1981年から1998年までの作品を紹介します。ミルトは1999年10月9日に79歳で亡くなっていますので、晩年の作品群にあたります。ミルトは最後まで衰えることなく精力的に録音を残しています。
ミルト・ジャクソンの作品をレビューしています。下記より該当ページにお進みください。
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Milt Jackson(vib),Oscar Peterson(p),Ray Brown(b),Grady Tate(ds)
サイドがピーターソン、レイ・ブラウン、グラディ・テイトなので、ビッグ4的な内容だ。ピーターソンがリーダー格で、ミルトでなくジョー・パスの時にビッグ4と呼ぶのだろうか。手数の多い巨匠が集まってゴージャスで賑やかな演奏だ。元気な演奏なので、ちょいくつろげないかもしれない。(hand)
Milt Jackson(vib),Monty Alexander(p),Ray Brown(b),Mickey Roker(ds)
「モストリー・デューク」と同日のロンドン、ロニースコッツのライブ録音。多分、こちらが先行発売なので第一集。コルトレーンの①インプレッションズから始まる。ミルト、モンティ、レイ、ローカーというメンバーなので、モーダルとまでは行かないが、ミルトのソロを含めて盤全体に多少新しい感じがする。タッド・ダメロンの④グッドベイトもコルトレーン曲とも言えるので、もう少しコルトレーン曲があればもっと面白かったかもしれない。(hand)
Milt Jackson(vib),Monty Alexander(p),Ray Brown(b),Mickey Roker(ds)
ロンドン、ロニースコッツでの2日間のライブからエリントン曲を中心に集めた1枚。残りも「ロンドン・ブリッジ」として発売されているが、「ブリッジ」のほうが、先に88年に発売されているので、91年発表のこちらが残りかもしれない。いずれにしても内容がいいライブだった証だろう。ミルト、モンティ、レイ、ローカーというレギュラーとも言えるメンバーなので、緊密度は高く、快演が楽しめる盤だ。「ロンドン・ブリッジ」に比べて、モンティの活躍の比率が高い。(hand)
Milt Jackson(vib),Monty Alexander(p),Ray Brown(b),Mickey Roker(ds)
「ロンドン・ブリッジ」、「モストリー・デューク」の4日後の同じメンバー、同じロニースコッツで、2か月前に亡くなった巨星モンクを偲んだ盤。メンバーに気合いが入っていて、ライブながら素晴らしい企画盤になっている。後半は、⑤ジャンゴなどモンク曲ではないが、MJQ以外でのこの曲は珍しい。82年のミルトは一皮むけてよりモダンになった感じがする。(hand)
スリー・サウンズで知られるジーン・ハリスは、同トリオ解散後の後期は、レイ・ブラウン・トリオのピアニストとしての活動が目立っていて、「レッド・ホット」は私のお気に入り盤だ。レイを仲立ちにミルトとの共演が実現したと思うが、残念ながらこの1 回だけに終わっている。所属レーベルの関係かもしれない。エレピも弾いているのは好き好きがあるがフュージョンにはなっていないのはいい。演奏がグルーヴを獲得しているのも事実だと思う。(hand)
Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Cedar Walton(p),Mickey Roker(ds)
ミルト=レイ・カルテットの来日時にスタジオ録音された2枚組。CD発売されているが、元々はレーザーディスク用の録音(録画)だと思う。ミルトが全曲参加ではなく、ピアノやベースもフィーチャーして飽きさせない盤になっている。一部エレピも悪くない。全体として勢いがあり、いい演奏だと思う。ライブもして、スタジオでも真夜中にセッションして、どれだけエネルギーを持っている人たちなのか本当にすごいと思う。(hand)
Milt Jackson(vib,vo),Ray Brown(b),Cedar Walton(p),Mickey Roker(ds),増田一郎(vib④)
「ミッドナイト・セッション」が元々レーザーディスク用と思われ、この日の録音をいい音でのCDをもう1枚、というのがこの盤だと思う。「ミッドナイト・セッション」全15曲から6曲が共通で、違うのは3曲。同じバイブの増田一郎が参加した④キャプテンビル、ミルトの歌入りの2曲③浮気はやめた、⑦サムワンアイラブ。増田のレーベルGMLからの発売で、友情出演ならぬ友情録音かもしれない。金蒸着で音がいいことで知られる。ただし、値段はちょい高い。⑥カーニバルの朝のベースの野太い音が凄い。(hand)
Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Cedar Walton(p),Mickey Roker(ds)
来日メンバーでの「ミッドナイト・セッション」とかなり似た内容で録音した正規盤。日本での録音は日本限定発売なので、好調なメンバーの記録を帰国後にパブロに公式に残したと想像する。同一曲も多く、エレピの使用も含めてよく似ていると思う。(hand)
1985.5.17
Pablo
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おすすめ度
hand ★★★★
Milt Jackson(vib),Harold Vick,Jimmy Heath(ss,ts),Joe Pass(gr:4),Cedar Walton(p),Bob Cranshaw(b),Mickey Roker(ds)
後期になり10年以上在籍したパブロのラスト盤で、この後、3年間リーダー録音がなくなる。内容は、ハロルド・ヴィックとジミー・ヒースがソプラノとテナーで参加。どちらも同曲には同楽器で参加が多いのは面白いが全曲参加ではない。④サドン・デスのみなぜかジョー・パスが参加し、ブルージーな感じを出している。盤に久々にハードバップの香りがするのはいいと思う。唯一の問題はボブ・クランショウのベースがアコベなのにアンプを通してエレベのような音色になっていること。レイ・ブラウンがあまりにいい音なので、比べてしまう。(hand)
Milt Jackson(vib),Jon Faddis(tp),J.J. Johnson(tb),Jimmy Heath(ts),Cedar Walton(p),John Clayton(b),Mickey Roker(ds)
パブロを離れ、3年ぶりのリーダー盤はアトランティック系のイースト-ウエストから。ビバップとは原点に帰ったということか。ジョン・ファディス、JJ、ジミー・ヒース、シダー、ジョン・クレイトン、ローカーというセプテット。昔のものをやるなら、何か新しい要素がないか考えるというのはミルトには適用してはいけない考え方だ。ミルトは時代の変化を超越した名匠なのだ。ビバップの新録音として楽しめればいいと思う。昔はいなかったファディスがプレイしているだけで十分新しいし、パブロではありそうもない企画なのだ。マイルスがいつも新しいのと別の意味でミルトもいつも新しい。(hand)
Milt Jackson(vib),James Moody(fl),Jimmy Heath(ss,ts),Cedar Walton(p),John Clayton(b),Kenny Washington(ds)
インパルス盤のような風貌のジャケだが、ジャズ・ヘリテッジというマイナーレーベルからの盤。ジェームス・ムーディがフルートで参加。常連のジミー・ヒースのソプラノ&テナーと組んでいい味を出している。ドラムが若手のケニー・ワシントンに交代している。シダー・ウォルトンの活躍が目立ち、特にシダー曲②ホリーランドが素晴らしい。(hand)
Milt Jackson(vib),Oscar Brashear(tp),George Bohanon(tb),Jeff Clayton(as),Gary Foster(ts,fl),Ronald Brown(ts),Jack Nimitz(bs,b-cl),Cedar Walton(p),John Clayton(b,arr),Billy Higgins(ds)
+Strings,Jeremy Rubbock(arr)
クインシーがメジャー、ワーナーと作ったレーベル、クエストからの盤。クエストに晩年5年間所属することになる。この盤はプロデュースもクインシー。コルトレーン作の①レバレンスとミルト作の⑪コンパッションを組み合わせて作った「尊敬と思いやり」のような意味のタイトルの盤。ストリングスとオーケストラが入っているが、CTIほどイージーリスニングな感じにはならない控えめな使い方だ。(hand)
Milt Jackson(vib),Joshua Redman(ts:1,3-5,8,12),Cedar Walton(p),John Clayton(b),Billy Higgins(ds),Joe Williams(vo:3,4,12)
クエストからの第2作。前作にも参加していた、シダー、ジョン・クレイトン、ビリー・ヒギンズがトリオでサポート。一部にテナーのジョシュア・レッドマン(1,3-5,8,12)とボーカルのジョー・ウィリアムス(3,4,12)が参加。レッドマンはワーナー系の所属で参加なのかもしれない。レーベルの特性なのかマイルドに録られていてやや不満だ。プレスティッジのロリンズのような気迫と音でミルトに挑戦してほしかった。ウィリアムスのベイシーバンドのようなボーカルの必要性は理解できなかった。ミルトはどんな状況でも変わらない。楽器の特性なのか、本人の性格なのか、多分、両方だろう。(hand)
Milt Jackson(vib),Nicholas Payton(tp:1,5,8),Jesse Davis(as:1,5,8),Joshua Redman(ts:1,5,8),Benny Green(p),Christian McBride(b),Kenny Washington(ds)
クエストからの第3作。ベニー・グリーン、クリスチャン・マクブライド、ケニー・ワシントンという若手リズム隊がサポート。3曲に3管が参加。ニコラス・ペイトン、ジェシー・デイビス、ジョシュア・レッドマンというこちらも若手。年齢を感じさせないミルトのバイブが若手バンドを相手に駆け巡る感じだ。72歳ながら、いつもより若々しい感じもある。若手3管も複数いることで、お互いを刺激し合っている。クエスト盤では一番印象がいい。(hand)
Milt Jackson(vib),Michael LeDonne(p),Bob Cranshaw(b),Mickey Roker(ds),Etta Jones(vo:1,4,6)
クエストからの第4作は、74歳のミルトがビリー、エラ、ダイナなど過去の歌姫たちに捧げた作品。マイク・ルドン、ボブ・クランショウ、ミッキー・ローカーのサポートで、3曲①④⑥にエタ・ジョーンズのボーカルが入る。 たった3曲とはいえ、エタの歌はインパクトがあり盤の印象を決定付けてしまうので、全曲入れるのか、全く入れないのかのどちらかにしたほうが良かったように思う(私は不要派)。(hand)
Milt Jackson(vib),Bobby Rodriguez,Byron Stripling,lay Jenkins,Oscar Brashear,"Snooky" Young(tp),George Bohanon,Ira Nepus,Isaac Smith,Maurice Spears(tb),Maurice Spears(b-tb),Jeff Clayton,Keith Fiddmont(as,fl,cl),Ricky Woodard(ts),Charles Owens,Ricky Woodard(ts,cl),Lee Callet(bs,b-cl),Jim Hershman(gr),Bill Cunliffe(p),Christoph Luty,John Clayton Jr.(b),Jeff Hamilton(ds)
クエストからの第5作で最終盤。そして、現時点(2021.7)での最後のリーダー作。人気のビッグバンド、クレイトン=ハミルトン・オーケストラとの共演盤で、ミルト自らがプロデュースも手がけている。リーダー盤ではあまり演奏することがなかった代表曲①バグス・グルーヴから始まる気合いの入った盤で、ビッグバンド好きにも満足できる仕上がりになっている。(hand)
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