このページでは、リー・モーガンのサイド参加作の1958年~1959年途中までのものを紹介していきます。この年でのエポックは何といってもアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズへの参加です。JMへは1957年の「Theory of Art」での一時的な参加がありますが、有名なBlue Note盤モーニン以降正式メンバーになり、ベニー・ゴルソン、ボビー・ティモンズ、ジミー・メリット、とともにジャズ・メッセンジャーズの黄金期を形成していくことになります。
リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代・・・このページ
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり
Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Charlie Pership(ds)
①は標準的なハードバップ、②はモーガンが主役のスピークロウ。ケリーも素晴らしい。主役のはずのモブレーは霞んでいる。全体としてモーガン&ケリーが活躍し、モブレーも悪くはないのだが、モブレー自身の控えめな音と、キラーチューン不在により、名盤にはなれていない。(hand)
19歳で生意気盛りなリー・モーガン の突き抜けるトランペットと落ち着いたモブレーのテナーの対比が素晴らしい。しかもウィントン・ケリーのピアノが、嫌味なくメロディアスに後押しをして世界観を作ってくれているため、質の高い演奏に仕上がっている。何度も聴き込みたくなる、味のあるJAZZだ。(ショーン)
典型的なハードバップの快演が聴かれる名盤である。名アレンジャーぶりを発揮しすぎなベニー・ゴルソンより、あくまでもプレイヤーを生かすモブレーの作曲とアレンジが私は好きである。そこで伸び伸びと演奏しているモーガンは、自由にジャズらしい味を発揮している。これはモブレーのディレィション下で実現したモーガンの傑作。唯一のスタンダードである「Speak Law」は、SONNYS' CRIB で演奏されたコルトレーンとドナルドバードのものと聞き比べると個性の違いが味わえて楽しいので、ぜひ聞き比べていただきたい。(しげどん)
Tina Brooks(ts),Lee Morgan(tp),Sonny Clark(p),Doug Watkins(b),Art Blakey(ds)
ティナ・ブルックスの発掘盤。曲順は誰が決めたのだろう?1曲目の勢いが弱すぎる。②今宵の君を1曲目にしたら、もっと人気盤になれたと思う。特に1曲目は、盤の顔なので、どれを置くかで印象が全く変わってしまう。マクリーンとの共演で多少は知られるブルックス。テナーのマクリーン的なプレイが特徴で、いいテナーだと思う。数少ないリーダー盤に人気盤がないのはつらいことだ。モーガンはいつの間にか余裕あるプレイヤーになっていて、ここでも余裕の演奏だ。(hand)
曲調がいい雰囲気にソニー・クラークやリーモーガンの陰影を引き出していて素晴らしい。ティナ・ブルックスの作品は少ないが、この作品といい、「Back To The Tracks」といい、傑作といってもいい作品がお蔵入りになっていた不遇の人だ。、モーガン,ソニー・クラーク、ブレイキーといった人気のビッグネームも参加していて内容も優れているのになぜ当時お蔵入りになったのか本当に不思議だ。発掘時の黒猫のジャケットも悪くないが、今は彼の写真を使ったデザインで再発されていてよかった。(しげどん)
1958年4月21日
1958年4月28日
Roulette
おすすめ度
hand ★★★☆
しげどん ★★★☆
15. Lee Morgan(tp),Curtis Fuller(tb),Hank Mobley(ts),Billy Root(ts),Ray Bryant(p),Tommy Bryant(b),Charlie Wright(ds)
16.same as 15. except Specs Powell(ds) replace Wright
もう1枚の「アナザー・マンデーナイト」とともに、バードランドでのブローイン・ジャムセッション。多少のヘッドアレンジはされている。ハンク・モブレーがジャム・リーダー的な立場だと想像する。あまり有名でないのはテナーのビリー・ルートだけで、他はみんなその後有名になったメンバー。最年少19歳のモーガンは、ソロイストの1人として、テーマにソロに活躍する。(hand)
当時のバードランドは月曜はレギュラーグループがお休みで、若手のアーティスに場所を提供していたという。これはそのジャムセッション的なライブ。今となってみるとオールスターセプテットだ。ライブの雰囲気が充分とらえられた録音で、メンバーのソロが充分味わえる楽しめる盤。ハードバップが熱かった時期の歴史を記録した作品だ。anotehr・・も続編なので同レベルの作品。(しげどん)
1958年10月30日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
Art Blakey (ds),Lee Morgan (tp),Benny Golson (ts),Bobby Timmons (p),
Jymie Merritt (b)
超が何個もつく名盤。その重要な立役者の1人がモーガンだ。作曲面ではティモンズ、ゴルソンが目立つが、ソロイストとしての主役はモーガンだ。大人気曲①モーニンのソロの入り方はモーガン流が定番となった。(hand)
歴史的な有名盤。モーガン、ゴルソン、ティモンズのメンバーが正式に揃った第一弾でアルバム名も「Art Blakey and The Jazz Messengers」。モーニンというのは後付けのタイトルなのだ。モーガン、ティモンズの決定的な演奏だとされているが、モーニンという曲では、実はライブなどでもっといい演奏もあると思うし、今聴くと実はそんなに決定的な演奏ではないような気もするが、とにかくそば屋の出前までが口笛で吹いたというくらい流行ったのだから、聴かなければ話にならない。もっていない人は早めに買いましょう。(しげどん)
Tracks 1-6
Lee Morgan(tp),Bobby Timmons (p),Jymie Merritt (b),Art Blakey, Philly Joe Jones, Roy Haynes (ds),Ray Barretto (conga)
Tracks 7-8
Paul Chambers (b),Art Blakey (d)
発掘盤。ブレイキーのドラムを聞く盤。モーガンもティモンズも悪くないが、ドラムの時間が圧倒的に長いのはつらいところだ。ラスト2曲は、チェンバースをフィーチャー。(hand)
1958年11月17日
United Artists
↑再発CD
初期ジャケデザイン
おすすめ度
hand ★★★★
Benny Golson (ts), Lee Morgan (tp)
Ray Bryant (p),Percy Heath (b), Philly Joe Jones (ds)
Bonus tracks recorded in Paris, France, on December 12, 1958
Roger Guérin (tp),Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p),Pierre Michelot (b),Christian Garros (ds)
「モーニン」の翌月、JMに加入したばかりのモーガン&ゴルソンというフィラデルフィア出身のフロントに、リズム隊もレイ・ブライアント、パーシー・ヒース、フィリー・ジョー・ジョーンズという同郷のメンバーでの録音。ゴルソンといえばゴルソン・ハーモニーで知られるが、この盤はあまりハーモニー重視ではない普通のハードバップ盤で私には好感だ。ゴルソン・ハーモニーが合うのは、ファーマー、フラーで、モーガン「Vol.3」もゴルソン・ハーモニー盤とされてはいるが、モーガン自身はあまりハーモニーに関係なく演奏している気がする。ここでもモーガンは、自由に快調にプレイしていて、ゴルソンが一方的にハーモニーをつけている。最新版CDは、ジャケを変え、フランスのトランペッター、ロジェ・ゲランの「ロジェ・ゲラン=ベニー・ゴルソン」から5曲中4曲を持って来て追加しているのは、余計なお世話で全く嬉しくない。
1958年11月19日
Bandstand
おすすめ度
hand ★★★★
Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
超有名盤「モーニン」録音後にJMはヨーロッパツアーに出る。これはオランダでの海賊録音。正規盤が「オランピア」と「サンジェルマン」。海賊は他にスイスのチューリッヒの2枚組がある。モーニンのメンバーは黄金時代のように言われるが、ゴルソンは約2ヶ月で退団し、ティモンズもキャノンボールに行ったり戻ったりで長くは在団していない。モーガンは3年近く在団している。ホールでの録音なので、サンジェルマンの熱気はないが端正な演奏ではある。③アイリメンバークリフォードは名演(hand)
1958年11月22日&12月17日
おすすめ度
hand ★★★★☆
しげどん★★★★☆
Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
パリのオランピア劇場での58年11月22日と12月17日の2回のコンサートの記録。2000人収容の大ホールだ。サンジェルマンのようなクラブ演奏に比べ、ホールの演奏はややかしこまった感じになりやすい。とはいえ絶好調のメンバーによる快演が収められ、サンジェルマンよりもコンパクトで入門者向きとも言える。ゴルソンはJMの黄金時代のメンバーとして知られるが実際の在団期間は短く58年10月末からの2か月程度ではなかったのかと思う。しかも、11月は自盤「フィラデルフィアンズ」を録音したほか、ブレイキーの未発盤「ドラムス・アラウンド・ザ・コーナー」には参加していない。つまりモーニンのスタジオ録音とヨーロッパツアーとサントラ録音だけの参加なのだ。そして12月21日の有名な「サンジェルマン」がラスト。多分、ファーマーとの双頭バンドのジャズテットでリーダーとして活躍したかったのだと思う。(hand)
この時期のメッセンジャーズの名盤といえる一枚。モーニン録音直後の欧州遠征で、サンジェルマンの直前とも言える時期のコンサートだから、演奏レベルが悪いはずはない。一枚のLP全7曲入りだが、すべてが有名曲で、7曲入りの割には演奏も短くはないので、買い得盤と言えるのでは?モーニンなどは充分な演奏時間をとったソロが聴けるので、ブルーノート盤、サンジェルマンのライブなどと聴き比べると、微妙な差異が面白い。(しげどん)
1958年12月4日
Solar Records
おすすめ度
hand ★★★★
Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
これも比較的新しく発掘されたチューリッヒのコンサートホールでの録音。2枚組なので、オランダの倍くらい入っている。JMのこの時期の2④マイファニーバレンタインが珍しいと思う。(hand)
Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
JMが仏映画「殺られる」のサントラに参画。いい曲も入っているがサントラで曲が短いのが残念なところ。(hand)
映画にマッチさせるべくベニー・ゴルソンが既存曲をアレンジしている職人芸的な手際の良さはすごいけど、テーマ旋律だけの短い曲が多いサントラ向きの音楽。即興的なブルース3曲だけではモーガン、ゴルソン、ティモンズのソロが聴ける。 一方で抱き合わせで収録されている「危険な曲がり角」はノーマン・グランツが企画したので、JATP的な大物の無駄使い的な演奏。こちらのほうは私のような古いテイストが好きな向きには楽しめるジャズなので、こちらの評価を加えてC+とした。でも、最後のライオネル・ハンプトンのドラムソロなどは、好きだけれど果たして映画音楽に使えるのだろうか?(しげどん)
1958年12月21日
RCA France
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
3枚とも素晴らしく飽きさせない。スタジオ盤モーニンを熱いライブでやってみせたような盤。もしかしたら、スタジオ盤を超えている。あえて推薦盤から外すこともあり⁈(hand)
私が高校生の頃、それほどレコードが擦り切れるほど繰り返し聴いたレコードで、モーガンとボビーティモンズのソロはほとんど記憶している。モーガンの輝かしいソロはもちろん素晴らしいが、名曲「モーニン」でのボビー・ティモンズのソロは歴史的な熱演として名高い。この黒っぽいピアノソロの迫力はすごく、モーニンの出来栄えはブルーノート盤をはるかにしのぐSクラスの名盤。(しげどん)
Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
2020年発掘された1959年3月正規録音盤。この時期のモブレー入りの盤は、「ジャズ・コーナー」だけだったので貴重だ。しかも、内容がとても良く、なぜ発表されなかったのかが理解できないくらい素晴らしい。ジャズコーナーも知られざる名盤だが、この盤も地味ながら、今後、人気が出ることが期待できる盤だと思う。(hand)
「AT The Jazz Corner of The World」と同メンバーによる貴重な発掘盤。ライブで演じられていたモブレーのオリジナル3曲はすべて収録されている。ベニー・ゴルソンからハンク・モブレーに代わった第一作になるはずだったのに、ライブ盤が先に発売され、このスタジオ盤は見送られたのだろうか?とにかく内容は素晴らしい。タイトル曲「Just Coolin’」は、初リーダー作(BN5066)でも演じられていたので、興味がある方は聴き比べをおすすめしたい。(しげどん)
Curtis Fuller (tb),Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts),Tommy Flanagan(p),
Paul Chambers(b),Elvin Jones(ds),Benny Golson (1, 3, 4 & 5), Gigi Gryce (arr:2 & 6)
6曲中4曲にベニー・ゴルソンがアレンジで参加。2曲はジジ・グライス。テナーはハンク・モブレーだ。ゴルソンアレンジ曲は、ゴルソンがいなくてもゴルソンハーモニーが強烈だ。リー・モーガン、フラー、モブレーのフロントは一時期のJMと同じだが、雰囲気は全く違う。(hand)
ジャケットデザインからしてとても地味なイメージなのだが、メンバーはすごい。フラー&モブレー&リー・モーガンで、ピアノはトミー・フラナガンである。アルバム単位ではアレンジを云々する向きもあろうが、ジャズはやはりソロイストの世界なので、メンバーの個性が味わえるこのような作品は好きだ。私はモブレーが好きなので彼を味わえるオーソドックスなジャズとしてとても好きなテイストだが、各メンバーのソロがもっと白熱していれば名盤化したかもしれない。(しげどん)
Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts), Bobby Timmons(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
このライブは演奏の質ではサンジェルマンを超えるJM最高作かもしれない。JMのライブはやたらとあるので、この2枚組(アナログ初出はVol.1、Vol.2の2枚)まで手が伸びず、しかもモーニンのような当時のヒット曲が入っていないので見過ごされてきたんだと思う。2020年に「Just Coolin'」が発掘されるまで、JMこのメンバーでの唯一の作品だし、ゴルソンやショーターよりモブレーが好きな私好みの作品だ。もちろんリーモーガンも出色の出来栄え。(しげどん)
モブレーとモーガンが相性よく共演した隠れ名盤。バードランド、ボヘミア、サン=ジェルマンなどブレイキーのライブ名盤の陰に隠れ、あまり聞かれていないと思う。2枚組だし!お腹一杯でここまで到達する人は少ないはず。あえて今、おススメしたい!(hand)
Hip Sippy Blues、モブレーのノリの良いソロ、モーガンのつんざくメロディラインで完成度が高い。JUSTICE、ドラムに続き、鉄人28号登場シーンの様に、ジャズの巨人が近づいて来る不気味な感じが期待感を抱かせる。2枚組なのに、あっという間に聞き終わってしまう魅力盤(ショーン)
リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代・・・このページ
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり