ウエス・モンゴメリーの発掘盤のページの続きです。
レア音源が多く、販売サイトへのリンクがないものはそのように表記しています。
Wes Montgomery (g), Harold Mabern, Martial Solal (p)
海賊盤中の海賊盤という感じの盤。アナログ時代は真っ白ジャケに色紙にモノクロ印刷した写真が糊着けされていた。音もそれなりに悪い。そんな音源が2003年にスペインのデフィニティブからCD化された。CDタイトルは「インクレディブル・ジャズ・ギター」。何と初期名盤と同タイトル。何を考えているのかわからない。ただ、演奏は猛烈に素晴らしい。「ソリチュード」と同じ、ハロルド・メイバーンらがメンバーで、渡欧直前の演奏だ。①キャラバンが珍しい選曲で、激しい演奏だ。その他はいつもの選曲だ。後半は、「イン・ヨーロッパ」とダブりだ。(hand)
Wes Montgomery(g), Harold Mabern , Stan Tracy(p),Arthur Harper, Rick Laird (b),Jackie Dougan , Jimmy Lovelace (ds)
1965年、渡欧時のロンドンでのBBC放送用の録音。半分は画像(DVD)もあると思う。パリ録音の「ソリチュード」と同様にウエスの調子はいい。①West Coast Bluesの短いフェイドアウトはいらない感じ。②以降は「ソリチュード」的な内容が続くが、放送用なのでソロは短めで、オーディエンスの違いかやや熱気が劣る。④ラウンド・ミッドナイトのウエスは素晴らしく、聞く価値がある。 (hand)
1965年3月?Philology
※リンクはありません
おすすめ度
hand ★★★★☆
Hans Koller, Johnny Griffin, Ronnie Scott(ts),Ronnie Ross (bs)
Wes Montgomery(g)
Martial Solal(p),Michel Gaudry(b),Ronnie Stephenson(ds)
①②③⑧は、クリード・テイラーのストリングス的なビッグバンドではなく、ヨーロッパの第一線ミュージシャンによるモダン・ビッグバンドとの共演だ。ビッグバンド好きにも楽しめる唯一の盤かもしれない。選曲もいつもと違い、共演のバリサク、ロニー・ロスの曲を冒頭2曲やっている。ウエスがメインだが、ウエス以外のソロも多く、短いが素晴らしい。ウエスの珍しいフレディ・グリーン的なカッティングも聞かれる。⑧ウエストコースト・ブルースのビッグバンドは珍しい。④⑤⑥⑦は、いつものようなカルテット演奏。グリフィン選曲と思われる⑥ブルー・モンクは珍しい。CDが入手困難と思われ、再発が待たれる。(hand)
1965年4月2日
Bandstand
※リンクはありません
おすすめ度
hand ★★★☆
Clark Terry(tp),Wes Montgomery(g),Pim Jacobs(p),Ruud Jacobs(b),Han Bennink(ds)
オランダでの大御所クラーク・テリーとの共演。共同リーダーのような感じで、ソロはテリーから始まる。バックは、ピム・ヤコブ・トリオ。日本盤は、「ソリチュード」と同じハロルド・メイバーン・トリオと記載されているものもあるが、間違いだと思う。クラーク・テリーは、名人ながら、コレという名盤のない人。熱狂的な部分がなく、中間派的な淡々としたプレイがウリなのだと思うが、モダン好きには物足りなく感じる。(hand)
Wes Montgomery(g),Stan Tracey(p), Rick Laird(b), Ronnie Stephenson(ds)
イギリス国営放送BBCのための録音。ハロルド・メイバーンらではなく、スタン・トレイシーらイギリス人トッププレイヤーとの共演。ウエスは、慣れた曲の演奏なので、バックが変わってもいつもどおりだ。トレイシーは、セロニアス・モンク的なフレーズを入れるなど余裕のバッキングをしている。タイトル曲⑥ボディ&ソウルは名演だ。(hand)
68年にウエスが亡くなり、各盤の落穂を集めた盤(「バンピン」「テキーラ」「カリフォルニア」「ジミーとウエス」から)。CD時代になり、残りテイクは元盤におまけとして追加するようになり、このような盤は存在価値を失ったと思うが、聞いてみるとアレンジが弱いのか意外と聞きやすい(笑)。(hand)
Wes Montgomery(g),Wynton Kelly(p),Larry Ridley, Ron Carter (b),Jimmy Cobb(ds)
1965年は、欧州楽旅での「ソリチュード(イン・パリ)」、米国内では「ハーフ・ノート」とライブ的にはウエスのピークの年だ。最高傑作は62年の「フル・ハウス」だと思うが、62年のライブは同盤しかなく、ブート(海賊盤)も含めると65年には米欧で大量の録音があり、ウエスが絶好調だったことを意味している。ヴァーブに移り、ストリングス入りのコマーシャルな正規盤ばかりスタジオ録音するストレスをライブで発散したのかもしれない。「ウィロー・ウィープ」のようにライブにもハサミを入れストリングスをかぶせて発売したクリード・テイラーはジャズ的には悪代官のような人物だ。この盤は、まさに欧州から帰国し、ハーフノート・クラブにウィントン・ケリーのトリオと何度も出演したラジオ放送のブートで、名盤「ハーフノート」のアウトテイク集のような内容だ。同盤では聞かれない曲も多数あり名盤を聞いた後のマストブートと言えるが、やはりブート的な音質であることは仕方ない。(hand)
Wes Montgomery(g),Wynton Kelly (p),Jimmy Cobb (ds).
発掘盤だが内容も音も良く、ウエスの純ジャズ盤としてはラスト盤(涙)。レゾナンスというレーベルは新興発掘レーベルながらものすごい作品へのこだわりでクオリティの高い盤を次々と出してくれて感謝だ。この盤は、ウィントン・ケリーのトリオとの最後の共演盤でもある(再涙)。10曲中4曲ケリートリオだけの演奏①②⑥⑦も入っていて、ケリーファンにも貴重だ。⑨サンバは、「ソリチュード」でもヒアズなどボサのリズムで演奏されたことはあるが、よりポップに近づいた印象を持つ。(hand)
1967~1968年
A&M
おすすめ度
hand ★★★
A&M3枚の盤のアウトテイク集だ。ウエスのプレイは悪くないが、イージーリスニングジャズとしか思えない。(hand)