Bobby Timmons おすすめCDレビュー  サイド作⑤ 1960 ~ 1961 年

ティモンズ再加入後のJMは、モーガンやショーターの活躍もあり快進撃を続けます。そして、1961年正月の伝説の日本公演を迎えます。


A NIGHT IN TUNISIA / ART BLAKEY

1960.8.7 & 14

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆ 

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

「チェニジア」よりもオリジナル曲に良さがある盤

タイトル曲①チュニジアは、昔聞いて、モーダルで予定調和的なアレンジが好きになれなかった。改めて聞いても印象は変わらない。拍子木のようなクラベスの使い方があまり好みではないのと、やはりこの曲は破天荒な感じの演奏が合うと思う。珍しいピアノソロのない演奏だ。ショーター曲②シンシアリー・ダイアナ、は標準的なハードバップ曲で、ティモンズはバド系のソロで対応。③ソー・タイアドは、ティモンズ作の新しいタイプのファンキーな感じの曲。モーガンのジャズロック名曲、サイドワインダーに通じていく感じがある。ティモンズがのびのびとファンキーなソロを弾く反面、ショーターは若干、居心地の悪そうなソロだ。④ヤマ、⑤小僧のワルツ、はモーガンの2曲で、いずれも標準以上の出来で、ティモンズは従来型のソロで適合している。CD追加曲⑥⑦の⑥は歌もの、⑦は②の別テイク。⑥ホエン・ユア・ラバーのティモンズのソロは軽やかで、かわいらしい。(hand) 



LIKE SOMEONE IN LOVE / ART BLAKEY

1960.8.7 & 14

Blue Note

おすすめ度

hand      ★★★☆

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

「チュニジア」の同日録音だが残り物感はない。

「チュニジア」と同時の60年の録音だが発表は67年。チュニジアは翌61年発表なので、残り物なのかもしれない。実際、聞いてみてどうか?特段のキラーチューンはないが、演奏のクオリティは高い。冒頭の①ライク・サムワン・イン・ラブを聞くと、音楽監督のショーターは少しずつモーダルな方向に持って行こうとしているが、ティモンズが一番対応できていない従来型のソロを弾いていて、ショーターとは合わない感が出始めていると思う。モーガン曲②はファンキー系だがスピード感のあるモーガンらしいカッコいい曲で、ティモンズは適合している。③④⑤はショーター曲で、モーダル度がだんだんと高くなって、ティモンズの居心地が悪くなる前兆が出始めていることをティモンズのソロを聞くと感じる。美しいバラード④スリーピング・ダンサー、はショーターとティモンズが最大に歩み寄り、いい出来になっている。ブレイキーは、従来型のファンキー曲はシャッフル気味に、新しいショーター曲はタイトにと、叩き方を変えて対応している。メリットも十分に対応している。⑥は④の別テイクで、本テイクに比べるとティモンズが苦戦している感がある。(hand)



MORE BIRDLANS SESSIONS / ART BLAKEY

1960.9.11, 10.28 &11.5

Fresh Sound 

おすすめ度

hand        ★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

60年のJMのバードランド海賊盤

60年のJMのバードランドの4回のライブからの7曲。①レスター・レフト・タウンのみ6月4日でピアノがウォルター・デイビス。他6曲は9〜11月でティモンズだ。ティモンズは、3月6日の「ビッグ・ビート」から復活していて、この6月4日とそれ以前の4、5月も含む「アンフォゲッタブル・リー」はティモンズなので、デイビスの飛び入り参加と考えるのが自然なのかもしれない。「アンフォゲッタブル・リー」と比べると音が悪い。2枚組「アンフォゲッタブル・リー」では、Disc 2になっている。(hand)



MEET YOU AT THE JAZZ CORNER OF THE WORLD VOL.1 & 2 / ART BLAKEY

1960.9.14

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

ショーター加入後だが従来型ハードバップの秘境盤

有名盤「モーニン」から聞き始めても「アット・ザ・コーナー」にまでたどり着く人も少ない中、さらに少ないと思われるのが、この「ミート・ユー」まで到達する人だ。「スリー・ブラインド・マイス」になるとモーダル好きなまた別の人が聞き始めるので、「ミート・ユー」はショーターは入ったが、曲は基本的に従来型ということで秘境盤となっている。だが、聞いてみると、私のような保守的なモダン好きには決して悪くない。「モーニン」や「サンジェルマン」が歴史的名盤過ぎるのだ。ここではライブの観客が従来型のJMを期待するので、ショーターもハードバップをやるしかない状況が私には嬉しい。ティモンズは、スタジオ盤と違い、水を得た魚のようなソロを弾いてはいるものの、特にVol.1ではソロ自体の回数や時間が少なめに感じる。(hand)



LIVE IN STOCKHOLM 1959(1960) / ART BLAKEY

1960.12.6

DIW(Dragon)

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

ジャケは1959だが、1960年のストックホルム録音

「ストックホルム1959」というCDは2種類ある。どちらも元はドラゴンで日本盤はDIWから出ている。日本盤CDのジャケは黒赤とピンク青の2種あり、ジャケ記載のメンバー、録音月日、場所まで同じで、曲が違うだけだ。調べてみるとピンク青は1960年の間違いで、1960年12月6日録音。メンバーはピアノがウォルター・デイビスではなくティモンズで、ゴルソン曲⑤アロング・ケイム・ベティではティモンズらしいソロをとっている。 ショーターはモーダルにしたいようだが、ティモンズ、ブレイキーらは従来型の演奏を繰り広げている。それでもティモンズのソロは以前のような泥臭さは薄まり、洗練されてしまっているように感じた。(hand)



LAUSANNE 1960 PART 1 & 2 / ART BLAKEY

1960.12.8

TCB

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

TCBからのラジオスイスの放送用音源の2枚

発掘盤だがTCBのラジオスイス放送用音源なので音がいい。ビバップ曲 1①ナウズ・ザ・タイムから始まり、ティモンズ、ブレイキーらは本領発揮という感じだ。また、「モーニン」からティモンズ曲のモーニンが演奏されず、キャノンボール・バンドのティモンズ曲のダットデアとジスヒアが演奏されているのが面白い。ゴルソンの色を消したかったのかと想像する。キャノンボール曲もモーガンが吹くとブレイキーのドラムと相まってJMらしい曲になるのは不思議ではある。(hand)



A DAY WITH ART BLAKEY 1961 / ART BLAKEY

1961.1.2

Baybrige

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

伝説の1961年正月のJM初来日公演の記録

1981年に発掘発売された、伝説のJMの初来日公演の記録。61年の元旦に来日し、翌2日のサンケイホールでの録音。本場の生演奏によるモダンジャズの日本の夜明けを記録した貴重な音源だと思う。蕎麦屋の出前がモーニンの口笛を吹いたことが有名だが、その音源はブルーノート盤ではなく、サンジェルマンのライブだったことが知られている。日本人は、BN盤以上に熱くファンキーなモーニンを聞いてしまっていたので、この生演奏は、少し洗練されて聞こえたのではないかと想像する。とは言っても会場の熱気はすごい。サンジェルマンとメンバーで違うのはゴルソンとショーターだけなのだが、音楽監督の違いはサウンドに影響を与える。ティモンズのピアノも、ブロックコードはやはり使っているものの、サンジェルマンのようなアーシーでファンキーなプレイではなく、サウンドは理知的で洗練されている。(hand)



TOKYO 1961 / ART BLAKEY

1961.1.11

Somethin' Else

おすすめ度

hand      ★★★☆

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b),

Big Band:Nobuo Hara Sharps & Flats(1,6)

来日公演中のテレビ出演記録

来日公演中の1月11日にTBSテレビに出演した記録。1989年に発売された。冒頭①モーニンとラスト⑦ブルース・マーチは、原信夫とシャープス&フラッツが共演していて、モダンでカッコいいバッキングをしている。元の東芝CDは、現在入手困難となり、「ア・デイ・ウィズ」とカプリングされた2枚組「トーキョー1961:コンプリート・コンサート」としてソラーから出ている。曲順が変わりモーニンとブルース・マーチは最後にまとめられている。録音順なのかもしれない。ティモンズのプレイは、洗練されたバド系ピアニストという感じがする。1965年のロンドン公演と組み合わされたDVDも発売されている。(hand)



FIRST FLIGHT TO TOKYO / ART BLAKEY

1961.1.14

Blue Note

おすすめ度

hand        ★★★★  

Art Blakey(ds),

Lee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Bobby Timmons(p), Jymie Merritt(b)

60年後に発掘された1961年1月14日日比谷公会堂録音

2021年12月10日、なんと録音から60年後に発売された1961年1月14日に日比谷公会堂で録音された日本公演の音源。ドキュメンタリー映画用に録音されたが、映画のお蔵入りでフィルムが破棄され、不明となったマスターテープが2017年に発見された。そしてなんと米国ブルーノートから全世界発売となった2枚組。ドキュメンタリー映画用と言っても、JMには関係なかったようで、選曲は1月2日とほとんど変わらないが、各曲は長めで、各人のソロもかなり長めに入っている。ティモンズは、いつものブロックコードのほか、高音部を多用したかわいらしいソロを弾いている。ブレイキーのドラムソロもいつもより長めだ。 (hand)