コミッティ・フォー・ラテン・アメリカン・アフェアズ」と同日の海賊盤で6曲中4曲がかぶっている。②ハレーズ・コメットと④チュニジアだけがこの盤で聴かれる曲で、②はアル&ズートをフィーチャー、④はアル&ズート以外の全員参加だ。マニア向けの盤だと思う。(hand)
①~⑨Kenny Dorham(tp),Sonny Red(as),Cedar Walton(p),John Ore(b),Hugh Walker(ds)
⑩~⑭Kenny Dorham(tp),Joe Farrell(ts),Walter Bishop Jr.(p),Larry Gales(b),Stu Martin(ds)
放送用録音なのか音はいい。内容もいい。ただ、1曲毎に長いDJやドーハムの会話が入るのが鬱陶しいので、CDでは飛ばし聞きがいい。①~⑨は、海賊盤「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」と同内容だ。後半はテナーのジョー・ファレルとの1962年のフランボンでのライブで、こちらも悪くない。ファレルの初期録音だと思う。(hand)
Kenny Dorham(tp),Joe Henderson(ts),Ronnie Mathews(p),Steve Davis(b),J.C. Moses(ds)
1963年1月のフランボヤンでの発掘ライブ。「ウナマス」の3カ月前の演奏で、ジョーヘンとの初期の記録だと思う。フランボヤンは、63年に1年だけやっていた店らしい。放送用で音も内容もいいが、DJのMCが多いので可能な限り飛ばし聞きがいい。(hand)
①~④1953年10月31日
⑤⑥1956年10月10日
⑦~⑩1964年1月
RLR
※リンクはありません。
おすすめ度
hand ★★★☆
①~④:Kenny Dorham(tp),Lou Donaldson(as),Horace Silver(p),Gene Ramey(b),Art Blakey(ds)
⑤⑥:Kenny Dorham(tp),Sonny Rollins(ts),Ray Bryant(p),George Morrow(b),Max Roach(ds)
⑦~⑩:①~⑨Kenny Dorham(tp),Tore Sannes(p),Bjorn Pedersen(b),John Christensen(ds)
1953、56年の演奏は、それぞれブレイキーとローチのサイドメンとしてのもので、初期のバッパー時代のドーハムが聞けるが、海賊度の高い発掘盤なので音はかなり悪い。64年1月の演奏⑦〜⑩は、63年12月のスティープル・チェイス盤「スカンディア・スカイズ」「ショート・ストーリー」の流れを引き継ぐ内容で、音も演奏もいい。ドーハム盤としながら、ジャケ写がブレイキーというテキトーさは日本人には理解不能だが海賊盤らしい(笑)。(hand)
※現在廃盤です。中古店やオークションで探してください。
Kenny Dorham(tp),Barry Harris(p),Julian Ewell(b),Al Heath(ds)
ザナドゥからコンテ・カンドリと片面ずつの「ビバップ・リビジテッドVol.5」として発売されていた盤が、ドーハムだけのCDとなり、おまけ⑦⑧にスティープルチェイスの2枚「スカンディア・スカイズ」「ショート・ストーリー」から各1曲が収録されている。やや海賊的な音質だが、それほどひどくはない。ドーハムは、やはり最後までバッパーだったと確認できる内容で、ホントに64年?というくらい正統派のビバップ盤だ。(hand)
※現在廃盤です。中古店やオークションで探してください。
Kenny Dorham,Woody Shaw,Bill Hardman,Blue Mitchell, Richard Williams,Walter Kelly(tp),Lonnie Smith(p),Peck Morrison(b),Walter Perkins(ds)
ファッツ・ナヴァロ、クリフォード・ブラウン、ブッカー・リトルという若くして亡くなった偉大なトランペッター3人に捧げるライブ。6人のトランペッターが参加し、数人ずつ曲を分けて演奏している。ドーハムは全5曲のうち②ホワッツニュー以外の4曲に参加し、①バグスグルーブ、③コンファーメーション、④ブルース、⑤スィートクリフォードで熱いソロをとる。(hand)