Dexter Gordon (ADDENDA)     デクスター・ゴードン主要作5  補遺

デクスター・ゴードンのHP作成時点では未聴だった作品(主に発掘作)を追加でこのページに記載していきます。デクスター・ゴードンは1976年に復帰し、再度脚光を浴びましたが、復帰後の作品はここでは取り上げておりません。

しかし60年代までの録音でも発掘された音源がかなりあるため、追加のページを作成しました。




Loose Walk/Dexter Gordon  ルーズウォーク/デクスター・ゴードン

1965年6月24日

Steeple Chase

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-Henning Ørsted Pedersen(b),Alex Riel(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。ピアノがケニー・ドリューに交代。渡欧前にも55年の「ダディ・プレイズ・ホーン」、61年の「デクスター・コーリング」、渡欧後は64年に「ワン・フライト・アップ」でスタジオ共演している。本盤以降は、ライブが多いせいか、多分5割以上ドリューになるのではないかと思う。80年代に日本人プロデューサーのK氏に見込まれるまでのドリューは、リーダーもサイドもいい仕事をしている。③降っても晴れても、はデックスには珍しい選曲だが、この盤では輝いている。ドリューもペデルセンもいい。⑦ルーズ・ウォークは、ブルース・ウォークのこと。タイトル曲なのにフェイド・アウトは驚く。アレックス・リールが快調なので残念だ。ラスト曲は新シリーズではフェイド・アウトが多い。(hand)



Misty/Dexter Gordon   ミスティ/デクスター・ゴードン

1965年6月24日

Steeple Chase

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-Henning Ørsted Pedersen(b),Alex Riel(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。ドリュー、ペデルセン、リールがこの頃のモンマルトルのハウス・リズム・セクションなので、息は非常に合っている。4曲入りとはなっているが、④チーズケーキは、例によって1分程でフェイド・アウトで、残り3曲が15分程度の長尺。タイトル曲③ミスティはバラードで眠くなるかと思ったが割といい(笑)(hand)



Heartaches/Dexter Gordon   ハートエイクス/デクスター・ゴードン

1965年8月5日

Steeple Chase

おすすめ度

hand  ★★★☆

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-Henning Ørsted Pedersen(b),Alex Riel(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。タイトル曲①ハートエイクスは、この盤以外で聞いたことがない。特段いい曲でもない(笑)。②デヴィレットは、2年後の「モンマルトル・コレクション」ではカッコいいと思ったが、ここでは普通。聞き比べてみると、モンマルトルのほうがかっきりしている。最初からライブ盤にするつもりで録音したかどうかの違いだと思う。ラストの⑤ソー・ホワットはデックスには意外な選曲だが、モーダルなこの曲を上手くこなしている。ただし、ベースソロでフェイド・アウトするのは残念。(hand)



Lady Bird/Dexter Gordon  レディ・バード/デクスター・ゴードン

1965年8月19日

Steeple Chase

おすすめ度

hand  ★★★☆

Dexter Gordon(ts),Donarld Byrd(tp),Kenny Drew(p),Niels-Henning Ørsted Pedersen(b),Alex Riel(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。ドナルド・バードとの共演盤。前年の「ワン・フライト・アップ」以来だ。バードは他のメンバーとも馴染んでおり快調に飛ばす。ただ、録音が音は悪くないのだが、ライブ盤を意識したマイク使いではないのが残念なところ。②ソー・ホワットは、前作「ハートエイクス」と違いフェイド・アウトせずに収録されている。ドリューは、モーダルなこの曲に慣れないのか、ウィントン・ケリー風のソロになっている。(hand)



Stella By Starlight/Dexter Gordon  ステラ・バイ・スターライト/デクスター・ゴードン

1966年1月6日

Steeple Chase

おすすめ度

hand  ★★★☆

Pony Poindexter(as,vo),Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-Henning Ørsted Pedersen(b), Makaya Ntshoko(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。ディスコグラフィー上では1966年はこの録音しかない。64、65、67が多数あるので不思議だ。ちなみ68がゼロで70以降も多い。今後、スティープルチェイスがまだまだ発掘盤を出す可能性はある。この盤も発表は2005年だ。アルトのポニー・ポインデクスターが加わり少し毛色が変わった盤になっている。リズム隊は、アレックス・リールがマカヤ・ンチョコに代わっている。タイトル曲①星影のステラは、マイルスのゆったりバージョンや後年のナベサダの早いバージョンもあり、私はナベサダの「パーカーズ・ムード」(1975)の演奏が気に入っている。デックスが選んだのは速いテンポだ、デックス、ポインデックスともに好演している。ただ、ポインデックスのバップボーカルが入っていて私はあまり好みではない。③サテン・ドールはあまり2管向きのテーマメロではないと思う。⑤ラウンド・ミッドナイトは、デックスのワンホーンで名演だ。(hand)



The Squirrel/Dexter Gordon  ザ・スカラール/デクスター・ゴードン

1967年6月29日

Blue Note

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Bo Stief(b),Art Taylor(ds)

モンマルトルでの67年のライブが30年後の97年にブルーノートから出されたもの。ドリュー以外は、ベースがボ・スティーフ、ドラムがアート・テイラーになっている。②スカーラルは、タッド・ダメロンのバップ曲。④チーズケーキは、ブルーノートが出そうと思ったのが理解できる20分超の熱演快演だ。(hand)



Satin Doll/Dexter Gordon  サテン・ドール/デクスター・ゴードン

1967年6月29日

Steeplechase

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Bo Stief(b),Art Taylor(ds)

ヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズ。ここに至ってラジオランド・シリーズVol.14の表記がなされた。ということはヤズフス(ジャズハウス)・モンマルトルと書かれたシリーズもラジオランド・シリーズに追加されたのだと思う。本盤はブルーノート盤「ザ・スカーラル」と同日録音のスティープル・チェイス盤で2012年発表。BN盤とどちらが残りなのかわからないがこちらもいい出来の盤。この日のデックスは好調だったのだと思う。アート・テイラーを迎えてうれしかったのかもしれない。(hand)



Jazz at The Highschool  ジャズ・アット・ザ・ハイスクール/デクスター・ゴードン

1967年8月5日

Storyville

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-henning Ørsted Pedersen(b),Al Hearth(ds)

スティープル・チェイスが途切れ、ストリービルからの高校でのライブ。なぜ高校なのか?聴衆が高校生なのか、デックスも若々しい元気はつらつのプレイをしている。選曲も手堅く、デックスの好きなまったりとした色気たっぷりのものは選んでいない。③ソサエティ・レッドは、終わる数分前にウォーターメロンマンに変わり会場受けする。④フォー・オール・ウィー・ノウ、高校生からこんなロマンチックな演奏が聞けるなんて、この学校の生徒はしあわせだ!(hand)



Those Were The Days/Dexter Gordon  ゾーズ・ワー・ザ・デイズ/デクスター・ゴードン

1968年3月,5月

おすすめ度

hand  ★★★★

Dexter Gordon(ts),Kenny Drew(p),Niels-henning Ørsted Pedersen(b),Al Hearth(ds)

①ソイ・カリファは、「ハイスクール」と同音源で、67年8月5日録音。②レインボー・ピープルは、この時期よく演奏された明るい曲でスティープル・チェイスからは同名のタイトル盤がある。71年で月日不明。③悲しき天使、ポール・マッカートニーがプロデュースしたメリー・ホプキンの大ヒット曲。69年4月の「タワー・オブ・パワー」にも収録。69年9月8日録音で次曲も同じ。④フライド・バナナもこの時期の多演曲。盤全体に内容はいいが音は少々悪い。MOONという海賊盤レーベルからはさらに2曲多い盤が出ている。元々は寄せ集めの海賊盤を素敵な紙ジャケにして日本で正規発売するというのはどうなのかと思う。初心者がマストの名盤と誤解してしまうのではないか?海賊盤には海賊盤らしい悪役っぽい顔があると思う。(追記)その後、MOON盤を入手。追加2曲は、S.S.J.盤とはまた違う日付で、メンバーも違う。1曲はスウェーデンのミュージシャンとのいそしぎを情感たっぷりと。もう1曲はトランペットのレッド・ロドニーの入った72年のパーカー曲ブジー、ビバップ演奏で快調だ。(hand)



※デクスター・ゴードンの追加作品が多く、1ページでは収まり切れないため、次のページにさらに補遺として発掘盤を追加掲載していきます。

Addenda(補遺)2ページに続く


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