アダムスの中期の盤です。60年代後半は、サド=メルの低音担当、そしてソロイストとしての活動が中心だったと思われます。70年代に入ると、ワンホーンのリーダー盤の録音に目覚めた感があります。多くのリーダー盤が吹き込まれ、カミソリやナイフと言われたアダムスのソロを堪能できます。
・新宿ジャズ談義の会 :ペッパー・アダムス CDレビュー 目次
・Pepper Adams CDリーダー作②・・・このページ
Pepper Adams(bs),
Thad Jones(tp), Bennie Powell(tb:5,7,8), Charles McPherson(as:5,7,8), Zoot Sims(ts:5,7,8), Hank Jones(p), Bob Cranshaw(b:5,7,8), Paul Chambers(b:1-4,6,9), Danny Richmond(ds)
アナログ時代のタイトルはPlays The Music Ofだったが、CD化で単なるPlaysとなった盤。正直なところ、内容は悪くはないとは思うが、これを聞くなら、ミンガス盤自体を聞くと思う。ミンガス本人が一部立ち合いレコーディングされた曲もあるなどミンガス盤に近い立ち位置の盤ではあるのだが…ミンガス本人が参加した盤のワイルドな迫力にはどうしても追いつかない。ミンガス盤以上にアダムスの音が聞きたい人には適した盤ではないかと思う。(hand)
Pepper Adams(bs), Thad Jones(flh),
Duke Pearson(p), Ron Carter(b), Mel Lewis(ds)
サド=メルのデビュー盤に参加したアダムスとサドとの共同盤。元々デトロイト人脈で共演してきた2人の盤だ。トランペッターとしてのサドは、中間派の余韻を感じてしまい、あまり共感していない私だが、アダムスとの相性はいいと思う。②HアンドTブルースがハードボイルドで好印象だ。⑥チャントは、ピアソン作のバード=アダムスのオハコ曲。アレンジが多少凝っているが、バードのほうがいいと思う。アダムスのソロ自体は悪くない。(hand)
Pepper Adams(bs), Dizzy Gillespie(tp), Ray Nance(vln),
Chick Corea(p), Richard Davis(b), Mel Lewis(ds:1,3,4), Elvin Jones(ds:2)
厳密にはアダムスのリーダー盤ではないと思うが、リーダー的立場の1人として参加したセッションではあると思う。やはり先輩格のディジーが目立つことは事実で、ディジー盤として発売されたこともある。①ブルース・フォー・マックスのマックスは、ローチかゴードンだろう。ディジーのトランペット、レイ・ナンスのバイオリンとソロが続く。雰囲気は、なぜかミンガス、そしてエリントンだ。再びディジーとなり、次にアダムスがやっと出てきて安心する。アダムスにしては、ゆったりしたソロだ。②以降もソロオーダーはほぼ同じで、フロント3人のソロ回しを楽しむ盤になっている。④はナンスがとても良く、エリントンバンドではなかなか聞かれない素晴らしさだ。その後のディジーのソロでは、どんどんファンキーになり、JMのアー・ユー・リアルのような雰囲気となる。レイ・ナンスは、スイング時代の人と思っていたし、実際そうなのだろうが、ここでのモダンジャズへの適合度は、とてつもなくて、モダンを超えてフリーの領域にまで達しようかとするほどだと思う。アダムスのソロは、②③④がいい。スタンダードはあまりやらない人だか、アダムスのスタンダードが私は好きだ。④はCD追加テイクで、他曲もハサミを入れられていたようなので、CDが絶対にオススメだ。(hand)
レイ・ナンスは懐かしい名前。ガレスピーといい、ふつうにソロを楽しめれば充分だと思える良いメンバーで、退屈しないで聴ける楽しいライブ盤。ジャケットのイラストはテナーサックス、クラリネット、ギターと、演奏で出てこない楽器が描かれていて、どうでもいい話かもしれないが、テキトーすぎるな~、と気になるのだ。(しげどん)
ヴァイオリンの弦楽器と、バリトンサックス、トランペットの管楽器の音競演が、JAZZを超えた独特の緊張感のある音楽世界を構築している。日曜の昼下がり、少し暗い部屋から外の眩しい光を感じながら、軽く昼呑みしたくなるような、そんな気だるい感覚を味わうことのできるとてもユニーク無二の1枚だ。(ショーン)
Pepper Adams(bs), Dizzy Gillespie(tp), Garnet Brown(tb),
Chick Corea(p), Richard Davis(b), Mel Lewis(ds)
Vol.2となって、同日録音のだがVol.1のレイ・ナンスがトロンボーンのガーネット・ブラウンと交替し、ディジーとチック以外の6人中4人がサド=メルからの参加となる。①スイート・ジョージア・ブラウンからスタート。ソロオーダーがアダムスから始まる。アダムスは、熱のこもったバリとは思えない高速ソロを吹く。2番手は、ブラウンで、これも素晴らしい。続くディジーのソロ、そしてディジーとアダムスのチェイスなど聞きどころ満載の16分超だ。②オン・ザ・トレイルは、ディジーのソロからになる。アダムス、ガーネット、そして新人チック、次いでリチャード・デイビスの2人の多少前衛的なソロもなかなかいい。③トゥー・デ・フォースは、チックのソロがいい。ハンコック、キースと比べて私のお気に入り度は低いチックだが、このソロはいい。ジャケ表示は①16分台、②12分台、③9分台だが、私のCDは①②16分台、③12分台となっていて、アナログを持っていないので聞き比べはできないが、CD化でカットされていたソロが入っているようだ。いずれにしても、飽きることのない良盤だと思う。盤としては、レイ・ナンスの想像以上の活躍が聞けるVol.1のほうか面白いかもしれない。ただ、アダムスに限っていえば、Vol.2のほうが活躍する度合いが高く、トロンボーンのブラウンの活躍もあり、私はこちらをオススメしたい。(hand)
トロンボーンのガーネット・ブラウンはあまり知らない名前だ。スイート・ジョージア・ブラウンは、JJジョンソンがよく演じていたので、この熱い演奏はイメージがかぶるが、あまりほかに作品がないのはなぜだろう。前作同様に著名なスタンダードを名人たちがソロを競う楽しいライブ。(しげどん)
3管が疾走する演奏をメル・ルイスのドラムスが支えていて、スピード感に溢れるのあるアルバムだが、緩急に乏しく、少し単調に聞こえてしまうところがある。(ショーン)
Pepper Adams(bs),
Zoot Sims(ts), Tommy Flanagan(p), Ron Carter(b), Elvin Jones(ds)
ズート、トミフラ、ロン、エルビンというメンバーで吹き込まれたアダムスのリーダー盤。柔のマリガンに対して、剛のアダムスという感じで、ゴリゴリのバリのプレイを聞きたいという人が多いように思うが、ここでは珍しく、くつろいだアダムスの演奏になっている。エリントンのバラード2曲が特に印象に残る。②スター・クロスド・ラバーズももちろんいいのだが、ジョーヘンの④セレニティもいい。比較的ハードな曲もあるが、くつろいだアダムスを聞くのに最適な盤だと思う。ただ、ズートとの双頭的な雰囲気があり、もったいない感もある。(hand)
メンバーが一流揃いのオールスターキャスト。もちろん内容は悪くはないが、このメンバーを集めた割には、すごく良いかと言うと疑問の残る作品だ。あまり印象に残らない曲が多く、全員が主役というわけにはいかずそれぞれのソロはいいんだが、作品としては印象が薄かった。(しげどん)
Pepper Adams(bs),
Tommy Banks(p), Bobby Cairns(el-b), Tom Doran(ds)
ゼブ・フェルドマンらのリール・トゥ・リールからの2枚組発掘盤。カナダ、エドモントンにあるアルバータ大学でのライブで、アダムスにとっては4年ぶりのリーダー盤、ワンホーンではなんと初リーダー盤となり、アダムスがとにかくソロを吹きまくる。カナダの現地?ピアノトリオとアダムスの組合せで、トリオ3人とも有名ではないが腕は確かで申し分なく、ワンホーンでのアダムスのソロと音楽性を堪能できる。2枚組で、いや1枚だけでも、こんなバリの洪水のような盤はなかなかないと思う。サックスを吹いたことがある人は分かると思うが、バリは猛烈に沢山の息が必要で、これを轟音で吹きまくるアダムスは本当にすごいと思う。正規録音ではないので、1④ステラがソロの途中から始まるのは残念だ。ワンホーンに目覚めた時期と思われ、70年代に入り、アダムスはワンホーン録音が急増する。(hand)
ペッパー節全開の力強いライブ。CD二枚組を最後まで飽きさせずワンホーンでグングン聴かせるエネルギーは凄いと思う。ペッパー・アダムスの本質的な魅力をよく味わうには、このようなシンプルな選曲のワンホーンが一番いいのでは、と感じさせる。重たいバリトンサックスをこのように長時間吹ききる肺活量は尋常ではない。ヘビースモーカーで肺がんで早世したアダムスだが、命を削ったライブの金字塔的な作品と言える。(しげどん)
disc1は全体的に単調かつ物足りなさを感じる。ピアノがもっと強く出ても良い気がする。バリトンのパワーに負けてしまって曲のバランスを欠いている。ピアノのキレのある高音や、繊細でメロディアスな部分がバリトンと絡む形になれば、曲に潤いとメリハリが出たであろう。disc2は、うって変わって、迫力に満ち溢れた良い演奏だ。特に1曲目のoleoが素晴らしい。リラックスした雰囲気が伝わって来て、本来のライヴの良さを感じる。(ショーン)
1973.9.30
Spotlite
おすすめ度
hand ★★★★
Pepper Adams(bs),
Roland Hanna(p), George Mraz(b), Mel Lewis(ds)
英スポットライトから出されたアダムスのワンホーン盤。アダムス盤の中でも穏やか度の一二を争うような穏やかな盤だ。正確な表現ではないかもしれないが、同じバリ好きでも、アダムス好きとマリガン好きは相容れないと思うが、この盤はマリガン好きでも大丈夫そうな穏やかさがある。ハナ、ムラーツ、メル・ルイスというトリオもいいサポートをしていて、アダムスの破壊力を期待した人には向かないかもだが、これはこれでなかなか楽しめる盤だと思う。エフェメラの意味を調べたところ、短命なもの、のようだ。CD化が待ち望まれる。(hand)
Pepper Adams(bs),
Walter Norris(p), George Mraz(b), Makaya Ntshoko(ds)
ミュンヘン、ドミシルでのライブのエンヤ盤。「トゥエルフス・アンド・ピングリー」と同日録音。どちらも録音翌年の76年にリリースされているが、レコード番号が2060と2074なので、こちらが先発。「ジュリアン」が全8曲60分に対し、「ピングリー」は4曲40分とオマケ感がある。編成は、ノリス、ムラーツ、ンチョコというピアノトリオにアダムスのワンホーン。リリース用の共通解説では『カミソリ並みの切れ味でバリバリと切れ込むアダムス』と書かれているが、アダムスにしてはカミソリ度を抑えて比較的聞きやすい音で吹いている盤だと思う。ジュリアンとは、この5日前に亡くなったキャノンボールを指しているらしい。名盤とされているようだが、まずまずの出来だと思う。(hand)
Pepper Adams(bs),
Walter Norris(p), George Mraz(b), Makaya Ntshoko(ds)
ミュンヘン、ドミシルでのライブのエンヤ盤。「ジュリアン」と同日録音。同日録音の残り物なのか、ステージの第二部なのかはわからないが、私にはこちらのほうが親しみやすい。サド・ジョーンズの名曲②チャイルド・イズ・ボーンとモンク曲③ウェル・ユー・ニードントがいい感じで演奏されているのがその理由だ。ボサノバ曲④はアダムスにしては明るくて悪くないが、ンチョコのドラムソロはやや長め。(hand)
ワンホーンでアダムスのソロは堪能できるが、タイトル曲は曲調がやや凝りすぎなので、聴き込むのが難しい。このような凝った内容を好む向きにはいいと思う。好みの問題かと・・・。でもノリのいい「Bossa Nouveau」はこのあと何度も演奏しているので、彼もノリのいい曲を好いているんではと思う。(しげどん)
・新宿ジャズ談義の会 :ペッパー・アダムス CDレビュー 目次
・Pepper Adams CDリーダー作②・・・このページ
ジャズCD 15000枚所蔵しているモダンジャズマニアhand氏、高校生の頃からジャズにはまり40年以上聴き続けているアナログ&トラディショナル派のしげどん、元々はビートルズマニアだったのが二人に巻き込まれてジャズファンに染まったショーン氏。三人それぞれの視点でジャズを楽しく論じているページです。
おすすめCDを聴いてお感じになった感想、ご意見などは、こちらから
