ルウドナは、後期に入るとサイドマンとしての活動がほとんどなくなります。サイドというよりもゲストとして数曲参加する形が基本となります。
Jimmy Smith(org), Lou Donaldson(as), Quentin Warren(gr), Donald Bailey(ds), "Big" John Patton(tambourine)
62年2月、スミスと4年ぶりの共演で、続いてきた共演のラスト盤(85年のBN復活祭での共演はある。)となる。60年代になり、2人の共演は同じでも、音楽はかなり変化してしまっている。ポップで明るい雰囲気がこの盤には横溢している。50年代の2人の共演に好感を持った私も、少し距離を置き始めたくなる内容だ。ルウドナの楽器自体は良く鳴っている。ルウドナは、この盤を最後にリーダー盤中心に活躍することとなる。この後、80年のレッド・ガーランドとの来日公演(バッパーとしてのルウドナ復活時)まで18年間サイド参加はなくなる。(hand)
Red Garland(p), Lou Donaldson(as:5,10), Jamil Nasser(b), Jimmy Cobb(ds)
レッド・ガーランド・トリオとの来日公演時のガーランドのスタジオ録音に2曲ゲスト参加。翌日の公演がルウドナ名義の「ファイン&ダンディ」だ。この盤では、⑤バーモントの月、⑩ストリートオブドリームスといずれもバラードを艶やかな音色で吹いている。この盤以降、久しぶりにゲスト参加盤が散見されるようになるが、いずれも数曲にゲスト参加する形で、全面にわたるサイドマンとしての盤はない。(hand)
Mose Allison(p,vo), Lou Donaldson(as:4), Eric Gale(gr), Jack Bruce(b), Jimmy Cobb(ds)
ピアノ&ボーカルのモーズ・アリソンのモントルー・フェスでのライブに、ルウドナが1曲ゲスト参加。曲は④ユー・アー・マイ・サンシャイン。明るいあの曲を想像すると、アリソンによりマイナー調にアレンジしなおされ、詞は同じでも元メロは消えている。アリソンの歌に続いてルウドナのソロが登場する。これがまた意外にもカッコいい。ルウドナはカッコつけたソロはあまり吹かない人だと思っていたが、ここでは場面に合わせていて、さすがだ。マクリーンのレフト・アローンを思い出した。盤全体としては、アリソンのボーカルを聞く盤なので、好みは分かれる。(hand)
⑥:Lou Donaldson(as), Jimmy Smith(org), Kenny Burrell(g), Grady Tate(ds)
85年2月のブルーノート復活祭ライブにジミー・スミス、ケニー・バレル、グラディ・テイトのオールスターで参加。人気曲のブルース・ウォークとセンチになっての2曲をメドレーで演奏している。ルウドナは好調そうで、気持ち良さそうに吹いている。(hand)
Cedar Walton(p), Philip Harper(tp), Steve Turre(tb), Lou Donaldson(as), David Williams(b), Billy Higgins(ds
「アート・ブレイキー・レガシー」(Evidence)と「バンビーノ」(同)はタイトルも似ていないが、同じ2日間のスイートベイジルでのライブだ。現在は、「アート・ブレイキー・レガシー」(テイチク)のタイトルの2枚組も出ている。シダー・ウォルトンのレギュラートリオに若手をフロントに迎えたブレイキーへのトリビュート盤だ。ルウドナは各盤に2曲、計4曲ゲスト参加している。1③のルウドナがブレイキーに捧げたオリジナル・ブルースと2③イフ・アイ・ハド・ユーをワンホーンで。懐かしい「バードランドの夜」を思い出す1④スプリット・キックと2②ウィー・ドットでは、ルウドナは驚くことに衰えを見せない。さすがリーダーのシダーは若手の活用で単なる懐古趣味盤にはしていない。(hand)
Junior Mance(p), Keter Betts(b), Jackie Williams(ds)
Arturo Sandoval(tp:2,3), Lou Donaldson(as:2,3), Etta Jones(vo:6,7)
ジュニア・マンスには、船上でのフローティング・ジャズ・フェスに何年も出演していて、ライブも何枚も出ている。この盤は、98年にルウドナがトランペットのアルトゥーロ・サンドバルとともに2曲ゲスト参加した記録。②ナウズ・ザ・タイム、③コンファーメイションというパーカーのビバップ曲を演奏。(hand)
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