Bobby Timmons おすすめCDレビュー  サイド作② 1958 年

ティモンズは、1958年にJMに加入し、モダンジャズの重要作「モーニン」のタイトルである同曲を作曲・録音し、ファンキーピアニストとしての地位を確立した年です。JMで欧州ツアーも行い、快進撃が始まります。


10 TO 4 AT THE 5 SPOT / PEPPER ADAMS

1958.4.15

Riverside

おすすめ度

hand        ★★★★☆

Pepper Adams(bs),

Donald Byrd(tp:1,3-5), Bobby Timmons(p), Doug Watkins(b), Elvin Jones(ds)

バード=アダムス・クインテットでオリジナリティを感じられるティモンズ

バード=アダムス・クインテットの初盤。リバーサイドのレーベル初ライブ録音のようだ。ティモンズは、徐々に一皮ずつ剥けて、オリジナリティを獲得しつつあり、ここでのプレイにはそんな自信が現れているように感じる。④ヘイスティング・ストリート・バウンス、では、ファンキーではないが、ブロックコードを使ったソロもとり、とてもいいと思う。2人のフロント、ワトキンス、エルビンにも勢いがあり、聞いていて気持ちいい盤に仕上がっている。(hand) 



BLUE LIGHTS VOL.1 & 2 / KENNY BURRELL

1958.5.14

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Kenny Burrell(gr), 

Louis Smith(tp), Tina Brooks, Junior Cook(ts), Duke Jordan, Bobby Timmons(p), Sam Jones(b), Art Blakey(ds)

米盤はピアニスト別に編集されVol.2がティモンズ

バレルの談義の時に聞いて以来、久しぶりに聞いた。良質なハードバップとは再認識したが、米盤は、ピアニスト別に編集されていることに気づいた。バレル談義時は、日本盤のオリジナル盤の曲順が望ましいと書いたが、米盤のピアニスト別も悪くないと思えた。あの時も、米盤Vol.2が親しみやすいと書いたが、こちらがティモンズ編だった。CD上ではブレイキーとの初顔合わせ盤であることにも気付いた。ティモンズはケリー的なスインギーな要素も持つソニー・クラークのような感じで、理想的なハードバップのピアニストになっている。バレル曲③ロック・ソルト、で将来を予見させるようなソロを弾いてはいるが、5か月後の「モーニン」では完全にアーシーでファンキーなスタイルを身につけて登場というのは、この時点の演奏では、なかなか想像できない。ティモンズにどのように化学変化が訪れたのかは、聞いた限りでは謎が多い。やはりJMのマジックなのであろうか。※日本盤CDでは、ティモンズとデューク・ジョーダンのピアノがVol.1,2に分散している。 (hand)



MOANIN' / ART BLAKEY

1958.10.30

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★★  

Art Blakey (ds),

Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)

ティモンズ=ファンキーが確立した盤

改めて大名盤を再認識した。ただし、④ドラム・サンダー組曲、はいつも飛ばし聞きしていたので、初めてきちんと聞いた。悪くはないが、また聞きたいとまでは思えなかった。これは減点要素だが、他が素晴らし過ぎるので満点に変わりはない。⑥カム・レイン、のようなスタンダードも、このメンバーで演奏するとファンキー曲になるのはやはりすごいことだと思う。ティモンズ=ファンキーが確立した盤と言える。最近のCDには、モーニンの別テイクがオマケで入っていて、ベテランファンにも楽しめると思う。 (hand)



DRUMS AROUND THE CORNER / ART BLAKEY

1-6:1958.11.2

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★☆ 

Art Blakey(ds),

1-6:Lee Morgan(tp), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b), Philly Joe Jones, Roy Haynes(ds), Ray Barretto(conga)

ブレイキーのドラムが中心の発掘盤

発掘盤。「モーニン」の3日後に録音されたにもかかわらず、内容的には何のつながりもなく、ブレイキーのドラムを聞く盤。とはいえ、「モーニン」④ドラム・サンダー組曲、のようなドラム至上主義的な曲ばかりではなく、①ムーズ・ザ・ムーチェ、のような親しみやすいメロディの曲も入ってはいる。モーガンもティモンズも悪くないが、ドラムの時間が圧倒的に長い点だけはつらいところだ。特にティモンズのソロは、後ノリ感が強まりいい感じだ。ブレイキーには失礼かもしれないが、ドラムソロが始まったら、ドラムファン以外は早送りして聞けばいいのかもしれない。(hand) 



LIVE IN HOLLAND 1958 / ART BLAKEY

1958.11.19

Bandstand

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

JMのヨーロッパ・ツアー初日の録音

スタジオでの超有名盤「モーニン」録音後にJMはヨーロッパツアーに出る。オランダが多分、これが初日で、その時の海賊録音。正規録音は「オランピア」と「サンジェルマン」。海賊は他にスイスのの2枚組と近年発掘の10日後の同じオランダの2枚組がある。ホールでの演奏のせいか、クラブのサンジェルマンほどの熱気はなく、やや端正な演奏になっている。①モーニンでのティモンズのソロは、素晴らしいが、やはりサンジェルマンほど神がかってはいない。「ニューポート」との2in1盤にも収録されている(hand)



OLYMPIA CONCERT / ART BLAKEY

1958.11.22 & 12.17

Fontana

おすすめ度

hand        ★★★★☆  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

JMのパリ・オランピア劇場でのコンサート記録

パリのオランピア劇場での58年11月22日と12月17日の2回のコンサートの記録。2000人収容の大ホールだ。サンジェルマンのようなクラブ演奏に比べ、ホールの演奏はややかしこまった感じになりやすい。とはいえ絶好調のメンバーによる快演が収められ、サンジェルマンよりもコンパクトで入門者向きとも言える。ティモンズは、②アイ・リメンバー・クリフォード、でかわいらしいソロを弾く。(hand)



LIVE IN SCHEVENINGEN 1958 THE LOST RECORDINGS / ART BLAKEY

1958.11.29

FONDAMENTA

おすすめ度

hand        ★★★★☆  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

2018年発掘のオランダ、スヘフェニンゲンのコンサート録音

多分、一番新しく2018年発掘のオランダ、スヘフェニンゲンのコンサートホールでの録音の2枚組で、音もいい。10日前と同じ会場での録音「ライブ・イン・オランダ」に対し、こちらは2枚組で曲は倍くらい入っている。やはり、コンサートホールでのお行儀のいい観客なので、ティモンズが激しくソロを弾いても掛け声もかからないのは少し残念なところ。JMとしては珍しいが、ティモンズはジミー・メリットとマイ・ファニーをデュオ演奏する。この日は、ゴルソンが調子がいいように感じる。(hand)



LIVE IN ZURICH / ART BLAKEY

1958.12.4

Solar Records

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

2009年発掘のスイス、チューリッヒのコンサート録音

比較的新しく2009年発掘のスイス、チューリッヒのコンサートホールでの録音の2枚組。ブレイキーのMCがレディース・アンド・ジェントルメンと言っているが、言葉どおりお行儀のいい観客で、静かに真面目に鑑賞しているように思う。音は悪くはないのだが、ベース音がやや大きめの録音だ。 オランダに引き続き、2④マイファニーバレンタインは、ティモンズとジミー・メリットのデュオ。ティモンズのバラードをかったるいという人もいるようだが、なかなかいい出来だと思う。(hand)



ROGER GUERIN & BENNY GOLSON

1958.12.18

仏Columbia

おすすめ度

hand        ★★★  

Roger Guérin(tp),

Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Pierre Michelot(b), Christian Garros(ds), Michel Hausser(vib), Martial Solal(p:5)

JM渡欧中のゴルソンとティモンズのアルバイト録音

JM加入後のパリ公演中のゴルソンとのアルバイト録音。元は10インチLP。モダンジャズを象徴する1曲でもあるティモンズ作の②モーニンが収録されている。同時期のJMでの演奏ほどの熱量は感じない。3日後にサン=ジェルマンで爆発するティモンズ火山は何の兆候もない。この同じ12月18日にJMは「殺られる」のサントラを録音しており、疲れていたのかもしれない。③ブルース・マーチなどJM曲を演奏はしているが、ブレイキーとモーガンがいないと、着火しないのかもしれない。ラスト⑤ノット・シリアス、だけはピアノが元気なのだが、ティモンズではなく、マーシャル・ソラールだった。ゴルソンもなしで、バイブが参加しており、別の日のセッションと思われる。



DES FEMMES DISPARAISSENT / ART BLAKEY

1958.12.18 & 19

Fontana

おすすめ度

hand        ★★

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

JM参加の仏映画「殺られる」のサントラ盤

JMが仏映画「殺られる」のサントラに参画。いい曲も入っているがサントラ曲なので、作りかけで終わっているような感じで短いのが残念なところ。ゴルソンがたった2か月で退団せずに、これらの曲を完成させてこのメンバーでスタジオ盤を録音していれば、「モーニン」クラスの名盤がもう1枚生まれていたかもしれない。たらればの話だが、ゴルソンが結果的にあまり売れなかかった自己リーダーのジャズテットに走らなければ可能性はあった気がする。⑨などティモンズのバド系のソロが聞かれる曲もある。(hand)



AU CLUB ST.GERMAIN / ART BLAKEY

1958.12.21

RCA France

おすすめ度

hand        ★★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Benny Golson(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

JMを代表する歴史的なジャズクラブ録音の名演

他のヨーロッパ録音との最大の違いは、コンサートホールではなく、ジャズクラブでの録音ということだと思う。観客のノリが全く異なり、紳士淑女に対しオーディエンスというか、それ以上にメンバーを鼓舞する会場にいる共演者のようでさえある。3枚とも素晴らしく飽きさせない。最初から最後までファンキー全開の盤で、この盤をメインにティモンズを聞いた人は、ティモンズ=ファンキーと思ってしまったとしても仕方ないと思う。ティモンズのソロはシングルトーン、ブロックコードのいずれかにかかわらず、例の釘打ち連打式のソロになっている。バップ的な曲でも、この日はバドやソニー・クラークのようには弾いていない。(hand)



JAZZ FOR YOUNG MODERNS / TONY ORTEGA

1958-1959

Bethlehem

おすすめ度

hand        ★★★  

Tony Ortega(as,ts,cl,fl),

1-5:Ray Starling(tp,Mellophone), Jimmy Cleveland(tb), John Hafer(ts,b-cl), Jay Cameron(bs), Bobby Timmons(p)

マルチリード奏者トニー・オルテガのリーダー盤

マルチリード奏者のアンソニー(トニー)・オルテガのリーダー盤。マルチリードというのはアルトだったりテナーだったり、場合によってはクラやフルートをメインに盤を出していたりするので、収集・整理する側にはとても面倒な人だ。スティットをアルトにするかテナーにするかだけでも悩ましいのだから。この人は、さらにアンソニーとトニーの盤もあり、非常にややこしい。この盤は、やや中間派の香りと、チコ・ハミルトンやジミー・ジュフリー的な前衛性も多少感じる。そして、マルチリードを多重録音している盤のため、ティモンズはほぼ目立たない。(hand)